※この作品はR-18です。

朝霧姉妹の百合物語   作:タクティス・ハルバード=レミィ

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8話 クソみたいな映画

 タイトルからして思い浮かばなかったけど、内容は普通みたい。

 

 黒髪ショートボブの女の子が、突然金髪に染め上げた長髪メガネっ娘を追いかける話?

 

 お姉ちゃんは興味なさそうにポップコーンを食べてるし……。

 

「スズメ、ポップコーン食べて〜」

 

「食べ、まってなんでポップコーン咥えてるの」

 

「口でしようかと」

 

 私は小さくため息をつく。

 

『いいよ。でも舌入れていい?』

 

「やり手かな?」

 

 

 

 

 

『待ってよ! なんで金髪になんかしたの!?』

 

 私は、校則違反を犯して、退学になった女の子の手を掴む。

 

「は? 僕の勝手だろ?」

 

 長くて、可愛かったあの子の面影はなく、金髪でボクっ娘になって……メガネをコンタクトにしたみたいだ。

 

 振りほどく彼女は、歩き出す。

 

「あなたは……変わっちゃったのね」

 

 

 

 

 

 無駄に、乗り気になった妹が怖い。

 

『お姉ちゃん……口を開いてよ』

 

 椅子に座っているあたしの太ももに腰を下ろし、抱きついて、キスから突然舌を入れようとしてくる。

 

「入らないじゃんか……」

 

「そんなにガツガツ系だった? 妹様?」

 

「ダメ?」

 

「うん、ダメ」

 

 映画館ってこんな事する所だったっけ。

 

 スズメのほっぺを抑えて止めてるけど……強引に来そう。

 

「映画見る意味! ある?」

 

「ない」

 

「でしょ? リクエストしたのも君だし?」

 

「じゃあ、出る?」

 

「それはそれで無駄でしょ」

 

 私の胸元に滑り込むと、上目遣いで訴えてくるし。

 

 こんな妹にした覚えありません! 多分。

 

 段々と顔が近づいてる気が。

 

「私の期待に応えてよ!」

 

「なんで怒られないと行けないの!? 欲望に忠実?」

 

「忠実だから……こうしてる」

 

 どうして、あたしが受けなのか分からない。

 

「お姉ちゃんって……欲望のままに喰らい尽くすと、捨てちゃうのね」

 

「まって、そのセリフ何処の危険な恋に手を出したくせに後悔したマダム!?」

 

「ほぼそうじゃないかな?」

 

「否定出来ない……」

 

 頬を伝う汗を気にも止めず、あたしは言い負けられそう。

 

 

 

 僕が金髪に染めても、彼女は見かけてくる度に話しかけてくる。

 

 いやじゃないのに、嫌だと言わないと行けない……!

 

『帰れよ、僕は用がない』

 

「私にはあるの。それさえ出来たらもういいよ」

 

「諦めがついて良かったよ。で?」

 

 彼女は僕にゆっくり近づく。

 

「近いな」

 

 顔が接近しているから分かっていたけど、何故か拒否出来ない。

 

『あっ』

 

 もちろん、唇が触れ合う。

 

「ありがと、もう満足だから」

 

 そう言うと、彼女は一歩下がると振り向いて帰っていく。

 

「卑怯だね」

 

 今度は僕が追いかける番なのか。

 

 

 

 

『お姉ちゃん、口を開けてよ』

 

「嫌だけど……あーん」

 

 最後の最後で負けてしまったカラスは仕方なく口を開く。

 

 ちなみに「こんなにも愛してるのに……」と囁かれながら小指を口に入れられた、だけで負ける方にも問題がある。

 

「お姉ちゃん、あっさり負けたね。本当は求めてたんじゃ?」

 

「なんでそんなに攻めなモゴっ」

 

 スズメは口でカラスの唇を覆う。

 

(やばい、舌が絡むし、不思議なくらい気持ちいい)

 

 ズルズルと音を立てながら、スズメはカラスの舌に吸い付く。

 

「お姉ひゃん……もっと舌をだひて」

 

 しながら言うスズメに、なにも言わず従うカラス。

 

(スズメって本当にこんなもんだった? 舌が凄い引っ張られて吸われて……あっいいかも)

 

 最後の締めように、スズメはジュルルルとカラスの唾液を奪い尽くす。

 

「お姉、ちゃん、だいしゅきぃ」

 

 息を荒くしながら、スズメは力尽なくスズメの胸にもたれかかる。

 

「まだ舌がネチネチしてるよ……どうするの。というか、映画館の意味!」

 

 優しく撫でられて嬉しそうな妹は口角が上がっている。

 

「スズメの事、お姉ちゃんも大好きだからね!」

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