※この作品はR-18です。

プロトガハマさん【習作】(R18)   作:凍傷(ぜろくろ)

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察するに、案外比企谷八幡は子供っぽい

 愛撫は始まり、そして続いた。

 強い刺激はせず、再び抱き合うところからキスへ向かい、肌を撫でてじゃれ合うように、激しい行動は一切取らず。

 それが結衣には嬉しかったのか、「えへへ……ひっきぃ、ひっきぃい……♪」と腕や胸に抱き付いては、幸せそうに目を細める。

 大分汗を掻いてしまったため、最初の頃のようなさらさらとした肌触りやくすぐったさはない。

 ただ、ぬるりとした塗れた感触は、自分たちがより近くに居ることを嫌でも意識させ、静かにだが、確かに興奮を高めていった。

 

「んー……ん、んー……♪」

 

 頬擦りをしてはキスをねだり、腕に抱き付いてはキスをねだり、キスを終えればキスをねだり。

 ん、と目を閉じ顎を上げたところにキスをされるのが、殊の外嬉しいらしく、言葉通り“事ある毎に”キスをねだってくる。

 まあ、なんだ。確かに恋人っぽくはあるよな。幼馴染っぽくはないわな。ちくしょう可愛い。

 そのくせ、心が“なんかもうこれ、一線越えなくてもこのままじゃれつくだけでいんじゃね?”とか草が大好き草食系な思考に向かおうとすると、何故解るのか頬を膨らませる結衣。

 なにこいつやっぱエスパー? そういう時は決まって、“そっち”に意識を向けるために俺の手を取って胸を触らせてくる。

 そして“わあい”と胸を揉んでると、「《もにゅりもみもみ》んっ……ヒッキーのことなら、《ふにふにくにくに》んんぅっ、目を見れば《ちゅうう》ふきゅうっ!? ……わ、解るし《かぷり》きゃううんっ! ……ヒッキー!!」とか言われてしまう。ついでに乳首噛んだら怒られた。八幡検定何級だよこいつ。強さ的にはレ級くらい? それ関係なかった。

 

「ま、まだ強いの、だめだかんね? まだ疲れてるし、あたし……こっちのゆったりしたののほうが、いいな」

「薬盛っておいてそれって、お前ほんと外道な」

「外道まで言われた!?」

 

 まさに外道。いやいや今キミ被害者っぽく驚いてるけどほんと外道だからね? 男の子の欲望ナメすぎだから。

 目の前に居るのがプロボッチャーである八幡さんじゃなけりゃ、もう男の欲望のままに組み敷かれて願いも無視されてめっちゃくちゃにされてるからね?

 いやほんと男子の鑑な、俺。襲わない男、八幡。……ヘタレとか言うんじゃねぇよ。これアレだから。ほんと大事にしてるだけだから。

 

「んじゃ……結衣」

「う、うん……あの、ほんと、すっごく恥ずかしいから、出来るだけ早く……」

「だめだな。じっくりねっとりたっぷりやる」

「うぅうう……!! いじわるだ! ヒッキーいじわるだ!」

「あほぬかせ。やさしいだろーが俺。めっちゃやさしいね。環境的にも人間的にも人類の輪的にも」

 

 言いながら、そわそわと落ち着くなく、頬に手を当て指は大きく開き、その間から自分の股座に寝転がる俺を見る結衣。

 あー、そうだろうなー、自分の股座に他人が、しかも異性が居るのって恥ずかしすぎるわなー。

 ……俺はもう目の前のきみによって体験して、散々と搾り取られましたが。

 けど……まあ、なんだ。さっきはいきなりやりすぎたから、今度こそたっぷりねっとり。

 愛の確認はゆっくりが基本だ。急ぎすぎるのは欲望でしかない。OK、把握した。

 

「いくぞ」

「あ……」

 

 沈めるように、M字に開かれた結衣の足の付け根へと顔を近づける。

 まずは軽く指で秘所をなぞり、ゆるい刺激でも感じたのか、とろりと流れる愛液で指を濡らし、なじませる。

 そうしてからは再び人間観察モードへ到り、刺激の強い部分には極力触らない方向での前戯が始まった。

 

「ん……ン、ふ……」

 

 くにゅくにゅ、ちゅぷっ、にちゅ……───まるで泡立てた石鹸を手に広げる時のような音が鳴る。

 アホな喩えを上げながら、急ごうとはせず、指が早くなってきたと自覚したら、むしろ今度は遅すぎるくらいの速度でねっとりと。

 

「ん、んん、はぁ、うぅん……」

 

 反応する結衣の声が艶かしく、耳に届くたびに興奮して、お陰でマーラ様がぎちぎちと痛い。いやほんと、冗談挟まないと本気で辛い。

 え? なに? グワッハッハッハァーとか笑えばいいの? 雰囲気ぶち壊しで前戯どころじゃなくなるだろ。

 いやいや雑念は捨てよう。釈迦への誘惑は釈迦への誘惑。生憎だが俺には結衣以外からの誘惑は効かねぇよ。

 

「んん……《もじもじ》」

 

 ……ふむ。ほほう。こっちは……そこまで強い反応は無し。

 むしろわざと反応して、別のところへ意識を向けさせようとしている。

 誘導されている方向には……先ほど確かめた、刺激が強めの場所。

 

「う、うー、うー……《もじもじもじ……》」

 

 ……誘導は軽く無視した。無視して、反応の薄いと確信しているところを少し強めに刺激して、その部分の反応を高めてゆく。

 

「あぅ、あぅう……《もじ……》」

 

 ちらりと顔をみると、物足りなそうな顔。

 目で“ちがうよ、そうじゃないよ”と訴えかけてくる。が、無視。

 

「ね、ねぇ……ヒッキー……?」

 

 そしたらついに我慢が利かなくなったのか、顔を赤らめ視線をうろちょろさせながら、軽く握った右手で口元を隠し、声をかけてくる。

 

「ん? どした?」

「あの、あのー……ね? も、もうちょっと強くしても」

「だめだ」

「だめなんだ!?」

 

 じっくりねっとりだ。もどかしかろうがとことん焦らす。

 あうー、あうー、と腰をくねらせ、俺の指が求めているところに当たるようにするも、人を避けることにかけて、このプロボッチャーである八幡さんが、リア充の反応速度に遅れを取るわけがない。人を避けることに関して、ぼっちとは最強の人種である。

 

「ぅううう~~……!! ひっきー、ひっきぃい……!!」

 

 切ない声を出されても無視。

 代わりに身を乗り出し、キスをして、一緒に横に寝転がりながら、右手でゆっくりと秘裂を撫でる。

 

「ひっきぃ……胸も、触って……?」

「だめ」

「う、うぅ、うー……!」

 

 胸は触らず、その下の肌をさわりと撫で、腰へと手を滑らせ、そのままむちりとした太股を撫でる。

 手が肌を滑る感触がくすぐったいのか、ぴくぴくと震える結衣に、こう、心が高まるっつーか。抱き締めて撫で回したくなる。つまりは可愛い。

 キスを口から頬、首から鎖骨へと下ろしてゆく、乳房に触れると、結衣の身体がなにかを期待してか、ぴくんと跳ねた。

 れろぉと丸みのある胸を舌が這い、本人でなくとも、ぞくぞくとした何かが結衣の中に走っているだろうことを感じる。

 やがて舌が円を描き、その頂へと届かんとした時、舌をすっと乳房から離す。

 

「っ……え? ひ、ひっきー? なんで? う、うぇぅ……?」

 

 期待していた刺激を空振りされて、快感もぞくぞくとしたなにかも中途半端に、結衣がおもちゃを貰えない子供のような寂しそうな顔で言う。

 代わりに背中へ伸ばした手で、つう、と背中を撫でると、その体が軽く仰け反る。

 前へ出た腹部を優しく撫でると散りそうになった快感がぞわぞわとそこへ移ったのか、体がぴくぴくと震えだす。

 それでもそれ以上はそこを刺激してやらず、少しずつ全身へ広がるように、肌を少しずつ少しずつ、ゆっくりとじっくりと刺激していった。

 

「ふ、ふっ……あぅ、ぅう……! ん、んくぅっ……ひう……!」

 

 それをたっぷり二時間くらいだろうか。

 すっかり暗くなった部屋で、いっそ陰湿ってくらいにねっとりと続けた結果、スローな愛撫は完成に到ったと言えた。たぶん。だってなにが完成か知らんし。

 しかしその効果があってと言っていいのか、結衣はもう俺に頬を触れられるだけでとろけるような表情を浮かべ、刺激を求めて身をゆだねてくる。

 でも強すぎる刺激は与えない。なんかもう下の方が洪水状態ですが、与えない。俺も洪水状態ですが。

 

「ひっきぃ……ひっきぃ、ひっきぃいい……!!」

 

 涙をこぼしながら、触れてもいないのにぴくりぴくりと震える結衣は、もはや口の端からこぼれる唾液を気にする余裕すらなかった。

 その姿に惹かれている。やばい、可愛い、美しい。本能から欲しいと思えてしまい、その溜まりに溜まった快感を一気に爆発させてやりたくなる。

 ……だがなにを勘違いしているんだ? まだ俺のバトルフェイズは終了してはいないぜ!

 

「ひっきぃ……ね……? も、もう、だいじょぶだから……ね……?」

 

 結衣が、求めてくる。手を伸ばし、まるで助けてとでも言うかのように。

 でもだめ。まだである。

 伸ばされた手を手で受け止め、軽く握ってやると、「あ……」と安心したような笑みを浮かべる。やだ可愛い。

 さあ、愛の限りを尽くそう。揺るがぬ愛を見せましょう。期待を裏切るっていう意味では、まあこれだわな。答えは───馬鹿めだ!

 

「《さわ……》んんっ……! え……? あ、あれ? ひっき……? あれ……?」

 

 ぴんっと張り詰めた乳首に向けて伸ばされた手に、安心の目を向けていた結衣が疑問をこぼす。

 期待は裏切られ、俺の手は結衣の肩まで伸び、そこをつつぅと刺激する。

 

「え、ち、ちが、ちがうよ? ひっきぃ、ちがうよ?」

 

 答えの解らない子供のようにおろおろし、けれど小さな刺激でもぴくぴくと跳ねる身体が、考える力を殺してゆく。

 肩から首を撫で、耳を撫で、耳の後ろ、頭を撫でる。

 額にキスをして、うなじから背中を撫で腰に指先を這わせ、尻肉を撫で、揉み、もじもじとすり合わせている足を撫でる。

 

「あ、ぁ、ぅぅう、ひっ、ひっき、やっ、やぁああっ……!」

 

 刺激が足りないのだろう。

 もどかしさにこぼれる涙は無意識か。

 それでも自分で触れて刺激を得るのは嫌なようで、必死になって俺の手を求めてくる。

 自分で手を伸ばし、俺の手を取り、触って、触ってと誘導するも、近づけた手はそのまま別のところへ伸び、期待はずれなくせに触れられれば喜んでしまう身体に結衣自身が「なんで? なんで?」と戸惑っている。

 それでも焦らしは続く。

 期待をスルー、懇願をスルー、やっとだ……という安心を寸前でスルーして、じわじわと精神的興奮を底上げすること一時間くらい、か?

 そんな中でもキスをして幸福を分け合い、その爆弾も静かに結衣の中に重ねてゆき、仕込むこと……どんだけだろうか。体力回復どころか、もう……

 

「う、うえっ、ひっく……ひっき、ひっきぃ……えぅっ……うぇぅう……」

 

 いじわるしすぎて、泣いている恋人が居る。その姿、もはや全身と心に快感と幸福の爆弾を設置されすぎた女の子。

 涙を拭うだけでも感じてしまい、拭うことも出来ずにぴくぴくと痙攣している。

 幸福の絶頂を調べる時に気になっていたことを実行した結果だった。

 幸福の催眠、とでも言うのだろうか。

 それはそうであるとじっくりと意識させることで、なんでもないものがなんでもない以上になってしまう、無意識からじっくりと意識させる爆弾みたいなもの。

 これは幸福であると強く意識しすぎたことで絶頂に辿り着けるなら、出来ないことはないだろうと思っていたんだが……いや、うん。結衣以外には無理だな。こいつが俺を信頼してくれているからこそ出来るもんだな、これ。

 試しに結衣の指にツツッと指を這わせてみれば、それだけで「ンゥウッ!!」と高い声が漏れる。その手を取って指を舐め、口に含んでチロチロちゅぷちゅぷとしゃぶってやれば、体を震わせ、彼女自身が驚く程に全身性感帯状態。

 

  ……さて。

 

 あとは強い刺激とディープなキスだけで起爆は可能なわけですが。

 ……おかしい。そもそもあそこをほぐすことが目的だったんじゃなかったっけ? とは言わない。いや、疑問には思ったけどさ。

 だって俺、やさしくはしないって言っておいたし。おう、めっちゃ意地悪したぞ?

 ああ、それにしてもエロい。好きな人が、大切な人が、無防備な姿で自分だけを見て、上気した顔のまま俺の名を呼んでくれる。

 変態じゃないよ? 俺が変態なら、世の中変態だらけだよ。……変態だらけか。みんなそれを隠してるだけで。

 

「結衣……」

「ひっきぃい……ひっきぃい~~……!」

 

 もはや俺のことしか呼んでない。つかこんな時くらいヒッキーやめません?

 もっとこう、八幡八幡って……うわっ、俺の名前、こういう場面に向いてなさすぎ……?

 それならまだはーくんの方が……あ、無理だ。以前聞いた葉山ってやつが前に出てきて、とてもじゃないが無理だ。

 ……おいどうすんだよ、ヒッキーしかねぇじゃねぇか。

 

「………」

 

 いずれにせよ、準備はこれで完成したと言える。

 上級編にあった、ある意味での完成形……ポリネシアンなんたら。

 あれ? なんか違う? たしか、とにかく時間をかけて愛撫する、とかだった気がするんだが。

 ……ア、ソウダー、俺からしか刺激してナイヤー。愛情を確かめ合う行為、とか書いてあったのに確かめ合うんじゃなくて与えてるだけだよ。いや、もちろんキスは積極的にされたけど。

 

「いや……うん」

 

 まちがってはいない。まちがってはいない筈だ。

 普段からじゃれついたり幸福を与え合って刺激されたりして、性的には上り詰めてなかった俺達だ。

 そこへ、こうして地道な刺激で上り詰めた相手が居る。これ、最強。

 じゃあ、あとは……あとは。挿入、なわけだが。

 

「結衣……いいか?」

 

 ぎちり、と。我慢しすぎて涙を流している剛直。

 それを虚ろな目で見て、弱々しく微笑み、頷くのを見て、心がじわりと温かくなるのを感じた。

 ただ問題は……ああ、うん。ちとやりすぎた。

 これ、結衣のあそこ、ちょっとでも触れたらもう……なぁ。起爆しちゃうんじゃないだろうか。

 そしたらもう挿入どころじゃないだろ絶対。

 やっぱり少し落ち着かせてからのほうが───と思ったら、小指をきゅっと摘まれ、引っ張られた。

 まるで袖を引っ張るような仕草だ。視線を向ければ、既に涙で塗れた目が、捨てられた子犬のように俺を見つめていた。

 ……はい無理。後回し、絶対無理。

 こうなれば仕方ないと俺も覚悟を決めて、ぴくんぴくんと震える結衣の足を開き、柔らかな尻肉を下から掬うにして、結衣の腰を持ち上げる。

 それだけで結衣にとっては快感なのか、目をきゅっと瞑って……震えた。

 

「結衣、今……」

「~~……ぁぅぅう……!!」

 

 どうやら軽く絶頂の扉を叩いてしまったらしい。恥ずかしそうに顔を手で隠すんだが、手が顔に触れるだけでも身体が跳ねる。ままならない。

 そして俺もそれどころじゃなかった。

 これからこの、持ち上げた身体に剛直を挿入する、と意識したら、鈴口からは期待を込めてなのか先走りがごぷごぷとこぼれ出る。

 天を向くそれを前を向くように調整して、やがてくちゅり、と秘裂に宛がうと……じゅ、ぷぷぷ、と挿入して

 

「ひぃあっ! きあぁあああああああっ!!!」

「!? う、くあぁっ!!?」

 

 亀頭の先が減り込み、膣内を刺激した途端、爆弾は爆発した。

 絶叫と同時に体は跳ね、仰け反るだけでは足りないのか、全身がびくびくガタガタと跳ねて痙攣。

 首を強く振って、強すぎる快感から逃げようとする結衣の目からは涙が散り、シーツを握り締めてもそれが快感となって、彼女はまた上り詰める。

 泣き声と鳴き声が混ざったものを喉から出す姿を押さえ、その絶頂を受け止めようと強く強く抱き締めながらキスをする───と、あ、やべ、なんて失敗を意味する言葉と同時に、結衣の中で幸福の爆弾も爆発した。

 

「あっ! あぅっ! ぅあぁあう!! キァッ───、───ァアアアアッ!!」

 

 結衣が暴れる。亀頭もまだ入りきっていないそこからは、びしゃ、ばしゃりと温かい愛液が断続的に放たれ、抱き締めた拍子にピンと立った乳首と敏感なままの乳房がこすれ、潰れ、それも起爆剤となって彼女を幾度も絶頂へと放り投げた。

 膣内とも呼べるのか微妙な位置ではあるが、それでも結衣のソコはぎうぎうと亀頭への圧迫と解放を繰り返し、ふとした拍子にじゅるりと亀頭が飲み込まれた時、中のぐにゅりと竿を飲み込もうとする運動に刺激され、のろい愛撫の時点で興奮が集まり、爆発寸前だったそれは、あっさりと爆発した。

 

「っ! ぐ、あっ、がぁああっ!!」

「《びゅびゅうっ!》ひっ……!?」

 

 じゅびゅううっ! びゅるびゅるっ、ぐびゅうっ! びゅびゅっ、びゅうううううっ!!

 

「あぁああっ! んぃぅうっ!! あ、ああーーーーっ!!」

 

 かはぁっ、と身体の奥から魂が抜けていくような感覚と同時に、俺の中から大量の精液が放たれる。

 処女膜で部分的に守られたままのその奥へ、じゅびゅるどくどくと、遠慮もなく。

 

「あ、あ、あ、っ、んひぅっ!? あ、……、───」

 

 その刺激で再び絶頂を迎えた結衣は、突然大きく体を震わせたかと思うと、くたりと力を無くし、反応しなくなった。

 

「っ……か、はぁ、はぁっ……、……? ゆ、い……? おい、結衣……」

 

 閉ざした目から涙をこぼし、完全に脱力しながら、けれど身体はびくんびくんと痙攣している。

 頬を撫でても、肩をゆすって呼びかけても反応はない。が、荒い息は吐いていた。

 ……どうやら気絶してしまったらしい。まじか。

 

「………」

 

 びゅるる、ぴゅる、びゅるっ……と、まだ精液を放っている亀頭をそのままに、むちり、と膜に押し当ててみる。弾力のあるそれが張り詰め、少しみちち、と張力の限界を越えそうになるところで止める。

 ……このまま突っ切ってしまえば、痛みの瞬間を感じることもなく先へ進めるのだろうか。

 想定外ではあったけど、この気絶は案外好都合、だったりするのか?

 

「…………いや」

 

 結衣は言った。この痛みは自分のものだと。

 だから……それはたぶん、欲しかったもの、ってことだろう。俺が、結衣が痛いのが嫌だと言って、無視してしまうのはよろしくない。

 

「……っ」

 

 こぷ、こぷ……。ようやく終わった射精に呆れと快感を覚えながら、そのくせ全然縮まりもしない剛直に苦笑が漏れる。

 さて、どうしよう。揺すっても起きない、呼びかけても起きない。しかしこれで終わりにしたら絶対にまた泣く。今度は許してくれないかもしれない。

 だったら? だったら……。

 

「……ん、くっ……」

 

 硬いままのそれを、ゆっくり、ゆっくりと抽送する。本当に短い距離をだが、少しでも馴染ませる効果を求めて、ぬぷ、ちゅぷりと。

 刺激自体はそれほどでもなくても、そういう行為をしている、という興奮が刺激になる。───が、自分の快楽はこの際置いておく。

 というか膣内射精とか気にせずやってしまっている自分に、責任取る気満々だなおいと心底呆れてしまう。

 

「……、……」

 

 気絶したままの結衣の口にキスをして、こぼれる涙を舐め取り、ゆるい抽送ながらもたぷんたぷんと揺れる胸に目を奪われ、ついそこに意識を伸ばし、体を曲げて突起を吸う。つくづく男です、ごめんなさい。

 自分の腰の位置まで持ち上げた結衣の腰をしっかり支え、亀頭が埋まりすぎて膜を貫いてしまわないよう、注意をしつつ……胸に吸いつき、舐め転がしながら、くぽくぽと抽送を続けた。

 ……あれ? これって普通にアレじゃね? なじませるつもりで、本当にそのつもりで始めたのに、なんかもの凄い最低行為な気がしてきた。

 しかし我慢してきたツケが回ったのか、動き始めた腰は止まらない。快楽を求め、段々と速度を速めている。亀頭の先への刺激よりも、状況に酔うように。

 せめて貫いてしまわないようにとそれだけは必死に守るも、それ以外が欲望に飲まれていくのを感じた。

 薬の所為で体が熱いし、剛直は治まることを知らないし、気持ちよすぎてどうにかなっちまいそうだし───

 

「っ……結衣……結衣っ!」

 

 頭がボウっとする。ああ、この娘が欲しい。欲望のまま、全てを。

 どうすれば手に入る? どうすれば? 方法なんて、ここに───……

 

「うっ、ぐっ! ぐあぁあああっ!!」

 

 びゅるびゅるびゅる! びゅるるるるる! びゅーーーっ! びゅーーーっ!!

 そうして、欲望が放たれる。“腰を密着させたい、根元まで叩き込み、奥へ、奥へと注ぎ込みたい”……頭を破壊しそうなくらいの狂った欲望をなんとか押さえ込みながら、それだけはさせまいと堪え、それでも剛直は抜き取らず。

 何処にこれだけ、何処から湧いて出ているのか。先端だけを挿入した状態で、びゅるびゅると大量に流し込まれる精液に、結衣の身体がびくびくと震える。

 ……気絶しながら絶頂したのだろう。涙がじわりと滲み、「ふやぁああ……!」と声が漏れるのを見て、申し訳ないのと同時にたまらなく愛しくなる。

 

「はぁっ、はぁっ……! ……ゆい、ゆい……!」

 

 起きてくれ。じゃないと、どうにかなってしまいそうだ。欲望が、ぞるぞると身体を蝕んでいくのを感じる。

 視界が色を無くしていくんだ。このままじゃ、壊しちまう。いろんなもの、積み重ねたもの、乱暴なままに、壊しちまう。

 

「はぁ、はぁ……!」

 

 手が、結衣の腰をベッドに下ろし、胸へと伸びる。

 欲望が尽きることなく湧いてくる。湧くのは勇気と希望だけにしてくれないかと冗談を咲かせようにも、上手く行かない。

 やさしくしないんじゃない、出来そうにない、出来ない。しなくていい、しなけりゃいい、思う存分、もう、いっそ───

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