※この作品はR-18です。

特務エスパー司書シリーズ   作:駒由李

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※鴎花前提のリバ、ぬるい花鴎です
お題は「リライト」(閉鎖されたようです)より。これにて終了。pixivより転載


【文アル腐】マッサージ・肩叩き【鴎花鴎】

 嘗ては按摩も医療の一環だった。実際、今日でもマッサージ師や整体は現代人の体を癒すものとして広く知られている。そこまで大袈裟ではなくとも、肩叩きは子が親にする孝行のメジャーなものとされていた。

 花袋も、最初はただの厚意だった。

「先生。肩を揉みましょうか」

 本を読んでいた森が頻りに腕を回すのを見て見かねた花袋はいった。森は肩を押さえながらも最初は断った。

「大したものじゃない」

「でも先生はただでさえ日本刀を腰に下げてるのに、戦闘だと槍を振り回してるでしょう。いざ肩が痛くて戦えないってなったら、悲惨な上に戦力低下に繋がりますよ」

 理詰めで攻めれば森はあっさり降参した。本を置いて花袋の前に椅子を持ってきて座る。

「それもそうだな。じゃあ任せよう」

「ひとまず肩叩きからいきますねー」

 いって拳を作ると、森の肩を叩きはじめた。すると想像していたよりも花袋ことにすぐさま気付く。

「うわ硬っ! 先生どれだけ我慢してたんですか」

「そんなにひどいか」

「自覚なかったんですか!? これからはオレが定期的に肩を揉みますから」

 言って直ぐに肩叩きから肩揉みに移行する。とてもではないが叩くだけでは解れそうにない。

 しかし指に力を加えた途端、森の体が僅か、ほんの僅かに跳ねた――気がした。首を傾げる。

「先生、大丈夫ですか」

「――問題ない。続けてくれ」

 何事もなかったように森は言う。振り返らない。首を傾げながらも揉み込んだ。

「……ふ」

 小さく。小さくだが息が漏れた。我知らず、首筋に迫るものがある。

 聞いたことがあった。強張った体は、揉まれて痛いうちはまだいい。真に凝り固まった体は、触れられるだけでくすぐったく感じる。森は恐らく、将にその状態だと花袋は判じた。

「――先生。気持ちいいですか」

 声に熱を孕んだ。それに気付いてか、森の返事は躊躇いがあった。その間も強く揉み込む。

「……あぁ、まあ」

「本当ですか。……随分、凝ってますよ」

「……大丈夫。だ」

 声が途切れる。詰め襟越しの首にも触れた。首を竦める。ここもくすぐったいらしい。首も揉み込んだ。するとやや背を撓めていることに気付いた。花袋は見えないにも関わらず、笑った。

「先生。背中を曲げられると揉みにくいです」

「……花袋くん」

「どうしましたか。先生」

 にこにこと笑って、顔を森の耳元に寄せた。

「何かありましたか」

「……もうやめてくれ」

「何でですか。まだ先生の肩は硬いし、俺も疲れてませんy」

「先生ー。寝台は空いていますか。……あれ。どうしたんだ」

 扉が開け放たれる。果たしてそこに立っていたのは室生だった。きょとんと目を瞬いている。

 途端。手から森の体がすり抜けた。

「何でもない。花袋くんに肩揉みをしてもらっていただけだ。――休むのかね。なら空いている」

「有り難う御座います。――田山さん。どうしたんだ」

「……別に」

 唇を尖らせ森を睨んだ。彼は素知らぬふりをした。

 ――ちょっと普段と違った、珍しい展開に持ち込めそうだったのに。

 今夜リベンジしよう。未練がましく森の肩を追った。

 

 

了

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