タイトルからして思い浮かばなかったけど、内容は普通みたい。
黒髪ショートボブの女の子が、突然金髪に染め上げた長髪メガネっ娘を追いかける話?
お姉ちゃんは興味なさそうにポップコーンを食べてるし……。
「スズメ、ポップコーン食べて〜」
「食べ、まってなんでポップコーン咥えてるの」
「口でしようかと」
私は小さくため息をつく。
『いいよ。でも舌入れていい?』
「やり手かな?」
『待ってよ! なんで金髪になんかしたの!?』
私は、校則違反を犯して、退学になった女の子の手を掴む。
「は? 僕の勝手だろ?」
長くて、可愛かったあの子の面影はなく、金髪でボクっ娘になって……メガネをコンタクトにしたみたいだ。
振りほどく彼女は、歩き出す。
「あなたは……変わっちゃったのね」
無駄に、乗り気になった妹が怖い。
『お姉ちゃん……口を開いてよ』
椅子に座っているあたしの太ももに腰を下ろし、抱きついて、キスから突然舌を入れようとしてくる。
「入らないじゃんか……」
「そんなにガツガツ系だった? 妹様?」
「ダメ?」
「うん、ダメ」
映画館ってこんな事する所だったっけ。
スズメのほっぺを抑えて止めてるけど……強引に来そう。
「映画見る意味! ある?」
「ない」
「でしょ? リクエストしたのも君だし?」
「じゃあ、出る?」
「それはそれで無駄でしょ」
私の胸元に滑り込むと、上目遣いで訴えてくるし。
こんな妹にした覚えありません! 多分。
段々と顔が近づいてる気が。
「私の期待に応えてよ!」
「なんで怒られないと行けないの!? 欲望に忠実?」
「忠実だから……こうしてる」
どうして、あたしが受けなのか分からない。
「お姉ちゃんって……欲望のままに喰らい尽くすと、捨てちゃうのね」
「まって、そのセリフ何処の危険な恋に手を出したくせに後悔したマダム!?」
「ほぼそうじゃないかな?」
「否定出来ない……」
頬を伝う汗を気にも止めず、あたしは言い負けられそう。
僕が金髪に染めても、彼女は見かけてくる度に話しかけてくる。
いやじゃないのに、嫌だと言わないと行けない……!
『帰れよ、僕は用がない』
「私にはあるの。それさえ出来たらもういいよ」
「諦めがついて良かったよ。で?」
彼女は僕にゆっくり近づく。
「近いな」
顔が接近しているから分かっていたけど、何故か拒否出来ない。
『あっ』
もちろん、唇が触れ合う。
「ありがと、もう満足だから」
そう言うと、彼女は一歩下がると振り向いて帰っていく。
「卑怯だね」
今度は僕が追いかける番なのか。
『お姉ちゃん、口を開けてよ』
「嫌だけど……あーん」
最後の最後で負けてしまったカラスは仕方なく口を開く。
ちなみに「こんなにも愛してるのに……」と囁かれながら小指を口に入れられた、だけで負ける方にも問題がある。
「お姉ちゃん、あっさり負けたね。本当は求めてたんじゃ?」
「なんでそんなに攻めなモゴっ」
スズメは口でカラスの唇を覆う。
(やばい、舌が絡むし、不思議なくらい気持ちいい)
ズルズルと音を立てながら、スズメはカラスの舌に吸い付く。
「お姉ひゃん……もっと舌をだひて」
しながら言うスズメに、なにも言わず従うカラス。
(スズメって本当にこんなもんだった? 舌が凄い引っ張られて吸われて……あっいいかも)
最後の締めように、スズメはジュルルルとカラスの唾液を奪い尽くす。
「お姉、ちゃん、だいしゅきぃ」
息を荒くしながら、スズメは力尽なくスズメの胸にもたれかかる。
「まだ舌がネチネチしてるよ……どうするの。というか、映画館の意味!」
優しく撫でられて嬉しそうな妹は口角が上がっている。
「スズメの事、お姉ちゃんも大好きだからね!」