※この作品はR-18です。

朝霧姉妹の百合物語   作:タクティス・ハルバード=レミィ

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朝霧姉妹のクリスマス1
1話>>プロローグ


 12月24日土曜日。クリスマスイヴですか、あたしには関係ないです。

 

 それを確信したのは、部屋の壁にぶら下がっているカレンダーに目が入ったからだ。

 

 妹が暇なら、一緒に何処か行こうかな。

 

 そんな事を考えながら、あたしは布団から離れ、青いヘアゴムを掴むと、髪を束ねて銀色のポニーテールに仕上げる。

 白いジャージを着て、胸を張っても私の胸は頼りない。

 

 カレンダーをよく見ても、何か描かれて……るわけじゃなかった。

 

 自由(フリー)であると共に、ボッチなのかも。

 

 最近、妹が構ってくれないからなぁ。

 

 勉強机に目もくれず、あたしはカーテンから光が差し込む部屋を抜ける。

 

 扉を開けた所で……おっと、妹ちゃんに遭遇してしまった。

 

『どっどうした? 我が妹よ』

 

 緊張か、口調が可笑しくなり、あたしは口を手で塞ぐ。

 

 面白そうに微笑む姿は姉として誇りに思うくらい可愛いね。

 

「お姉ちゃん……所でね?」

 

 スルーされたのは優しさなのかな。

 

「どうしたの? スズメ?」

 

 妹の名前は朝霧(あさぎり)スズメ、何故か前髪を青いヘアピンで留めている。

 

「……なんでもないや」

 

 スズメは振り返ると、背中まで伸びている銀色の髪が遅れて揺れる。

 

「あたしはあるんだよねー」

 

 見逃さなかったあたしは、手を掴む。

 

「なに? 別にお姉ちゃんなんかに興味無いよ」

 

「酷い! さりげなく酷いこと言われた……もし暇だったら、明日あたしと遊びにいかない?」

 

「特に予定は無いなぁ、恥ずかしいけど!」

 

 でもこれって、イエスなのかな? ノー?

 

「あたしも予定無くてね……で、どうなの!?」

 

『良いよ! でも、映画館は行きたいし、レストランとか行きたいなー! それくらいだから後はお姉ちゃんに任せよう!』

 

 スズメは胸を張る、ヒートネックを押し出すと言わんばかりに出ているのは羨ましいよ……本当に。

 

「返事いいね〜。欲しいプレゼントを聞こうか、妹様よ!」

 

 スズメはすぐにあたしの肩に手を置くと『お姉ちゃん』と言った。

 

「えー、それどういう意味ー?」

 

「お姉ちゃんが欲しいの!」

 

 あたし、朝霧カラスはもう死んでも良いかも。嬉しいんですけど。

 

「はいはい。いつか、ね?」

 

 スズメの手を払い、緩む唇に人差し指を当て、ウィンクしておこう。

 

「はぐらかし禁止! 逆にお姉ちゃんは何が欲しいの?」

 

「おおー、気が効くね。別にスズメのなら、なんでも良いから気遣いだけにしておきまーす」

 

「えぇ〜じゃあ……その日まで楽しみにしといてね?」

 

 困ったような顔をするスズメに笑顔で答えながら、あたしは妹を横切る。

 

 

 

 

 冬だからこそ、あたしは温水プールという選択肢を取ることにした。

 

 映画は妹様に聞いておく、レストランは三件入れといて、キャンセル待ちを狙うことに。

 

 ……キャンセル来なかったら絶望的だね。ホテル行って『あたしを食べて?』って言うしかないよ。

 

 そんなこんなで、クリスマスは妹様とデートする日になった。

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