青天。
青い空に浮かんだまぁるい雲が一つ。歪んだ形がなんともシュークリームに見えて喉が鳴る。が、この世界に存在しないであろう甘味を思い浮かべて喉を鳴らすだけの貧しい生活をしているとは考えない。それだけ正直に、真っ直ぐこの世界の人たちは生きているのだから。
昨日、マリッジ中尉とセックスした。
簡潔明瞭に表すと男女の関係になったのだが、彼女はセイジョー隊と呼ばれているこの軍隊の隊長で、俺は村から差し出された人員という事になっている。
普通に考えれば俺が女で、中尉が男。目を付けられ、気に入られた俺は中尉の側男にならないかと持ちかけられた。ってのが普通の人の感想だろうが、この世界では性格どころか性別の壁が突破してしまったようで、男女の関係が逆転してしまったような常識の世界になっている。
くぅ、と小さく腹が鳴った。
さっきシュークリームを思い浮かべたからだろうか。根菜を中心とした料理、と言えば聞こえは良いが、味付けは濃いし量はそこまで無い。しかもあんまり美味しいものじゃなかったのも大きい。
昔の食事を思い出し、飽食なんて言われていた時代が何とも羨ましくなってしまった。
「あ、お腹空いてるの? 大丈夫?」
「あ、はい。大丈夫です」
「ふふ、なら良かった」
今俺は馬に乗っていた。
昨日、セイジョー隊に連れてこられた時は男性全員一緒にまとめられて運ばれていたが、今日は二人で一緒に馬に乗って移動している。ちなみに、俺以外の男性は同じように全員荷馬車にまとめられている。
で、なんだが。
俺は女性に抱え込まれるように前に座っている。抱え込まれてるってのは、文字通り抱きしめられるようにして乗馬しているのだからこれ以外に表しようがない。
気持ちよく寝ているところをマリッジ中尉に起こされ、真っ先に紹介されたのが彼女だった。ミリナ・セイジョー。年齢は13歳。完全に見た目は小学生なのだが、この子はマリッジ中尉の義妹らしく、階級は伍長のようだ。
……こんな子でも軍隊に所属してるんだから凄いようなぁ。
初めて会った時の印象は元気なロリっ子。色白の肌にチワワのような赤い目つきの可愛らしい女の子だなと思ったもんだが、正真正銘の兵隊さんだと聞いてた時は驚いた。
で、この子は本当の意味でマリッジ中尉の付き人をしているらしい。従者のような立場で中尉の身の回りの世話をしているとのこと。側男と言われた俺もある程度は出来れば良いだろうという事で、仕事を教えてもらうついでに馬に乗せてもらっている。
ま、そもそも小さな村出身という事で馬に乗れなくても疑問に思われなかったが、もしかして乗馬も教えられるのだろうか。まぁ、どうせセックスぐらいしかすることは無いだろうから良いんだが。
「うん、まさかマリッジ姉さんの側男になる子がいるなんて思いもしなかったけど、どうしてなったの?」
俺よりも背の小さな女の子。
後ろから抱きしめられる形になっているだけあって、そりゃもう良い匂いががが。
何というか、ロリから甘い香りが漂ってきてる感じがする。ミリナも兵士の一人ではあるものの、体型的に合う防具が無かったらしく、簡単にさらしが巻かれているだけの胸部が背中に当たっている。
「え……っと、僕、マリッジの事が好きなんだ」
「きゃ! 姉さんの事呼び捨て! 君、積極的なんだねぇ。姉さんが好きになるのも頷けるよ」
「そ、そうかな」
「そうだよ! あ、そうだ! 君の事はお義兄様って呼ぶことにしようかな」
「えっ」
何故だ。
女性に好意を寄せられることは良いのだが、理由が分からない。
これから俺も中尉の側男として働くことになるからだろうか。同僚として働くことになる人間に対しての誠意を見せてくれている? ……いや、単にこの子が自分から歩み寄ってくれているだけなのかもしれない。なら、俺はそれに答えてやるのが筋というものだろう。
「ああ、なら僕は君の事をミリナって呼ぶね」
「……う、うん! よろしくね、お義兄様!」
「よろしく」
「えへへっ」
ぎゅっと抱きしめてくる力が少し強くなった。
成長段階にある少女の胸、ふくらみを感じてドギマギしてしまう。女性特有の感触に、どうしても意識してしまいそうになる。このままだといつ息子が興奮して勃起するか分かったもんじゃない。
――もしここで俺がこの子を相手に勃起してしまったとする。
どうなるか。大人の女性が小さな男の子に抱き着かれて興奮しているって事。やばい、事案発生じゃないか! 完全に犯罪者の扱いになる気がしてならない。
……待てよ、この世界ですでに兵士として扱われているという事は一人の大人として接してやることが通常の対応なのではないだろうか。階級社会で生きている彼女たちにとってはそれが普通の事なのかもしれないし。
そう考えると、俺がこの子に抱き着かれて興奮しても何も問題ないという事!
この子も女性として見られて万々歳! みんな幸せ!
……なんて簡単にいけば良いんだがな。
そういや、中尉は場合によっては待遇を変えてやるって言ってたよな。
なら、今の俺の待遇もかなり良いものになってるんだろうか。側男にしてもらったのは良いとして、三食飯が食えてるし……寝床もあるし……女性と一緒に寝ることができる。軍の内部だから村が盗賊に襲われるって危険もない。
あれ? 村にいたときより良いんじゃね?
今俺の後ろで抱き着いてきているミリナも、軍属でなければただの可愛らしい女の子だしなぁ。そんな子にお義兄様って呼ばれる嬉しさよ。右を見ても左を見ても女性ばかり。あの馬車、中は広かったけど地面の凸凹の振動で体はバキバキに凝り固まってたから酷いもんだった。
それに対して……嗚呼、なんと女子の胸の柔らかいことか。
「……ね、お義兄様。もしかすると、気にしてる?」
「え……えっと、何のことかな?」
やばい。
普通に胸の感触で興奮してるのが晴れてしまったか!?
いや、だがこの世界の男性諸君は女性に対して性的な高まりを覚えないはずだ。ならば今俺が何気なく背中で少女の未発達の双丘の感触を楽しみつつも息子に充血しないよう意識を外していることがっ!?
「私、こんな
「そ、そんなことないよ! ミリナみたいな子が一緒にいてくれるなんて凄く心強いよ」
「そう……かな」
「うん。マリッジには感謝しなくちゃね」
「え?」
「ミリナに出会えたのは、マリッジがいたからだから」
「~~っ! お義兄様ぁっ!!」
「うわっ!?」
いきなり後ろから抱き着かれた。
いや、ずっと抱き着かれていたから、抱きしめられる力が強くなった、と言うのが正しいか。強く抱きしめられたことでより一層胸が押し付けられているのが分かってしまう。ムニムニと形を変えて刺激を与えてくる。薄い服、さらしが二つのぽっちの存在を強調してくる。
何故か昨日の情事も思い出してしまった。
マリッジに抱きしめられて寝たときの乳首の感触を思い出してしまったのか。ムクムクと動き出す息子に意識がいき、そのまま大きくなってしまう。腰かけているため、今はまだ周りに勃起していることはばれてないが……これはマズイ。
ミリナはまだ気づいてない、はず。
……ここは真面目な事でも考えよう。
俺がこの世界の一人の住人、男性として意識を取り戻してから一般常識については忘れていたことをふと思い出したように知識として頭に入っていた。子供のころに記憶を取り戻して頭がぁっ!? とか、熱を出して倒れてしまったなんてことも無く普通に生活に紛れ込むことはできた。
が、女性に対する男性の認識の違いに驚きを隠せなかった。
で、異世界だから何かあるかな? とは思ったものの戦争があるだけで魔法なんてものは存在しなかった。異世界だけに魔法を使ってみたいという子供心もちょっとあったから残念だったが、まぁ、それは良い。
問題だったのは中世程度の技術力、文明しか発達していないというところだった。
生活するのに、生き残ること自体には何の問題もない。問題なのは、それ以上の事ができないという事だ。
生活に余裕が無い。食事に余裕ができない。趣味を作ることができないから農作業をハイになって楽しんでいる気になるしかなかった。肉体的には健康でいられて良いんだろうけど……このまま年齢だけを重ねていくのかと思うとゾッとしていた。
だからこそこの差し出し人員への立候補は人生の大きな転換点になったのだった。
マリッジに出会い、ミリナに出会う事が出来たんだから本当に良かった。
――なんて考えてはいたものの、一切俺の息子は滾りからの収まりを見せることは無かった。ここまでガッチガチに勃起してしまったはズボンの下で自己主張してかなり痛いんだが。
「あ……たってる」
「いあっ!? いあいあ、今座ってるんだよぉ? べべ別にナニもたってないよ!」
「え? ……うん、大丈夫だよ。分かってるから、そのまま静かにしててね?」
「あ、う、うん」
黙った俺とミリナ。
数秒間の沈黙の後に違和感が一つ。視線を下ろすと、ミリナの手が股間に添えられていた。布の上からさわさわとペニスを撫で始めた。緩やかな前後運動が快感となって脳に刺激が送られてくる。
慌ててミリナを見ると、少し頬を紅く染めて伏し目がちに、それこそ恥ずかしそうにしているような感じだった。が、やっていることが男子の勃起した逸物をしごいている事。言わずもがな事案と言わんばかり光景である。
「姉さんが言ってた。もしかすると、ミリナにも機会があるかもしれないって。嘘だと思いたくなかった。だけど……姉さんが言ってた事は本当だったかもしれない」
「え、な、何を……」
「ミリナ、経験は無いけど、何をすれば良いのかは知ってるんだよ? もし、お義兄様にミリナと一緒にって考えてくれるんだったら……して、欲しいなって」
「ミリナ……」
ついさっき会ったばかり。
初めて会った女の子が恥ずかしそうに、それも決意染みた感情を込めて話してくれたことを無下にすることができようか。いや、できまい! なら、今俺に出来ることはただ一つ。
「分かった。ミリナ……僕がミリナの初めてになるよ」
「ほ、本当に……? 本当にミリナの初めてになってくれるの?」
「うん。ミリナが僕で良いのなら、僕は喜んで君の初めてになるよ」
「あ、ありがと! お義兄様! ……くふふ」
(嗚呼……初めてを姉さんの側男になったばかりの男の人に奪われることになるなんて! それも私みたいな少女にも嫌悪感を抱いてないみたいだし、本当に稀有な人。こんな男の人がまだいるなんて……嗚呼、ああ、アア……お義兄様に抱かれる事を考えるだけでお股がぐちゅぐちゅに濡れちゃうよぉ。これじゃぁ、いくらお義兄様でも私の事嫌いになっちゃうかな? ならないよね? 姉さんの事を抱いてくれた人。姉さんが認めた人。だったら私の事も気持ちよくしてくれる。私の事を満足させてくれるに違いないよね? えへへ……早く夜にならないかな)
「……ミリナ?」
何故か凄い悪寒を感じたのだが。
ニマニマと口元に笑みを浮かべているミリナの事を疑うわけじゃないが、さっきよりも動きの激しくなりつつあるミリナの手をどうにかしたかった。今履いているズボンを汚したくはない。と言うか、移動中に手コキでイきたくはなかった。
「おーい……ミリナ?」
「くふっ……えへへ……!」
いくら呼びかけても手コキを止めてくれないミリナをどうすれば止められるんだろうか。それともあれか? 俺が射精するまで手コキは止めてくれないってオチなんだろうか。
ミリナ
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