※この作品はR-18です。

ラスボスになりたい~   作:もっち~!

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天国

---フレイ(バカ兄)---

 

3日くらいの遠征から帰ってきた妹アイリス。

 

「お兄ちゃん、ただいま~♪もう、疲れたよ~。お兄ちゃんの香り…あぁ、安らぐなぁ♪」

 

って、帰って来てすぐ、僕を見るなり押し倒し、僕の股間に顔を埋めて、寝入った妹。僕は彼女をベッドへ抱き抱えて運び、ベッドの上に寝かす。そして、僕も妹の香りを嗅ぐ。うん?汗臭いなぁ…遠征中は風呂に入っていなかったのかな?

 

妹が身に纏っている物を総て脱がして、妹をお風呂場へと運んだ。静かな寝息を立てて寝ている妹。マットの上に寝かせて、泡立てた石けんをスポンジに載せ、全裸となった僕が、彼女の身体を優しく洗いあげていく。

 

前も後ろも洗い上げ、お湯で泡を流していく。そして、湯を張った湯船に妹と共に浸かった。僕に身を預ける妹。彼女の口に僕の口を合わせて、僕の舌で彼女の口内の洗浄をする。歯の裏も表も、歯茎の裏も表も、そして舌も…まぁ、よくあることなので、手慣れたものだ。

 

オーラルケアの間、僕の手は、彼女の身体をマッサージしていく。マッサージをしながら、身体に異変は無いかを調べることも忘れない。

 

下腹部をマッサージすると、

 

「あっ…あぁ~…誰?」

 

艶めかしい声を発した妹。意識が朦朧としているようで、僕だとわからないようだ。

 

「僕だよ、アイリス…」

 

彼女の耳元で囁く僕。

 

「あぁ…お兄ちゃん…洗ってくれたんだね。いつも、ありがとう…寝ている妹の身体ってどう?」

 

「気持ち良いよ。3日もいないんだもの。禁断症状かな、もう凄く恋しい」

 

「私も…ねぇ、来て…」

 

湯船の中で交わる僕達。妹の肉体の中が、僕の居場所だと実感できた。

 

 

ばこっ!

 

 

 

---ハーデス---

 

妄想中のバカ兄を殴り起こす。

 

「痛っ…今いいところだったのに…」

 

頭をさするバカ兄。

 

「だから言ってあるでしょ?会議中、相談中、調べ物中に妄想するなって!」

 

ここは天界の魂の原簿の保管所である。フレイと私で原簿を調べていたのだが、このバカ兄が妄想タイムに突入して…

 

「妄想じゃない。何度も言っているでしょ?これは想い出に浸っているだけだって」

 

あぁ、コイツ…学習能力が無いのか?

 

「ハーちゃん、もう少し優しく起こしてよ。痛いよ~」

 

フレイが戻って来た。そうだった。身体はフレイの物だものな。

 

「で、彼の妹なんだけど、前世では半神とある」

 

フレイが見つけたページを、私も一緒に見る。半神とは、両親のどちらかが、神もしくは女神ってことだ。

 

「今世では人間…死後は…記載が無いなぁ」

 

記載が無い?保管所の職員に聞くと、

 

「記載が無いのは、まだ死んでいないってことだよ」

 

って…うん?死んでいない?

 

「そうか…死んだ直後に魂を封印されたんだ。だから、魂は裁きの門に辿りついていないから、死んだ事にはなっていないんだよ、ハーちゃん」

 

そうか…封印された魂を冥府に隠して、頃合いを見て手に入れたのか。

 

「魂の状態で弄ばれているんだろうな…可哀想に…」

 

陵辱地獄にいるのか…あの英雄によって。

 

「そう言えば、何となくだけど、僕の姉も半神だった気がする」

 

と、フレイ。うん?フレイって魔王だよね?なんで、姉は半神なんだ?フレイの両親って何者だ?フレイは、次にバカ兄の記録を探している。

 

「あれ?なんで無いんだ?」

 

バカ兄の妹の記録から遡って調べる私。でも、彼の記録は無かった。いや、あるにはあったのだが、今世は人間、前世は不明とある。

 

保管所の職員に尋ねてみた。

 

「不明って何?」

 

「未登録だけど、存在している者だよ。主に、天上界絡みだな」

 

天上界とは、ここ天界よりも上にある世界であり、天界の神より天上界の神の方が、神格順位は高かった。

 

「天上界って、どうやって行くの?」

 

フレイにきかれた。

 

「私達では行けない場所なの。だから、わからないの。ごめんなさい」

 

考え込むフレイ。次にフレイの原簿を探し始めた。

 

「無いなぁ…ねぇ、冥府送りのリストは有る?」

 

言われた物をフレイに手渡した。

 

「う~ん…ムゲンも僕も載っていない。彼も彼の妹もだ…」

 

載っていないと思う。冥府を司る神である私ですら、知らないのだから。

 

「なぁ、ハーデス。ここで暴れれば、天上界のバカ野郎達は出てくるのか?」

 

フレイの雰囲気と口調が変わった。ダー君の登場か?彼は両手にナイフを一本ずつ手にし、構えた。

 

「安心しろ。お前は傷つけない。フレイの護りたい者は、俺も護りたいからな」

 

ダー君の醸し出すオーラを察知して、逃げ惑う神々達。

 

「お~い!出て来ないと、ここで惨劇の続きをしても良いんだが。どうするんだ?維持神よ!」

 

ダー君は、天上界の神の名を呼んだ。

 

『ダークフレイよ。話し合う余地は有るのか?』

 

天上界より声が届いた。え?呼べば、応えてくれるのか?

 

『フレイは特別だ。冥府の神ハーデスよ』

 

そういうことかぁ…って…フレイは特別?どういうことだ?

 

『前任者達と一部の神々により、創造された魔王だからだ』

 

創造された魔王…

 

『フレイよ。お前は神と女神が地上で授かった神だ。しかし、前任者達は、地上の神であるお前の魂に、魔王の魂を合成した。その魔王の魂がダークフレイと呼ばれる存在だよ』

 

「なんで、僕の記憶は無いの?なんで、分割されていたの?で、彼は何者なの?」

 

フレイの人格にスイッチして、天上界の神に質問を浴びせていくフレイ。

 

『記憶か?前世で英雄に殺されたお前は、前任者達に転生、再復活されないように、魂、身体、人格、記憶の4つに分離されたのだ。そのうち、魂だけは、お前の姉と再会したいという強い想いを受け、冥府への転送から逃れたのだよ。ハーデスが知らないのは、天上界のシステムを使ったから。お前達下々の神の知るところでは無いってことだ』

 

上位の神は横柄だ。なんか、悔しい。そうなると、バカ兄はフレイの魂で、バカ兄の妹は、フレイの姉の転生なのかな?

 

『記憶は、冥府では無い場所に封印されている。今世の英雄が持っていると言えば良いかな?今世の英雄は、お前を殺した英雄の子孫になる。初代は心優しい英雄だったのだが、今世の英雄はクズだよ。英雄の子孫って理由だけで英雄になった者なのだ。お前の姉だった者、今世では転生した魂の妹は、今世の英雄の元にいる。お前に対する人質であり、嗜好を満たす為の玩具であるから』

 

ひどい…そんなマネしていて、なにが英雄なんだ?

 

『英雄とは名誉職だ。いれば安心。その程度の存在なのだよ、ハーデス。実際、フレイは英雄に殺された時、殺されるように振る舞ったから、彼はフレイを殺せたのだ』

 

それって、自殺?

 

『に、近いな。英雄が魔王を殺したと言う事実だけが、重要な事なのだ。フレイは英雄に殺される為だけに生きていたのだから』

 

殺される為だけ…そんなことの為に生きていたの?

 

「英雄を殺してもいいよね?姉ちゃんを慰め者にするヤツは、許せない!」

 

『うっ…天上界に乗り込まないければ、したいようにして良い』

 

へ?それって、天上界で何かしたことがあるのか?いや、なんで行けるのよ?

 

『天上界に乗り込み、前任者達を皆殺しにしたんだ。そこにいる「神殺し」「血塗れ」「魔王」フレイはな…』

 

その二つ名はそこからか…天上界で皆殺し?ダー君の言っていた惨劇か?

 

「わかった。惨劇の続きは地上で行う。英雄に対してね」

 

そういうと、フレイの姿が一瞬、ぶれて見えた。

 

「取り返してきたよ。僕の記憶と姉ちゃんの魂♪」

 

フレイが何かの呪文を唱えると、銀髪の女性が現れた。彼の持ち帰った魂は、その女性に吸い込まれていく。

 

「う~ん…ここは?助かったのかな?」

 

「姉ちゃん、久しぶり♪」

 

フレイは銀髪の女性に抱きついた。

 

「姉ちゃん?あれ?お兄ちゃんだよね?私だよ。アイリスだよ」

 

え?バカ兄の妹なのか?物凄くかわいいんですけど…出る処は出て、引っ込む処は引っ込み、鍛え上げられた肉体に、女性らしさを纏った身体つきだし。

 

「あれ?姉ちゃんじゃ無い…なんでだ?」

 

「お兄ちゃん、どうしたの?何、混乱しているの?私達に姉なんかいなかったわよ」

 

たぶん、バカ兄の妹アイリスの前世は、フレイの姉だったのだろう。でも、その魂はアイリスの物だから、身体も人格も記憶もアイリスなんだろう。

 

「姉ちゃんの欠片も無い…」

 

「お姉さんって?」

 

「もっと小ぶりな胸だったんだよ…巨乳の姉ちゃんは姉ちゃんじゃ無い」

 

凹むフレイ。

 

「だから、私は妹だよ。お兄ちゃん。大丈夫?」

 

兄を気遣う妹。その兄は、妹を姉として見ている。このままでは埒が明かないので、アイリスに状況を説明した。

 

「私の前世は、お兄ちゃんの姉だったのか…で、お兄ちゃんは前世では私の弟だったのか…なんか複雑だけど、お兄ちゃんに逢えて、生きて再会できて、とっても嬉しいよ~♪」

 

アイリスはフレイに抱きついた。フレイもアイリスを抱きしめた。

 

「これからどうするんだ?」

 

フレイに確認をした。

 

「英雄をぶっ殺す。姉ちゃんに…いや、妹に酷い事をした報いを受けさせる。記憶も戻ったので、忘れていた能力も使えるし♪」

 

「能力って、何を持っていたの?」

 

「転移術と創造能力、あと治癒、再生、回復能力だよ」

 

え?え~っと…魔王としての能力は無いのか?破壊能力とか、大量殺人能力とか。

 

「魔王としての能力?魔王がどういう者か知らないから、分からないよ。そもそも悪事って、どういうことかも分からない、最低最悪の魔王だから」

 

それは魔王失格だよ。英雄に殺される為だけの魔王…でも、最低最悪であっても、存在することが大事なのか。

 

「仲間を集めないと。英雄もパーティー組んでいるだろうし」

 

「お兄ちゃん…そんなに一杯能力があったんだ…」

 

兄が能力持ちだったことにショックを受けるアイリス。きっと、兄を護れる存在になろうとしていたのかも知れない。今では、その逆の立場になったと思うのだろう。

 

「アイリス…僕が護る。ハーちゃんも僕が護る。だから、僕を助けてね♪魔王として、最低最悪だから…ははは」

 

それは魔王の教育係をしろということか?フレイ…

 

 

 

---フレイ---

 

アイリスは僕の妹ということに、落ち着いた。アイリスの兄は、僕の本来の魂へと変貌した。彼の記憶は僕に受け継いでいるけど…僕よりも変態プレイヤーがいたことに驚いたり。

 

アイリスは寝る前に兄と毎晩…僕は一人だけでは…

 

地上に降りて、仲間捜しの旅を、僕、アイリス、ハーちゃんの三名ですることになった。ムゲンは地獄から離れることが出来なくなっていた。地縛したってことでは無く、仕事をムゲン以外にこなせる者がいなかったのだ。天界から閻魔の後任が来るまでの、中継ぎをすることになった。

 

「必要な時はいつでも呼んで♪僕はフレイの鎧に成りに行くからね」

 

と、僕達を送り出してくれた。

 

 

 

そして、地上…魔王が復活したとかで、殺伐とした空気が漂っていた。

 

「フレイ以外に魔王っているのかな?」

 

って、ハーちゃん。

 

「いるんじゃない?僕は恐怖を振りまくことも出来ずに殺された、最低な魔王だし♪」

 

「お兄ちゃんって、良い魔王なの?」

 

良い魔王?

 

「ねぇ、ハーちゃん、良い魔王って有り?」

 

「無いわよ~。まったく、フレイは魔王失格よね」

 

って…悪事をしないとダメだな。

 

「ねぇ、ハーちゃん。悪事って何をすれば良いの?」

 

頭を抱えるハーちゃん。アイリスは、唖然としている。何か痛い事でも言ったかな?

 

「ねぇ…フレイ…前世で何も悪事をしていないの?なのに、英雄に殺されたの?」

 

悪事?あっ!

 

「お風呂場が欲しくて湯船を盗んだり、水道設備が欲しくて蛇口を盗んだり、人恋しくて友達を攫ったり…後は…」

 

「ははは♪お兄ちゃん、それって悪事ってほどの悪事じゃないよ。ハーデスさん、それってこそ泥レベルだよね?最後の人さらいも友達じゃ、罪を問わないと思うし」

 

「フレイ…アイリスの言う通りよ。それって魔王の悪事レベルじゃないわ」

 

ハーちゃんがあきれている。

 

「じゃ、何をすれば良いの?」

 

「お兄ちゃん、今世の英雄みたいなことだよ、きっとね」

 

あぁ、なるほど…それは一理あるかもしれない。

 

「で、どこに向かっているの?」

 

「ハイエルフの里…ハイエルフ達を強引に…それって悪事だよね?」

 

「お兄ちゃん!ハイエルフとしないで、私を食してよ~」

 

え?

 

「それって、悪事になるのかな?」

 

「うん♪私の中ではそういう風に思うからさぁ~♪」

 

ハーちゃんが頭を抱えている。

 

「確かに、血の繋がった兄妹の情事は罪だけど…神の血が入った者の場合は、日常茶飯事よ」

 

がーーーん!

 

ダメなのか…僕には神の血が流れている。お姉ちゃんもそうだった。でもアイリスは人間だし…悪事にはならないのか…

 

「罪にはならないけど、私もいっぱい愛してね♪」

 

って、ハーちゃん。二人相手かぁ…久しぶりなので、不安がいっぱいだけど。

 

ハイエルフの里に近い場所にある村に入った。宿屋があったので、二部屋を押さえた。アイリスとハーちゃんの部屋だ。僕は、どこでも寝られるし。

 

「ねぇ、お兄ちゃん、寝るまで一緒にいて♪」

 

アイリスが僕の腕を掴んだ。

 

「その後、私の部屋に来てね。今後の予定をベッドの上で、朝まで相談しますよ♪」

 

って、ハーちゃん。えっ?夜は魔王のゴールデンタイムだったはずだが…夜間の外出許可は二人から下りなかった。

 

 

 

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