「うーん……効果は抜群なんだがなぁ」
やっぱ血の匂いが強いと飲み難いかぁ
「私だって改良を考えなかったわけじゃないんだけどなぁ」
効果を保ちつつ臭みを消すって至難の業なんだよなぁ
「クスリと言えば永琳だし、持ち込んでみるか?」
でもそれだと永琳の薬買うのと変わらないよなぁ
「ここはキノコで新作を作ってみるべきか?」
いやいや、普通の人間に効果不明なものは飲ませられないよな
「うがー!考えが纏まらねー!」
そもそも何で私はいつも安請け合いしちゃうんだろ?
こんなのだから負けを認められないとか生き急いでるとか変な評判が付くんだろうなぁ
「私は才能の人じゃない。でも、そんなの言い訳にしたくない」
そう、それが私の根幹のはずだ
「でも今はまだやっぱり小娘に過ぎないんだよな。ははっ」
もう結婚しててもおかしくない年だってのに嫌だなぁ
いつになったら私は並び立てるようになるんだか……
「嘆いてる場合じゃないか……永琳は置いといてパチュリーにでも改良案を聞いてみるかな」
あそこは薬学系の本も多いし、何かしらの改良案は出てくるだろ
「夜の活動なんて控えたいんだがなぁ……」
――――――――――
「あら?こんな時間に珍しいわね」
「よっ。ちょっとパチュリーに頼みたいことがあってな。取り次いでくれるか?」
「あなたが取次ぎを頼むなんて、明日は槍でも降るんじゃないかしら」
「槍なんて降るわけないだろ」
物を借りに来たわけじゃないんだから強行突破なんて考えないわよ
「槍は降らないかもしれないけど、ナイフなら今すぐ降らせることもできるわよ?」
「おや、咲夜さんは寝たんじゃなかったんですか?」
「お嬢様から来客があるだろうと伺っていたのよ」
こいつら妙に仲良いよな
何て言うか、血の繋がってない家族みたいな?
「そのお客の用事を早く済ませてほしいんだけど?」
「あら、ごめんあそばせ。今取り次ぐからちょっと待ってなさい」
茶目っ気があるのはいいが、今はさっさと仕事をこなしてほしいところだぜ
「頼みを聞いてくれた場合の礼はこれだ」
「これは薬かしら?」
「ああ、私特製の喘息の薬だ。効果のほどは渡して自分で調べさせてくれ」
パチュリーならすぐわかるだろ
もしわからないようなら他に頼みに行った方がいいだろうしな
「ほほう、魔理沙さんも中々やりますなぁ」
「美鈴、後でお話があります。それじゃ、行ってくるわね」
「何で私はお話されることになるのよ~。茶番のレベルは変わらないと思うんだけどなぁ」
それを私に聞くのかよ
「受ける印象の問題だろ。友愛を恋愛に貶めて揶揄するのは下品だしな」
「友愛の情は否定しないのね?」
「まあな」
パチュリーの魔法と知識は私の目標の一つでもあるしな
魔法使いの知り合いは結構増えたが、純粋に魔法の手本にするならやっぱりパチュリーが一番だろ
「戻ったわ。引き受けるそうよ」
「お、そうか。薬の効果は何て言ってた?」
「埃や黴などを吸い込んでも普通に咽るだけで済むようになる。服用は一日一回一包、食後が望ましい」
「流石だな。付け加えるなら服用は日没頃が望ましいってぐらいだ」
この短時間でそれだけわかるなら増血薬の改良も期待できるな