---フレイ(バカ兄)---
「もう!お兄ちゃん、妹の胸の谷間を舐めすぎだよ~谷間が広がっちゃうよ~」
僕の好きな行為の1つを嫌がる妹。でも顔の表情は言葉と裏腹で、幸せそうだ。僕は妹の胸の谷間が好きだ。1日中鍛錬をして帰って来た妹のそこには、妹のエキスと言える汗が溜まり、良い塩梅な味がするのだ。毎日、妹がシャワーを浴びる前の儀式なような感じで、僕は妹の谷間に顔埋めて舐めまくっている。両頬には弾力が有りつつも、吸い付くような感じな柔らかな乳房が、僕を歓迎してくれているようだ。
「ねぇ、お兄ちゃん…乳房が張っているんだけど…」
妹が恥ずかしそうに僕に呟いた。僕は顔を妹の胸の前に移動して、彼女の乳首を舐めて刺激をする。そして、乳首を口に咥え、手で優しく乳房を揉みほぐしていく。妹の乳房は10日くらい毎に張りつめるようで、その時に乳首から発酵乳のような物が収穫できるのだ。それが爽やかな酸っぱさである物の、舌に優しい旨みをもたらしてくれる。
「お兄ちゃんに吸われると気持ち良い…ねぇ、おいしい?」
自分で味わえない妹の為に、口にソレを溜めて、妹の口へと運ぶ。口渡しで、彼女からの収穫物を彼女に味わってもらう。
「美味しい~お兄ちゃんに味わって貰えて嬉しいよ♪」
そして、口と口を重ねて、妹の胸を僕の手の平が優しく包み込み…
どっが~ん!
---ハーデス---
「痛いよ~」
やっと、バカ兄が起きた。フレイと区別する為に、フレイと同じ名前を持つバカ兄をバカ兄と呼ぶようにした。
「おい、妹との妄想するのは勝手だけど、お前が妄想している間、フレイの思考が停止するだろうが!会議中に妄想するな!」
これからどうするかの話し合いの最中に、フレイの動作が止まり、目付きがバカ兄になっていた。そこで、頭を叩いて起こしてみた。
「妄想じゃない。想い出を振り返っていたんだよ~」
「想い出?お前みたいに、何も取り柄の無い男に、惚れる女がいるか?」
ムゲンが思っていることを突きつけた。
「と、取り柄?あるよ。誰よりも妹のことを、美味しく味わえる!」
「それって、取り柄?」
疑問を口にした私。
「それは大事な事だよ、ハーちゃん♪」
フレイの声がした。身体の主導権を取り戻したようだ。
「僕もお姉ちゃんと抱き合いたいもの」
フレイのドロップアウト的な発言。え?魔王なのに姉がいるの?
「僕もお姉ちゃんのことを、誰よりも愛おしく思っていると思う。って、言っても、想いだけ残っていて、記憶には無いんだけどね」
恥ずかしそうに言うフレイ。記憶がロストしているようだ。まぁ、身体だけの状態で冥府送りにされたんだものな。身体に染みついた想いしか、感じ取ることができないはずだし。
「で、この後、どうする?」
「魂の原簿を見たいんだけど…」
魂の原簿…生物が死んだ後、魂は昇天して、どこを通って天国に行き、どこに転生したかを記録した物だ。
「天界で管理しているよ」
それのありかを教える私。
「そうか…じゃ、天界に行く。そこで、彼の妹の魂の在処と、僕の疑問を調べる」
「フレイの疑問?」
「彼と僕の関係性だよ。名前が同じってだけで、ここまで融合できる物なのかなって」
器状態なフレイと魂だけのバカ兄は、手を組み一体化したのだが、普通はここまで融合しないのだった。普通は融合では無く、取り憑く…憑依という状態になるはずなのだが。
「もしかすると、僕は三分割されていたのかもしれない」
「三分割?」
「肉体という器だけの僕、大事な者を愛おしく思う魂だけの彼、そして、戦闘意欲の塊のダー君の3つにね」
ダー君っていう者を知らないけど、まぁ、今は置いて置こう。
「1つの状態では、ここに送れなかったってこと?」
「う~む、そうなるよね。扱いに困ったのかもしれない」
扱いに困る?扱いに困るのは、普通の生命体では無い場合だけど…
「記憶が無いから断言はできないけど…まぁ、3人が合流したから、元に戻ったはずだから、なんらかの結果は出ると思うよ」
私の王宮の前まで辿りついた。
「ねぇ、天界ってどう行けば良いの?」
「ここからは直接行けないわ。地獄へ行って、そこから裁きの門をくぐって天界への階段を昇っていくのよ」
「じゃ、地獄への行き方を教えてくれる?」
教える?道案内するから、教える…え?まさか…私の目元から暖かい液体が沸き出してきた。涙?初めてだから断言できないけど…いくつもの大粒な水滴が頬をゆっくりと流れていく。
「私も行く…」
「ハーちゃんは、ここでお別れだよ。今までありがとうね♪ハーちゃんはこの世界の女王なんでしょ?連れて行けないよ」
彼は私を優しく抱きしめ、頭を撫でながら、涙と思しき水滴を拭ってくれた。
「いや~一緒に行く。ねぇ、お願い…」
私の言葉を遮るように、彼の口が私の口に重なった。お別れのキス?いやだよ~
「ハーデス様に仕える我々からも、お願いします。ハーデス様をお連れください」
私の副神の部下が、彼に頼んでくれている。私の口から離れ返事を返す彼。
「でも、女王様なんだよね?」
「女王というのとは違います。ここ冥府を司る神ですよ。ですから、天界は故郷のような物で、ここには赴任しているにすぎません。今まで冥府の為に、文句を1つも言わず、尽くしてくれたのですから、1つくらい好きなようにしてもらいたいと考えています。どうか、ハーデス様をお連れ下さい」
冥府にいる死神の殆どが、彼に頭を下げていた。
「わかった。君達の想いを受け取るよ。ハーちゃん、これからもよろしくね♪」
私の額に軽く口づけをしてくれた。額が暖かい…
「ハーデス様の額に紋章が…あれは…」
え?私の額に紋章?部下達が動揺しているようだ。死神が動揺するってどういう事よ?
「神殺し…フレイ…」
それって、私がまだ天界にいたときに、地上に降りた神々を天界へ強制返還した悪神フレイ…そうだ、英雄に殺されたんだ。えっ?フレイって、あのフレイなの?
「う~ん、記憶に無いから断言はできないけど、そんな風に呼ばれていた気もする」
苦笑いして答える彼。悪神フレイは地上で神と女神が交わり、産まれた地上原産の神だったはず。神は天界で出産されて、天界に登録しないといけないが、天界に登録されていない彼は、天界に行けるのか?
「まぁ、その辺りも天界で調べようかと…ははは」
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そして、私とフレイとムゲンで、地獄へと向かう。冥府と地獄にある門は、普段、閉ざされている。行き来することが無いからだけど…何故か、こじ開けられていた。
「彼の妹は地獄に攫われたのかな?」
フレイが考えを言葉にした。
「その可能性は有るわ。この前、確認した時は閉まっていたの。最近行き来をした記録が無いから…」
フレイの考えに同調した私。転生の出来ない終身刑の囚人の受け渡し時にしか、用のない門だし。
「そうなると、なんで彼と彼の妹は冥府送りになったかだな」
門を開けて、地獄に足を踏み入れていく。いつもと雰囲気が違う。近くに鬼達のオーラを感じられない。
「おい!てめ~ら、ここに何の用だ?」
見知らぬ魔物に声をかけられた。
「ここの責任者を出してくれるかしら?冥府のハーデスが話があるって伝えて!」
私は用件を伝えたが、返ってきたのは、攻撃だった。臨戦態勢に入る私。が、フレイが飛び出ていた。両手にナイフを1本ずつ手にして。彼と交差した敵の首元からは、血が噴水の様に湧き出して、フレイを血塗れにしていく。
「ふっ、こうでなくてはな」
そこには私の知っているフレイはいなかった。血を求めて、敵と交わる殺戮者のようであった。
「鬼は殺さないで~、フレイ!」
私は大きな声で叫んだ。彼は片手を軽くあげて、応えてくれたようだ。それから戦闘終了まで、たいした時間はかからなかったと思う。
「ハーちゃん、終わったよ」
いつもの笑顔のフレイが、私に近づいてきた。その姿は血に塗れていたけど。
「さっきのもフレイ?」
「あぁ、ダー君だよ。僕の暗黒面の人格、ダークフレイだよ」
ダークフレイ…そういえば、3つに分けられたって。そのうちの1つなのか。
「やっぱ、ダー君が担当だと、戦闘が楽だ♪」
「ねぇ、鬼はいた?」
彼が指を差した方向から、鬼達がノソノソと近づいてきた。
「あぁ…ハーデス。助かったよ」
鬼のリーダー格の一人が声をかけてきた。
「これは、一体…どういう状況?」
「英雄のパーティーが攻めてきて、閻魔が屠られた上、地獄を制圧されたんだ。どうやら、冥府から奪いたい物があったようだ」
英雄が?何で英雄の仲間が魔物なんだ?
「英雄って、どんなヤツ?」
フレイではなくバカ兄が質問をしている。
「目付きの悪い野郎だ。冥府から女性を奪っていったぞ」
「アイリスだ…」
「ねぇ、その女性は何で、冥府に送られて来たの?」
「送ったというか…う~言いにくいことだが、冥府に隠しておいたというか…」
隠す?そんな行為は認められていない。
「誰が隠したの?」
「英雄に頼まれて…閻魔の指示で…」
英雄が?何で?バカ兄の妹は、そんなに重要なの?
「なんか英雄と閻魔の間で、取引があって…裁きの門に来た彼女の魂を、転生できないように、冥府へ隠したんだよ。それで、英雄がその魂を引き取りがてら、地獄を制圧しに来たというか…」
「うっ…アイリスは死んでも、まだ英雄に…う~」
バカ兄が泣いていた。いや、同じ立場の者であれば、そうするのだろう。
「で、天界は安全?」
「天界には行けなかったようだ。アイツらは、天界も制圧しようとしていたけど」
鬼のリーダー格は、淡々と供述をしてくれた。嘘では無いだろう。鬼は嘘を吐かないから。嘘を吐くと舌が千切れるらしいから。
「ここは、あなた達で大丈夫?私達は天界に行きたいんだけど」
「あぁ、体制を立て直すよ。問題は閻魔の代わりがいないことだが」
「ムゲン、天界には連れて行けないから、閻魔の代わりを頼めるかな?」
フレイがムゲンに頼み事をした。確かに、天界にはドラゴンは立ち入り禁止であるし。
「うん、わかった。フレイ達が天界から戻る間、代役をするよ」
ムゲンに閻魔の代わりが出来るのかは不安だけど、他に良い人選が浮かばないし。
「なぁ…なんで、血塗れフレイがいるんだ?」
鬼達が私に言ってきた。
「ハーデス、封印を解いたのか?」
封印?そんな物は冥府には無い。
「どういうこと?」
私の問いにはっとした鬼リーダー。
「いや…なんて言うか…ハーデスに内緒で…封印をしたんだ」
冥府を司る私に知らせずに、封印をした?
「ねぇ、余所の世界なのに?なんの権限で?」
「う…あのな…英雄の指示だ。英雄の手によって、冥府送りにした魂に、二度と出られない封印を施したんだよ」
バカ兄のことだ。何で?アイツ、取り柄が無いのに?
「おい、理由を話せ!」
私は死神の鎌を手にした。刃先に触れた生物の魂を喰らい、死者の精神をも破壊する最終兵器である。
「おい、手荒なマネはしないでくれ…」
「じゃ、話せ!」
「あ…良くわからないが、その魂は魔王フレイを復活させる鍵になるとかで…絶対に出してはダメだと…」
魔王フレイ…フレイのことだ。こんなにも優しいのに、魔王って、何で?バカ兄と言い、バカ兄の妹と言い、フレイと言い、英雄と言い…ホワィ?である。
「やっぱり、僕は魔王なんだね。悪いことしないとダメなんだろうな…」
疑問に思うことをフレイにぶつけてみた。
「フレイの覚えている、やった悪い事って何?」
「う~…たぶん、魔王なのに大して悪いことが出来なかったことかな?悪い事って、何をすれば良いのかがわからなかった気がする」
はぁい?悪いことが出来ない魔王?それは、最低最悪の魔王って言われるような…魔王立場から見れば、それはそれで悪い事だよな。
「まぁ、とにかく天界に向かいましょう」
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そして、私達は天界へと向かった。