クロスアンジュ-青年から少女に転生した者-(完) 作:森島響
(アルゼナル司令室にやって来たアンジュとミナ)
ジル「来たか」
アンジュ「全く…こんな非常事態に一体何の用?」
ミナ「まぁまぁ、アンジュ。 確かに例のドラゴン達が来てから、そんなに日にちも経ってないけど、ジル司令の命令なんだから」
ジル「アンジュと違って、ミナは物分かりが良くて助かる」
アンジュ「悪かったわね、物分かりが悪くて」
ジル「それより…。 今回、二人を呼んだのはだが…。 ここでドラゴンやシンギュラーについてのおさらいをしておこうと思う」
アンジュ「は?」
ミナ「こ、こんなときに…ですか?」
ジル「こんなとき、だからだ。 解説はこちらの3人に任せてある。 パメラ、ヒカル、オリビエ!」
私達の前に、3人の女の人達が出てきた。金髪の人、赤髪の人、緑髪の人が左から順に並んでいる。
パメラ「初めまして、でしたよね。 パメラです。 担当は統括管制で主任オペレーターをしています」
ヒカル「ヒカルです。 同じくオペレーターで担当は発着管制です」
オリビエ「オリビエです。 アルゼナルの新米オペレーターで担当はメイルライダーのモニタリングです」
パメラ「私達3人が、ジル司令に代わってドラゴンなどについて、貴女達に解説させてもらいます」
ミナ「よ、よろしくお願いします」
アンジュ「フン。 ドラゴンの解説ですって? 今更? 下らないわね。 悪いけど、私は部屋に戻ってるわ」
ミナ「あっ! ちょっとアンジュ!」
(ミナが制止するも、無視して司令室から出て行ってしまったアンジュ)
ジル「もういい。 あいつのことは放っておいて、お前だけでも聞いていけ」
ミナ「は…はい」
ジル「では、私はちょっと外せない用で出かける。 あとはお前達オペレーター達に任せる」
パメラ・ヒカル・オリビエ「「「イエス・マム!」」」
ミナ「え? 司令は戻って来ないんですか?」
ジル「すまんな。 言い出しっぺは私なのに、留守にして。 ではこれで」
(アンジュに続いて、ジルも急用だからと司令室を出て行った)
パメラ「さて。 始めてもいいですか?」
ミナ「…は、はい! 改めて、よろしくお願いします!」
ヒカル「では、まずシンギュラーについてですが…」
オリビエ「もう一つの地球からマナの世界を繋ぐ次元の扉で、その扉が開くポイントがシンギュラーポイントです」
パメラ「ここまでは分かりますね?」
ミナ「はい」
ヒカル「では。 本題のドラゴンについてですが…」
オリビエ「アルゼナルのノーマ達が戦う人類の敵で、正式名称は『次元を越えて侵攻してくる巨大攻性生物=Dimensional Rift Attuned Gargantuan Organic Neototypes』です」
パメラ「この各単語の頭文字を取ってドラゴンと名付けています」
ヒカル「外見はファンタジー作品に登場するドラゴンに酷似しており、個体差が大きく、体格によって『ブリッグ級』『ガレオン級』『スクーナー級』『フリゲート級』などに分類されています」
オリビエ「例えば、この間、高重力攻撃をしかけてきたあの角が生えたドラゴンはガレオン級に該当します」
パメラ「…何だか、あっさり解説が終わってしまいましたね」
ミナ「そ、そうですね」
ヒカル「ど、どうします? ジル司令にはシンギュラーとドラゴンの解説をしろ、とだけしか言われてませんし…」
オリビエ「うーん…」
解説すべきことをあっさり済ましてしまって、頭を悩ませていたパメラさん達に、私は今一番気になっていたことを質問してみた。
ミナ「…あの…。 一つ質問いいでしょうか」
パメラ「何でしょうか?」
ミナ「…アンジュや、あの謎の機体が歌っていた歌についてなんですが…。 何という曲なのか何か知ってないんでしょうか?」
ヒカル「え…」
オリビエ「…す、すみませんが、私達もあのような歌は聞くのは初めてで…」
パメラ「…というわけですので、残念ですがその質問には答えられません…」
ミナ「…そ、そうですか…」
ミナ(こんな時にアンジュがいてくれれば手っ取り早かったんだけど…さっき司令室を出て行っちゃったしな…)
そう私が悩んでいたときだった。
アンジュ「…仕方ないわね」
(突然司令室に入ってきたアンジュ)
ミナ「!? あ、アンジュ!? さっき、部屋に戻るって…」
アンジュ「貴女のことが気になって、そこら辺見て回って戻ってきたのよ。 悪かった?」
ミナ「ううん。 戻って来てくれて嬉しいよ。 それで、聞きたいことがあるんだけど…」
アンジュ「あの歌のこと? 『永遠語り(とわがたり)』って言うんだけど…」
ミナ「『永遠語り』?」
アンジュ「そう。 ミスルギ皇国皇族に伝わる歌で、お母様から教わってよく歌っていたの」
アンジュ「シルヴィアやジュリオお兄様もこの歌を知り、誇りとしているから、私がミスルギ皇国の絞首台で処刑されかけた時、急にこの歌を歌ったときは怒られたけどね」
ミナ「それは分かったけど…。 どうしてあの謎の機体の持ち主も、その歌のことを知っていたのかな?」
アンジュ「そこまで私が知るわけないでしょう? 寧ろ、それは私自身が一番知りたいことよ」
ミナ「そ、そうだよね…」
ミナ「でも、アンジュとあの機体の持ち主が『永遠語り』を歌い始めた時、同時にヴィルキスとあの機体が光り始めたけど…」
私達が『永遠語り』について語り合っていると、パメラさん達が話しかけてきた。
パメラ「…あの…その件についてなんですが…」
ミナ「え?」
ヒカル「ジル司令がその歌を聞いていて、意味深なことを呟いていたんです…」
オリビエ「最後の鍵は“歌”だと…」
アンジュ「最後の鍵が『永遠語り』ってこと? 何? あの人、このことについて何か知ってるの?」
パメラ「さ、さあ…。 私達はよく分かりませんが…。 次、司令に会う時に聞いてみるのが一番かと」
ミナ「…それもそうですよね」
ミナ「…さ、アンジュ。 話も一通り終わったみたいだし、今日はこれで部屋に戻ろうよ」
アンジュ「え? ちょ、ちょっと待ちなさい、ミナ」
私は、パメラさん達にお礼をしてから、無理矢理アンジュの腕を引っ張って、司令室をあとにした。これ以上聞くのは悪いと思ったからでもあったが。
(ミナ達が司令室をあとにした頃…)
(医務室にいたジル。マギーと“ある人物”もいた)
ジル「…大分進行が進んでいるな」
マギー「これも、例のあの謎の機体が攻めてきた影響かねぇ」
ジル「とりあえず、効くかは分からんが…注射を打っておいてくれ。」
ジル「…ドラゴン化予防の注射を」
マギー「分かったよ。 気持ちよさそうに寝ちゃって…」
ヴィヴィアン「…むにゃ…」
To be continue…。