やはりこういうことは仙道の先達に聞くのがいいかしら?
「青娥!青娥はいませんか!」
「こちらにおりますよ」
「よかった、少し貴女に聞きたいことがあるのです」
「あら、豊聡耳様が私に?」
いつも思うんだけど、この白々しい態度って損じゃないのかしら?
何も話してないのに何かを知ってるような態度でいられたら警戒されると思うんだけど
「先程の客人についての話です」
「色仕掛の手解きが欲しいのですか?」
それは非常に興味あるところだけど、今は違うのよね
「そうではなく、彼の性質についての話です」
「肉欲に忠実な男性では?」
まあそう思うわよね
「それが、生欲も死欲もない上に、色欲も薄かったのですよ」
「それは真ですか?」
当然信じられないわよねぇ
私ですら未だに信じられないんだもの
「ええ、本当です。生欲と死欲のどちらかが欠けている者はまれに見ますが、両方が欠けているなどありえない」
「生きたいとも死にたいとも思わないものが平然と生きていけるはずがありませんからね」
そう、そうなのよ
そのはずなのに、現に私は見てしまった
「彼は一体何者なのでしょう」
「薄いとはいえ色欲その他、欲そのものはあるのですよね?」
そうなのよねぇ
「ええ、欲を満たすためには生きている必要があるわけですから、欲があるなら生欲もあるはずなんですけど……」
「大いに興味を刺激されますね」
止めてちょうだい
貴女がちょっかい出すと洒落じゃすまなくなりそうなんだから
「真面目に考えてください」
「そうですねえ……何か目立った欲はありましたか?」
どれも薄かったのだけど……
「強いて言えば承認欲のようなものが目立っていましたね」
「承認欲というと誰かに認めてもらいたいとかですか……」
ちょっと違うのよね
「認めてもらいたいというよりは肌で感じたい、感じてほしいという方向でした」
「家族との繋がりが薄かったのかしら?」
そういうこと……なの?
「彼が子作りに熱心なのは家族が欲しいから、ですか?」
「そうかもしれないわね。男と女は所詮他人ですもの。きっかけ一つあれば容易に離れてしまいます」
親子であればそうはならない、と
「であれば、子供が生まれてしまえば生欲も生まれるやもしれませんね」
「そうですね。その可能性は十分あると思いますわ」
ふむ、積極的な触れ合いで繋ぎ留めるのが吉かな
「聞いていただきありがとうございました」
「いえいえ、面白い話が聞けて私も得しましたし」
やっぱり別の人に聞くべきだったかしら……
「そんな顔しないでくださいな。少し味見をするだけですわ」
「私たちの印象が悪くなるようなことはしないでくださいよ」
これは止めても無駄よね
悪い方向に行かないといいんだけど……
二人して勝手に変な設定固めるのやめてくれませんかねぇ……
これはあくまでも神子ちゃんと娘々の妄想であって、真実かどうかはわかりませんので悪しからず