※この作品はR-18です。

いろはアフター/夢のつづき ~ 小町ポイントアフターストーリー   作:さすらいガードマン

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毎度ゆっくり更新ですいません。



いろはす○○味 ③

  ×  ×  ×  ×  ×

 

 

 普段の三倍くらい入念にシャワーを浴びた後、そのまま洗面所で外出着に着替える。それからまだ乾ききっていない髪を速乾タオルでごしごし拭いていると、いきなりガラッと引き戸が開いて小町が入ってきた。

 

「お兄ちゃん!? 何で休みなのに朝からシャワー浴びてんの!?」

 

 小町の眠そうだった目が一瞬で見開き、信じられない物を見たとでも言うように驚いた声を上げる。

 げ、普段めったに入らない朝風呂をここで見咎められるとは……。

 

「おう、小町こそ今日は早いんだな」

 

 そう、小町は冬休みに入ってから連日かなり遅くまで勉強しており、その分朝は遅くなりがちで、だからこそ油断していたのだが……。

 

「今日は塾で模試あるから……って、小町のことはいーの。お兄ちゃんの話でしょ」

 

 ちっ、ごまかされなかったか、小町のくせに。

 

「いやまあなんだ……気分だ気分」

 

「気分って……。はっ! しかもなんか出かける準備してるし? 確か昨日、『冬休みに入ったのに一日も休めないとか…………。俺、今日が無事に終わったら年明けまで一歩も家から出ないんだ……』とか言って出かけてたよね?」

 

 う……大体何だよその死亡フラグみたいな台詞は。中二病かっつーの……。て、言ったの俺ですねすいません。

 

「いやまあ、友達の付き合いで……」

 

「はぁ? お兄ちゃんに冬休み遊んでくれる友達とかいるわけ無いでしょ」

 

 バッサリかよ! なにげに俺の妹が酷い件について。

 

「まあそれはアレがコレで……とにかく色々あんだよ」

 

「ちょっと……」

 

「いやお前こそ塾遅れんぞ、ほらとっとと準備して早よ行け行け……」

 

 納得いかないという様子の小町をはぐらかし、半ば無理やり送り出して一息つく。いや俺も昨日の朝までは、また今日も出かけるなんてこと考えちゃいなかったんだが……。

 

 ふう、さて俺も出かけないとな。 ……いや約束の時間まではまだたっぷりあるんだが家に居るとどうも落ち着かない。少し千葉の本屋かどこかで時間つぶして、それからモノレール乗るか……。

 

 

 

 

 × × × × ×

 

 

 

 ―― 昨日 ――

 

 

「う……はぅ……。なぁ、無理にこんなことしなくたって……」

 

「だからわたしがしてあげたいんですってば。 あ……もしかしてわたしなんかじゃ嫌でしたか……?」

 

 一色の白く小さな手が、俺のアレを――なんだ、その要するに俺の勃起した肉棒をこすこすとしごいている……。

 

 生徒会室のソファーに並んで座る俺と一色。彼女は俺の肩にもたれるような姿勢からやや身を乗り出して、興味津々な様子で俺のモノを覗き込み、おっかなびっくりといった風に手を上下に動かし続けているわけだ。

 

 俺の手よりややひんやりと感じる彼女の手――その手によって俺は実にもどかしい快感を与えられ続けている真っ最中だ。

 

 そう、「もどかしい」……どういうことかと言えば……彼女は俺のアレの、竿のちょうど真ん中あたりをつかむように握ったまま手を上下させているものだから、肝心な亀頭やカリの部分が刺激されず――一色自身にはもちろんそんな意図など無いのだろうが――お預けをくらっているような、焦らしプレイをされているような妙な焦燥感にかられ……我慢できずについ、「うぅっ」とか「おふっ」とか情けない声を漏らしてしまう。

 

 いやん、ハチマンかっこ悪い……。

 

 

 

 × × × × × ×

 

 

 時刻は少し遡る。

 

 いきなり廊下から聞こえてきた女生徒達の声に我に返り、息を潜めて小さく固まるように抱き合ってやり過ごした俺たち。

 あの時の俺と一色は全くと言っていいほど周りが見えて無くて……もしあの声が聞こえてこなかったなら熱に浮かされ状況に流されるように最後の一線を超えてしまっていたかもしれない。

 

 廊下を歩く女生徒たちの声が遠ざかり、俺と彼女はほっとして目を見合わせる。

 

「一色……スマン悪かった。お前のこと見てたらその、触るの我慢できなくなっちまって……ほんとスマン」

 

「そんな……今のはわたしが……」

 

 そんな風にお互い謝り合う。けれど今のはきっとどちらかが悪かったってことじゃない。二人とも、「昨夜の夢がただの夢じゃなかった」ということに、お互いの好意を伝え合えたことにのぼせ上がって……後先考えないほどに盛り上がっちまっただけだ。

 

 

 

 だから……一度それが覚めてしまえば…………。

 

「あのっ……せんぱい。ここで最後までっていうのは止めたほうが良いかもですね……。さっきも言いましたけど、わたし、その……経験ないので、血とかいっぱい出ちゃうかもしれないですし……」

 

 ま、そりゃそうなる。一色いろはという女の子が俺に対して好意を持ってくれているのを今更疑うほど馬鹿ではない。が、だからといって十六歳の女の子が簡単に身体を許してくれるのを期待するのは違うだろ? 昨夜の夢のせいで大分テンションがおかしくなってしまってはいるが、今は現実。夢の中じゃない。

 まして、彼女はその……セックスの経験はないという話で……つまりようやく彼女に対する好意を伝えたばかりの俺が、一色の「初めての相手」になれるかどうかは、これからゆっくりと清いお付き合いをさせてもらった上で、彼女のお眼鏡に叶えばもしかしたら……という先の長い話になるわけだ。うん。

 

 一色いろはから合格をもらう? いやハードル高けーな……。なにせ一色には例のお断り芸を含めてしょっちゅうダメ出しばかりされてる……というかそもそもダメ出ししかされてないまである……。これは……無理ゲーか?

 

 しかしなんにせよ、さっき夢中になりすぎて……調子に乗って強引に手を出そうとしてしまった事はきちんと謝っておかないとな。

 

「いやほんとに悪かっ……

 

「せんぱいっ!」

 

 バツの悪さも手伝って目も合わせずに、もう一度一色に謝ろうとしていた俺は、彼女の真剣な声にハッとして顔を上げる。

 

「…………」

 

 一色は両手で自分のスカートをきゅっと握り、恥ずかしそうに頬を染めながら……けれどその潤んだ瞳は真っ直ぐに俺を見つめ、

 

「明日……明日もお時間頂けませんか。……うちの親共働きなんで、お昼は私の家誰も居ないんです。 ……その、もし良かったら昼食ごちそうしますから……。それから、その……」

 

 モジモジと左右の膝をすり合わせるようにしながら、まるで俺の気持ちを繋ぎ止めようとでもするかのように言葉を紡いでくる。

 その視線に、声に、強く込められたなんとも艶っぽい熱を感じ、俺の思考は甘い霞のようなものに囚われていく…………。

 

 ……これはただ食事へのお呼ばれだけじゃない。そう期待したとしても俺は悪くないよな? きっとこれはアレがソレなお誘いだよな? だから……

 

「う……なんて言えばいいんだこれ……。よ、よろしく頼む?」

 

 俺はそんな情けない答えを返す。うん、これなら俺の勘違いだったとしてもみっともなく泣かずに済むしな。……もしガチでお食事の誘いだけだったとしても、

 

「ち、ちげーし。お、俺最初から知ってたし」

 

 とその場は強がって後から血の涙を流すことが出来る。いや結局泣くのかよ。

 

 

 

 

 

 で、だ。

 一色に目の前でスカートをまくり上げさせて、挙句パンツまで剥(む)いて股間を覗き込み陰毛の生え方をチェックするとかいう変態羞恥プレイ、その状態からの熱のこもったキス。そして一色の自宅エッチへのお誘い(ただし妄想の可能性あり) という怒涛の展開を経て、俺の股間のモノはガチガチに固く勃ったまま一向に鎮まる気配を見せない。まあ童貞としては当然の反応だわな。

 

 正直やりたい盛りの男子高校生としては非常に辛い状況ではあるのだが……そこは明日への希望を胸に耐えることも吝かではない。それより、俺は明日に備えて今日はオナ禁しておくべきか? いやあっさり三こすり半で終わって彼女に情けないと思われないようにきっちり処理をしておくべきか……? 

 

 ……などと、俺の脳みそが斜め下方向にズレたことを考え始めた所で、

 

「……せんぱい、なんか……さっきより辛そうです……」

 

 隣に座る一色が俺の股間のテントにチラチラと目をやりながらなんだか申し訳なさそうにそう言う。

 うん。いやまあ辛いっちゃ辛いね。けど惚れた女の子にそれを言うのはあまりにも格好悪いだろ。

 

「大丈夫だ。このくらい我慢できる」

 

 この答え、「我慢」という言い方が良くなかったのかもしれない――いや、俺的にはむしろ良かったのかもしれない? 彼女は、

 

「やっぱり……わたし、お手伝いします」

 

 テンパったようにそう言って、俺のズボンのファスナーを一気に下げる。そしてはち切れんばかりに勃って窮屈そうににパンツに引っかかっていた俺のモノを掴むと、ぐいっと一気に引っ張り出してしまった。

 

 ブルンっと、ばね仕掛けのように飛び出したそれを見た一色は一瞬ぎょっとした顔をして、それから視線を下に――自身の下腹の辺りに向け、

 

「こ、こんなの……ホントに入るんですかね…………」

 

 と、独り言のように小さな声で呟いた。

 

 ちら、俺の顔を見上げた彼女とバッチリ目が合う……。一色は俺に今のをしっかり聞かれてしまったのに気付くと顔を真っ赤にして……ごまかすみたいに平気なフリで俺の肉棒に手を伸ばしてきた。

 でも一色、お前手が震えてて緊張してんのバレバレだからね?

 

 

 

 

 × × × × × × 

 

 

 

 そして冒頭の状況なわけだが……一色は遊ぶ気満々というか、変なスイッチ入っちゃったらしい。目の前のおもちゃに興味津々と言った風で、竿に浮き出た血管をくりくりっといじったりしながら竿を掴んだ手を上下に動かす。

 俺が思わず変な声を洩らしたり、肉棒が跳ねるようにぴくんと反応したりすると、

「ひゃっ!?」

 とかいちいち可愛い声を上げてびっくりして……それからなんだか楽しそうにへへーっと微笑う。

 

 正直物理的な刺激の強さという意味なら自分でこいてる方がよっぽど強いのかもしれんが……。

 

 この、そこらにはめったにいないレベルの美少女である、ゆるふわ清楚系(笑)の一色いろはが、こう、ぎこちなく、いかにも慣れてませんという様子で一生懸命俺の肉棒に手を這わせ、さすさすと擦ってくれているという目の前の光景が、俺の脳にしびれるような快感をもたらし、鈴口からはじわじわと我慢汁が溢れ出してくる。

 

 ま、普段一色のことを「あざとい」とか言って揶揄してる俺だが……ぶっちゃけ「ゆるふわ清楚系美少女」……どストライクです! もろ好みですすいません! いやホントこいつエロ可愛い過ぎかよ……。

 

 

 

 

 そんな感じに俺の肉竿を弄んでいた一色が、俺(大)と俺(小)を交互に見ながら訪ねてくる。

 

「せんぱい、これでいいんですか……? わたしやり方とか全然わからないんで……教えてください」

 

「教えるって……」

 

「そのですね、なにをしたら先輩が気持ちよくなるか、とかそういう感じの……」

 

「それは……」

 

 いやいや? そもそも経験のない俺がどうしたら気持ちいいかを語るとか、つまりそれは年下の女の子に俺のオナニーの性癖を曝す的なものじゃ……。などとつまらんプライドにとらわれていると、

 

「わたし、言われた通りにやりますからぁ」

 

 そう彼女が手を止めないまま、少し鼻にかかった甘えるような声で聞いてくる。

 

 はい落ちた! もう俺のプライドとかどうでもいいわ。

 

「じゃあ……その濡れてるのを手で……そう、塗りつけるみたいにして……そこの段差になってるところを中心に……指で輪を作ってしごくみたいにしてもらえると…………」

 

 いや昼間の学校、それも生徒会室で、さらに言えばよりによって生徒会長様に何させようとしてんだよ――と、脳裏の端っこにかろうじて生き残っていた冷静な俺が今更のツッコミを入れてくるが、

 

「こう……ですかね……」

 

 当の一色は俺に言われるまま、亀頭の先端から溢れてくる我慢汁をその華奢な手のひらでにちゃにちゃと微かな音を立てて塗り伸ばし、親指と中指で輪を作るようにしてカリの部分を擦り上げてくれる。

 

 俺はようやく焦らしから解放され、敏感な部分を刺激され、背筋を伝って股間の快感がゾワゾワと全身に広がり、肉棒はビクビクっとふるえ、急激に射精感が湧き上がって来た。

 

「う……は、ぁ……」

 

 俺は肛門のあたりにぐっと力を入れるようにして一気にイかされてしまうのをどうにか我慢する。射精の替わりにというわけでも無いのだろうが、さっきより大きく張りつめた亀頭の鈴口からかなりの量のカウパー液が溢れてくる。ほんと我慢汁とはよく言ったものだ。

 

 独特の雄の匂いが広がり、流れ出す汚液が一色の白い小さな手を濡らしていく。小さい……本当に小さい手だ。指で作った輪は、肉棒の一番太いカリの部分を廻り切らない。

 その小さな手を穢しているという背徳感のようなものがますます俺を興奮させる。

 

 それに……手を汚されて嫌がるんじゃないかと思っていた一色はそれを気にする様子すらみせない。

 自分でエロい事してて彼女も興奮してきたのか、目元は潤んでうっすらとピンクに染まり、息も浅く、荒くなってきて、「はあっ」とか「ふぅっ」とか吐息の音が抑えきれなくなってるのがなんとも色っぽい。

 一色は何かに取り憑かれたように俺の肉竿を攻めることに集中し、その手の動きを速めていく。

 

 モノを握る力が強くなり、ぐりゅっと彼女の手が激しくカリの裏側を擦り上げる。

 

「う……いろ、は……それ……ヤバい……っ」

 

「!……っ」

 

 俺が一色を「いろは」と名前で呼んだ瞬間、彼女の全身がピクンと震え、俺のモノを握る掌にさらに力がこもる。

 そして俺も……よく知っている可愛い後輩女子に手コキさせ、その下の名前を呼び捨てにするというシチュエーションにはなんだかとてもクるものがある……。

 

 俺が息を荒くして悶えていると、一色は――いろはは俺のモノをふにふにと握ったままソファーから中腰で立ち上がり、身体を半回転させるようにして俺の両膝の間、ソファとテーブルの間の床にひざまずいた。

 

「いろは……?」

 

 彼女は、俺がその意図を探りかねている間に、躊躇なく俺の肉棒の先をはむっと咥えてきた。途端、亀頭の先端から背筋までしびれるような快感が突き抜ける。

 

「んあっっ……。お、おま……何を……」

 

 いろはは一瞬だけ何か考え事でもするかのように動きを止め……、

「んふっ」と鼻にかかった声で小さな吐息を洩らしながら、亀頭の先端を口に咥えたままで尿道口のあたりをべろりと一舐めする。

 

「くぅっ……」

 

 最も敏感な場所をザラリとした感触で擦られ、思わず腰が引け肉竿がビクンと跳ね、情けない声が漏れる。

 

「はぇ? いふぁかったれすかぁ」

 

 痛くねーよ! 気持ちいーんだよ! つーか……いろはが喋るのに合わせて亀頭をしゃぶり廻されるようで……これヤバ……。

 

 

 肉棒の先端から脳に抜ける今まで経験したことがないほど強烈な快感。

 

 加えて……巷で可愛いと評判の総武高の制服を身に着け、それを僅かに着崩した美少女が、俺の両腿の間に跪いている。彼女はスカートから覗く左右の膝をモジモジとこすり合わせながら俺の肉竿の先っぽを咥え込んで、薄桃色に上気した表情でちらちらと上目遣いに俺の反応を見るようにしながらレロレロと舐めまわしているという状況……。

 

 俺のリミッターはあっという間に限界を超え、一気に射精欲が高まってくる。

 

「あ……うぅっ、いろは、ヤバい……出そう……っはぁ」

 

 

 

 ところがあと一息で射精(で)る、というタイミングで急にいろはの動きが止まる。

 

 ちょ……ここまで来てまた焦らすとか、うちのあざとい後輩はなんて高度なプレイをぉっ……と、全身を悶えさせながらいろはの方を見れば、どうやら単に射精という状況にテンパってわたわたしてるだけらしい。真っ赤になって慌てている様子はとっても可愛らしい……が、俺はそれどころじゃない! 

 肉竿の先っぽ、亀頭部分だけを咥えられたままの生殺し状態……。おれはトドメの刺激が欲しくて……我慢できずにいろはの頭を両手で股間に抱え込むようにして彼女の口腔内に暴発寸前の肉棒を押し込んでしまった。

 

 俺に押さえつけられたいろはの亜麻色の髪が俺の股座でファサッと揺れる。

 反射的に俺のモノを押し返そうとするように動いた彼女の舌と上顎の粘膜が、膨れ上がった俺の肉棒の先端をずりゅぅっと締め付けるように擦り上げる……

 

「あぁっ やば、イク……いろはっ」

 

 俺の絞り出すような声をきいてまたいろはの全身がピクンと震える。

 

「……ううッ……」

 

 ――俺は限界まで高まった欲求を一気に開放した。

 

 本当に「ドピュドピュッ」という音が聞こえそうなほど勢いよく、大量の精液が尿道口を通り抜け、いろはの無垢な口腔内を穢していく……。

 

「んんん~~~ッ!?」

  

 いろはのぐぐもった悲鳴のような声。あまりの快感にくらくらする視界の端には涙目になって苦しげに呻く彼女の姿……ひどい話だが、今この瞬間の俺にはもはや嗜虐的なその光景さえ快感だ……。

 

 女の子の、それも飛び切りと言っていい美少女の口に咥えてもらって射精するという行為――これが一般に言われるフェラチオという行為であったかは微妙だが――とにかくその物理的、精神的なあまりの気持ちよさに全身の力は抜け、視界は真っ白になって意識が飛んでいく……。

 

 

 

 

 

 

 

 ……その後気が付くと…………いろはが俺の精液をなんとか飲もうとして、結局飲み込めずに慌てていて……なんだか可愛くて笑ってしまった。

 

 見かねた俺が渡したテイッシュを受け取って、唇の端から掌の上にとろ~っと俺の精液を吐き出すいろは……。こいつが華奢で童顔なせいか、はたまた嫌がる様子もなく無邪気にただびっくりしたような顔をしているせいか……、そんな光景を見ているとなんだか無垢な子供を騙してイケナイコトをさせてしまったみたいな感覚に襲われゾクゾクする。

 

 いや、そもそも生徒会室でこういうことをするのはイケナイコトだと思いマス……。

 

 

 

 

 

 

 

 ×  ×  ×  ×  ×

 

 

 

 完全な余談になるが、その後奉仕部の三人でこじんまりと行ったイベントの打ち上げ兼クリスマスパーティー in 雪ノ下宅。

 俺は雪ノ下や由比ヶ浜の顔を見る時、ついチラチラとその唇に目が行ってしまう――もっと言えば女の子の口がエロく見えてしまう――という「後遺症」に苦労させられた。

 

 並べられた料理の中に緑とか赤とかの何種類か「ハーブ入りウインナー」があって……。

 

 由比ヶ浜がそれを濡れたように艶のある唇でパクリと咥えて、口の端から透明な汁を垂らしているのを見ては、彼女を犬のように這わせて俺のナニを同じようにしゃぶらせてみたいと妄想したり、

(注/濡れたように艶のある唇:揚げ物の油で光ってるだけ / 口の端から透明な汁を垂らしている:ウインナーを噛んだ時に肉汁がこぼれただけ)

 

 雪ノ下がそれを深く咥え込んで、色っぽく目を潤ませ、少し苦しげにしている様子を見ては、彼女の口を強引に犯して、いつもの澄ました顔を今みたいに涙目になるまで攻めるというシチュエーションを妄想したり、

(注/色っぽく目を潤ませ、少し苦しげにしている:由比ヶ浜が作ったマスタードとチリパウダー入りのディップがレシピの五倍ぐらい辛くて涙目になってるだけ)

 

 と色々と大変だったのだ。

 

 ……なんつーか、最低だな、俺…………。

 

 いや俺は悪くない。「由(・)比(・)ヶ(・)浜(・)さ(・)ん(・)で(・)も(・)絶(・)対(・)大(・)丈(・)夫(・)な料理を……」とか言ってあんな太いウインナーを選んだ雪ノ下が悪い。 ……まあ、確かにパックから取り出して時間通り茹でるだけという簡単調理だから、さすがの由比ヶ浜でも失敗のしようがなかったし、実際食べて普通に旨かったけどな。

 

 

 

 × × × × × × 

 

 

 

 などと、最低野郎が最低な妄想を繰り広げている間に、俺を乗せたモノレールは一色の家の最寄駅に到着する。ここから彼女が両親と共に暮らすマンションまでは目と鼻の先だ。

 このあたりはベッドタウンとしての様相が強く、近くには似たような色形のマンションが数多く並んでいる地域で、そのため住所を聞いていたとしても迷い易い地域ではあるのだが……。

 

 とはいえ、俺はついこの間、あの皆でディスティニーランドに行った帰りにそのマンションのエントランス入り口まで一色を送ったばかりであるということもあり、特に迷うでもなく建物の正面、セキュリティロックされた自動ドアの前へと到達した。

 

 ドア横のモノリスのように立っている端末に、予(あらかじ)めいろはから教えてもらっていた部屋番号を入力すると、僅かな間をおいて男性の低い美声が響く。

 

「こちらは○○○号です。どちら様ですか?」

 

 と尋ねられた。

 げ、間違えたか? と……

 

「This is ○○○.  May I ask your nane?」

 

 一呼吸おいて今度は流暢な女性の声が続く。

 

 録音……か? 俺はインターホンのマイクに向かって声をかける。

 

「ひ、比企谷と申しますが、そちらは一色さんのお宅で……」

 

「……せんぱい、いらっしゃい!」

 

 俺の声にかぶせるようにスピーカーから可愛らしい声が聞こえてくる。

 

「いっし……いろはか。 ……良かった、間違えたかと思って普通にビビったわ」

 

「あは、ごめんなさい先輩、今いろいろ物騒なんで、必ずこっちを使うように親から言われてるんですよー」

 

 ふむ、なるほど防犯用か……。確かに、適当に部屋番号を押して部屋の様子を探ろうとする悪いヤツがいるとして、一色が普通に対応していたとしたら○○○号室に可愛い(声の)女の子が居ることがバレてしまうしな。

 

 まあ、今の世の中確かに恐い事件も多いから用心に越したことはない。なにせ両親の留守中にスケベ心たっぷりの目付きの悪い男が可愛い娘さんを訪ねてきたりするぐらいだからな。

 

 ……これ、ご両親から見たらむしろ俺こそ悪い虫ってヤツじゃね?

 

 

 

「いま開けますね~」

 

 両親の気持ちを知ってか知らずか……いろはのちょっとはしゃいだような声がそう告げると、自動ドアの上で小さく点灯していた赤いランプが緑の点滅に変わり、スモークガラスのドアが左右にゆっくりと開いた。

 

 

 

 

 * * * * *

 

 

 

 キッチンに、ふわんとほのかにチーズの香りが漂う。うん、これでお昼の準備は一応OK。あとはせんぱいが来てからオーブンで焼くだけだ。

 

 

 

 朝は早めに起きて、全身隅々まで洗って、ムダ毛のお手入れなんかもして、全身にボディーローション塗って……っと。香水とかは……あんまりきつい香りのは好きじゃないし、それになんとなくだけど八幡せんぱいもそういうの苦手そう……。だから、柑橘のかおりのコロンをほんのちょ~っぴりだけ。

 

 下着はお気に入りその2、淡いピンク色で上下縁に細めのフリル。ブラのほうは肩紐とセンターにごく小さなリボンがあしらわれ、真ん中のリボンの裏にフロントホックが隠れてるというデザイン。ショーツも上とお揃いで上下に小さめのフリル、サイド部分が細く帯紐状になっていて、その紐部分にブラと同じデザインのリボンがアクセントになっているという、「可愛いけど決して子供っぽくはない」ものを身に着けた。

 普段から時々は着けてる物なので、勝負下着ってわけじゃないですけど……でもお気に入りを身に着けてる時はテンション上がります。

 

 それから、ちょっと大きめの薄いクリーム色のコットンセーターに、赤×黒×白タータンチェックの丈の短いプリーツスカート。それから普段はあまり履かない黒のニーハイソックス。

 ふふふ、絶対領域とかいうのを意識してコーデしてみました。先輩こーゆーの好きそうだし。

 

 

 

「…………ふふ……うへへ…………」

 

 我ながら締まらない笑い方ですね~。 ……だって、だってですよ? あのめんどくさがりの先輩がもうすぐうちに来てくれるんです。

 しかもその……こ、恋人のわたしに逢いに……。そしたらわたしの手料理をごちそうして……それから……えへへ……。

 

 あ~もう! わたしテンションおかしすぎですねー。嬉しさと緊張とちょっぴりの不安で自分でも変になってる自覚はあります。だって……。

 

 

 ……今日わたしは、せんぱいに女の子の初めてを捧げる――そう決めてるから。

 

 クリスマス・イブの夜、わたしと先輩は同じ夢を見て、その夢の中で想いを通じ合わせるという不思議な体験をした。それきっかけに私たち二人は現実でも好意を伝え……そして今日を迎える。

 

 正直、夢がきっかけで先輩と結ばれる事になるなんて予想もしてなかったし……これは昨日も思ったことだけど、あまりにも急に抜け駆けするみたいな形になってしまったことについては、結衣先輩や雪ノ下先輩に対する後ろめたさが無いわけでもない。

 

 でも……せんぱいの一番近くにいたいという強い渇望はそんなネガティブな想いを全て押し潰してしまう。

 

 

 

 昨日せんぱいに「いろは」って呼ばれて初めて解ったことがある。

 

 好きな人に下の名前を呼ばれるのって……それだけで心の芯が甘く共鳴するように響く。これが……これが本当に人を好きになるってことなんだって。

 

 わたしがかつて恋してた……ううん、恋してると思いこんでいた葉山先輩も、わたしの事「いろは」と呼んでくれたけど……結局わたしはそれを、「葉山先輩がわたしを名前で呼んでくれる」というステータスのようにしか捉えてなくて、そのことで他のライバルたちに対して得意になっていただけだったように思う。

 結局あれは恋とは違うものだったんだろう。ディスティニーランドで告白した時にはもう自分でもこれは違うって気付いてたし、葉山先輩自身にもはっきりと指摘された。

 

 ほんとの恋なんて知らなかったわたし。心から誰かを好きになったことが無かったわたし。

 

 ――けれど、今のわたしは比企谷八幡という人を、「せんぱい」を知ってしまった。けっして自分からは表に出てこようとしないけれど、眩い光を放つ彼の魂を見つけてしまった。

 

 だから、どうしても彼の近くに居たい。そのためなら……。

 

 

 

 ピンポーン、とチャイムが鳴り、インターホンの液晶画面がエントランスの様子を映し出す。

 私服の、相変わらず少し猫背のせんぱいがカメラの方を向いて立ってる。あれ、髪は珍しくきちんと整えられてていつもみたいな寝癖が無い? ……もしかしてわたしに会うために少しは気にしてくれたんですかね? そんな些細な事でもう嬉しくなってしまうわたしってちょろいなー。もちろんわたしがちょろいのは先輩に対して限定ですけど。

 

 わたしがインターホンの【応答】のボタンを押すと

 

 「こちらは○○○号です。どちら様ですか?」:男性の声

 

 「This is ○○○.  May I ask your nane?」:女性の声

 

 というあらかじめ設定されているアナウウンスが流れる。同じものが先輩にも聞こえているはずだ。

 

 先輩はなんだかおっかなびっくりという感じに話し始める。

 

「ひ、比企谷と申しますが、そちらは一色さんのお宅で……」

 

 わたしはもう一度【応答】のボタンを押し、

 

「……せんぱい、いらっしゃい!」

 

 そう、愛しい人に向かってマイク越しに声をかけた。

 

 

 

 

 

 * * * * *

 

 

「いらっしゃい、お待ちしてましたー」

 

「おう、その……おじゃまします」

 

 エレベーターで上がって来た先輩をうちの玄関で改めてお出迎えする。好きな人をお出迎えというなら……

 

「えへへ、八幡せんぱい? じゃあですね~、ごはんにします? お風呂にします? それとも………わ・た・し?」

 

 わたしはわざと上目遣いになるよう先輩に一歩近づき、少しだけ小首を傾げてそう言った。

 ぷ、先輩固まっちゃってる。 ……本当に好きな人が出来たら、一回言ってみたかったんですよねー、これ。 

 

「……あのな……俺なんて答えれば良いんだよ、それに風呂は入ってきたし……って、あ!……」

 

「…………お風呂……」

 

 せんぱい……お風呂入ってきたって……その……わたしと……期待してくれてるって事、ですよね。う、嬉しいというか恥ずかしいというかむず痒いというか…………。

 頬が熱い……わたし、相当赤くなってるんだろうなぁ……。

 

「いやその……一応……。悪い、がっつきすぎだよな、俺……」

 

 わたしの様子を見て先輩がちょっぴりバツが悪そうに言う。

 

「いえその、わたしもシャワー浴びましたし……」

 

 ちょ、何言ってんのわたし!? 

 先輩がちょっとびっくりしたような顔でわたしを見てる。

 

「あ、違くてその、朝のシャワーは毎日浴びてるってゆーかですね……」

 

 それは本当――でも嘘。わたしは休日の朝はゆっくり寝てるのでシャワーも浴びないし、学校ある日でもさっと寝汗を流す程度で、今朝みたいに念入りに体を洗ったりローション塗ったりはしない。朝は忙しいのでじっくりケアは夜のおフロの時にする習慣だ。

 

「…………」

 

「…………」

 

「と、とにかくですね、それじゃごはんにしましょうか」

 

「おう、そ、そうだな。じゃあ頼むわ」

 

 何がとにかくなんだか……。ごはんでもおフロでもなく「いろはにする」とか言われてたらどうするつもりだったのわたし? いやその、もちろん嫌なわけじゃないですけど、いきなりは心の準備的にあれというかですね……。

 

 とにかく――そう、とにかくごはんにすればいいんです! それで仕切り直しです!

 

 リビングに先輩を通し、

 

「今から仕上げしちゃうんで少しだけ待って下さいね~」

 

 そう彼に声をかけてわたしはキッチンに。

 

 さっき一度予熱しておいたオーブンを再予熱。まだ時間があまり経っていなかったからか、ほぼノータイムで予熱完了のアラームが鳴る。

 わたしはさっき準備してた耐熱皿をオーブンの中に2つ並べて入れ、タイマーを15分にセットしてスタートボタンを押した。

 ブウん、と、電子レンジとして使うときとは少し違う音をたててうちのオーブンレンジちゃんが仕事を始める。 ……あとは待つだけ。わたしはお茶の用意をしてリビングに戻る。

 

 

 

 先輩はなんだか落ち着かなさそうにスマホをいじってたけど、わたしが戻ってきたのを見て手を止め、それをテーブルの端に置いた。

 わたしは先輩の隣に座って来客用の湯呑みと自分のマグカップにお茶を注ぐ。

 

 なんとなくタイミングを合わせるように二人で一口お茶をすすり……それからお互いちょっと気恥ずかしい感じで見つめ合う。

 

 ……せんぱいに触れたい……。

 

 うん、わたし、先輩の、その――恋人、なんだからいいですよね。

 だからわたしは離れていた半身分の体を彼の方に寄せ、お互いの肩が触れ合う位置で先輩の目を見上げる。

 

「八幡せんぱい……」

 

 これ、どう考えてもわたしから誘ってますよね……。またあざといとか言われちゃうのかなぁ……。でも……。

 あーもういいや。だって先輩とキスしたいです! 今すぐに! 誘ってる? 誘ってますが何か? 

 

 せんぱいは擦り寄るわたしの肩が触れると、少しだけ居心地悪そうにもぞりと身体を揺らしたものの、以前みたいに逃げようとしたりはしない。わたしと目が合ってもすぐに目を逸したりしない。わたしが彼の瞳を見つめたまま目を閉じれば……、

 

 

 

 おあずけの時間は約2秒。

 

 わたしの唇は温かい熱に包まれ、先輩の吐息が微かに頬をくすぐる。 

 

 はぁあぁああ~~~~。唇から広がる柔らかい熱で全身溶けそう。とくに脳みそはデロデロです。それはもう溶けてますね……。

 わたし達は一度だけ軽く舌先を絡め合い……ゆっくりと離れる。

 目を開けばいつもの照れたようなせんぱいの顔。わたしはこの顔がたまらなく好きだ。確かに自分で「目が腐ってる」と言うぐらいだからあんまり目つきは良くはないです。けど、その奥に隠された彼の優しさとか、面倒見の良さとか、寂しさとかを知ってしまうと、不思議とその目が雰囲気のある、味のある目元に見えてきてしまうというのだから……。

 

 彼の唇が開き、

 

「いろは……」

 

 と少しかすれたような小声でわたしの名前を呼ぶ……。

 

「せん……ぱい……」 

 

 もう一度……。

 

 彼はわたしの躰に腕を廻すようにして抱きしめ、もう一度口づけをくれる。ソファに二人寄り添うように並んで座り、お互い半身になって抱き合うよなキス……そ、それもわたしからじゃなく先輩から!

 そんな事でさえ、わたしと先輩が恋人同士になったんだという大切な証明のように思えて……。

 せんぱい……先輩好き、好き……大好き……。

 

 クチュクチュと、じゃれ合うように舌を絡め合い、ついばむようにお互いの唇を貪る。呼吸が苦しくなってお互いの吐息が漏れる。

 

「っっく、はあ、……いろは……んっ」

 

「……んッ、は……ぁ、せ……ん、ぱ……むぐ、んん~~!?」

 

 先輩の手がそっとセーターごしのわたしの胸に触れてきた。わたしが少し驚いてびくっと震えたら、彼はそれで手を止めてしまう。

 あ……嫌だったわけじゃないのに…………。

 

「せんぱい……その、ちょっとびっくりしただけです……から……」

 

 だから……わたしは彼のその手を包むように上から押さえ、ゆっくりとわたしの胸に触れさせていく。 ……彼の掌は、安心したようにやわやわとわたしの胸を揉み始めた……。

 

「あっ……んっ」

 

 服の上からでも敏感な部分を刺激され、自然に声が漏れてしまう。わたしはその気恥ずかしさをごまかすように、吸い付くように先輩の唇を求めていく……。

 

 せんぱい……八幡せんぱい……せんぱいっ…………。

 

 

 

 

 

 「ピピー、ピピー、ピピー」というオーブンの焼き上がりのアラーム音が、幸せ過ぎて馬鹿になっていた私たちを現実に呼び戻した。

 うう、もっとキスしてたい、もっと触れたいもっと触れて欲しい……。でも……

 

 わたしは未練を断ち切るように、彼にベッタリともたれていた半身を起こす。

 

「ご、ごはん、出来たみたいです……」

 

「お、おう、いただきます……は、まだか……」

 

 先輩の台詞にわたしがぷっと吹きだすと、彼は照れたように微笑って、わたしの頭をぐりぐりっと、ちょっと乱暴に撫でた。

 

 

 




 
 
 いろはすせんぱい味。
 
 
 

「次こそ次こそ詐欺?」

 いや申し訳ない。回想シーンなぞ入れたせいで一向に話が進みませんね……。

 きっかけはウインナーネタ。これに繋げるために八幡視点の回想でも軽く書いておくか……と……。

 お? これ男目線のほうがエロくね? じゃあもうちょっと長めに書いてみるか……。

 で、話がちっとも進まないというね…………。

 つ、次こそはきっと……。




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3月6日 誤字修正 報告いつもありがとうございます。
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