お姉ちゃん帰ってくれた。
思春期じゃないと思うんだけど、なんでかな。突然触れないで欲しくなった。
私は関係ないって。
でも、もう態度は変えれない気がする。
維持しないと、ダメ。私がダメなの。
前に戻るくらいなら、死んだ方がマシって思えそうな。
姉が胸に顔を埋めた途端だったよ……。
――これから、どうやって過ごして、接したらいいんだろう。
妹が思春期入っちゃったと、あたしは再認識していた。
はう〜短かったなぁ、妹とご飯一緒に食べて……一緒に寝れたのに!
もっと、胸も触れて眠るべき、みんなも後悔がないよう、権力が行使出来る時に、触りまくろう!
と言いつつも、いつでも出来なくなるのは悲しい。
自然と涙が零れる。
『お母さんも、こんな、感じだったの、かな』
母に強く当たっていた時期があった。まぁ今は仲良く、地元の名産が届くレベル。
実際、妹は娘の様に見ていたから、突然ガン無視されるお父さんの気持ちだよ。
レッツ、猛アタック。
お年玉用の袋に、5000円札を2枚投入し、封をする。
水色だけど、良いよね。
勉強机でそんな事を済ませると、部屋を早足で抜け、妹の部屋に立つ。
『お姉ちゃんでーす』
ノックは忘れずに。
「ダメ」
二言で返された! そんな!
「開けまーす」
「ダメったらダメ!」
ドアの先には、ブラを着けてる妹が。
「別に気にしないよ〜って。はい、これ」
「なにそれ」
あたしは、妹にお年玉を差し出す。
「仲良く……しよ?」
「ダメ、帰って」
あえなく撃沈してしまう。
「体もオマケに……」
「そんな胸に興味無いです」
「おい」
胸以外にも断り方あるでしょうがぁぁあ!
「いいから帰って下さい」
「うぅ……」
背中を丸めて部屋を後にすると、ドアの所で考える。
どうしたら、仲良く?
しかも、敬語になってたし、他人モードじゃん。
あたしは……どうすれば!
「すっスズメ〜」
「――なんですか」
「あたし、後で出かけるから……」
「はいはい、行ってらっしゃい」
遮るように「一緒に行かない?」と声を出す。
「嫌です」
「1人じゃ寂しいのー。お願い! お願い!」
「無理」
「なんでも買ってあげよう! お姉ちゃんは心が広いもん! 胸じゃ比例しないもん!」
来てください! ヘイかも!
「……欲には負けます。行く時呼んでください」
「やったー! 嬉しいなぁ」
心を踊らせながら、自身の部屋に戻ると、着替えを済ませる。
緑のダウンジャケットと、白のミニスカにしてみるかな!
ニーソ? イエスですね。これで妹もイチコロ。
鏡を見ても可愛い! 猫耳付きのモコモコした白ヘッドホンでいいね。
『にゃー! にゃー……にゃ〜。何してるんだろあたし』
軽く猫の発声練習を済ませると、手を下ろし、ベットに転がる。
いやぁ、眠たいなぁ。寝るわけないけど?
転がってるだけだから! 本当に。
お姉ちゃん遅いなぁ〜。なんでだろ?
寝てる? ありえそう。
部屋に……恥ずかしいけど向かってみようかな。
白いパーカーに、青いジーパンでも良いでしょ?
下手にお洒落すると、あれだから。
部屋を後にして、歩きながら青いヘアピンを止める。
お姉ちゃんの部屋の前に立つと、ゆっくり開き、様子を伺う。
着替えはしてるみたいだけど、ベットに転がってる。
目を瞑ってるし、寝てる!?
『スズメぇ離れないでよぉ』
寝言まで……何か目の辺り光を反射してるな。
こっそりと、部屋に侵入する。
近づいてわかったけど、反射の正体は涙だ。
「あう……」
『ごめんね』
猫耳の付いたヘッドホンを撫でて、お姉ちゃんの唇を舌でぺろっと舐める。
名残惜しいけど、これで。
「誘った癖に、来ないなんてどういう神経してるんですか?」