ティアマトの番 作:Ω2
静謐のハサンという英霊を堕とす点で重要なのは、いかにしてその弱所を利用するかであった。
静謐の弱所――彼女の中に流れる毒であった。
生前はそれを用い、数多の標的を絶命させてきた武器でもあるそれは、同時に彼女の心を殺していった。
大切なものも、愛するものも、静謐は触れる事が出来ない。
本人がどれだけ望んでいたとしてもだ。
英霊の中でも、大きすぎる矛盾を持った存在。
それが静謐のハサンであった。
だから今回はその矛盾を突いた。
まず、彼女の中の毒を暴走させ、一番の武器を殺した。
そして次はこれまでの彼女が体験することの出来なかった『触れ合い』を裸になった心に、刻み込んだ。
こうなれば、後は何もしなくていい。放置するだけで、静謐は心に刻み込まれた俺の温もりを欲し、自ら闇に堕ちる。
結果は想像以上に上手くいった。お蔭で今回は、魔力も体力も節約出来た。
後は仕上げを行うのみ。
ティアの間……ケイオスタイドの中の中心点に戻ると、念の為彼女の護衛につけていたジャックが嬉しそうに駆け寄ってきた。
「お帰りなさい。おとうさん」
「ああ。ただいま。いい子にしていたか?」
「うん!」
頷くジャックを抱きしめてやると、可愛い娘は嬉しそうに頬ずりをしてくる。
『おかえりなさいあなた。上手くいったみたいね』
「ああ」
「うまくいったってなーに?」
……そう言えばジャックには、護衛だけを任せて俺が何をしに行くのかを言ってなかったな。
「家族が増えるんだよ」
正確には、ジャックの妹が。
「ほんと!?」
「ああ」
「ありがとうおとうさん。私達。お姉ちゃんが欲しいなぁって思ってた所なの!」
「お姉ちゃん?」
娘になった順ならジャックがはやいので、出来るのは妹になるはずだが……まあ、本人がそれでいいのならいいのか。
「おとうさん。はやくお姉ちゃんに会いたい!」
「ああ。すぐに会えるさ。ティア」
『うん』
早速子作りをしようと、頷きながら、ティアに近付こうとして、
「」
「私達もしたい」
本能的に俺達がこれから何をするのかを理解したのだろう。ジャックが潤んだ目で俺達を見て来る。
「だめかな? おとうさん。おかあさん」
「まさか」
何が駄目なものか。
「いいに決まっているだろう。なあティア?」
『もちろん』
ティアマトと、その番である俺。二人にとって、我が子を愛でる事は喜び以外の何物でもない。
「みんなで気持ちよくなろう」
「おとうさん。もしかして疲れてる?」
ケイオスタイドで生成していた服を脱いだジャックが、きく。
「ああ、まあな」
ジャックの時ほど消耗があったわけではないが、身体に疲労感がない訳ではない。
「じゃあ、私達が元気にするよ!」
どんと、思いの他、強い力で押され、俺は泥の中に仰向けに倒される。
驚く間もなく、ジャックは俺を押し倒すと、俺の顔の上に跨ってくる。
「おとうさん――」
そして自らの秘部を、押し付けて来る。
これからの行為の期待の為か、そこからはもう愛液が流れ出ていた。
「舐めて。元気になれるよ?」
「本当か?」
自分が気持ちよくなりたいからではと、少し思ったが、可愛い娘の頼みでもあるし、俺は口をつける。
「ん!」
(む?)
ジャックの蜜を口にした瞬間。確かに疲労が消えていく。どうやら回復できる話は本当だったらしい。
(ならば……)
俺も少し本気でやるとしよう。
「ひゃあう!」
ジャックの秘部に舌を這わせる。
幼く青い性の象徴であるそこを、蹂躙する。
舌の動きを巧みに変えることで違った刺激を与え、可愛い娘の快楽を目覚めさせる。
「あ……あああぁ。おとうさんのなめなめ、いい……」
舐めるだけで終わらせるつもりはない。空いている両腕を使い、ジャックの尻を触れるか否かの優しい手つきで撫でてやる。
「くすぐったいよ。おとうさん」
それでいいのだ。いきなり強い刺激を与えてやるよりも、徐々に強くしていき、身体と心を盛り上げて行ってやった方が、行為に深みが増して行く。
『私もしてあげる』
「あ、おかあさん!?」
どうやらティアも参加したようだ。ここからは見えないが、おそらくジャックの胸を愛撫してやっているのだろう。
「ぐ……ティア!?」
『こっちもこのまましちゃうね』
ティアが俺の逸物を挿入してしまった。完全に油断していた俺はそれだけで危うく果てそうになる
「おとうさんもぉ、もっと気持ちよくなろ?」
「!」
左右両方の乳首に淡い快感が走る。
見なくても分かる。ジャックが自分を
「おいしいよ。おとさんのおっぱい」
「ずっと嘗めてたい」
可愛らしい性器を曝け出し、俺に甘えて来るジャック。
赤ん坊のように、俺の乳首に吸い付くジャック達。
そして俺の逸物をその原初の名器で包み込んでくれるティア。
(ああ……)
なんと心地よいのだろう。家族の交わりは。
今からここに、もう一人加わるのだ。
その素晴らしい光景を想像した俺は堪らない気持ちになり、ジャックの尻の穴に指を入れる。
「きゃあっ! おとうさん!? そこ、ちがう!!」
いいや。違わない。何故なら、
「あ、ひゅひゃぁぁぁっっ!!」
ここでもジャックは快楽を感じられる。いやらしい子だ。父さんと母さんに似て。
舌と指で前と後ろの穴を重点的に攻めてやると、
「ふ、ふわぁぁぁぁ……」
それだけでこれ以上ないくらいに蕩けきった顔が完成する。
「ん、ああ! う、ああああ!!」
『ん……気持ち、いい……』
どれだけそうしていただろうか? 時間を忘れ、俺達は家族の交わりに没頭していた。
「だ、め! 私達、もういっちゃうよ!!」
やがてジャックが悲鳴にも似た声をあげた。
『大丈夫。みんな一緒だから』
ティアの言う通りだ。俺達も、もう果てる。
『あなた』
分かっている。ここからがラストスパートだ。
腰を突き上げ、肉棒全てに貪欲に吸い付いてくる妻の膣中。その快楽に酔いしれながら、俺はジャックの可愛らしい淫核の皮を剥いてやり、そこを舌で優しく押し潰してやる。
「っっ!!!!」
それだけでジャックは全身を強張らせる。快楽を共有しているのだろう。俺の身体を愛撫していたジャック達も身体を固くしていた。
だがこれで終わらせない。
俺は剝いた陰核を舌ではなく、歯で甘噛みする。
「っっっっ!!!! だめ! おとうさん!!!」
ジャックが悦びの叫びをあげた。やはりいやらしい子だ。これでも快楽を感じるなんて。
ご褒美に、尻に挿入した指を、全速力でピストンしてあげよう。
「っっっっ!!!!!」
もう今のジャックにまともな言葉を発する余裕はない。
愛しい娘が快楽で狂っている。その事実が何よりも、俺とティアを昂らせ、快楽の頂へとその意識を上り詰めさせる。
故に、同時に絶頂するのは必然であった。
「イ、クっっっ!!!」
『出して、あなた!!!』
「!!」
ティアとジャックの声が引き金となり、俺は愛しい番の膣中に性を吐き出す。
静謐のハサンの霊基が混じった性を。
人間ではあり得ない程の量を。愛を。
俺達の新しい家族の元となる種を、原初の母に注ぎ込むのであった。
「大丈夫。私は触れても死なないよ」
その言葉に私は歓喜した。
触れても死なない。この人になら触れてもいい。
生前に叶わなかった望みが果たされ、私は幸福を感じていた。
だけど、
「ごめんなさい」
それ以上の幸福を私は知ってしまった。
私の身体も、心も、全て全て――あの方のものなのだ。
だから、
だから――
「殺します」
私はあるじであったものに、手に持った短刀を振るった。
「大丈夫かなおとうさん。解体したほうがいい?」
「良い子だから落ち着いて見ていろジャック」
落ち着かないのか、妙にそわそわしているジャックを、あぐらを組んだ俺の膝の上に座らせる。
気持ちは分からないでもない。だがここまで来てしまえば、もう俺達に出来ることは何もない。
時間で言うなら、小一時間程待ってはいるが、体感ではその倍の時を感じていた。
手持無沙汰な為、膝の上にいるジャックを可愛がってやろうかと、思い始めたその時であった。
『来る』
いつかのジャックの時のように、ケイオスタイドが一つに集まっていき、泥の繭が形成された。
その繭から命の鼓動を確かに感じる。
ドクン、ドクン、と心臓のように規則正しい鼓動を何度かすると、不意に繭にひびが入った。
亀裂から完全な液体となったケイオスタイドが漏れる。
繭が崩壊していく。
役目を終えたかのように泥状に戻ると、繭があった場所には一人の褐色の少女が生まれたての胎児のように丸まっていた。
『生まれてきてくれて、ありがとう』
ティアに抱きしめられ、少女の瞼が開く。
深紅に染まった瞳で辺りを見渡していたが、ティアが抱擁を解くと、ゆっくりと立ち上がった。
ジャックの時は肌に変化があったが、彼女にはない。褐色の肌はそのままに、臍の周りに獣の紋様を輝かせている。
だが違う。明らかに違う。他者を誘う魅惑的な身体は獣の眷属になったことで、更に磨きがかかり、魔性と表現するのに相応しい破滅的な魅力がある。
「あ……」
事実、膝の上にいるジャックも、『彼女』の魅力に魅了され、自らの秘部に無意識の内に手を伸ばしていた。
どうやら想像以上に逸材だったらしい。
俺は自慰を始めたジャックを膝の上から降ろすと、立ち上がり、彼女の傍に歩み寄る。
「俺が分かるか静謐?」
問いかけると俺の新たな娘――静謐のハサンは微笑んだ。
「勿論です。我があるじ」
静謐は跪くと、臣下の礼を取った。
「この身も心も、全て貴方様のモノです。どうか存分に使って下さい」
「それだけではないだろう?」
俺も地に膝をつき、静謐と視線を合わせる。
「もう一度問う。お前は俺のなんだ?」
「……失礼しました。
「よし」
間違いない。こいつはもう完全に俺のものだ。
……ならば、贈り物をしてらないとな。
「静謐。これをやろう」
「……これは」
「見ての通り、何の変撤もない花だよ」
どこにでも咲いているような野の花。それを俺は静謐に差し出す。
「誕生日プレゼントだ。受け取れ」
「ありがとうございます。しかし私の身体は毒。その花を受け取っても枯らしてしまうだけです」
「いいや。それは違うぞ静謐」
「え?」
俺は花を静謐の手に強引に触らせる。
だが――
「え?」
花は枯れない。静謐の手の中にうつっても、花は儚く咲いたままであった。
「俺の贈り物は花ではなく、その新しい
「あ」
ティアマトの子供にランダムに与えられる三つのスキルの内の一つに自己改造という物がある。
俺はティアの膣中に性を放つ時に、それを意図的に静謐に与えたのだ。
サーヴァントの霊基に意図的に手を加えるのはこれが初めてだったが、ティアマトの番という特性上、子供の霊基に手を加えるのは造作もなかった。
「毒が消えた訳ではない。お前は毒を完全に操る事が出来るようになったんだ」
「!」
静謐が目を見開く。
それもそのはずだ。何故なら自らの毒の完全操作は生前はおろか、サーヴァントとなった後も、叶う事のなかった静謐のハサンの悲願であったのだから。
「静謐。お前は今、真なる意味で毒の花となったんだ」
それをティアマトとその番である俺の手によって、成し遂げた。
「あ……」
静謐のハサンの目からは涙が零れ落ちる。俺はその雫を指で拭いながら、最後の一言をかける。
「命令だ。毒の花よ――俺の元で咲き誇れ」
「主命を、受諾……」
静謐は俺の手に自らの手を重ねながら、これ以上ない程に大きく頷いた。
「私は貴方様の為だけに咲く真なる毒の花です」
(これでまた、家族が増えた)
祝わなければならないな。
俺達のやり方で。
「来い。静謐」
「はい」
抱き締めると、身体が熱く、蕩けていく感覚を味わえる。
静謐のスキルは俺の意志で自由に操る事が出来るが、今の俺はこの毒に身を任せたい心境になっていた。
「静謐」
「はい」
「俺を酔いしれさせろ」
「主命を受諾」
静謐は俺の命令を受け、嬉しそうに唇を重ねてきた。
舌を絡ませ、俺が静謐を堕とす時にやったように、唾液を流し込んでくる。
頭の芯が痺れたような心地になり、俺は目を細めた。
例えるならば、今の静謐は酒だ。
身体にとっては毒なのに、その毒に犯される感覚が心地よくて、夢中になって貪ってしまう。
胸を揉みながら、首筋に舌を這わせる。それだけで酔いが深まったような気がした。
(これは……まずいな)
想像をはるかに上回る程に心地よい。ティアマトの番である俺が毒で死ぬことはないが、はまり過ぎると依存してしまいそうだ。
「静謐。後ろから犯してやる」
「みこころのままに」
欲情が抑えられない。だがそれでいい。新たな娘である静謐もそれを望んでいる。
「っ。あ!」
「ああ、あるじ!」
後ろからの挿入は、先程の非にならない程に俺の理性を溶かしてきた。
そう言えば聞いた事がある。経口摂取するよりも、粘膜で摂取した方がアルコールは全身に回りやすいと。
毒のせいか、逸物がどうしようもなく熱く、敏感になっている。
気分が異常にいい。何もないのに笑い出してしまいそうだった。
「我があるじ。どうか欲望を満たして下さい」
何を言っている? 今俺は自らの欲望に忠実に――
「いいえ。あなたはお優しい方です。理性を溶かしていても、私に対する気遣いがあります」
――――
「ですが、この身は既に獣の眷族。壊れることはありません」
だからと、静謐は俺を見る。
身震いしてしまう程に魅力的な目であった。
欲情と興奮と、そして愛情。それらを混ぜ合わせた目。雄を狂わせる魔性の瞳であった。
「どうか存分に私を使って下さい。
俺は獣に墜ちた。
「くくく、くははははは!!!!」
「ひあっ!?」
俺は腰を動かす。気遣いなど一切ない。ただ己が快楽を得るための、荒々しいピストン。
笑いが止まらない。目の前の雌を道具のように扱うのが楽しくて仕方がない。
「くひひ、ひっははははははははは!!!」
「ああっ! 感じます!! お父様!! もっと! もっと私を!!」
ああ、分かっているとも。
俺も足りない。沸き上がる獣性はこの程度では満足出来ない。
だから――
「がぁ!!」
「!!」
俺は静謐の上手そうな首筋にかぶりつく。
手加減などしない。口の中に感じる静謐の血の味に俺は酔いしれる。
なんという暴虐。
なんという外道。
だというのに、
「お父様、素晴らしいです、お父様――!!!」
静謐は感じていた。理解しているのだ。自分は俺の餌であることを。
俺に貪られる事がこの世で最も幸福な事だということを。
ならば壊してやる。
俺はティアマトの番である力を行使し、静謐の中の毒を暴走させる。
静謐が自らの毒で快楽を感じられるようにしてやる。
「き、ひ、あ!!!????」
堕とす時の十倍の快楽だが、獣の眷属となった静謐が狂うには丁度いいだろう。
「あ、が、っ、ぎいぃ!!!!」
絶頂が止まらないのか、静謐はもうただ俺に蹂躙されるだけの哀れな生贄と化していた。
もう俺も止まらない。止まれない。
子宮ごと貫く勢いで突く。
噛み付いた首筋から流れる血を舌で存分に味わいながら、静謐の一番奥で――
「があああああああああああ!!!!!!」
果てた。
「――――」
それがトドメとなったのか、静謐は白目を剝き、意識を失ってしまった。
「……」
逸物を静謐から抜くと、彼女の穴からはごぼりと精液が流れ落ち始めた。
我ながら、よくここまで出せたものだ。
流石の俺も軽い疲労を覚える。
だが……
『あなた』
「おとうさん」
潤んだ目でこちらを見てくる『家族』達の視線がある限り、俺に休息は許されない。
俺は再び自ら獣に堕ちるのであった。