クロスアンジュ-青年から少女に転生した者-(完) 作:森島響
(アルゼナル医務室。マギーがミナの脳のレントゲンを撮っている)
アンジュ「どうなの? マギー先生。 ミナの様子は」
マギー「ふむ…特に脳に異常はないようだけど…。 ただ…」
アンジュ「ただ?」
マギー「ここに初めてやって来たときに診たときとは、脳波が異常に乱れているんだよ」
モモカ「それって、どういうことなんでしょうか?」
マギー「何があったかは知らないけど…。 この子、心の中で誰かと話してたかもしれないってことだよ」
アンジュ「誰かと? そいつは一体どこの誰なのよ?」
マギー「私が知るわけないだろう。 まぁ、私は他人の脳内に干渉できる人間なんて聞いたことないけど…。 ただ、あの子なら知ってるかもねぇ」
アンジュ「あの子?」
マギー「ジルだよ」
モモカ「あの司令官の…ですか?」
マギー「ああ。 だからといって、今すぐそのことを聞きに言っても、現段階ではジルでも分からないと言うだろうね」
マギー「だから、今はこの子の目が覚めるのを待って、この子から事情を聞くのが先決ってこと」
アンジュ「ミナ…」
マギー「心配かい? そんなに心配なら、彼女の部屋に運んで、目が覚めるのを待ってあげたらどうだい?」
モモカ「そうですね…。 アンジュリーゼ様、私も協力しますから、ミナさんを一緒にミナさんの部屋に運びましょう」
アンジュ「…そうね…」
(数時間後。ミナの部屋に到着。それと同時に意識を取り戻すミナ)
ミナ「…ハッ!」
ミナ「…ここは…? それと…アンジュとモモカさんまで…」
アンジュ「ミナ!」
モモカ「良かった…」
モモカ「ここの基地入口前で見つけてから一度目を覚ましたのに、また意識を失ってしまったので、アンジュリーゼ様と医務室に運んだんです」
モモカ「そこでマギー先生に診てもらったのですが…先生でも原因が分からないとのことで、ミナさんの部屋にアンジュリーゼ様と一緒に運んできたところだったんです」
ミナ「…そうなんだ…ごめんね、心配かけて…」
アンジュ「それより…一体何があったの?」
ミナ「…実は…」
私は、アンジュとモモカさんに自分の記憶が戻ったことを明かした。それと、謎の声の主についても…。
アンジュ「その声の主は、自分を“神様”と名乗っていたのね?」
モモカ「神様って…この地球を束ねるという全知全能の…あの神様でしょうか?」
アンジュ「他にどの神様がいるっていうのよ。 それと…」
アンジュ「ナオミ…ダメ、何も思い出せない…」
ミナ「無理しなくていいよ…。 ただ、声の主さんは、この世界とは別の世界でアンジュと一緒に世界を回る旅に出て…」
ミナ「その先で不慮の事故で亡くなった、と言っていたわ」
アンジュ「別の世界…? まさか、この世界の他にも色んな世界が存在するとでもいうの?」
モモカ「アンジュリーゼ様。 無理に質問責めしてはいけませんよ」
モモカ「ただでさえ、急に記憶を取り戻して混乱しているようですし」
アンジュ「そ、そうね。 ごめんなさい、ミナ。 私ったら、貴女の事情も良く理解しないで、一人で勝手に…」
モモカさんに、私に質問責めしてきたことを叱責されたアンジュは私に謝罪してきた。そのまま両手で頭を抱えて塞ぎ込んでしまった。
ミナ「別に気にしてないよ…。 ただ…」
ミナ「モモカさんの言うとおり…。 まさかこのタイミングで記憶を取り戻すなんて夢にも思ってなくて…まだ意識が混乱してる…」
アンジュ「そう…」
アンジュ「……姉妹…か」
ミナ「え?」
アンジュ「いや…さっき、家族に姉と妹がいたって言ったわよね」
アンジュ「実は、私にもジュリオという名前のお兄様と、シルヴィアという名前の妹がいたの」
アンジュ「そういえば、貴女にはまだ詳しく話してなかったわよね。 私の故郷…ミスルギ皇国からどうしてここに飛ばされてきたのかを」
モモカ「それについては私がお話しします」
私はモモカさんに、ミスルギ皇国でアンジュが経験した悲劇の出来事を聞いた。ジュリオというお兄さんがアンジュを追い落として自らが皇位の座につくためにアンジュがノーマだという事実を利用し…。
アンジュの洗礼の儀の際に全国民に対して、それを大々的に暴露して彼女を追放した上…。母親を死に追いやり、父親を拘束し処刑した…と。
一方、シルヴィアという妹さんも、アンジュがノーマだと知ってしまったその際、ショックで失神してしまった…とも。
ミナ「…そんなことが…」
アンジュ「それから先は、貴女も知っての通りだけど…。 こないだまで私は急に変わった生活環境に慣れなくて、早く死にたいとばかり思っていたわ」
アンジュ「でも…ミナ、貴女と出会って貴女と関わっていくうちに、逆に生きたいと思い直すようになっていた」
アンジュ「それは、こないだ無人島でタスクに貴女の3人で共同生活していって、更に確信に変わっていったの」
ミナ「…アンジュ…」
モモカ「アンジュリーゼ様、タスクさんって?」
アンジュ「そのことだけど…モモカ、今は悪いけど聞くのは控えてもらえる? また今度説明するわ」
モモカ「分かりました」
モモカ「…あの、何か私、お邪魔みたいなので先にアンジュリーゼ様の寝室に戻っていますね」
ミナ「え? モモカさんもいていいのに…」
アンジュ「いや、その方が私もちょうどいいわ。 ミナとは二人っきりで色々思っていること話し合いたかったし」
アンジュ「モモカ、部屋に戻って先に寝てていいわよ。 今夜はもう遅いし」
モモカ「はい」
モモカ「…ということですのでミナさん、お気遣いは嬉しいのですが、今日はこれにて私は失礼しますね」
そう言って、モモカさんは私の部屋を出ていって、アンジュの寝室に戻っていった…。私はアンジュと二人っきりになった。
アンジュ「………」
ミナ「………」
流石に気まずかった。だって、こないだまで小さな出来事とはいえ、険悪な雰囲気になっていたのだから。そう思っていたら、アンジュから口を開いた。
アンジュ「…あ、あの、こないだは…あんな暴言吐いて、ごめんなさい…」
ミナ「ううん。 もう気にしてないからいいよ」
ミナ「それより…私の方こそついムキになっちゃっててごめん…」
アンジュ「ありがと…。 それで、仲直りのお詫びと言っては何だけど…」
ミナ「え?」
その途端、ベッドから立ち上がって自分の服を脱ぎ捨てるアンジュ。下着姿になって私に迫ってきた。
ミナ「ちょ…ちょっと、アンジュ…。 きゅ、急に、そんな…///」
アンジュ「何を遠慮しているのよ? 私だって、こんなことするの恥ずかしいんだから…」
アンジュ「今は素直になったっていいじゃない。 それより…ミナ、貴女も脱いで」
ミナ「アンジュ…う…うん…///」
そう頷いて、私もアンジュの目の前で下着姿になった。こないだ、サリアとあんな関係になったばかりだというのに…。
これでは浮気ではないかと罪悪感を感じながらも、身体はすっかり火照って敏感になっていた。
―――――数時間後―――――
アンジュ「ふっ…んむっ…///」
ミナ「はっ…やっ…アンジュ、そこっ…ダメェ…」
アンジュ「ハァッハァッ…ふ~ん…」
アンジュ「どうやら、ここが弱いみたいね。 もっとイジめてあげる///」
ミナ「やぁぁっ…。 そ、そんなぁ…」
こないだのサリアとしたときみたいに、今度はアンジュに主導権を握られていた私。余りに汗をかいたので、私達は一度下着を脱いで全裸になって、再び抱き合った。
(深い口付けを交わしているアンジュとミナ)
アンジュ「ん…。 むっ…んんっ…」
ミナ「むっ…。 んんっ…んっ………ぷはっ///」
アンジュ「ハァッハァッ…。 み、ミナったら、結構キスがうまいわね」
アンジュ「もしかして、誰かと何回かシてるの?」
ミナ「…! そ、そんなわけないでしょ…ハァッ、ハァッ…」
アンジュ「ふ~ん…。 まぁ、別にいいけど…ふあっ!」
もしかして、サリアとしたことを見抜かれているのかと錯覚したが、私は何とか誤魔化した。その途端、私の股間に自身の股間を擦り合わせてきて、切ない喘ぎ声を漏らしたアンジュ。私もそれに呼応するかのように股間を擦り合わせた。
ミナ「ひあっ! あんっあんっ!! あ、アンジュ…そんなに激しく…はっ…んっ!」
アンジュ「み、ミナだって…! すっかりその気になってるくせに…」
アンジュ「あっあっあっ!! もっと…もっとぉ///」
ミナ「アンジュ…好き…大好き…はああんっ!!」
アンジュ「私も…愛してるわよ、ミナ…あああんっ!!」
心の中で(ごめん、サリア…)とサリアに泣きながら謝罪しながら、私はアンジュに愛の告白を交わした。アンジュもそれを受け止めてくれるかのように好きと言ってくれた。それと同時に、私達は2人仲良くイッてしまった。
しかし、この時の私はまだ想像していなかった。あの謎の声の主が言っていた通り…。まさかこの先…アンジュと敵対する運命になるなんて…。
(その頃、司令室にて)
(マギーからミナに起きた出来事を密かに聞き、ある人物の名前を呟くジル)
ジル「今度は何をするつもりだ…エンブリヲ…!」
To be continue…。
怒涛の投稿ラッシュでした。今日はここまでにします。続きは明日一気に更新出来たらします。