▼「【はるだざ+男司書】「師匠失格だな。」」(https://syosetu.org/novel/107656/58.html)と同設定。斜陽イベントより半年ぐらい早くに今回の回想みたいなことが起きてる図書館。その過程で弟子に恋情と欲情を抱いてしまった師匠が葛藤の末門弟とデキちゃったっていうのがだいたいのあらすじです。ピースメーカー役のいぶせんも安吾もいないので不健全なまま関係に雪崩れ込んでます。
▼今回のイベントは本当カロリーが高すぎてしこしこ書かざるを得ません……罪深い……
pixivからの転載
先生。お元気ですか。俺は幸せです。
*
爪を立てる。にわかに、佐藤の背中に血が滲んだ。眉を顰める。
「……太宰。苦しいのか」
「……少し」
解かれたネクタイ。はだけたシャツ。脱がされたスラックス――脚を担がれ、将に佐藤が太宰の中に割り入れているところだった。縋り付いた背中は、前戯の長さのためだろう。しっとりと汗ばんでいる。それに太宰は陶酔する。あれだけ時間をかけて、自分の中を解してくれたのだ。――だから、今、予想外の重さに爪を立てずにはいられない。ゆっくりと息を吐く。
このところは仕事で忙しく、すれ違いが続いていた。それだけ、佐藤に柔らかく躾けられた体は強張っていった。それすらも、次が必ずあるとわかっていたからこそ太宰には嬉しかった。また、佐藤に一から解してもらえるのだから。事実、その通りに解されきった体は蕩けていた。半端に脱がされた服はしっとりと汗が滲んでいる。1度ならず達した太宰の体液に汚れもした。しかし太宰にはどうでもよかった。今、目の前。厚い体でのし掛かる相手の前では。
「……太宰」
甘く、低い声で耳を撫でられる。それだけで再び達してしまいそう。しかしぐっと堪えた。体の力を緩めなければ、佐藤自身が入らない。受け入れられない。それがなによりも苦しい。すると、徐々に徐々に、佐藤自身が侵入してくるのがわかった。息を吸って、大きく吐く。佐藤の背中に回した腕の力も緩めた。しがみつくことはやめられなかったけれど。
「……んっ……先生、入りましたか……」
「あぁ。――よく頑張ったな。全部入ったぞ」
「よかっ、――っ!?」
頭を、頬を撫でられた。その刹那。肩に痛撃。途端に太宰の最奥が締め付けた。腰が揺れる。
佐藤が太宰の肩に噛みついたのだ。口が離れる。漏れるのはうめき声だ。
「……太宰、締めつけすぎた」
「だっ……って、先生が噛むから」
「俺だって」
強く締めつけたままの秘部。太宰の甘やかな点も、佐藤のそれで内側から強くこすりつけられている。それに佐藤はなんとか腰を打ち付けると、囁いた。
「……お前に噛みつきたいほど、甘えたい」
「――仕方のない人」
背中に伸ばしていた手を、佐藤の頬に添える。そして太宰は、そっと優しく撫でた。肩の噛み痕を晒しながら。
佐藤も太宰も、そのまま何度目かの蠕動で達した。
図書館の一棟。自分たちに宛がわれた寮の一室。そこでシーツにくるまり眠る佐藤を、太宰は頬杖を突いて、頬を、頭を撫でていた。薬を使わずとも眠気がすぐそこにあったが、今はまだ佐藤を見ていたかった。
先生、お元気ですね。俺も幸せです。知っていますか。相手に噛みつくという行為は、相手に甘えているんだそうですよ。
(言葉の通りだったんですね)
「太宰」
「……起きたんですか」
不意に、その手を掴まれる。少し驚いて目を瞠っていると、体を引っ張り込まれた。同じシーツの中に包まる。抱きしめられ、逞しい胸に頭が沈んだ。
「お前も、もう寝ろ」
「……はい」
でも、もう少し甘やかしてあげたかった。そのほんのちょっとの本音を隠して、今は佐藤の腕の中に甘えることにした。久し振りに、気持ちの良い夢を見られそうだった。
了