「久しぶり」
目の前に幼女がいた。
「わかってると思うけど、あんた死んだから」
……あ、なるほど。
「あれ?でも俺もう1回転生させてもらってますよね?」
「あぁ、あんま面白くなかったからもう1回行ってこい」
「ア,ハイ」
拒否権なんてなかった。
まぁ、どうせ死んだ身なんでいいですけどね。
前回エア・ギアに転生させてもらったときは、とりあえず敵にレイプされる女の子助けまくってたら、いつのまにか主人公のチームでオニギリっていうブタの変わりに戦ってた。
ラスボスの弟と戦って、勝てそうなとこまで行ったけど、女の子かばって殺されちった。
どんまい俺。
その時にもらった特典は、刀語の見とり稽古ってやつで見た技術とかをそのまま摸倣できるチートだった。
エア・ギアは基本的に技術がものを言う世界だったのでメチャクチャ役に立った。
これ使っていろんな人の技パクりまくってた。
「おい、それじゃ特典決めるぞ」
「ア,ハイ」
「せっかくエア・ギア行ったんだからその知識たせばいいか、めんどくさいし」
「え゛」
「ホラ、頭出せ」
言われるがままに頭出したらアイアンクローされた。
「あの、神様?なんかバチバチしてるんですが」
「いろいろ詰め込んでるだけだから気にすんな」
「なんか頭痛もしてきたんだが、ほんとに大丈夫なんですか?」
「よし、終わった。んじゃ行ってきて」
そのまま落ちたよ、この幼女相変わらずだった。
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さて、転生したようです。
俺は今児童養護施設にいる。
両親がどこに行ったかは知らん、目を覚ましたときにはもうここに預けられていた。
することがなかったから、とりあえずわがまま言って材料集めてもらいエア・トレックを作った。
ドン引かれた、しゃーない。
子供に使わせるわけにもいかないので、夜とかに人目を盗んで街を走り回ってる。
風を切ってる感じがたまらない、たまにオサレなトリックを決めつつ駆け抜ける。
ふと、下で女の人が男達に囲まれているのが見えた。
「お姉さん美人じゃん、俺たちと遊ぼうよ~」
「そうそう、一緒に気持ちいいことしようよ~、ギャハハ」
「……」
「睨んでるとこもカワイイじゃん、ここら辺夜になると人来ねーから、恥ずかしがらないで大丈夫だよ~」
「はい、ストップーーー」
とりあえずドロップキックかましてやった。
エア・トレック履きっぱだけどしゃーない、めり込んだ感触がしたけどしゃーない。
三人で囲んでいた男のうち、一人がこれで吹っ飛んだ。
「「よ、よっちゃーーーん!?」」
よっちゃんだった、イカか。
「テメーいきなりなにすんだクソガキ!」
「よっちゃんが白目でピクピクしちゃってるじゃねーかこの野郎!」
「うるせぇチンピラ、俺は和姦以外認めねーんだよ!」
「いきなり出てきてなにいってんのお前!?」
「黙って吹き飛べ!くらえ!約七倍の筋密度から放たれるパンチ!」
「グハァ!?」
よし、これでまた一人吹っ飛んだ。
たぶん幼女のサービスだろう、俺の体はエア・ギアのキャラである宇童アキラと同じ、七倍の筋密度になっていたのだ!
まぁ要するにパワフルってことです。
「さて、これで残りはお前一人になったわけだが……どうする?」
「お、お前みたいなガキになめられてたまるかよ!う、ウオォーー!!!」
やけになった男が殴りかかってきた。
多少ケンカ慣れしているようだが、俺には届かない。
だてにエア・ギア世界の王達と戦ってないからね、相手の拳を避けつつ、踏み込んでカウンターを叩き込んだ。
「プゲラァ!」
よし、完璧。
女の人を守りつつ、クソ共をぶちのめすことを達成した。
全員ピクピク痙攣してる気がするけど気にしない、したくない。
「あ、あの……キミは?」
「あ、始めまして。俺は南フウと言います、どうぞよろしく」
「私は結城林檎、助けてくれてありがとね」
「林檎……さん、ですか」
うわぁ、すごい懐かしい名前。
林檎ちゃんと言えばエア・ギアのメインヒロインじゃないですか、これもなんかの縁なのだろうか。
幼女の仕業だとしたらなかなか粋なことしやがるぜ、絶対違うけど。
ちなみに俺の名前はエア・ギア世界での名前そのままだ、赤ん坊だった俺の上に名前が書かれた紙だけ置いてあったらしい。
やるやん幼女。
その後、俺と林檎さんは近くの公園で少し話をした。
さすがについさっき襲われそうになった女の人をすぐ一人にするわけにはいかないよね、絶対怖いもん。
あとジュース奢ってくれたし。
話を聞くところによると、林檎さんはもうすでに結婚していて、子供も二人いるらしい。
普段は海外で仕事をしているらしいのだが、今日は日本に帰ってきたとこらしく、久々の街を探険していてチンピラに絡まれてしまったらしい。
つーか子供二人もいるとか、見た目からは想像できねぇ。
女子大生って言われても信じれる。
「ところでフウ君はこんな夜遅くまで出歩いてて大丈夫なの?」
「……あ、やべぇ!そろそろ帰らねぇと、ばあちゃんに怒られる!」
ばあちゃんはやべぇ、施設のボスと言っても過言ではない。
普通の職員のはずなのに院長も頭上がらねぇし、間違いなくヒエラルキーのトップに君臨してる。
「と、いうことで俺は帰りますけど、林檎さん帰れますか?不安だったら送りますけど」
「大丈夫よ、ありがとねフウ君。また会いましょう」
「ん?まぁ、機会があったら。お休みなさいー」
こうして俺と林檎さんは別れた。
ちなみにばあちゃんの雷はしっかり落ちました。
おかしい、ばあちゃんの拳がニケと同じレベルで痛いんだが?
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「それじゃあフウ、ご迷惑をかけないように。しっかり元気でやるんだよ」
「任せてください、フウ君はうちでしっかり面倒見ますよ。同じ年の息子もいますから」
「はい、結城さん。やんちゃ坊主ですが、この子の事よろしくお願いします」
「はい。ほら、フウ君もなにか言ったら?」
「え、あ、えーと。……今までありがとうございました、みんなも元気でやってください」
翌日、俺は結城さんの家に引き取られる事になった。
朝起きたらそのまま院長室に呼ばれて、行ったら結城さんがニッコリしながらこっち見てた。
なんでいんの?と思っている間に院長と結城さんとの話は進み、一時間後には荷物を持って施設の門をくぐっていた。
「フウ……」
「ばあちゃん」
「……あんたは、無断で抜け出したり散々迷惑かけてくれたねぇ」
「う、……ご、ごめんなさい」
「ふん、……ま、たまには顔ぐらい見せるんだよ。結城さんにご迷惑かけてたらたっぷり叱ってやるさ」
「……」
後ろを向きながらそう言うばあちゃんの声は震えていた。
「ばあちゃんこそ、俺が来るまでに死ぬんじゃねーぞ!体に気を付けろよ!」
「うるさいねぇ、ガキがなま言ってんじゃないよ!……さっさと行きな」
「ばあちゃん、……今まで、あ、ありがとうございました」
ばあちゃんは返事はせずに、そのまま門の中へ戻っていった。
決してこちらは振り向かず、片手だけを上げてヒラヒラと振っている。
なんだあのババアメチャクチャかっこいい去り方しやがる。
悔しいので隣で置いて行かれてる林檎さんの手をとって振り返らないように離れる。
じゃあなばあちゃん、……達者でやれよ。
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さて、そんなこんなで結城さん家の養子になりました。
わけわかめ。
どうやら昨日家に帰って、俺に助けられたことを家族に話して、そのまま養子にするという話を出したらしい。
即決したそうですよ、多少反対しろよ結城家、いい人達か。
「さぁ、ここが今日からフウ君の家よ。そうだ、せっかく家族になったんだし、フウって呼んでいいかしら?」
「あ、はい」
「もう、まだ固いわね。まぁ急だったから仕方ないか、これから少しずつ家族になりましょう」
「う、うん」
「フフフ、その調子よ」
なんだこれ、恥ずかしいぞこれ。
そのまま結城さんの家に連行される、というかこれからは俺の家だけども。
ただいまーと言いながら林檎さんは俺の手を引いて歩いていく。
そして、リビングへと案内された俺を待っていたのは、無精髭を生やした男の人、同い年ぐらいの男の子、そしてまだ幼稚園児ぐらいの女の子だった。
「え、えと、……これからよろしく?」
m(__)m