※この作品はR-18です。

朝霧姉妹の百合物語   作:タクティス・ハルバード=レミィ

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朝霧姉妹のお正月3
1話>>プロローグ


 31日に餅を使い切り、そして、このお正月。

 

 寝正月の予定だったけど、お餅を手に入れなくては。

 

 ガバッと体を起こし、カレンダーを睨んで引きちぎる。

 

『全く、誰ですか。30日を大晦日だと言ったやつは』

 

 31日目……終わったから引きちぎるのだ!

 

 ピンクのパジャマは寒いなぁ。でも、妹起こさないとね!

 

 寝ていたらキスしようという魂胆なのは秘密。

 

 フラフラとドアノブに手をかけて、部屋を抜けるとスズメの部屋に直行する。

 

『お姉ちゃん来ましたよっと……』

 

 静かに入りつつ、そんなことを言う。

 

「んー?」

 

 起きてしまうだと!? ダメだ! 二度寝お願いします!

 

「…………」

 

 願いは通じたみたいで、静かに寝息が聞こえる。

 

 あぁ、神様ありがとう。感謝します!

 

『お姫様は……姫様のキスで目覚めるんだよ?』

 

 妹の側に近寄ると、柔らかい唇を奪い、手で優しく頭を撫でる。

 

「起きなさーい、折角来たんだから。起きない手はないよね?」

 

「えー寝たいよー」スズメは布団に顔を隠す。

 

 なんて強情な! 寒いけどさ!

 

「じゃあ。起きるのと、あたしをこの布団に入れるの。どっちがいい?」

 

 さぁ! 布団に招き入れて! 不純な理由でチラッと妹の顔を伺う。

 

「――出るもん」

 

 少し間を置いて答えたスズメは、体を起こす。

 

 黄色のパジャマが窓の光を受けて鮮やかに見えるなー。

 

「ショック」

 

 招き入れてよ! 何の為に起こしに来たと思っている!

 

 そう! 引っ付いて寝るため!

 

「ふぇえん……お姉ちゃん泣いちゃうよ?」

 

 自然と涙目で訴えかける。

 

「別に部屋が寒いだけ、眠たくはないから。泣きたければ泣けば?」

 

 言いましたね、泣きます。

 

「…………っはぁ」

 

『あれ? お姉ちゃん?』

 

 半場無理やり、妹に抱きつくと、涙声で言う。

 

「なん、ていうか。寂しくて」

 

「そ、そっか」

 

 ふっくらとした胸に顔を埋めて涙を零す。

 

「――演技だけどね」

 

『離れろ』

 

 強引に胸から引き剥がされる!

 

「お姉ちゃんの……胸たらし〜!」

 

『お姉ちゃんは私じゃなくて、カラスだから!』

 

 もう、妹でもいいです。胸貸してください。

 

「うー、ダメ! お姉ちゃん離れろー!」

 

「妹なんで」

 

「ダメ」

 

「スズメ、機嫌悪い?」

 

 妹は、小さく頷く。

 

「そうか……ごめんね。拗ねてるのもかわいゴフォ!」

 

「うるさい! 部屋から出てって!」そんな事を言われながら、あたしのお腹にパンチがめり込む。

 

「あたた、分かった分かった。思春期なんですね痛いからやめて」

 

「そんなんじゃないし」

 

 頬をギュッと摘まれ、ジーンとなる。

 

「素直に、あたしに胸揉ませろギャァァァ苦しいです、ゆふして!」

 

「じゃあ私の視界から消えてよぉ!」

 

 あたしの胸についている突起を尋常じゃないレベルで摘み潰してくる。

 

 あーこれは、お怒りですね。お年玉で機嫌とらないと。

 

「もう、お姉ちゃんに素直じゃないなー」

 

 振り向きざまに「お年玉無しにしちゃうぞ」と言うと、スマホの丸い角で尻の右側をつかれ、無意識に手で抑えてしまう。

 

「やば、痛気持ちいい。もっとやっ痛いから! 冗談だよ!」

 

「……」

 

 無言だから、本気で殺しに来てますね。折角ポニテ結ってない珍しい姿で来てあげたのに。

 

「まぁ、ご飯作るから。出来たら呼ぶね」

 

「いい、要らない」

 

 そんな! まさかの思春期!?クリスマス18で20のあたしに楯突(たてつ)こうなど! 胸が早いわぁ!

 

 とか言いながら、ドアノブに手をかけ、部屋を後にするのだった。

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