▼今イベント……凄いですね…………フルボイスで殴ってくる……
▼前に書いたはるだざ(https://novel.syosetu.org/107656/6.html)は井伏回想前にうpしたものでしたけどこの図書館は今回のイベント回想みたいな出来事が半年以上早く起きた図書館なんじゃないかと今更自己補填してます なのでこの図書館での今回のイベントは若干ノリが軽い あとこの図書館には今のところ井伏先生も安吾もいません いません…………
▼今イベントの第1会派は太宰・オダサク・春夫・白鳥の4名です なんではくちょさんかといわれれば編成に弓を入れたかったのと彼のレベル上げです深い意味はありません
休息。司書室にて、スマートフォンを手にしていた司書が、不意に傍らの佐藤に顔を上げる。
「佐藤先生。あなたと太宰先生の間にあったことがやっとわかりましたよ」
「……急に何の話だ」
「他の図書館だと今回の緊急任務で、同じ『太宰治』がうちより遙かにダメージを受けているそうで」
そういってスマートフォンを閃かせる。文章が画面いっぱいに羅列している。それが所謂巨大掲示板であり、複数の司書が1部をハッキングして勝手にネットワークを構築している、司書ちゃんねるなどと呼ばれているものであることを佐藤は知っていた。恐らく情報共有をしたのだろう。どうやらあちこちの国定図書館で今回の「斜陽」の浸蝕を止めるために活動を行っているとは館長から聞いていた。落ち着いて考えると同じ前世を持つ人間が図書館の数だけ存在しているということだ。不気味といえば不気味だが深く考えない方が精神衛生上良さそうだ。佐藤はひとまずそちらの考えを屑篭に放り込む。
太宰の関係者として今回の任務に駆り出されている佐藤は、司書の言葉に首を傾げた。
「たしかに今回の太宰はまた躁鬱の鬱に嵌り込んでいるが……あれぐらいならいつものことだぞ」
「それはあなた方が、恐らくは半年以上前に既に『4m以上の手紙』に纏わることについて揉めて解決していたからでしょう。――よその太宰先生は、今回の浸蝕で思い出したのが大半だそうですから」
「……そのことか」
いわれて前髪を掻き上げる。司書の「自分たちの間にあったこと」とは、自分と太宰のただならぬ関係に至るまでの経緯についていっているらしい。そういえば司書に話したことはなかった。世話になっているといっても、話すようなことでもないと思っていた。たしかに半年以上前、何かしらの切欠で同様のことを思い出した太宰が、自分を見て尋常ならざる様子を見せた。ゆえに放っておけなかったのだ。
聞けば、よその図書館では織田が間に入って合いの手を入れてくれて太宰を引き揚げたという。――自分たちは1対1の差しでなんとかした。その分時間はかかったしお互いに傷付いた。うまくできたかなんて自信がない。師匠として振る舞えたかもわからない。そして、以前から抱いていた太宰への心の棘と未練は、劣情と恋情にシフトしてしまった。
司書はチェシャ猫のように――先日の白い有碍書の元になった作品は読んだ――口の端を釣り上げる。
「仮に今、今回の任務で、あなたたちにとって半年以上前にあったことが起きたとしても、あなた方はどうにかしたと思いますけどね。――佐藤先生、あなた自身に下心があったとしても」
その言葉に、佐藤は眉をつり上げた。
「おい、あんた。何をどこまで知って」
「さーて、今の報告だと太宰先生は復活されたようで。今日の分の戦闘は終了です。お疲れ様。飯食って風呂入ってゆっくり休んでくださいね」
スマートフォンを仕舞い、提出された報告書を机の片隅に置く。そして立ち上がる司書。それに今日はもう業務は終いだと言外に告げられた。佐藤は言葉を飲み込んで、代わりに「いつか問い詰めるからな」と捨て台詞を吐いた。
そして司書室を出る。目に入ったのは鮮やかな赤。いつもの羽織りは脱いでいるが、頭の赤が激しく主張している。彼の手には風呂桶があった。
「春夫先生、一緒にお風呂に入りましょう」
「ちょっと待て。部屋まで戻るから。わざわざ待っていなくてもよかったんだぞ」
「先生と一緒に入りたかったんです」
いって、彼は――太宰は小首を傾げた。まったく、何事もないときは大人しいものだ。つくづくと思う。
それが数時間前のこと。
一人掛けのモスグリーンのソファ。佐藤はそこに深く腰掛けている。息は浅い。くつろげたスラックス。脚と脚の間に、赤い頭が佐藤自身にすり寄っていた――否、くわえ込んでいた。
「……太宰」
「先生の……何度見てもご立派ですね」
太宰はそそり立つそれに手を触れる。壊れ物に触れるがごとく。しかしそれは既に僅かに形作っていた。薄暗がりの中でも、猫めいた金色の目がよく見えた。その双眸が、蕩けるようにそれを見詰める。
手で大事に触れていた、それに舌が這ったのは唐突なこと。佐藤の体が思わず跳ねる。しかし構わず、太宰は根から先までゆったりと舐め上げた。それから、くわえ込む。
「んぐ……」
「太宰。……むりするな」
窘める声はうわずりはしなかったか。佐藤はそんな心配もする。だが太宰は聞いていないようだ。舌先で亀頭の形をなぞり、唇をすぼませ再び飲み込む。のどの奥に当たった感触がした。その間も、辿々しくも手は咥えきれない根の部分を擦り上げる。亀頭から絞り出る先走りと唾液が入り交じり、太宰の手が汚れるのが、佐藤の目にも見えた。それでも太宰は、恍惚とした目で師自身を口で舌で唾液で愛撫するのをやめない。まるでそれがこれ以上ない神聖な祈りとでもいうように。あるいは、マタタビを欲する猫のように。――後者の方がより淫靡だと感じるのは、佐藤も大概毒されていると気付いていた。しかし、それを止めることはない。
手を伸ばす。
「太宰」
なおも佐藤自身を舐る太宰の頭に手を伸ばした。編み込みのない方を触れる。そしてくしゃくしゃと頭をかき混ぜた。
自身から口を離し顔を上げる。金色の目に、こちらは苦笑の色を湛えた。
「……俺は、師匠失格だな」
(お前にこんなことをさせて嬉しいんだから)
すると、金色の目は細められた。猫が笑ったようだった。
「どんな先生でも、先生は俺の師匠ですよ。――こうして気持ちよくしてあげたいぐらい」
「っ太宰……」
そうして再びくわえ込む。忙しなく上下する手。亀頭をなぞる舌。くわえ込む唇――絶頂は遠くない。そうしたらそのときは、この体を持ち上げ、服の上からでもわかる細い腰を暴いてやろう。事前に、佐藤自身を咥えたいと言い出した太宰の言葉を反復しながら、佐藤は太宰の頭を撫でた。指通りのいい、手入れのいい髪だった。
了