※この作品はR-18です。

クロスアンジュ-青年から少女に転生した者-(完)   作:森島響

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第27話『再会…別離』

(アウローラ格納庫にて、アンジュを救出するため、ミスルギ皇国へと出撃する前だったヒルダ達)

 

ヒルダ「…タスク…と言ったっけ。 アンタはアンジュの位置を確認次第アンジュを強奪」

 

タスク「分かった!」

 

ヒルダ「新兵達は上空で待機」

 

メアリー・マリカ・ノンナ「「「イエス・マム!!」」」

 

メアリー「…人間の世界を飛ぶなんて初めてで…」

 

マリカ・ノンナ「「…」」

 

ロザリー「…っま、なんとかなんだろ」

 

(初めて人間が住む世界に出撃することに不安を感じていたメアリー達新兵を優しくフォローするロザリー)

 

ヒルダ「ヒルダ隊、出撃!!」

 

ロザリー・ヴィヴィアン・メアリー・マリカ・ノンナ「「「「「イエス・マム!!」」」」」

 

(ヒルダ達がアウローラからミスルギ皇国に向けて出撃した頃…)

 

ミナ「…アレは…サラさん達!? ってことは…アンジュ達も近くに!?」

 

ミナ「…っと…確かこの近くは…」

 

 洗脳が解け、アンジュとモモカさんに合流するため、皇宮の中庭にいた私。しかし、近くにはエルシャが園長をしているエンブリヲ幼稚園があるのを思い出し、一度立ち止まり近場の木の陰に隠れる。

 

「…怖いよー」

 

「エルシャ先生、どこに行ったの…?」

 

ミナ「…今のうちに…」

 

 エルシャはなぜか子供達の傍にはいなかった。恐らくアンジュ達が脱走したのを知って、エンブリヲの命令でラグナメイルに乗って脱走を阻止しに向かったのだろう。

 

 取り残されていた子供達の方は、そんなアンジュ達を助けに来たサラさん達が乗るラグナメイルに恐怖し、蹲(うずくま)っていたため、私のことに気付いていなかった。

 

 私はそれを利用し、隙を見て木の陰に隠れながら皇宮の外に向かった。

 

(ミナが皇宮の外に向かっていた頃…)

 

サラ「随分みすぼらしくなって。 それに、風下だと匂いますわ」

 

アンジュ「…ちょっと、色々あったのよ…」

 

(エンブリヲの調律能力で50倍の快楽を与えられ、長時間自慰行為に耽っていたことなどサラに言えるはずもなく、気まずい顔をするアンジュ。アンジュの後ろにはモモカも乗っていた)

 

サラ「お風呂にでも入っていらしたら? ここは私が引き受けますので」

 

アンジュ「…そんな暇なんて今はないわよ」

 

アンジュ「…でも…引き受ける係…お願いできる?」

 

サラ「もちろん。 さあ、今のうちに!」

 

(風呂に浸かる暇など今はないとサラに突っ込み返し、この場をサラに任せて逃げるアンジュ)

 

サラ「…さて。 用意はよろしくて? 通していただきます、アウラの元に!!」

 

シルヴィア「…! ひっ! きゃあああ!!」

 

(自室の窓からサラの焔龍號が見えたのを目撃して、恐怖で悲鳴を上げるシルヴィア)

 

リィザ「…サラマンディーネ様…」

 

(シルヴィアがいる自室のベランダの物陰に隠れて、サラ達が助けに来たのを目撃していたリィザ)

 

(その頃、ミスルギ皇国近場の海上では…)

 

ロザリー「ヒルダ、もう戦闘始まってる!!」

 

ヒルダ「…くそ、どうなってんだよ!!」

 

(ヒルダ達とは対照的に、ミスルギ皇国の郊外の森の中を自身の専用機で移動していたタスク)

 

タスク「アンジュ、どこだー!!」

 

ヴィヴィアン「…! アンジュいたぁぁ!!」

 

アンジュ「!? え…? ヴィヴィアン?」

 

(アンジュとモモカが乗るヴィルキスとすれ違うヴィヴィアンのパラメイル。そのヴィヴィアンに気付くアンジュ達)

 

ヒルダ「助けに来たぞ、アンジュ!!」

 

(ヒルダ達の姿も確認し、自分を助けに来てくれたんだと安堵の笑みを浮かべるアンジュ)

 

(ドシュッ!)

 

ヴィヴィアン「アンジュ!!」

 

(バチィッ!)

 

(クリスのラグナメイルが放った攻撃を食らい、川に墜落していったアンジュ達とヴィルキス。ヴィヴィアン、怒りでクリス機に特攻しようとする)

 

クリス「どいて、アンジュ連れて帰るから」

 

ヒルダ「アンジュは私が貰ってく、邪魔すんな」

 

クリス「へぇ…私のことは見捨てたくせに」

 

(ガンッ!)

 

(ヒルダのパラメイルとクリスのラグナメイルが剣を交える)

 

ヒルダ「アンタが私に勝てると思ってんの?」

 

クリス「私がヒルダに勝てるって?」

 

クリス「…私のことなんて、弱くて使えないゴミ人形くらいにしか思ってないんでしょ?」

 

クリス「…というわけだから…邪魔すると、殺すよ?」

 

ロザリー・ヴィヴィアン「「…うっ!!」」

 

(クリスに脅され、攻撃を取り止めるロザリーとヴィヴィアン)

 

ヒルダ「…チッ…。 タスク!! ヴィルキスを墜とされた!! アンジュを頼む!!」

 

(ヒルダからそう通信を受け、アンジュ達を救出しに向かうタスク)

 

(その頃…)

 

モモカ「んっ…ぷはっ」

 

(川に墜落し、水を飲んでいて意識を失っていたので、アンジュに人工呼吸していたモモカ)

 

アンジュ「…ゴホッ、ゴホッ!!」

 

アンジュ「…モモカ…あ、ヴィルキスが…」

 

アンジュ「…って…アレは…」

 

ミナ「…ジュ! アンジュー!!」

 

モモカ「…アンジュリーゼ様、アレって…」

 

アンジュ「…ミナ…? どうしてここに…」

 

アンジュ「…まさか…」

 

(川に墜落したヴィルキスを確認したついでに、向こう岸でアンジュを呼び掛けていたミナに気付いたアンジュとモモカ)

 

ミナ「…やっと合流できた…。 安心して! 私、洗脳ならもう解けてるから―!!」

 

アンジュ「…やっぱり…」

 

(洗脳が解けていることを確信し、笑みを浮かべるアンジュ達)

 

アンジュ「…何があったか、話はあとで聞く!! 私達は今、アウローラに向かっているの!! だから、貴女は別ルートでアウローラに向かって!!」

 

ミナ「…分かった!!」

 

(再度アンジュ達の元を離れる、川の向こう岸にいたミナ)

 

アンジュ「さあ、私達も行きましょう。 もうこの近くのはず」

 

モモカ「はい!!」

 

(その頃…)

 

「きゃあああ!!」

 

(ドーン!)

 

(エンブリヲ幼稚園に取り残されていた子供達。ラグナメイルの攻撃の直撃に遭い、再び死亡していった)

 

(場面、再びアンジュサイド。住宅街の物陰に隠れていたアンジュとモモカ)

 

アンジュ「世話をかけるわね、モモカ」

 

モモカ「いえ…」

 

モモカ「車を取ってきます! ここで待っていてください!!」

 

(エンブリヲの元から命からがら逃げ出したので、疲労が溜まっていたアンジュを座らせ、車を探しに一度アンジュの元から離れるモモカ)

 

(ザッ…)

 

アンジュ「? 子供…? 何でこんなところに…」

 

エンブリヲ「…疲れただろう? アンジュ」

 

(ぬいぐるみを抱えて近付いてきた少女に気付いたアンジュ。しかし、その少女はエンブリヲが洗脳して操っていた)

 

アンジュ「…エンブリヲ!!」

 

(その頃…)

 

タスク「アンジュ―!!」

 

(アンジュ達が立ち去った後の川辺にいたタスク。しかし、墜落していたヴィルキスを確認するもアンジュ達の姿がなく、周囲を捜していた)

 

(場面はミスルギ皇国上空のヒルダサイドに戻る)

 

ロザリー「待ってくれクリス、なんで私達が殺し合わなきゃいけないんだよ!?」

 

クリス「…よく言うよ。 人のこと見殺しにしておいて」

 

ロザリー「あの時は助けに行けなかったんだ」

 

クリス「行けなかったも何も…。 助ける価値もないからでしょ?」

 

クリス「だからあの時、代わりにミナに私を助けるよう、私の元に向かわせたんでしょ?」

 

(そんなやり取りをした後、後ろ髪のお下げを持ってロザリー達に見せるクリス)

 

クリス「…これ、覚えてる?」

 

クリス「…7年前のフェスタでさ…」

 

(回想。フェスタで手に入れた景品の中に入っていたお下げを眺めていた子供時代のヒルダ、ロザリー、クリス)

 

クリス『ああ、可愛い…でも1つしかない…』

 

(この時、まだお下げが2つあったクリス)

 

ヒルダ『お下げ、1つにしちゃえば? 2つだと私と被ってるし』

 

クリス『…うん!!』

 

(回想終了)

 

クリス「…酷いよね…あの髪型気にいってたのに」

 

ヒルダ・ロザリー「「…はぁ?」」

 

クリス「ずっとずっと我慢してた…。 何でも受け入れようとしてた、アンタ達のわがままも」

 

(別の回想。ジャスミンモールにある格闘ゲーム機をプレイ中だったヒルダとロザリーを、後ろで眺めていたクリス)

 

クリス「…なーんて、分かるわけないか」

 

クリス「…でも、エンブリヲ君は違う」

 

(また別の回想。自分が一度死に、エンブリヲに蘇生された時のこと…)

 

エンブリヲ『私と、友達になってくれないか? クリス』

 

クリス『…うん…』

 

(そう誘われ、嬉しさで涙を流して頷くクリス)

 

(回想終了)

 

クリス「これが、永遠の友情の証」

 

(エンブリヲから貰った指輪をヒルダ達に見せつけるクリス)

 

ヒルダ「…!」

 

クリス「アンタ達は、友達なんかじゃなかった」

 

(その頃…)

 

マリカ「私達も行こう! お姉様が危ない!」

 

ノンナ「…あ…」

 

メアリー「どうしたの、ノンナ…? あ…」

 

(ヒルダ達を助けに行こうとしていたマリカ達、新米メイルライダー。しかし、近くにエルシャのラグナメイルが屋敷の方角に、急いで向かっていたところに気付いて動きを止める)

 

(再びアンジュサイド。エンブリヲに洗脳されていた少女の手を逃れ、モモカが運転する車の後部座席にいたアンジュ)

 

アンジュ「…」

 

エンブリヲ「忘れたのかね?」

 

アンジュ「! ひっ…!」

 

(エンブリヲに洗脳されていたモモカが、こっちを見ているのに気付いて悲鳴を上げるアンジュ)

 

エンブリヲ「この人間達を作り出したのが誰なのか」

 

アンジュ「…くっ!」

 

(バリィン!)

 

(モモカの傍のエンブリヲが映るモニターを拳で叩き割ったアンジュ)

 

モモカ「…! あれ…私…何を…?」

 

アンジュ「…モモカ、前!!」

 

モモカ「…はっ!」

 

(ガシャーン!!)

 

(洗脳が解けたのは良いものの、よそ見していた影響で車が近くの電柱に衝突してしまう)

 

モモカ「…う…」

 

アンジュ「しっかりして、モモカ!!」

 

(アンジュ、モモカを運転席から引っ張り出す)

 

エンブリヲ「帰っておいで、アンジュ」

 

「帰っておいで、アンジュ」

 

「帰っておいで、アンジュ」

 

アンジュ「…な…?」

 

(気付いたら、街中の一般人全員がエンブリヲに洗脳されていて、アンジュに帰って来いと呼びかけながら近付いてくる)

 

(その頃…)

 

ミナ「…アンジュとモモカさん…無事にアウローラに着いたのかな…」

 

 アンジュと再会した後、私は、別ルートでアウローラに向かうため、ミスルギ皇国の郊外の森の中を突き進んでいた。アンジュ達がエンブリヲに再び捕らわれようとしているなど知らずに…。

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

(暁ノ御柱、アウラの塔上空。エルシャが搭乗するラグナメイルに苦戦していたサラ達)

 

サラ「…くっ…。 引きますよ、カナメ・ナーガ!!」

 

カナメ「えっ!?」

 

ナーガ「で、ですが、姫様…」

 

サラ「分かっています。 ですが、現有戦力でのアウラ奪還は不可能です。 一度引いて態勢を立て直します」

 

ナーガ・カナメ「「…はっ!!」」

 

(あまりの苦戦に、一度身を引くことを決めたサラに了承するナーガとカナメ)

 

サラ「…リィザ。 そこにいるのでしょう?」

 

(ミスルギ皇国皇宮、シルヴィアの自室のベランダの方を見るサラの焔龍號。そこにいたリィザに話しかけるサラ)

 

サラ「…多くの仲間を死なせたことを悔やんでいるなら、多くの仲間を救うため、共に戦いなさい」

 

リィザ「…サラマンディーネ様…」

 

リィザ「…!」

 

(ダーン! チュン!)

 

(ベランダに身を潜めていたリィザに気付いて、ショットガンを狙撃してきたシルヴィア)

 

シルヴィア「そこで何をしているのです? おとなしく地下牢に戻りなさい!」

 

リィザ「…哀れな子…貴女のお兄さんを殺したのは、エンブリヲ…あの男だというのに」

 

シルヴィア「!? え…それってどういう…」

 

(バサッ!)

 

(そう真実をシルヴィアに明かし、翼を生やして皇宮から逃亡していくリィザ)

 

シルヴィア「…ま、待ちなさい!!」

 

(サラ達が身を引いた後、エンブリヲ幼稚園の子供達の前にやって来ていたエルシャのラグナメイル)

 

エルシャ「…あ…ああ…」

 

(パチ…パチ…)

 

(時すでに遅く、エンブリヲによって生き返らせてもらった子供達がまた焼け死んでいた悲惨な光景を見て、絶望しているエルシャ)

 

エルシャ「…どうして…エンブリヲさんに生き返らせてもらったのに…どうして…!!」

 

(その頃…)

 

ミナ「…おかしい…まだアンジュとモモカさんがアウローラに着いていないなんて…」

 

 無事にアウローラがある場所に辿り着いていた私。しかし、先に着いているはずと思っていたアンジュとモモカさんの姿がどこにも確認できず、流石におかしいと感じ始める。

 

ミナ「…やっぱり、何かあったのかも…」

 

 嫌な予感を感じ、私は再びミスルギ皇国の郊外に向けて走り出した。

 

モモカ「ハァ…ハァ…」

 

エンブリヲ「逃げられないよ、アンジュ」

 

アンジュ「…くっ…」

 

(ミナの嫌な予感は当たっていた。エンブリヲに洗脳されていた一般人達が追いかけてきて、住宅街のビルに逃げ込んでいたアンジュとモモカ)

 

エンブリヲ「マナを使う人間は私の支配下にある」

 

アンジュ「…」

 

(一度立ち止まったが、再び足を動かし屋上に向かう)

 

 

アンジュ「…あ…」

 

(屋上に到着。しかし、そこには皇宮にいると思い込んでいたエンブリヲ自身が待ち構えていた)

 

エンブリヲ「…やれやれ…。 またお仕置きが必要かな?」

 

アンジュ「!」

 

(そのとき…)

 

(チュンッ!)

 

エンブリヲ「っぐはぁっ!!」

 

(タスクの機体が撃った弾がエンブリヲを貫き、吐血して倒れるエンブリヲ)

 

タスク「アンジュ!! 遅くなってごめん!!」

 

アンジュ「タスク…」

 

タスク「話はあとだ! こいつに乗って逃げろ」

 

アンジュ「でも…貴方は…」

 

タスク「…!」

 

(自分の専用機に乗って逃げろとアンジュとモモカに告げるタスク。アンジュがタスクはどうするのかと聞いてきたので、それに答えようとするも、またしても生き返っていたエンブリヲに気付くタスク)

 

エンブリヲ「覚悟は出来ているな? 蛆虫が」

 

(タスクがエンブリヲと剣を交え合っていたビルの屋上上空…そこには、クリスのラグナメイルに応戦していたヒルダ達のパラメイルがいた)

 

ヴィヴィアン「…クリスつえー…」

 

タスク「…! アレは…ヴィヴィアンのパラメイル…チャンスだ!」

 

(ヴィヴィアンのパラメイルの姿を確認し、アンジュ達の保護を依頼するため、ヒルダに通信を入れるタスク)

 

タスク「ヒルダ! アンジュ達を見つけた! 保護を頼む!」

 

ヒルダ「は!? それは分かったけど…アンタはどうすんのさ!?」

 

タスク「悪いけど…ちょっと面倒なことになってて、手が離せないんだ! それを片付けたら俺もすぐ戻る!!」

 

(目の前にいたエンブリヲを片付けたらすぐ戻ることをヒルダに告げるタスク)

 

ヒルダ「…総員撤退! 帰投する!!」

 

(そのときだった)

 

マリカ「お姉様ぁぁ!! お姉様の援護を…」

 

ロザリー「…マリカ!? あいつ、何でここに…」

 

(ヒルダ達の援護にやって来たマリカのパラメイルに反応するヒルダ達。しかし…)

 

(ダダダダッ!!)

 

(チュンッ!)

 

マリカ「…え…!?」

 

(クリスのラグナメイルが撃ってきたショット攻撃を食らって、操縦席から墜落していくマリカ)

 

マリカ「キャアアアアアア!!!」

 

(ドオオオン!!)

 

(マリカ、パラメイルの爆発に巻き込まれ死亡)

 

ヒルダ・ヴィヴィアン「「…あ…あ…」」

 

ロザリー「マリカ…」

 

(マリカが死亡した瞬間にショックを受け、クリスのラグナメイルに特攻していくロザリー)

 

ロザリー「クリス…テメェェェェ!!!」

 

クリス「…」

 

(ジャキッ!)

 

(ダンッ!)

 

(クリスのラグナメイルがロザリーのパラメイルにライフルを向ける。しかし、別方向から何者かに狙撃され、攻撃を阻止されたクリス)

 

ヒルダ「あの機体は…」

 

ヴィヴィアン「サラサラさん!!」

 

サラ「サラマンディーネです」

 

(サラがヒルダ達の危機を救っていた頃…)

 

アンジュ「…モモカ!?」

 

アンジュ「…!!」

 

(タスク専用機に乗り、エンブリヲから逃げていたアンジュ達。しかし、またもモモカがエンブリヲに洗脳されているのに気付いて、近くのビルの屋上で紅茶を飲んでくつろいでいる、タスクと戦っていたはずのエンブリヲの姿を目撃し、絶望するアンジュ)

 

(逃げるのを止め、エンブリヲがいたビルの屋上に降り立つアンジュ達)

 

エンブリヲ「…なぜそこまで私を拒絶する」

 

(そのとき、自決して逃げられてしまったエンブリヲの後を追ってきたタスクが駆けつける)

 

タスク「…ハァハァ…見つけた…。 アンジュを離せ!!」

 

モモカ「…」

 

(タッ…シュババババババババババ!)

 

(エンブリヲに洗脳されていたモモカ、無言でタスクに近付き、エンブリヲから剣を受け取りタスクに向かって剣を突き付ける)

 

エンブリヲ「愚かな男の末路を見ていたまえ」

 

アンジュ「モモカ…」

 

タスク「…くっ…」

 

モモカ「…」

 

(チャキッ…)

 

(背中を向けて跪いていたタスクに剣を向け、止めを刺そうとしていたモモカ)

 

アンジュ「…目を覚ましなさい、モモカ!!!」

 

モモカ「…」

 

(アンジュに目を覚ませと叫ばれ、これまでのアンジュと過ごしてきた日々を思い出し、意識を取り戻すモモカ)

 

モモカ「…アンジュリーゼ…様…」

 

モモカ「…タスクさん…姫様をお願いします」

 

(スッ…。チャキッ!…ダッ!)

 

(タスクにアンジュのことを任せ、エンブリヲの方に向き返り、剣を構えてエンブリヲに向かって走り出すモモカ)

 

エンブリヲ「…」

 

(スチャッ…)

 

(ダンッ!)

 

アンジュ「!!!」

 

(エンブリヲ、モモカの胸元に向けて銃弾を放つ。モモカ、胸元に弾が当たったのを見て、しまった!と絶望顔を浮かべるアンジュ。しかし、そんなアンジュの心配をよそに、勢いを止めずにエンブリヲに迫るモモカ)

 

モモカ「マナの光よぉぉぉ!!!」

 

エンブリヲ「ぐはっ!!」

 

(ガシャアンッ!)(ビルの屋上の鉄柵が壊れた音)

 

(エンブリヲの身体を貫いて、エンブリヲと一緒にビルの屋上の壊れた鉄柵から下に落下していくモモカ)

 

モモカ「アンジュリーゼ様…どうか死なないで…」

 

アンジュ「…モモカぁぁぁぁ!!!」

 

(ビルの屋上から転落していったモモカを見て、ショックで叫ぶアンジュ)

 

(タッ…)

 

エンブリヲ「やれやれ…驚きだよ。 ホムンクルスの中に私を拒絶する者がいたとは」

 

(転落していったエンブリヲ、再び生き返ったようでアンジュの後ろに現れ、銃を構えてアンジュに近付く)

 

アンジュ「…よくも…モモカを…」

 

(ガッ!)

 

(正気を取り戻させるため、アンジュの肩を掴んだタスク)

 

タスク「アンジュ…君は生きるんだ!! 必ず帰るから」

 

アンジュ「だめ!! タスク…!!」

 

(そのとき、タスク、アンジュの唇にキスをしてくる)

 

アンジュ「…」

 

(いきなり唇を奪われ、こんな状況なのに頬を染めるアンジュ)

 

アンジュ「タスク…!!」

 

タスク「…」

 

(タスク、自分の専用機にアンジュが乗って逃げていったのを見届けている)

 

エンブリヲ「…下郎が!!」

 

タスク「…フンッ!!」

 

(タスク、自分の身体に巻き付けていた爆弾の起爆スイッチを押す)

 

(ドオオオオン!!)

 

(タスク、エンブリヲを巻き込んで共に自爆。アンジュ、エンブリヲから逃げていく上空でそれを目撃し、絶望顔になる)

 

アンジュ「…タスク…!! 嘘でしょ!?」

 

アンジュ「…ねぇ…」

 

アンジュ「…私を…一人にしないで…」

 

(モモカに続いて、タスクまで死んでしまったと思って、タスクから貰った形見を握り締めて悲しい涙を浮かべるアンジュ)

 

(その数分後…)

 

ミナ「…確か、この辺で爆発の音が聞こえたんだけど…」

 

ミナ「…これは…」

 

(爆発の音を聞いて、ついさっきまでアンジュ達がいた場所の周辺にいたミナ。何かを見つけた模様)

 

「…確かこの先にボートがあったはず…。 アンジュ、無事だといいけど…」

 

 “あるもの”を発見した私は、それを回収して、以前、アンジュを救出しにこの国に来た時に見かけたボートを利用して、ある場所に向かおうとしていた…。

 

To be continued…。

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