※この作品はR-18です。

クロスアンジュ-青年から少女に転生した者-(完)   作:森島響

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第27.5話『Necessary』

(ミスルギ皇国から一時撤退し、アウローラ艦内にいたヒルダ隊メンバー。同じくサラ達も一緒にいる)

 

リィザ「エンブリヲは2つの地球を融合させ、新しい地球を作ろうとしています」

 

リィザ「そうなれば2つの地球に住む人類は皆、エンブリヲの手によって死滅されるでしょう」

 

(シルヴィアの元から、無事にサラ達に保護されてベッドに寝かされていたリィザ。自分がエンブリヲから知った情報をヒルダやサラ達全員に報告している)

 

サラ「…司令官…ヒルダ殿。 我々は、ノーマとの同盟締結を求めます! 我々だけでエンブリヲの防衛網を突破するのは不可能」

 

ヒルダ「…確かに、私らだけじゃ手も足も出ねぇ…」

 

ヒルダ「…いいよ、同盟組んでも」

 

ロザリー「!? な…? お、おいヒルダ…」

 

サラ「…協力、感謝いたします」

 

(同盟締結を結ぶヒルダとサラ。あっさり同盟を結んでしまったヒルダに戸惑うロザリー)

 

(そのとき、エマの様子がおかしくなり、ヒルダ達に迫って来る)

 

エンブリヲ「おや? アンジュは戻っていないのか」

 

ヒルダ・サラ「「!?」」

 

バルカン「わおーん!!」

 

(ペチーン!)

 

バルカン「キャンッ!」

 

(エンブリヲに洗脳されていたエマに飛びつくジャスミンの愛犬、バルカン。しかし、あっさり払いのけられてしまう)

 

サラ「皆さん、彼女は操られているだけです。 私にお任せを」

 

サラ「…スゥー…」

 

サラ「ラァァァァァァァ!!!」

 

エンブリヲ「ぐっ…お、おのれ…ドラゴンの姫め…」

 

(バタンッ!)

 

(サラの超音波攻撃でエンブリヲの洗脳が解け、後ろに倒れたエマ)

 

ヒルダ「今のは…」

 

サラ「あれがエンブリヲの能力の一つです」

 

ヒルダ「いや、そうじゃなくて…さっきの奇声は何だって聞いてんだよ」

 

サラ「ああ、アレですか。 ドラゴンが発する音波は、マナの力を打ち消す効果があるのですよ」

 

サラ「…必ず帰ってきますわ、アンジュは。 友ですから」

 

(その頃、サラに妨害されたエンブリヲは…)

 

エンブリヲ「野蛮な女だ」

 

(チンッ!)

 

(電話の受話器を元に戻す。どうやら、電話を利用して洗脳を施して操っていた模様)

 

エンブリヲ「…ん? エルシャか…どうした?」

 

(部屋に入って来ていたエルシャに気付いたエンブリヲ)

 

エルシャ「…エンブリヲさん…。 幼稚園の子達が…また生き返らせてください」

 

(別室で焼け死んでしまった子供達全員の死体が、毛布を被せられて安置されている)

 

エンブリヲ「…それは出来ない」

 

エルシャ「…え…?」

 

エンブリヲ「君には、新たな世界で新たな人類の母になってもらいたい」

 

エルシャ「…そんな…」

 

(ガッ!)

 

エルシャ「あの子達は私のすべてなんです…私はどうなっても構いませんから…どうか…」

 

(涙を流しながら、エンブリヲに子供達を生き返らせてもらえるよう、エンブリヲに跪いているエルシャ)

 

エンブリヲ「…エルシャ…お願いだから分かってくれ…」

 

エルシャ「…エンブリヲさん!!」

 

エルシャ「…う…う…」

 

(子供達を生き返らせることをやはり拒否され、ショックで蹲(うずくま)りながら涙を流すエルシャ)

 

エンブリヲ「サリアとクリスは、アンジュ達を捕まえるために出撃準備に入っている。 君も早く合流して出撃したまえ」

 

エルシャ「…」

 

(再びアウローラ艦内)

 

ロザリー「ヒルダ…。 私、ドラゴンと一緒に行く」

 

ヒルダ「え? でも、アンタさっき…」

 

ロザリー「分かってるよ。 そりゃ、いきなりドラゴン達と同盟結んで素直に『はい、そうですか』って言えねぇよ。 でも、今は違う」

 

ロザリー「そうだよ…何だってやるよ、クリスをぶっ殺せるなら。 やらなくちゃ…マリカのためにも」

 

ヒルダ「…ロザリー…」

 

ロザリー「…なんでこんなことになっちまったんだろうな…私バカだから分からねぇよ」

 

(ヒルダとロザリーが、クリスを殺すことを決めていた頃…別室にいたジルとジャスミン)

 

ジャスミン「ヴィルキスを墜としたのは、クリスだそうだ」

 

ジル「…何が言いたい」

 

ジャスミン「…サリアにもっと優しくしていれば、あの子が敵になることはないんじゃなかったってね」

 

ジル「…」

 

(その頃…)

 

(タスクと初めて会った無人島に辿り着いていたアンジュ。タスクが住んでいた隠れ家にいた)

 

アンジュ「…あの日の…まま…」

 

(そのとき、ベッドの傍に置いてあった日記に気付く)

 

アンジュ「…これは…」

 

(日記を読み上げるアンジュ)

 

タスク『モーガンさんが死んだ。 これで俺は一人になった』

 

タスク『無理だったんだ…。 エンブリオに戦いを挑むなんて。 世界を壊そうだなんて。 何をしても独り。 孤独に気が狂いそうになる。 人は、一人では生きていけない』

 

アンジュ「…」

 

タスク『今日、女の子が流れ着いた。 ヴィルキスと共に。 かなり凶暴で、人の話をまるで聞かない女の子だけど…』

 

アンジュ「…私のことだ…。 でも…ミナのことは書いてない…」

 

タスク『アンジュは光だ。 外の世界から差し込んだ光。 父さん、母さん、やっと見つけたよ』

 

アンジュ「…彼女を…守る…。 それが…俺だけの…使命…」

 

(日記を読み終え、タスクから貰った形見を握り締めながら、涙を流すアンジュ)

 

アンジュ「…ずっと…守ってくれてた…なのに…私…」

 

アンジュ「…モモカ…タスク…」

 

(スチャッ…)

 

(大切な人達を立て続けに失い、自殺しようと喉元に拳銃を突き付けたアンジュ)

 

タスク『…アンジュ…君は生きるんだ!! 必ず帰るから』

 

アンジュ「!!」

 

(ガシャッ!)

 

(回想で、タスクにそう言われたことを思い出し、自殺するのを躊躇い拳銃を捨てる)

 

アンジュ「…う…うっ…うわあああああんっ!!!」

 

(アンジュがタスクとモモカを失って、涙を流していた頃…)

 

(ミスルギ皇国郊外。急にマナの力が消え、街中が混乱している)

 

「急にマナが…」

 

「どうなってる!!」

 

「なんでマナが使えないんだよ!!」

 

(ミスルギ皇国皇宮内の廊下にいたシルヴィア。車椅子から倒れ、立てずに困っている)

 

シルヴィア「…あ…なんでマナが…」

 

シルヴィア「…誰か!! 私は第一皇女…いえ、女帝シルヴィア一世ですよ!? 早く私を助けなさい!!」

 

(ミスルギ皇国皇宮の中庭にいたエルシャとクリス)

 

クリス「…エルシャ…?」

 

エルシャ「…私にはあの子達しかいなかった…」

 

エルシャ「だから利用された…」

 

エルシャ「何もない…浅くて薄くて…ちょろい女」

 

エルシャ「…私は抜ける。 いいの? このまま友達を…ヒルダちゃんとロザリーちゃんを殺すことになっても」

 

クリス「…エンブリヲ君を裏切る気!?」

 

(再びアンジュがいる無人島に場面は戻り…)

 

アンジュ「…無様ね…一人じゃ死ぬことさえ出来ない…」

 

(夕焼けが島を照らしていた中、海岸になぜか停泊してあったボートの上に座っていたアンジュ)

 

アンジュ「…こんなことなら…あの時、最後までさせてあげればよかった…」

 

(もう一つの地球に飛ばされた時、タスクと初めてキスを交わした日のことを思い出して、最後までさせてやればよかったと後悔している)

 

(そのとき…)

 

(ザッ…)

 

タスク「…言ったろ?アンジュの騎士は不死身だって」

 

アンジュ「!?」

 

(ガタタッ!)

 

(急に自分の背後に死んだと思っていたタスクが現れ、驚いて立ち上がって引き下がるアンジュ)

 

アンジュ「違う! タスクは死んだわ!! これはエンブリヲの見せてる幻」

 

タスク「俺は生きてるよ!!」

 

アンジュ「…信じない!!」

 

タスク「…」

 

アンジュ「…」

 

(数秒後、突然タスクの前で服を脱ぎ出したアンジュ)

 

タスク「!? あ、アンジュ!?」

 

アンジュ「確かめるわ」

 

(全裸でタスクの唇を奪うアンジュ)

 

(その頃のアウローラ司令室。パメラとヒカルがオペレーター席にいた)

 

パメラ「…あれは…」

 

エルシャ『こちらエルシャ。 投降します』

 

ヒカル「…エルシャ!?」

 

(再び無人島のアンジュ、タスクサイド)

 

アンジュ「…ねぇ…満足した?」

 

(全裸で横になっていたアンジュとタスク。どうやら初夜を重ねた模様)

 

??「…」

 

(そんな2人を、遠くの物陰で嬉しそうに眺めていた人物がいた)

 

アンジュ「…」

 

タスク「…」

 

アンジュ「…生きなきゃね、モモカが守ってくれたこの命」

 

タスク「…あ…それなんだけど…」

 

アンジュ「?」

 

(数分後…)

 

モモカ「お待ちしておりました! お2人が12時間励んでいた間、ビーフシチューを煮込んでおりました」

 

アンジュ「え…? も、モモカ…? これは…」

 

タスク「は…はは…」

 

(アンジュの隣で気まずそうな顔をしているタスク)

 

ミナ「私がタスクとモモカさんを助けて、一緒にここに来てたんだ」

 

アンジュ「!? み、ミナ!? 貴女、アウローラに戻ってたんじゃ…?」

 

ミナ「アンジュ達のことが心配になって、あの後、ミスルギ皇国郊外に戻ったの。 だけど、もうアンジュはいなくなってた後で…」

 

ミナ「森の中の木の上に引っかかってたタスクと、その近くで意識を失っていたモモカさんを見つけてね。 海岸に停泊してあるボートでここまで一足先に来てたってわけ」

 

アンジュ「…え…? でも、あの時モモカは確かにエンブリヲの拳銃で…」

 

モモカ「それですけど…。 このフライパンのおかげです」

 

(胸元から明らかに仕舞えないであろうフライパンを取り出すモモカ。フライパンの裏面にエンブリヲが放った銃弾の弾痕があった)

 

アンジュ「…ぷっ…あはははは!」

 

(今まで泣いていたのがバカらしくなったのか、急に笑い始めたアンジュ)

 

ミナ「あははは…」

 

 急に笑い始めたアンジュを見て、私も釣られて笑ってしまった。とにかく、みんなが無事でよかった。たとえ茶番だったとしても、最早どうでもよかった。

 

(その頃…)

 

(ミスルギ皇国皇宮、サリアの寝室)

 

サリア「…アンジュ…アンタがいなくなれば…」

 

サリア「私の方が強いって分かれば…エンブリヲ様は認めてくれる」

 

(ビリビリッ!)

 

(展示してあった大事なプリティ・サリアンの衣裳を破り捨てるサリア)

 

サリア「たとえエンブリヲ様に何と言われようとも構わない…」

 

サリア「…アンジュ…アンタを…殺す!!」

 

(物語はいよいよクライマックスへ…)

 

To be continued…。

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