※この作品はR-18です。

戦国乙女と【あなた】の蜜月   作:五十貝ボタン

20 / 23
足利主従と【あなた】
ミツヒデと♡


 パチリ。

 細い指が、芸術的な角度で盤上に駒を指す。

「これで詰み、ですな」

 低く抑えた声で、女が笑った。

 あなたは将棋盤を前に、腕を組んでうなる。王将にはもはや逃げ場はない。かといって、王手を打破できるような駒ももう残されてはいない。

 盤から目の前の女に視線を戻す。眼鏡の奥のまなざしには、喜ぶような表情も、自慢げな様子もない。ただ、これぐらいはできて当然だ、という余裕だけが見て取れた。

 

 あなたが投了を告げると、彼女……明智ミツヒデは、あごをわずかに引いてうなずいた。

「思った以上に粘りましたな。もっと早く決着すると思いましたが」

 さっそく、棋譜の検討を始める。改めて、周到な指し筋にうならされる。

 ミツヒデの指し筋は千変万化、とらえどころがない。それほど覇気に満ちた攻め手というわけではないのに、いつの間にか敵陣に深く切り込んでいるのだ。

「以前よりも格段に強くなっておいでです。この調子なら、近いうちに私を負かす日が来るかもしれません」

 ミツヒデはそう言うものの、果たしてそんな日が来るのかどうか。

 

「いやいや。強くなってもらわなければ困ります。もう、京都には私の好敵手となる打ち手がおりませんから」

 ミツヒデが小さく息をつく。「松永殿が存命なら」という言葉がその裡(うら)に隠れているのは明らかだ。

「モトチカ殿はあまり相手をしてくださいませんし、ノブナガ殿くらいしか……とは言っても、今、私が尾張に出入りするのもはばかられます」

 松永の乱より以降、各地には不穏な空気が広がっている。特に尾張の織田家は出陣の準備を着々と整えているらしい。何か一つきっかけがあれば、大きな戦に繋がっても不思議ではない。

 

「強大な力を持った勾玉であるとか、天下統一ができる鎧だとか、そういうものが現れなければよいのですが」

 ミツヒデがつぶやく。まさか。そんなものがそうそう見つかるはずがない。

「いや、仮にそんなものがあったとしても、ヨシテル様がにらみをきかせさえすれば問題はないはずなのですが」

 ほう、と再びため息。ここのところ、彼女はため息をつくことが多くなった。

「最近のヨシテル様は、なんというか……自暴自棄のケがあります。元から、我が身を省みない性向のお方ですが、近ごろは、ますますひどくなっておられる」

 

 主君に対する物言いとはとても思えないが、当代将軍・足利ヨシテルが何かを思い詰めているのは、誰の目にも明らかだ。

 腹心であった松永弾正久秀による謀反を治めはしたものの、それ以来各地の大名の増長は著しい。特に、武田・上杉両家は何度仲裁しても川中島での戦を続けているようだ。

 すでに幕府の威光に陰りが見え始めているうえ、将軍は人前に姿を表すことが減り、弟である義昭はまだ幼い。

 

「小手先の対策では無意味でしょう。何か、ヨシテル様の心持ちを根本的に変えるような手を打たなければ……」

 幕府隠密であるミツヒデが、あなたの元を訪れるのは何も将棋を指すためだけではない。

 今の二条城にどれだけ信頼できる相手がいるのかわかったものではない。天下の策士を自称する彼女にも、相談相手は必要なのだ。それだけ信頼されているということは、あなたにとっても喜ばしいことだ。

「しかし、私にも人の心だけは読めませぬ。ましてや、主君の心を操ろうなどと、大それたことを……」

 

 眼鏡の奥、長いまつげが瞳を陰らせる。彼女の弱気な表情を見ることができるのも、役得というべきか。

 あなたは彼女を慰めるため、白いかんばせに手を添えた。

「……そうですね。小細工であろうと、策を弄するのが私の流儀。必ずや、手はあるはず」

 伏せた目をあなたに向け直し、ミツヒデは手に手を重ねる。ほっそりとした指は柔らかく、稀代の策士にも、最強の隠密にもふさわしくないように思えた。

「ふふ。ご指南いただけますか?」

 冗談めかして、ミツヒデがあなたを見つめる。

 透き通った眼鏡で屈折した頬骨。レンズごしではない目元は、睫が触れあって、すぐに閉じられてしまった。

 

「ん、っ……」

 薄桃色の唇が、そっと触れる。はっとするほど柔らかい感触が伝わり、何度もついばむたびに切なげな声がミツヒデの喉を震わせる。

 あなたが押し開かせるように舌を伸ばす。数秒のためらいののち、ミツヒデはそれに応えて、薄桃色の唇が開かれる。

 

 く、ちゅ、ちゅく、ちゅ、る……

 

 他人の目がなくとも、わずかな警戒心が感じられた接吻は、閉ざしていた門を開くように、あなたの舌を受け入れていく。

「ふ……っ、んっ……」

 濡れた唇から息が漏れる。ミツヒデの瞳は濡れ、透明な眼鏡にあなたの輪郭が映っていた。

 あなたは何も言わず、ミツヒデの着物の合わせに手を伸ばした。

 

「あ……っ、んんっ……!」

 甘い声。将棋を指していた時とはまったく違う、上ずった嬌声。あなたはそれをさらに高めるため、柔らかな双丘に手を触れさせる。

「く……ん、っ」

 支えておらねば、すぐに落ちてしまうのではないかと思えるほどの、甘やかな感触。あなたの手がその感触を確かめるたび、ミツヒデの背筋が震える。

 

「あ、あまり、おもちゃのように……っ、んんっ……♡」

 こわばりを示し始めた先端を指で擦る。嬌声が抑えきれないミツヒデのそこは、触れるたびに硬さを増し、やがて指を押し返すほどに立ちあがった。

「っは、っ、ぁ、ッ……! こ、困ったお方だ……っ」

 忍びとして、声を抑える訓練を受けているはずの彼女がこうしてあなたに声を聴かせるのは、こらえきれない快感のせいか、それとも安心感からだろうか。

 あなたは帯に手をかけ、白い肢体をあらわにさせていく。腿に巻かれた細身の帯には、苦無が一本、撮りつけられていた。

 

「……お、お分かりかと思いますが、万が一の用心です。私は、いつでも身に着けているもので……」

 なぜかばつが悪そうに、ミツヒデが視線を泳がせる。

「い、いつも一人で着けているものですが、あなたになら、外すことを許します」

 視線を逸らしたままのミツヒデにうなずき、あなたはゆっくりと腿に手を触れさせる。白い肌を苦無の刃が傷つけないよう、慎重に指を滑らせていく。

「ん、ひゃ、ぁ、ぁっん……っ」

 わずかな声を漏らすミツヒデを尻目に、あなたはことさら焦らすように指を腿に這わせる。帯の結び目を探り、引き締まった腿の滑らかな感触を楽しむ。

 

「わ、わざと時間をかけるのは……っ、んんっ!」

 脚を合わせたままのミツヒデが、小さく腰をゆする。肌はうっすらと紅潮し、あなたの指を誘うようにわずかに足が開く。

 内ももに結わえられた結び目に指をかけて細い帯をほどく。畳の上に、苦無が落ちる鈍い音。

「っは、ぁ……っ。まったく。すぐに調子に乗るのですから……」

 詰めていた呼吸を取り戻すように、ミツヒデが熱く息を吐く。そのたび、柔らかい双丘がたわみ、表面を寒天のように震わせた。

 

 あなたはうっすらと緩められた足の間に手を這わせ、その中心へと滑らせていく。ミツヒデの下帯はうっすらと湿り気を帯び始めていた。

「ん、っ、っ……!」

 抑えた息遣い。閉じようとする足をこじ開けるように、あなたは布地ごしにそこを擦る。

「あ、あっ……っく、ぅっ♡」

 女らしい曲線を描く下半身が、ぴくりと震える。上ずった声が弾み、足の指がきゅっと丸まるのが見えた。あなたの指が触れた箇所から、電撃のように快感が走っているのだろう。

 

「一手、指したら、次の一手は譲るもの、ですよ……っ」

 なんとか、低く抑えようとしている声でミツヒデはあなたをにらむ。眼鏡の奥で、雪解けの泉のように潤んだ瞳があなたを見つめ、その一方で細い腕がその「一手」のために動いていた。

「ふ、っ。気の早いお方だ……♪」

 あなたの股間に触れた手が、逸物を布地ごしになぞりあげる。くっきりと硬くなっていることを確かめると、瞬きをする間にはすでに帯をほどき去っていた。そして、その手際に驚いている間には、あなたの下帯が奪われている。まこと、驚愕すべき手わざである。

 

 いや、驚愕している場合ではない。

 そうして外気に晒された逸物をミツヒデは逆手に握り、大きくしごきあげた。

「ん、っ……何度、触れても……これは、熱さに驚かされます」

 く、りゅ、くりゅ、と、五本の指が肉棒に絡む。血が集まってかたくなったそれを、さらに充血させるかのように、根元から先端に向かって大きくしごき、また細い指で表面を擦る。

 あふれてくる先走りを掌で塗り付けながら、動きはさらに大胆になっていく。

 

「ふっ。これで、ようやく対等というものです……あ、っ、んんっ!」

 笑みを形作った唇が、また嬌声の形に開かれた。あなたの指がミツヒデの下帯の中へと潜り込んだのだ。

「そ、そこは、あっ……っ、っふ、んんっ……」

 こらえた声が喉を震わせ、眼鏡の奥でまつ毛が重なる。あなたの指が秘唇をなぞるたび、びく、びく、と下半身がわななき、足の指までもが表情豊かに反応していた。

 そしてまた、あなたの逸物を握る指にも力がこもり、くりゅ、くりゅ、っとそれを扱きあげていく。

 

「っは、ぁ……っく、ぁ、んっ……あ、あっ……!」

 普段から低く抑えた声が、徐々に上ずり、甘い色合いを帯びていく。それに合わせるように、秘所は体温と同じ厚さの粘りをにじませ、あなたの指に絡みつかせていく。

 あなたは彼女にその音を聞かせるかのように、指を入り口に差し入れ、空気を含ませてかき回した。

 

 く、ぢゅっ、ちゅぐっ、ぐちゅ、ぢゅくっ……!

 

「っは、ぅ、ぁ、ぁあっ! ん、ぁ、ああぁ……♡」

 ミツヒデは必死に押さえようとしているものの、強い刺激に喉を反らせ胸を突き出すように反応してしまっている。

 下半身にも力がこもるらしく、びく、びくびくっ! と、反射的な締め付けが指に伝わり、また腰が小さく浮き上がるように揺れてしまっていた。

 一方で、あなたの竿を握る指は、まるで吸盤でもついているかのように吸い付いて離れず、熱い肉棒を何度もしごきあげる。

 細い指が表面を滑り、撫でまわしているのに、かかる圧力は変わらずにしっかりとしごき続けるのだ。

 

 く、しゅっ、しゅくっ、くちゅっ、しゅく、しゅくっ……!

 

 あふれる先走りを全体になじませるように塗り付ける。男のにおいにまみれる掌もいとわず、ミツヒデは熱心にあなたへの奉仕を続けていた。

「っはぁ、ふ、く。そ、そろそろ、決着に臨みます、か……っ」

 唾液がにじんでますます艶っぽい唇で、ミツヒデがささやく。かすれ気味の声はどこかみだりがましいものを感じさせた。

 あなたはミツヒデの丸い尻を抱え、その体を抱え上げた。部屋の中に敷かれた布団へと運ぶためだ。

 無論、彼女をこの部屋に引き入れたときからそのつもりだったのだ。あなたの首に腕を巻き付けて運ばれるミツヒデとて、それは同じに違いない。

 

「こんなことが、義明様に知られたらことです……」

 布団へ身を崩しながら、ミツヒデがつぶやく。純粋無垢に人の形と高貴な血筋を与えたような少年の顔がちらつくらしい。いかなる時でも、隠密の忠義を忘れはしないのだろう。

 そうはいっても、相手が少年とはいえ房室でほかの男の名を出されるのは気に障るものだ。あなたは彼女の下帯をずらすなり、肉棒を押し当てた。

「ま……っ、まだ、心の準備が……っく、ぁ、ぅううっ♡」

 

 ず、ぷ、くちゅ、ずぷぷぷ……っ!

 

 蜜壺の中へと、硬く張りつめた亀頭が押し込まれていく。淫欲で忠義を押し出すかのように、ミツヒデの膣内を熱い肉棒が埋めるたび、彼女の声が上ずった。

「ま、っ、て、今のは、悪かった、ですから、っひ、ぅ、ぁぁっ♡」

 互いの愛撫ですっかり準備を整えていた性器は、難なく根元までつながり、女の中を男が満たす。

 ミツヒデはその挿入に呼気を押し出され、大きく口を開けて呼吸を喘がせていた。

「そ、そんなに、いきなり、奥まで……っ、ひ、卑怯、で、あぅ、ぁああっ♡」

 

 ず、っく、ちゅぐっ、ずぷ、じゅく、じゅくっ、じゅぷっ……

 

 彼女の口上も聞き流し、あなたは大きく腰を揺らし始めた。

 半端に脱ぎ下された下帯はまだ腿の半ばで引っ掛かり、足は閉じたままだ。その分、中は窮屈で、こじ開けるようにあなたは肉棒を打ち込んでいく。

「ふ、っく、あ、ぁ、っ、んんっ♡ た、たしかに、狡知も私の十八番ですが、房事にまで不意打ちなど……ぁ、く、ぁ、ぁあっ!」

 甘やかな声が響く。この声を聴くことができるのが自分だけだと思うと、膣内の肉棒はますますいきり立った。

 

「あ、く、ぅ、中で、また大きくっ……♡ ま、待って、せめて、これを……っ」

 ミツヒデは足を閉じさせ、動きを拘束する道具と化した下着になんとか手を伸ばし、それを脱ぎ下していく。そうはいってもあなたに貫かれ、下半身を掴まえられたままではうまくいくはずもない。

 それどころか、敏感な個所に触れるたび、膝が震え、足首がこわばり、また足指が丸まるところまでがはっきりと見える。言葉よりも雄弁に、その反応が快楽を物語っていた。

 

 ず、くちゅ、じゅぷっ、に、ちゅ、ちゅぐっ、ちゅぐっ、じゅぷ、じゅくっ!

 

「あ、っ、ぁあっ、く、っふ、ぅ、ぁあっ……♡」

 突き上げられ、肉棒に絡みつく淫液の音を響かせながら。

 ようやく下帯から片足を抜き、下半身の自由を取り戻したミツヒデは、それを片足の膝にひっかけたまま、はしたなくも足を広げる。腰を浮き上がらせ、さらに深くあなたを受け入れた。

「ん、っ、っは、ぁ、お、くが、切なく……っ♡」

 膣が収縮し、奥へ向かってすすりあげるようにうごめく。深い場所があなたの亀頭を受け入れ、ぎゅうう、っと圧迫を強めた。

 

「っは、ぁ、あく、ぁ、あああっ! そ、ぅ、そのまま、ぁ、ああっ!」

 抑えきれない声をあげながら、ミツヒデが下半身を弾ませる。手よりもさらに巧みに、膣内は男をしごき、吸い付き、絡みつく。

 あなたは湧き上がる熱いものをこらえながら、肉感的なのに軽やかなその体を抱き寄せ、最も奥を何度も突き上げた。

「ぁ、く、も、ぅ、ぁ、あああっ! っは、ぁ、ああああああああっ♡」

 硬い肉棒が女の最奥、最も柔らかい場所を突き上げる。ぴったりと受け入れる形にゆがませながら、あなたはミツヒデの膣奥で絶頂を迎えた。

 

 びゅぐっ! びゅるるるっ! びゅぐっ、びゅううううううっ!

 

「ぁあっ! っく、っは、ぁ、ああああっ! ぁ、ぁあ……っ♡」

 必死に押さえようとしてもあふれる声を響かせながら。がく、がくっ! と全身を震わせ、ミツヒデが女の悦びに身を撃ち震わせる。

 眼鏡が白く曇るほどの熱気をまとわせながら、何度か身を弾ませ、くったりと布団に横たわった。

「は、ぁ、はぁ……ま、まったく。こちらでは、かないません……あ、ん、むっ……♡」

 照れ隠しか、負けん気の表れか。彼女のよく回る唇がそれ以上の言葉を紡ぐ前に、あなたはそれをふさぐ。

 

「ん、く、ふ、んむ、んっ……♡」

 ミツヒデはそれに抵抗するでもなく、あなたの首に腕を巻き付かせながら受け入れ、互いの絶頂のけだるい時間、肌を触れ合わせて過ごしたのだった。

 

 

☆戦国9乙女☆

 

 

「こうしていると、自分がか弱い乙女にでもなったかのようです」

 同じ布団にくるまりながら。あなたの胸に顔をうずめて、ミツヒデは小さくつぶやいた。

「はぁ……っ。ですが、こうしているときだけは、戦や謀略のことを忘れられるのです」

 深々とため息をついてから、ミツヒデはあなたの胸に額を擦りつけ……そして、不意に顔を挙げた。

 

「……そうか、それだっ!」

 危うく顎を打ち付けそうになったあなたの顔を見やりながら、ミツヒデの目が妖しく輝く。

「ふ、ふ、ふ……。決めました。明智ミツヒデ、一世一代の計略を仕掛けてみせましょう!」




大変お待たせ致しました。
何か月も空いてしまいましたが、投稿を再開いたします。

間が空いたのはミツヒデが書きにくかったからではなく、作者の環境が大きく変わったせいです。
とにかく、しばらくは少しペースを落としてゆっくり更新していきます。

次回は7/22に更新いたします。
果たしてどの乙女が登場するのか予想してみましょう。(予想するまでもないですが)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。