※この作品はR-18です。

プロトガハマさん【習作】(R18)   作:凍傷(ぜろくろ)

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とどのつまり、初々しさは時に凶器にもなる

 腰を沈めてゆく。細めた目から涙をこぼし、頷く結衣の身体の中へ、初めて舌以外のものが深く深く。

 精液を放てば鎮まる筈のそれは未だにぎちぎちに膨れ上がったままで、こんなものが本当に入るのかと……亀頭の先が入っただけでも驚きの小さなそこへ、進むというよりメリメリと埋めるように。

 

「ん、んっ、んひぅっ……! いっ! ぎっ……!」

「ゆ、ゆい? ゆいっ……平気か……? 苦しくないか……?」

「……~~……だ、っ……はぁっ……だい、じょぶ……だから……そんな、っ……悲しそうな顔……しちゃやだよ……」

「……けど」

「ひっきぃ、贈り物を、された、時は……んくっ……笑顔、だよ……?」

「───~~……」

 

 結衣が、おそるおそると俺の方へ手を伸ばし、背に腕を回して、引き寄せようとする。けど、それはだめだと心が叫んだ。

 もらってほしいと言ったのだ。早々と夢を壊すわけにはいかない。

 だから頭をやさしく撫でて、大丈夫だと伝えた。

 

「……うん。ひっきぃ」

「ああ……いくぞ」

「うん……!」

 

 じゅぷり、と進んでゆく。

 けれどやはりキツい。ほぐしてやらなきゃ、とは思っても、抜くと言ったら……泣く。こいつ絶対泣く。確信が持てる。なんでか知んないけど。

 ぜ、前戯はした。した……と、思う。それもたっぷり。

 しかし上ばかりで、肝心の挿入するほうを全然ほぐしておりませんでした。

 結局は知恵に頼るようなことになってしまったが、それでも自分たちなりに高められた、とは思う。けど最後の最後で失敗した気分だった。

 ……い、いっそ一気に貫いてしまったほうがいいのだろうか。いや、だめだ。こんな凶悪なもん、一気に入れるとかアホか。

 ゆっくりと馴染ませるように、だ。大変ありがたいことに、時間だけはあるのだから。

 

「……結衣」

「う、うん……え? ヒッキー?」

 

 ずぶり、ずぶりと沈んでいく肉棒に集中していた視線が、近づいた俺の顔に気づいて持ち上がる。

 そこへ、顎に手を添えキスをした。

 口が合わされば顎から手を離し、両手で大きな胸をやわやわと揉み、時には強く揉みしだき、痛みへの意識を逸らしてゆく。

 てか、やばい。手に伝わるやわらかさが脳内の男な俺を刺激して、つぷつぷと沈めてゆく陰茎に走る刺激が、なんというか天国すぎる。うん、わりとヘヴン。

 一方が痛いのに一方がヘヴンなんて、ひどい話だ。痛みなら俺が慣れてるんだから、いっそ───

 

「……《どよ》」

「だめ」

「《ちゅっ》ふ……あ……?」

 

 黒い何かがまた、どよどよと世界から色を奪おうとした時、結衣が俺の瞼にキスをした。

 

「ん、っく……だめ、だよ、ひっきぃ……。この痛みは、あたしのっ……ぃぅっ……だから……。んっ、んっ、あっ……! これだけは、んぁあっ……いくらヒッキーでも、あげない、んんんっ、だか、らっ……ってヒッキー! 喋ってるんだから胸はっ! んっ、んっ、あぅうっ!」

 

 キスをされて、笑まれた時点で解ってしまった。

 だからせめて痛みを和らげてあげたくて、再び、先ほどたっぷりと観察した“結衣の気持ちのいいところ”へ、指と舌を這わせてゆく。

 

「んやぁあぅうっ! や、やめっ……それ、ぞくぞくしちゃっ……あぅうんっ! ち、くびっ……噛まないっ……でぇっ……!」

 

 結衣は腰回り……特に脇腹の少し上あたりを、指先で掠めるようにつつっと触れられるのが弱いらしい。

 だから、口では丘の頂にある突起を含み、吸い、舌でいじめ、体が跳ねたら隣の突起に吸い付いて、手ではさわさわと腰回りを撫で、時に腋や腕、ふとももなどをさわさわと撫で上げ、そこにも快感が伝わっているかのように錯覚させてゆく。

 手で胸を触る時にはキスをして、互いの幸福を合わせるように舌を、口内を刺激して、届くようなら遠慮なく幸福を爆発させる。

 

「───!! んく───!! ン、ンンンゥウーーーーーッ!!!」

 

 跳ね上がる身体と、口内に響く悲鳴。

 ぎちぃと締め付けられる陰茎に痛みを感じながら、仰け反った身体から一気に力が抜け、くたりと倒れた瞬間に進んでゆく。

 ずぶり、とひと際埋まった瞬間、亀頭の先に、みちっとした違和感。ひっかかった、とも違うが、これ以上押せば全て裂ける、と思わせるなにかがそこにあるのを感じた。

 

「結衣? ……───結衣……」

「ひっ、ひぃいぅ……! いっ……うぅう……! ち、ちが、ちがうの、いたく、ないからっ……ひっ……ひぅっ……! つ、づけ……っ……!」

 

 視線を向けた先には、とても辛そうな顔。それを一生懸命隠そうとしているのに、涙がこぼれて苦しんでいる。

 必死になってだいじょうぶだいじょうぶと言ってくれているが、それはもううわ言のようにしか聞こえない。

 

「……結衣」

 

 少し強めに名前を呼ぶ。その後になにがあるかを悟ったのだろう。結衣はいやいやと首を横に振って涙を流すが、それは聞けなかった。

 腰を引く。

 結衣が必死になって手を伸ばすけど、それでも抜いた。

 

「ぁ……? あ……ぅ……ふあ……───ぁああああん……!! ぅあぁあああん……!!」

 

 そして泣かれた。予想通り泣かれた。

 だだだ大丈夫だ、一回きりは貫いてないんだから、初めてじゃないし! な!?

 

「ばかぁあ……! ひっく……はーくんのばかぁあああ……!!」

 

 あ、はーくんになった。

 とか思ってたら、力無くぱたりと広げられた結衣の足、その付け根から……いや、厳密に言うと割れ目から、こぷりこぷりと透明の液体が……。

 

「う……おあ……!」

 

 えろい。なんていうか…………エロイ。子供のように泣き喚く女性からこぼれる涙以外のなにか、なんて考えて、自分に死んでしまえと心の中で絶叫。

 そのくせ、マイサンは余計にぎちぎちと痛くなる。もうほんと死にたい。

 

「ぜんぶっ……ぜんぶはじめてがっ……はじめてがよかったのにぃぃ……! あ~~……!! あぁあぁああん……!!」

「あんな痛くて死んじゃうって顔して、無茶言うなよ……」

「ひぐっ……が、我慢できたもん! はーくんからなら我慢できたもん!」

 

 完全に子供になっている。癇癪起こした子供である。

 なのに身体は立派すぎて……ああもう目に……いや、毒ジャナイヨ? ご立派すぎて血が集中しちゃって……正直、たまりません。

 ええい、と心の中で咳払いをして、泣き喚く結衣を抱き締めた。

 すぐに暴れ出すが、構わず抱き締め、向きを変えて腰を落とし、掻いた胡坐の上に乗せて後ろから抱き締める。

 

「落ち着け、ほら」

「《なでなで……》んんぅ……ひっく…………うぅうう……」

 

 ……うわー、ものすっごく拗ねてらっしゃる。

 頭を撫でた手も、頭を振って突っ撥ねられた。そのくせ、体重は乗せて寄りかかってくる。

 ……つか、硬いままのソレの感触に驚いて、一瞬逃げようとした。

 

「………~~……」

 

 ……逃げなかった。どころか、尻肉を押し付けてきて、硬いそれをぐりゅぐりゅと刺激してきて……こ、こらやめなさい! やめないとひどいですよ!? ひどい…………ひど───………………ひどいこと思い浮かばねぇ!!

 どこまで結衣に対して甘いんだよ俺……なんかもういろいろとアレだよ俺……ほんとアレな……。アレってなんだろ……。

 

「…………」

 

 しかし、つまるところあれだ。

 結衣のあそこをほぐせてなかったから起きた悲しい事故、だったよな、うん。だっただった。

 それならほぐしてやればいいのだ。そして仕切り直しをしよう。

 全部が全部初めてでは終われなかったが、言ってしまえば初体験中の喧嘩なんてものも初めての内に入るだろう。

 そんなことを、拗ねている結衣に語りかけながら後ろから手を伸ばし、胸を掬い上げるように揉む。

 

「んんっ……!? ちょ、ヒッキー……! あ、あたし怒って……やんっ……! も、もうヒッキー!?」

「……結衣。結衣は、俺が自分から傷ついたら、嫌なんだろ?」

「え……う、うん。でもそれは今はかんけーが」

「俺も、痛いって解りきってるのに、和らげる方法があるって解ってるのに、痛い方を選ばれるのは……嫌だ」

「ぁぅ……」

 

 心当たりがあったのだろう。俺の言葉に、“あたし怒ってるんだからねっ!?”と語っていた背中から、怒気が抜けてゆく。

 ……それでも胸は揉みますが。

 やだなにこれ、後ろから揉むの、すごい。上からも下からもやったけど、後ろから、すごい。

 たぷんって擬音、あれ正しいのね。大げさだなぁなんて思っててごめんなさい。

 あと肌に吸い付くような感触とかアホかとか思ってたけどこれやばい。なにこれ。ほんとなにこれ。ずっと触っていたい。許可が下りるなら、誰も見てないところならずっと触っていたいまである。

 

「んっ、んっ、んんっ……ふぁあっ、やんっ……」

 

 ひと揉みの度に、俺の中の男が完成に向かっていっている気がする。

 しかしながらそれは叩き潰す。“黙ってろいっ”とばかりに。

 “男”が乱暴なのは知っている。“女”は実はかなり陰湿。

 ならばなにがいいのか? ……戸塚かな。戸塚だな。戸塚と言ってくれ。つまりは中性。

 誰かが言ったな、所詮この世は男と女、だけどオカマは男で女。だから最強だと。言ったどころか歌ってたわ。オーカマウェーイ。

 男と女のいいところを掻き集め、あくまでも俺として静かに愛す。

 包み込み、やさしく溶かすように。むしろ溶け合う。溶け合うから……揉むのだ。やわらかい、気持ちいい。触ってるほうが気持ちいいってなんだよ。女性ってすげぇ。

 

「………」

 

 外側から中心にかけてじっくりと揉みほぐし、ふるふる震える身体を後ろから見守りながら、その綺麗なうなじへと舌を這わした。

 

「きひうっ!? や、やっ、やうふっ!? えっ……!?」

 

 跳ねる身体。結衣の意識が胸からうなじへ向かい、その油断をついて、最後に二つの突起を強くきゅううと摘み上げた。

 

「ヒッ───!? ぅ、っ……ィぃいぅっ───ァァアアぁあーーーーっ!! あ、あうっ、あぅうっ! ひううっ!」

 

 二度三度と跳ねる身体を抱き締め、それでも跳ねる肢体を見つめ、あぅう、あぅうと切ない声を漏らす口を顔ごとこちらへ向かせ、唇で覆い、ちゅるちゅると吸い上げる。

 

「ふ、うっ……んふぅっ……んむっ……ん、んんっ!?」

 

 だが目的はそれじゃない。ほぐすことが目的であるそこへ右手を潜り込ませると、もじもじとさせていた足に指が触れた瞬間、すぐにその足は閉ざされた。

 

「ひ、ひっきぃ……いま、いまだめ……むり、だから……」

 

 怯えるように、ふるふると首を振る。

 でもだめだ。今日だけはやさしいだけの、大切にするだけの幼馴染は完全にやめる。

 

「結衣」

「や、やぁ……」

「……結衣」

「あ、あぅ、あぅうう……!」

 

 ふとももを撫でながら、ゆっくりと近づける。

 それを感じるたびに結衣の身体は強張り、首を横に振るう。ならばと俺は、彼女の首筋にキスをして、左胸をもにゅもにゅと刺激していった。

 

「ひ、ひうぅ……! ひっき……ひっき……ぃい……! ちょっと、やすませ───」

「だめ」

「《はむっ》んひゅうっ!?」

 

 無防備だった耳を唇で噛む。

 不意打ちにはよっぽど弱いのか、それとも相当驚いただけなのか、体が跳ねた隙を狙い、陰部へと手を滑り込ませた。

 

「あっ!? や、やぁっ!」

 

 すぐに足が閉ざされ、手が締め付けられるが知ったことじゃない。

 曲げた指がくちゅりと潤った秘裂を探り当て、触れただけで跳ねる結衣の身体は相当に敏感だ。

 当然触り方など知らないから、再び人間観察モードで集中し、そろりそろりと気をつけながら指を動かしてゆく。

 

「んっ……あ、ぅ…………あ……ひっきぃ……やさしい……」

 

 ……いや、すまん。これ探ってるだけなんだ。やさしくなんか全然ないんだ。

 むしろ弱点見つけたら徹底的にほぐしまくるまである。しかし願われたならやさしくだ。時に優雅に、そして力強く───! それ違うな。違うわ。

 

「………」

 

 胸から左手を離し、結衣の下腹部に当て、ゆるゆると撫でる。

 右手はそのまま秘裂をなぞるように撫でる。

 

「んっ……ひっきぃ……?」

 

 腹部を撫でられる感触がくすぐったいのか、それともどうして急にそこを撫でるのかを疑問に思ったのか、結衣が自分の肩越しに俺へと振り返り、弱々しく首を傾げる。くそう可愛い。

 しかしここでクソ真面目な解答を言って聞かせるのもなんか違うと八幡は思います。よってこのシカトである。いやシカトっつーか、行為に集中しなさいって無言のやさしさ……やさしいか? これ。

 

「んっふ……んっ……ちょ、ちょっと、くすぐったい……かも……あはは」

 

 さわさわとお腹を撫でながら、もうちょっと結衣の体が俺の方へ倒れるように調節する。

 その状態で陰部を撫で上げ、広がった腹部に指を軽くクッ、クッと埋めてゆく。

 

「んっ、んっ……ひ、ひっきぃ? これ、なに……?」

 

 いえあの。ほら、その内側にさ? 凶悪なアレが入るわけじゃないですか。

 だったらこう、外側からも適度に圧力加えたら、少しは柔軟性を得るんじゃなかろうかとですね?

 ……いやいや、恥ずかしいから言いませんよ? 言いませんけどたっぷりねっとりいかせてもらう。なんか時々コリッとしたナニカの感触があるけど、なんだろねこれ。まあいい。

 お腹の内側を揉みほぐすようにしながら、指を少しずつ秘裂に埋めてゆく。

 そもそも指くらい入らなければ、これを入れるとか無茶でしょこれ。

 ていうかいつ治まるのこの……ええと、ご、剛直? ギンギンどころかギンギラギンですよ、先端から汁が出てきてテカッてるよ、全然さりげなくねぇよ。なにこれ。

 

「ひっきぃ……っ……!」

 

 うぐっ……そんな怯えた声を出さないでくれ。

 こっちはもう、声出したら甘やかしまくりそうで我慢しまくってんだから。

 ……でも無理、振り向いた顔がもう泣きそうだ。なにか喋ってくれって目が訴えまくってる。空気読むどころの不安レベルじゃないらしい。もう負け、負けでいいね? 負けたよ。

 

「……その。大丈夫だ。素人の浅知恵かもしれねぇけど……信じてくれ。絶対に傷つけたりしねぇから」

「……さっき、いっぱい傷ついたし……」

「あれは無理だ、どっちも悪い」

「うぅうう……!」

「だ、だから、その、アレだ……な? お前の初めてもらったら……よ。気の済むまで繋がってりゃ……いいんじゃ、ねぇの?」

 

 よく知らないけど。恥ずかしくてそっぽ向きながら言ったら、振り向き様に押し倒されて、唇を奪われたでござる。

 躊躇もなくディープで奪われ、離れたあとにはつう、と唾液の橋が出来る。

 その橋の先には……あ、これ女性だ……と。女の子ではなく女性だと感じるなにかを感じさせる笑みを浮かべた結衣が居た。

 

「ひっきぃ……ひっきぃ……! ひっきぃい……!!」

「え、あ、ここここらこらまてまてっ! ほぐしてからだって言って───!」

 

 押し倒した上で、羞恥心に息を荒げながら、俺の上で足を開いた結衣が剛直に手を添え、入り口へと───!

 ええい待てというのにこのばかたれ。

 すぐさま身体を起こし、膝立ちになった彼女の胸に遠慮もなく吸い付き、カリッと突起を強めに噛み、強く強く抱き締める。

 

「んぃいぅううううっ!!? やっ、やーーーっ! ヒッキー! ひっきぃいっ!!」

 

 拍子に、触れ合っていた陰茎と陰部が離れ、陰茎に流れてきていた愛液がパタタッと散る。

 ……うわあ、何気に犬モード入ってんじゃねぇか……! 発情した犬っころじゃないんだから、ちったぁ冷静になりなさい……!

 いや、でもまあ、あれですよ。うん。……膝立ちの恋人に抱き付いて胸吸って舌で転がして時々噛んだりする男、キモい。

 

「はっ、はぁっ、はぁあっ……! ひっきぃ、ひっきぃ……!」

 

 どっちが上を取るかみたいな取っ組み合いが始まり、俺と結衣はどたばたとベッドの上で暴れまわった。結果、息も絶え絶え。

 次ぐに次ぐ初体験の連続の所為で溶けたストッパーは宙ぶらりんのまま、かろうじて繋がっている理性のお陰でいろいろなんとか出来てはいるものの、それ以前に体力が続かない。

 さっぶいギャグだって簡単にスルー出来るほどに気にもできない体力の無さだろう。息も絶え絶えな京都美人が“あちきの名前は妙だえ”とか言って滑るくらいにキッツくてさぶい。いやなにこれマジで寒い。考えるんじゃなかった。

 それでも、考えることは一緒なのだ。

 幸福を与え合って多幸感に満たされるのもいいだろう。

 性器を、体を慰め、絶頂に至るのも、まあ、悪くない。

 けど欲しいのはその先だった。

 自分たちが届かせることの出来る“最大まで”を密着させて、ひとつになりたい。

 俺が考えればキモい思いも、結衣が考えればこんなにも尊い。

 しかしそれで結衣が傷ついてちゃ俺の心は満たされないし、結衣は痛みは我慢出来るというが、心配させたままでは自分も満たされないことくらい、きっと解っているのだろう。

 

「……一度、休むか」

「…………《じわり》」

「ほら、泣くな泣くな、こればっかりは仕方ないだろ。体力問題だ」

「……ひっきぃが……胸ばっか触るから……」

「んばっ!? ばっかお前っ、ば……ばばぼ……お……ごめんなさい正直抗えませんでした……」

「うぅう……そんなに胸、好きなの……?」

「いや……最初はそれほどでもなかったんだ。いや、ほんとに。なのに見て、触って、ぽろりとこぼれ落ちたら……なんつーか、今まで動こうとしなかった男が起き上がったっつーか……」

「……う、うん……すごい、もんね……それ」

 

 トークが始まってもてんで治まる気配なし。誰か助けて。

 

「あ……それで気になったんだけど」

「“それ”言うな。指も差すんじゃありません」

「いーから。聞きそびれちゃったけど、えとー……せーえき? って真っ白なものじゃないの?」

「いや知らんし。調べたこともなければ、出たのも初めてだ」

「………………え?」

「ん?」

「……は、はじめて? ヒッキーの、はじめて?」

「お? お、おう。あんなんなった試しないし、なんつーの? 精通? ってのも初めてだ。あー、ちと待ってろ」

 

 大変に恥ずかしいことだが、自分のことだ。ベッド脇の時計の横に置いてあったケータイに手を伸ばし、気になったから調べてみる。

 精通、透明、んん……まあいい、なんか適当にキーワード投げれば見つかるだろ。……わあい、あっさり見つかったー。

 

「………………、……ん、ほれ」

「なんか解った?」

 

 言いつつ四つん這いで、無防備な格好のままケータイを覗き込む。

 わあい、また果実がふるりと───ようし待てだ八幡。ウェイッ、ステイ、ハウス! 帰るのかよ。ここ自宅で自室だよ。

 でも裸のまま横に座るのってどうかなって思うのよね。なので、「えと……精通とは初めてしゃせーすることで……? 精通時の射精では、透明の精液が出る……。は、はじめ、て……? ヒッキーの初めて……わ、わ……わぁあ……!」とかご丁寧に音読されておられる恋人の胸にロックオン───あの。なに? なんでそんな輝く瞳で俺のこと見てるの? え? なんか嬉しいことあったのん?

 

「ヒッキー!」

「《がばぁっ!》うわぷっ!? な、なんだよいきな───」

 

 ……喋ることは叶わなかった。

 口を口で蹂躙され、逃げようにも押さえつけられ、見上げた先には……捕食者がおりました。いやん、顔がとっても興奮に満ちてらっしゃる。お、俺もっと、疲れ果てたとろけた顔が見たいなー、なんて……ねぇ?

 

「お、お前疲れてたんじゃ」

「さ、されるのはもうだめだけど、えっとね? そのね? す……するのはだいじょぶだからっ! まかせてっ!」

 

 やだもう嫌な予感しかしないんですけど。逃げていいですか? 逃げられませんね。あと結衣さん? のど乾いたからってそれドムリドムリ飲むのやめません? さっきからあなたのそこ、ちょっとした洪水みたいに……だだだから俺にも飲ませるな───アッーーーー!!

 

「んぷっ! ぷあはぁっ! まてって! 待て! 紙袋になんか軟膏みたいなのあっただろ!? あれ、もしかしたらその、ほぐすためのものかもしれんし、試してみるのも───」

「ヒッキーのが終わって、休んだらね? い、いいよね? ね? ね?」

「いいぃいいいやいやなななにいってんのお前、俺っ、俺にそんなの必要ねーし? つかなんでそんな興奮してんの!? 琴線に触れるなにかなんてなかったろ!? 俺《とんっ》うぉあっ!?」

 

 とんと押された。あらやだデジャヴ。そう思った頃には俺の股座に結衣が圧し掛かって来ていて、再び八幡の八幡がむっちりとした柔らかな果実に包まれて───

 

「ヒッキー……」

「や、やめっ……話せばわかっ……」

「いっぱい、気持ちよくなってね?」

 

 キィーーーーヤァーーーーーーッ!!!

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