※この作品はR-18です。

天才橘博士の珍発明   作:Mr,J

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第10話

 

その日、学校が終わって帰宅する真鈴は家に戻ると徹の車が駐車場に停まっている事に気付く。何時もなら夕方6時を過ぎないと帰って来ない父親が珍しく早く帰って来ているのに真鈴は少し驚いた。

 

「ただいま~」

 

家の玄関を開けて家に入ると、何やら家の中が少し慌ただしかった。

 

「あ・・・お帰り真鈴」

「どうしたの?」

「今日ね、お姉さんが家に来るのよ」

 

その言葉に真鈴は少し首を傾げた。

 

「お姉さんって・・・パパの?」

「そうよ」

「寝たきりじゃ無かったの?」

「そう見たいなのよ、どうやって連れて来るか分らないけど・・・とりあえず、準備だけしておくわ。真鈴も・・・お洋服に着替えておいてね」

「は~い」

 

真鈴は、状況が上手く飲み込めず、とりあえず服を着替えて母の準備の手伝いをする事に決めた。

夕方6時になる頃、家族は皆リビングに居て、姉優が来るのを待っていた。

何時もなら夕食の時間である為、真鈴はお腹を空かせていた。

 

「ねえ・・・ちょっと味見してもいい?」

 

と、テーブル乗せたオードブルに手を伸ばそうとすると・・・

 

「まだよ」

と、母に叱られる。

 

しばらくして、玄関のチャイムが鳴り響いた。徹は時刻を見て姉が来る時間だと思ってインタホンの画面を見る・・・が、画面を見て少し表情を強ばらせた。

 

「どうしたの?」

「姉がいないけど・・・」

 

それを聞いた、美希と真鈴が一緒に外の玄関前の人を見ると、見知らぬ女性と・・・その隣に小さな女の子の姿があった。

 

「とりあえず挨拶してくるよ」

 

徹は玄関を開けて2人を見た。女性の方はすらりと背丈が高く綺麗な感じの女性だった。その隣に居る少女は、女性の娘にしては少し幼過ぎる感じがした。顔も女性の顔立ちを受け継いで居る感じには少し見えない・・・。しかし・・・少女には愛らしさと、何処か懐かしさを漂わせている雰囲気が感じられた。

少し奇妙に感じながら徹は2人に声を掛ける。

 

「あ・・・あの、何か用ですか?」

 

徹の言葉に少女が口を開いた。

 

「しばらくぶりね徹、元気そうじゃない」

 

その言葉に徹は、目の前に立つ見慣れない少女の姿を見て、ハッと気が付く。

幼い頃・・・良く自分の面倒を見てくれた姉の姿そのものだった。子供の姿になっても面影は色濃く残っており、少女のあどけなさがある物の、姉が何時も話している口癖や雰囲気はそのままだった。

 

「ね・・・姉ちゃんなんだ?」

「そうよ・・・彼女は、若返りたいと言ったので、私の身内に頼んで若返らせました」

「それなら・・・一言いって欲しかったよ。びっくりしたじゃないか」

「驚かすつもりは無かったのだけどね・・・」

「とりあえず、家に入ろう。皆待っているから」

 

そう言って、幼い姉と京子を家に迎え入れて一同はリビングに集まる。

 

「若返りって、こんな子供の姿にまでなってしまうの?」

「まだ・・・研究中で、これは例外かもしれないと博士は言っております」

 

真鈴は優の隣に座って一緒に食事をする。

 

「お姉さんは、これからどうするの?」

 

真鈴の言葉に京子は答える。

 

「今の姿では1人でアパート暮らしは難しそうなので、引き取り手が居れば、そちらに養女として養って貰う事を考えています」

「じゃあ・・・一緒に暮らそうよ。私弟妹が欲しかったから」

「真鈴、まずはお姉さんの意見を聞くのが先よ」

「そうね・・・迷惑で無ければ、お願いします」

 

優は徹を見る。

 

「まあ・・・ウチは別に構わないよ、お姉さんが居れば多分、真鈴も嬉しいかもしれないし・・・」

「では・・・その様にしましょう」

 

そう言うと京子は、立ち上がる。

 

「私は、これで失礼します」

 

それを見た徹が玄関先まで見送る。

 

「お姉さんを若返らせた上に、連れて来て頂き深く感謝します。今度何か礼をしに伺います」

「礼なんて・・・別に私は大した事はしてません。ただ・・・彼女は私の憧れの方だったので、何かしてあげたいと思って…したまでの事です」

 

京子はそう言って一礼をして帰って行った。

その日の晩・・・子供の姿まで若返った優と真鈴は一緒にお風呂に入った。

キャッ、キャッ・・・と声を上げながら2人はお風呂で楽しい一時を過ごす。

 

「私ね、弟妹が出来たら、一緒にお風呂に入るの夢だったの」

「じゃあ、これからは一緒にお風呂に入りましょう」

「うん、そうだね。ねえ優ちゃん背中流してあげる」

 

そう言って真鈴は優にお風呂椅子に座らせて背中を洗い流す。つい・・・先日まで病気で寝込んでいた60歳の女性とは思えない艶やかな白い肌に、発育途上で幼い胸等は身体は疑う事無く、目の前に居る少女と変わりは無かった。

 

「真鈴ちゃんは、好きな人とかはいるの?」

「ん・・・あまり考えた事はないな・・・」

「そうなの、まあ・・・今はあまり関係ないか」

 

優は笑いながら答える。

 

「好きとは違うけど・・・良いなあ、と思う人が居てね」

「へえ・・・誰かな?」

「島崎さんの家の、お兄さん」

 

それを聞いて優は少し呆気に取られた。

 

「彼が良いの?」

「何かね・・・頑張っている感じが良いな・・・て思えて」

「そ・・・そうなんだ」

 

優は、少し苦笑しながら答える。

2人は入浴の後、一緒の布団の中で休む。

 

「優ちゃんは、これからずっと家に居るんだよね?」

「うん、一緒だよ」

 

そう答えると、少女は笑みを浮かべながら、真鈴の手を握ったまま眠りに落ちる。

 

 

~数日後・・・

 

プルル・・・

翔太のスマホに着信が入る。

 

「はい、もしもし・・・」

「おお、私だ・・・先程君が送ってくれた若返った方の画像見たよ。今回も美人だったな・・・」

「まあ、そうですね」

「ちょっと気になるのは・・・やはり年齢だが・・・子供までに若返ってしまうのかな?」

「既に2名の方がそうなっていますので、次に行う時も可能性としては考えられますね」

「そこで相談だが・・・次は出来るだけ年齢の若い方で試して欲しい・・・」

「と・・・言いますと?」

「出来れば30~40代の方で」

 

それを聞いた翔太が溜息を吐いた。そんなに都合良く、自分の周りで対象になる人など存在しない・・・と、言いたかった。

 

「あと・・・もう一つお願いがあるのだが?」

「はい、何でしょうか?」

「若返った方のどちらかを、一度研究室まで連れて来て欲しいな」

「分かりました。2人に声を掛けて起きます」

 

翔太がスマホを切ると、少し溜息を吐く。

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