※この作品はR-18です。

ラスボスになりたい~   作:もっち~!

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安眠抱き枕な神

 

---フレイ---

 

このフロアは、とても高い天井で、天井には2色の光り輝く水晶で覆われている。中心には太陽を思わせる白色水晶、その周囲には青空を思わせる青色水晶があり、時間により光量が変化して、ダンジョン内なのに、昼と夜を体験できる不思議な空間である。

 

しかし、怪しい通りは、昼でも薄暗い。この真上辺りの水晶は昼でも光量が少ない為である。そんな薄暗い街を、換金するために歩く僕達。宿より一層妖しい雰囲気の建物に入った。

 

「若、いらしていたんですか?」

 

奥のカウンターから、声がかかった。この換金所を取り仕切る者だ。

 

「換金してほしい」

 

僕は、アマゾネス姉妹から、バックパックを受け取り、彼の前に中身を出した。彼はその中から高額取引になりそうな物をより分けて、僕に返してきた。

 

「これは地上で換金してください。ここでは、値が付けられません」

 

値の付く物を鑑定して、引き取り額をメモして、渡してくれた。

 

「う~ん、フィン、この価格で良いかな?」

 

「この辺りの相場より高いですね」

 

「若からは、ぼったくりできませんから」

 

「なるほど…フレイ、それで良いと思います」

 

「わかった。あっ、ちゃんと手数料は引いてくれよ」

 

「若からそんな物は…いつも助かっていますし」

 

「でも…」

 

「これからも、ここを見守っていただけるだけで、良いですよ」

 

っと、押し切られる形で、取引終了。換金所を出る。そして、食堂へ…って、行っても荒くれ者が多い通り故、酒場であるけど。

 

「好きな物を頼んでいいよ♪あっ、酒はダメだぞ。明日からも狩りは続行だからな」

 

と、酒無しの宴が始まった。

 

「ここで、こういう食事にありつけるとは…」

 

フィンが驚いていた。地上と変わらない多彩な食材の数々。

 

「僕のファミリアは、ここに物資を運ぶのも仕事だから」

 

「あぁ…その恩恵で、換金も円満なのか?」

 

「そうかもな。まぁ、ギルドを預かる者として、この通りの者にも、地上の者と同じように接しているんだ」

 

「若の所に依頼すると、ぼったくりがないから、安心ですよ。他のファミリアに依頼すると、危険手当とか色々とぼったくられるから」

 

酒場のマスターにお褒めの言葉をもらった。

 

「フレイ、私にはそういう仕事を頼まないけど」

 

アリーゼから素朴の疑問のようだ。

 

「あぁ、アリーゼは酒場チームのメンバーだし、リューはニャーチーム、ここへの運び込みはアストレアチームで執り行っているんだよ」

 

アストレア・ファミリアの冒険者ではなく、働きたいと希望した者をギルドで雇用して、ポーターとして働いてもらっている。彼らのガードは、母さんのファミリアだったり、父さんのファミリアだったり、ガネーシャのファミリアだったりするけど。

 

18階層との往復なだけなので、中級冒険者クラスがある程度いれば、問題はない。襲撃さえされなければ。まぁ、この辺りの者に、手を出す者は滅多にいないけど。

 

「最近はどうだい?」

 

「相変わらず、アイツらがカツアゲしています」

 

アイツらとはソーマ・ファミリアの団員だ。主神のソーマは酒作りにしか興味が無く、団長がファミリアを取り仕切っているのだが、団員にノルマを設定して、上納金制度を作ったそうだ。その為、稼ぎの悪い団員は、カツアゲ、スリ、追いはぎと、犯罪をして稼いでいた。

 

ギルドとしては、主神への警告をしているのだが、耳が筒抜けでソーマは、ギルドの警告をスルーしまくり。なので、現行犯逮捕をしたりしているが、自由意志での行為に責任は取れぬと団長も改善をしようとしない。いや、この団長こそが諸悪の根源である。

 

「ここまで来て、やっているのか。まぁ、地上は自警団のパトロールがあるから、しにくいんだろうけど」

 

「弱そうな冒険者をこのエリアに連れ込んで、俺達のせいにしているんです。その上、このエリアの住民からも奪う始末です。どうにかなりませんか?」

 

「そうだな…掃除するか?」

 

「掃除の折りは協力します」

 

「1週間くらい居るから、遭遇したら狩る。あと、僕の連れの顔を覚えて置いてくれる?襲わないように、伝令を出しておいてくれる?」

 

「わかりました」

 

みんな食べ終わったみたいなので、会計をしようとすると、

 

「若から取れません。その代わり…」

 

「そういうこと?わかった。明日は取ってくれよ」

 

「気が向いたら♪」

 

------

 

皆で宿へと戻る道すがら、リヴェリアが寄って来て、

 

「あとで、部屋に来て下さい。相談したいことがあります」

 

「改宗の件だったらダメだ」

 

「それ以外ですよ♪」

 

なんとなく予想ができるが、ここはあえてスルーしておこう。で、宿に戻り、それぞれの部屋に入り、明日への休養を取る。

 

「アイズ、リヴェリアが相談があるそうだから、行ってくる。一人で大丈夫か?」

 

不安そうな表情で、首を横に振る。

 

「じゃ、リューと待っていてくれる?」

 

「すぐ戻ってくる?」

 

「なぁ、アイズ。相談事を聞くだけ聞いて、立ち去る男をどう思う?」

 

少し考えてから、

 

「信用できない」

 

「だろ?だから、すぐには戻れない。リューと待っていてくれないか?」

 

しばらく考えて、首を縦に振る彼女。そんな彼女の頭を優しく撫で回す。

 

「ちょっと、行ってくる。リューには、ここに来てもらうよ」

 

部屋を出て、リュー達の部屋に寄り、アイズのことを頼んで、リヴェリアの部屋に向かった。リヴェリアの部屋に入ると、いきなり抱きつかれた。

 

「どうしたんだ?」

 

「わかっているクセに…」

 

彼女の耳は、既に紅潮していた。こういう時は焦らすと良いと、父さんに習っていたので、試してみることに。

 

「わからない。相談ってどういうことかな?」

 

「胸が…痛いんです。フレイのことを考えると…」

 

瞳が潤んでいるように見える。う~ん…どうするんだ、この先は…父さんに習っていないぞ。僕の首に両腕を回して、僕と口づけをする積極的なリヴェリア。

 

彼女の舌が僕の口というほら穴を、探険しているようだ。歯や歯茎を舐めている。そんな侵入者を僕は吸い込んでみる。目を見開いて驚いている彼女。驚いたようだ。僕から離れようとするが、彼女の腰回りに僕の腕が巻き付いていた。

 

僕を押しのけようとする腕の力が弱まってきたので、彼女の舌を解放してあげた。僕から離れて、纏っていた衣類を脱ぎ捨て、自らベッドに横たわる。彼女は着太りするんだと思う。いや、身体の線がわかりにくい服のせいもあるけど、割とスレンダーである。

 

こういう場合って、人だと愛を語り合うんだろうけど、あいにく僕には、愛を語り合うって言うのが、どういうことなのかがわからない。恋をするっていうことが、どういう物なのかもわからない。父さんからも、母さんからも、男女の出会いは一期一会って、習っていたから。

 

僕も衣服を脱いで、リヴェリアの肌の感触を全身を使って愉しむ。吸い付くような彼女の肌は気持ち良い。そして、ゆっくりと、僕は彼女の中に入った。そして、彼女の痛み、苦しみを癒やす。ピリピリ感がするから、何らかの心の痛みがあったのだろう。ピリピリ感が感じなくなる頃、彼女の安らかな寝息が聞こえてきた。僕は彼女から離れ、布団を掛けてあげ、衣服を着て、部屋を後にした。

 

自分の部屋に戻ると、アリーゼとアマゾネス姉妹もいた。女子会ってヤツか?フィンは徹夜明けの爆睡かな。

 

「おかえり~♪今夜は早いねぇ~」

 

アリーゼはご機嫌だ。どうした?酒でも飲んだのか?

 

「っははは、アリーゼ、お酒を飲んだのかって、思われていたり」

 

リューに心を読まれたようだ。うん?顔に書いてあったかな?

 

「お酒は飲んでいません。いや、フレイ話で盛り上がってね♪」

 

僕の陰口大会か?

 

「なんかさぁ、フレイのことを話しているだけで、心がハイになるって感じでさぁ」

 

危ない薬でもやったのか?

 

「それだけ、アリーゼはフレイの事が愛おしいんだよ」

 

って、リュー。

 

「愛おしいって?」

 

つい口から、質問が出てしまった。

 

「はぁ…そういう知識がまるでないんだよ、この男は!わかったか、アイズ♪」

 

「脳みそが白紙なんですか?」

 

アイズ、正解だが、もう少し言い方は無いのか?

 

「白紙すら入っていないんじゃ…」

 

「アリーゼ、それは酷い…」

 

少し凹む僕。

 

「じゃ、何が入っているのかな?」

 

リューの一言で、皆が僕を注目していた。どう返答すれば良いんだ?

 

「あ…アリーゼ、正解だ。何も思いつかない」

 

がっくりと肩を落とした僕。僕の頭の中は『無』だった。

 

「やっぱしな~」

 

凹んだ僕の背中に、誰かが抱きついた。

 

「大丈夫、きっと優しさが詰まっているんだよ。ねぇ、そうでしょ?」

 

ティオナの声だ。

 

「ティオナ、ズルい!」

 

アイズの声がした。なんで、焼き餅を焼くんだ?

 

「そうだ、ティオナ。抜け駆けだぞ!」

 

って、アリーゼ。はぁ?なんの話し合いをしていたんだ?

 

「リュー、この女子会のテーマは何だったんだ?」

 

「えっ…あのぅ…そのぅ…」

 

リューが困ったような顔をした。

 

「言えないことか?アリーゼ!」

 

「え?そんなの話しても、フレイのオツムじゃ理解できない。そういう話題だよ」

 

そっち系か…

 

「はっきり言っておくけど、僕には恋と愛とかがわからない。だから、期待はしないでほしい」

 

「期待なんかしていないよ。今のフレイだからいいんだよ」

 

アリーゼが即答した。

 

「いんじゃない。徐々に学べばさぁ。でもさぁ、たまには、他人の為ばかりに生きないで、自分の為にも生きろよ」

 

うん?意味がよくわからない。

 

「アリーゼにしては、難しい言い回しで、よくわからない」

 

「アリーゼはねぇ、フレイがしたいようにしなさいって、言いたいのよ」

 

って、リューから噛み砕いた説明をもらった。それならわかる。

 

「したいようにしているけど…え?ティオナの寝息が…」

 

「フレイとスキンシップしていると、よく寝られるんだよな。不思議とな♪」

 

アリーゼの言葉に、アイズが小さく頷いた。

 

「これで、お開きにして、明日に向けて寝てください。お願いします」

 

背中から、はがれないティオナとアイズの三人で寝ることにした僕。他の皆はそれぞれの部屋に戻っていった。うん?ティオネが居座っている。

 

「ティオネはフィンの部屋に行けば?」

 

「ティオナと一緒にいたい…一緒に寝ていいですか?」

 

「構わないけど、狭いけど良い?」

 

こうして昨晩完徹だった僕は、やっと睡眠することができた♪。

 

 

-------

 

 

 

『…ナお姉ちゃん、…ズお姉ちゃん…っと…えた…』

 

 

 

-------

 

 

なんかよくわからない夢を見て目覚めた。なんだろう?あと、アイズだけでなく、ティオナからも懐かしオーラを感じる。どこかで会ったのかな?脳みそが空っぽの僕には、思い出せない。困ったなぁ。

 

 

 

「で、なんで、フレイにティオナとティオネが懐いているんだ?」

 

翌朝、開口一番のフィンの一言。

 

「フィン、改宗はさせていないから、安心だよ」

 

「フレイ…何かしましたか?」

 

疑り深いなぁ…

 

「濡れ衣だよ。僕は何もしていません」

 

「あぁ、そうなると、その二人が何かをしでかしましたか?」

 

「していないよ。フィンの親指が疼いてないだろ」

 

危険を察知すると疼くフィンの親指。便利な機能なのかは、疑問ではあるが。察知した時点では遅いだろうに。

 

「おはよう、フレイ♪」

 

リヴェリアが甘えるように抱きついて来た。

 

「はぁ?リヴェリアもですか?フレイ…まったく…この…」

 

言葉を飲んだフィン。

 

「だから、リヴェリアの改宗の件は、拒否したって…」

 

「え?拒否した割には、甘えていないですか?妖しい…」

 

「濡れ衣だってばぁ~。リヴェリアを受け入れる時は、フィンもセットで受け入れるからさぁ~」

 

「フィン、うちの主神は、色恋沙汰の意味を知らないんだ。濡れ衣だよ」

 

アリーゼが助け船を出してくれた。

 

「そうだけど…フレイったら、魅力を分かってなすぎだよ。本当に頼りがいのない信用できる神様だ。厄介な神だよな」

 

「それが、フレイよ」

 

って、リュー。僕って、厄介なの?

 

「はい、そこ!深く考えない。ノープランなのが、フレイには合っている。知恵熱出るから、考えるなよ」

 

って、アリーゼ。そうだよね、深く考えても時間の無駄だよね♪

 

 

 

朝飯を食べて、今日の狩りをしに行く。

 

 

 

そして夕方、狩りをして帰って来た。換金所に向かう途中で、

 

「やめてぇ~!」

 

って、女の子の悲鳴を聞いた。

 

「リヴェリア、アリーゼ、アイズ達を頼む。フィン、リュー、来てくれ!」

 

指示を出して、悲鳴のした方へ向かう。

 

「お前の稼ぎが悪いから、これは教育的指導だよ。ふふふ」

 

ガラの悪そうな輩達が、女の子を寄って集って乱暴しようとしていた。

 

「おい、待てよ。何をしているんだ?」

 

僕の声で、僕達の方を振り向く輩達。

 

「ほぉ~、エルフの女か。これは美味しそうだ。こんなガキより、よっぽど良い」

 

言い終わった直後に、その輩の首元から噴水のような血が噴き出した。

 

「僕の仲間には、手を出させない。無礼を死んで詫びろ」

 

次の瞬間、輩の集団は血の海に倒れた。うん?あの女の子がいない。どこに行った?僕の周囲を探索して、あの女の子のオーラを探す。ふふふ、見つけたよ。

 

「リュー、アリーゼと合流して、宿屋か、換金所に駆け込み、状況を話して、その場で待機だ。フィン、ここの現場を保全してくれ」

 

「フレイは?」

 

「あの女の子を助け出す♪」

 

------

 

フィンと別れて、女の子のいる建物に向かい、中の様子を覗う。

 

「はぁ?あいつらが瞬殺されただと?リリ、嘘吐きはダメだぞ」

 

「本当です…」

 

あんな目に遭いながらも、輩達の仲間に報告?洗脳でもされているのか?

 

「Lv4以上だぞ。それを瞬殺って、有り得ない」

 

Lv4以上?ソーマの処ではないのか?

 

「カヌゥ、あいつらレベルを偽っていたんじゃ?」

 

「あぁ、有り得るな。まぁ、リリの話が本当で有ればな」

 

ぱしっ!ぱしっ!

 

頬を叩かれている女の子。

 

「おい、本当の事を言う気になったか?」

 

どがっ!

 

壁に叩き付けられた。女の子の意識は朦朧としているようだ。

 

「おい、それくらいにしてやれよ」

 

僕は女の子を虐める輩達の前に姿を現した。

 

「なんだ、てめえ~は?」

 

「なぁ、カヌゥって、ソーマの処のカヌゥ・ベルウェイか?」

 

「なんで知ってやがる?」

 

少し狼狽えるリーダー格、いや雇い主って処かな?Lv1だしなぁ。

 

「やっと、証拠をつかめたよ♪」

 

「まさか、ギルドの隠密か?」

 

「そうだとしたら?」

 

僕は相手の返答を待たずに、カヌゥ以外を屠る。首元から豪快に血の噴水を上げる犯罪者達。

 

「お前…『血まみれ』フレイかぁ?」

 

「ふふふ、どうかな?試してみる?」

 

「はい、そこまでですよ~。フレイ様、証拠品を殺そうとしましたね?」

 

僕の背後から、突然聞き慣れた女性の声がした。振り返ると…えぇぇぇ~?なんで?エイナが…あっ…ギルドの放った隠密集団かぁ。

 

「いや、別に殺そうとは思っては…屠ろうと思っただけで…」

 

妙に高圧的なエイナに、タジタジな僕。

 

「同じことです!やっと掴んだ証拠を隠滅ですか?」

 

いや、なんで詰め寄られているの?隠密のプロ集団が、僕とエイナのヤリトリを見て、笑っているんですけど…

 

「じゃ、その男は証拠物件です。大事に地上まで運んでください」

 

エイナがテキパキと指示を出している。僕は女の子に駆け寄り、容体を診る。日常的な暴力に晒されたのか、身体中アザだらけだ。切り傷なんか膿んでいる箇所もある。

 

「エイナ、この子は連れ帰って良いか?容体が良くない」

 

「えぇ、でも、後で証言は得たいので、確保はしておいてくださいね」

 

「あい♪」

 

「返事は、『はい』でしょ!」

 

「はい…」

 

以前より、凄みを増しているエイナ。関わらないようにしよう。女の子を優しく抱いて、宿へと戻る。

 

------

 

宿に戻ると、フィンもアリーゼ達も戻っていた。

 

「リヴェリア、彼女をお風呂で洗って。あっ、化膿している箇所は石けんを付けないでね」

 

「了解!」

 

「リュー、フロントに行って、消毒液を確保」

 

「了解!」

 

「アリーゼ、清潔なシーツでベッドメイクを」

 

「了解!」

 

「なぁ、フレイ…なんで、リヴェリアが君の指揮下にいるんだ?彼女、嬉しそうなんだけど」

 

「フィン、緊急事態だから…嫉妬は平時に頼む。僕も一杯一杯なんだよ」

 

「あぁ、すまない。つい、ぼやいてしまった」

 

「アリーゼ、ベッドメイクが終わったら、アイズ達と別室で待機してくれ」

 

「了解!」

 

「フレイ、あまり良い消毒薬がなかったわ。持参している消毒薬で足りないかな?」

 

リューが戻って来て、提案をしてくれた。

 

「たぶん、足りるかな。途中までリヴェリアの回復魔法で治す。それでもダメな時は、僕がやる。リュー、エイナが来たら、この部屋に来ないようにガードしてくれ」

 

「へ?もう、エイナさんがいるけど…」

 

え?リューの言葉を受けて振り返るとエイナがいた。

 

「フレイ様…なんで、私を排除しようと!」

 

いやいや、関わりたくなかった…とは、言える雰囲気ではない。

 

「消毒薬を持って来ました。こんなにも優秀な助手を排除って…」

 

ブツブツ文句を言っているエイナ。消毒薬を受け取り、風呂から出て来た女の子の化膿箇所を消毒していく。その作業と並行してリヴェリアが回復魔法で、治せる箇所を治していく。

 

全裸にされて、知らない人間にアレコレされ、怯えきっている少女。彼女の頭を撫でて、不安を浄化していく。これだけじゃダメだ…どうするかな…

 

「リュー、ティオナを連れてきてくれ!」

 

「了解です!」

 

程無くして、ティオナを連れてきてくれた。

 

「ティオナ、この子を背中から抱いてみて」

 

「うん♪」

 

ティオナのオーラと僕のオーラで、女の子の気の流れを整えていく。僕の背中で寝てしまったティオナとは同調できる気がしたのだが、狙いは的中し、女の子が落ち着いていく。

 

「リヴェリア、どう?」

 

「もう少しだ」

 

「ダメな箇所は?」

 

「言葉に出せない箇所、2つだ」

 

あぁ、あそこかぁ…この子だと、小さすぎて、無理かな…リヴェリアも同じ考えのようで、

 

「どうする?」

 

「舌と指でやってみる。アリーゼ、この子に目隠しをして。治療風景を見せたくない」

 

「あぁ、そうだな。了解だ」

 

そうして、大人相手の治療よりも時間が大幅に伸びてしまった。その分、僕へのダメージは…

 

-------

 

いつの間にか意識が飛んだようだ。意識が戻るとベッドに寝ていた。両脇にはエイナとリヴェリアが全裸でスキンシップをしていた。

 

「どうだ?調子は?」

 

リヴェリアは僕の寝顔をずっと見ていたのか、意識が戻ると直ぐに声を掛けてくれた。エイナは爆睡のようだけど。

 

「あまり良くない。身体が鉛のように重い」

 

「エネルギーを使い切ったようだぞ」

 

そうだろうね。そうだ、

 

「あの女の子は、大丈夫?」

 

「うん?」

 

怪訝な顔をするリヴェリア。

 

「フレイの上にいるだろ?」

 

はぁい?首を少し起こして、自分のお腹辺りを見ると、あの女の子がすやすや寝ていた。

 

「神会で『安眠抱き枕』って、二つ名ももらって来れば良いのに」

 

そういうことになるよね…ヘファ母さんもシル姉ちゃんも、僕との添い寝は安眠できるって言うし。

 

「目が覚めたら事情聴取だって」

 

あぁ、エイナの目が覚めたらだな。まぁ、もう少し寝るかな…

 

 

 

 

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