※この作品はR-18です。

クロスアンジュ-青年から少女に転生した者-(完)   作:森島響

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第29話『最終決戦・最終章』

ミナ「…ジル司令!? ど、どうして…」

 

 私は、ジル司令がエルシャが乗っていたラグナメイルを操縦して、どうしてここにやって来たのか戸惑った。

 

ジル「…ミナ。 心配かけてすまなかったな。 私も戦線に復帰しに来たんだ」

 

ジル「…いや…過去の因縁に決着を付けに来た…と言った方がいいか」

 

(ミナにそう説明し、サリアの方を向くジル)

 

ジル「会いに来たのさ、昔の男に。 聞いてないか? 私がエンブリヲの愛人だったと」

 

サリア「…信じないわ。 私はエンブリヲ様の騎士、ダイヤモンドローズ騎士団団長、サリアよ!」

 

ジル「…ダイヤモンドローズ騎士団…か。 相変わらずセンスのないネーミングだな」

 

サリア「…!」

 

(かっこいいと思って付けた騎士団のネーミングをジルにバカにされ、激昂するサリア)

 

サリア「邪魔をするなら斬るわ!!」

 

ジル「ほう、やってみろ」

 

(その頃…)

 

エンブリヲ「無駄な抵抗を…世界の崩壊は止められないというのに」

 

(ヒステリカに搭乗せず、ヒステリカの肩部に掴まっているエンブリヲ)

 

タスク「止めてみせる! アンジュと約束したからな!」

 

(自身の機体に搭乗し、エンブリヲと対峙していたタスク)

 

エンブリヲ「アンジュは私と共に新世界に行くのだよ」

 

(同時刻…)

 

クリス「よわ…」

 

ヒルダ「ロザリー!!」

 

(クリスに押されて苦戦していたヒルダとロザリー)

 

クリス「その程度で私を殺すとか…笑わせないでよ!」

 

ロザリー「…何を勝ち誇った気になってんだよ…。 マリカが浮かばれねぇんだよ、テメーを殺さねぇと!!」

 

クリス「エンブリヲ君は私を強くしてくれたの」

 

(ガァン!)

 

(剣を交えるヒルダのパラメイルとクリスのラグナメイル)

 

(再びジルサイドに戻り…)

 

ジル「ラグナメイルと騎士の紋章…それで強くなったつもりか? サリア」

 

サリア「エンブリヲ様は全てを与えてくれたわ。 強さも、愛も、全て」

 

ジル「…奴は誰も愛したりしない」

 

ジル「私もそうやって弄ばれ、全てを失った」

 

サリア「…」

 

(無言でジルの話を聞いて、険しい表情を浮かべているサリア)

 

ジル「…ミナ、ここは私に任せろ。 お前はアンジュの所に合流して、共にアウラ奪還任務に当たれ」

 

ミナ「え? で、ですが司令!」

 

ジル「…頼む…」

 

ミナ「…」

 

ミナ「…イエス・マム!」

 

 私はジル司令にサリアのことを託し、アンジュとサラさんが向かった暁ノ御柱最深部に向かった。

 

ミナ(司令…どうかご無事で…)

 

エンブリヲ「お前は知るまい。 アンジュの乱れる姿を。 彼女の生まれたままの姿を」

 

タスク「…知ってるよ、アンジュの内もものほくろの数までな」

 

エンブリヲ「…!?」

 

(無人島での12時間に及んだアンジュとの初夜を思い浮かべているタスク)

 

エンブリヲ「…貴様、アンジュに何をした!!」

 

タスク「したんだよ、最後まで!!」

 

タスク「触れて、キスして、抱きまくったんだ!! 三日三晩!!!」

 

エンブリヲ「…くだらぬホラ話で我が妻を愚弄するか!!」

 

タスク「全てを受け止めてくれたんだ!! 柔らかくて温かい…彼女の一番深い所で!!」

 

エンブリヲ「…ぐっ…なんたる卑猥で破廉恥な真似を…。 貴様の存在…全ての宇宙から消し去る!!」

 

(タスクとエンブリヲがアンジュがいない場所でそんな下らない下ネタ会話を繰り広げていた頃…)

 

サラ「…アウラ…」

 

(アウラが監禁されていた暁ノ御柱最深部にいたサラの焔龍號。しかし、周囲の穴から大量にピレスロイドが侵入してきたことに気付いていなかった)

 

(一方…)

 

ジャスミン「アウローラ、高度低下。 衝撃に備えろ!!」

 

(ドーン!)

 

(海上に不時着し、衝撃で揺れるアウローラ。艦内では衝撃で多くの隊員達が倒れている)

 

(その頃、アウローラ上空付近)

 

(ダダダダ…)(エルシャ機がピレスロイドをライフルで狙撃している音)

 

(ピレスロイドを撃退するべく、戦線に出撃していたエルシャとヴィヴィアン、メアリーとノンナの4機)

 

メアリー「あ…ああ…」

 

(今までで一番体験したことない事態に怯えているメアリー)

 

メアリー「ひっ!」

 

(一体のピレスロイドがメアリーの機体めがけて飛んできて、悲鳴を上げるメアリー)

 

(ドーン!)

 

(それに気付いたエルシャ機がピレスロイドを撃退し、戦死を免れたメアリー)

 

(再び、暁ノ御柱最深部に場面は戻り…)

 

ミナ「サラさん!!」

 

アンジュ「サラ子、何手こずってるのよ…あんなおもちゃに」

 

(既にアンジュと合流していたミナ。共にサラがいた暁ノ御柱最深部にやって来た)

 

ミナ「…ちょっと…まさか」

 

(目の前にいたアウラを見て、これからサラが何をするのか見当が付いたミナ)

 

アンジュ「アレ撃つつもり? アウラごと吹き飛ばさない!?」

 

サラ「3割引で撃ちますから、ご安心を」

 

アンジュ「…そういうわけだから、ミナ、貴女はちょっと安全な場所まで下がっていなさい」

 

ミナ「え?」

 

ミナ「…うん、分かった!」

 

(一時撤退するミナのヴィルキス)

 

サラ「~~♪♪~~♪♪」

 

(『永遠語り』を歌い始めるサラ。モニターに“収斂時空砲”のマークが表示され、焔龍號が金色に輝き始める)

 

エンブリヲ「…この歌は…」

 

タスク「サラマンディーネさんか」

 

(ミナがアンジュ達とアウラ奪還任務に当たっていた頃…)

 

サリア「…私には何もなかった…。 どんなに頑張っても選ばれなかった…。 ヴィルキスにも、貴女にも」

 

ジル「…くっ…」

 

(思いの外、サリアのラグナメイルに苦戦しているようだったジル)

 

サリア「そんな私を、エンブリヲ様は選んでくれた」

 

サリア「…だから…貴女なんてもういらないのよ!!」

 

(涙を浮かべながら、ジルにそう告げるサリア)

 

(その頃のもう一つの地球では…)

 

大巫女「…この歌は…」

 

(エンブリヲやタスク同様、サラの『永遠語り』に気付いた大巫女様)

 

(その頃のアウローラ上空付近)

 

エルシャ「…ヴィヴィちゃんは2人を連れて逃げて!!」

 

ヴィヴィアン「…エルシャ…合点!!」

 

(メアリーとノンナを引き連れて、エルシャの傍を離れるヴィヴィアン)

 

エルシャ「こっちよ!! 円盤ども!!」

 

(ガリガリガリ!!)

 

(一体のピレスロイドがエルシャの機体に直撃し、エルシャの機体を削り取っていく)

 

ヴィヴィアン「エルシャ!!」

 

(そのとき…)

 

(ガアアアアアッ!!)

 

(向こう側の世界から大量のドラゴン達が姿を現した)

 

大巫女「聞こえるか?我はアウラの巫女」

 

ジャスミン「…巫女…だって?」

 

リィザ「…大巫女様!!」

 

大巫女「アウラの民はこれより貴艦を援護する」

 

(かつて、第一中隊メンバーを全滅の危機に追いやった重力攻撃を使うガレオン級ホーンドラゴンが、大量のピレスロイドを撃退していく。間一髪で戦死を免れたエルシャ)

 

ヴィヴィアン「すげぇぇぇ!!」

 

タスク「形勢逆転だな、エンブリヲ!!」

 

エンブリヲ「そう見えるかい?」

 

「!?」

 

エンブリヲ「君達は、私のために時間を稼いでくれたまえ」

 

「操縦が利かない…」

 

(ブシャアアッ!!)

 

(エンブリヲの遠隔操作能力で、ドラゴン達に突っ込んで戦死していくエンブリヲ配下の部下達)

 

タスク「仲間を囮に!?」

 

エンブリヲ「私は花嫁を迎えに行かなければならない。 あとは頼んだよ、皆」

 

ジル「…これがエンブリヲの本性だ! 目を覚ませ、サリア、クリス」

 

ジル「私のように全てを失う前に」

 

クリス「…嘘だよね…エンブリヲ君…」

 

クリス「…また…捨てられた…」

 

(先程のタスクとエンブリヲの一部会話は、他の機体にも通信で聞こえていた模様。絶望顔になっているクリス)

 

クリス「…皆死ねえぇぇぇぇ」

 

ヒルダ・ロザリー「「! クリス! 後ろ!!」」

 

クリス「!!」

 

(クリスの背後から迫って来たドラゴンの攻撃を、ヒルダとロザリーの助言でギリギリ交わしたクリス)

 

ヒルダ「自分から友達だって名乗る奴が、本物の友達なわけねーだろ」

 

クリス「…アンタ達が私を見捨てたからでしょ!!」

 

ロザリー「私は見捨ててなんかいない!!」

 

クリス「…私がこんなに苦しんでるのに…」

 

クリス「…どうして分かってくれないのよ!!!」

 

(涙を流しながら、絶望顔でそう叫ぶクリス)

 

ヒルダ「いい加減にしろ、根暗ブス!!」

 

(そう言いながらヒルダが仕掛けて来た攻撃で、コクピットから弾き出され、墜落していくクリス)

 

ロザリー「!!」

 

(バッ!)

 

ロザリー「クリス!!!!」

 

(墜落していくクリスを見て、クリスを助けるべく急いで自身も飛び降りるロザリー)

 

クリス「…離して…落ちてる…」

 

ロザリー「…一緒に死んでやる」

 

ロザリー「…私…アンタが好きなんだよ!! 私がアンタのこと見捨てるわけねーだろ!!」

 

クリス「…え?」

 

ロザリー「私達だけじゃねーか。 アンタの胸のサイズも、弱い所も、ヘソクリの隠し場所も全部知ってるのは」

 

ロザリー「…だから…。 もう一回信じてくれよ…。 もう一回友達になってくれよ…クリス…」

 

クリス「…ロザリー…」

 

(お互い、涙を流し合うロザリーとクリス)

 

(数秒後…)

 

(間一髪でヒルダのパラメイルが救出し、地面で寝そべって抱き合っているロザリーとクリス)

 

クリス「…許さない…新しい髪留め買ってくれるまで…」

 

ロザリー「…クリス…」

 

(そうロザリーに答え、お互い笑顔を見せているロザリーとクリス)

 

クリス「…私、取り返しのつかないことしちゃった…」

 

ロザリー「…今から謝りに行けばいいじゃねぇか。 マリカも、きっとそれで許してくれる」

 

クリス「…うわああああああん!!」

 

ヒルダ「…」

 

(泣きじゃくりながら抱き合っているロザリーとクリスを、離れた場所で見守っていたヒルダ)

 

(場面は再びアンジュ・サラサイドに戻り…)

 

サラ「~~♪♪~~♪♪」

 

(まだ『永遠語り』を歌っていたサラ。漸く収斂時空砲が発動し、アウラが監禁されていた鎖を吹き飛ばす)

 

アウラ『…』

 

(バサッ!)

 

サラ「アウラ!!!」

 

ミナ「うまくいったんだね、サラさん!」

 

(アウラ解放が無事に達成され、元の場所に戻って来ていたミナ)

 

(他のドラゴン達の群れに合流したアウラ)

 

ジャスミン「…あれが…」

 

リィザ「私達の母なる光、アウラです」

 

(アウローラ司令室のモニターにて、アウラの姿を確認していたジャスミン達)

 

ジル「…アンタの負けだな。 出て行くんでしょ? この世界を捨てて」

 

エンブリヲ「…」

 

(アウラが解放された後の暁ノ御柱にてエンブリヲと対峙していたジル)

 

ジル「…私も、連れて行って」

 

エンブリヲ「それは出来ない」

 

ジル「どうして? あんなに愛してくれたじゃない」

 

エンブリヲ「…」

 

(ジャキッ!)

 

(エンブリヲに特殊な装甲をした右腕を向けるジル)

 

エンブリヲ「その右腕で私を殺す気かい?」

 

ジル「まさか…」

 

(ドンッ!)

 

エンブリヲ「ぐっ!!」

 

(ジルの特殊な右腕から放たれた攻撃で、石化していったエンブリヲ。しかし…)

 

(チュンッ!)

 

ジル「ぐっ!!」

 

(ヒステリカから銃弾が放たれ、倒れるジル)

 

エンブリヲ「古い女に用はないんだ」

 

ジル「…まさか…お前の本体は…」

 

(脇腹から出血している血を抑えながら、エンブリヲの本体がラグナメイルそのものだと気付くジル)

 

アンジュ「…エンブリヲ…」

 

(ジルがエンブリヲに撃たれた光景を目撃していたアンジュ。傍にはミナもいた)

 

(ヒュッ!)

 

アンジュ「!?」

 

(目の前にエンブリヲが移動してきて、驚くアンジュ)

 

(パッ!)

 

(それと同時に、エンブリヲと共に突然姿を消したアンジュ)

 

ミナ「…え?」

 

ミナ「…アンジュ…? アンジュぅぅぅ!!!」

 

To be continued…。

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