---ジム---
夜明け近くに、アイズとティオナがスヤスヤと寝てくれた。遠征で疲れているだろうにと思うのだが、タフすぎる。二人によって精も根も吸い取られた気がする。今日は業務をパスしようかな。そう思いながら、アイズ達のテントを出ると、
「待っていた。私の身体も調整してくれないか」
と、呼び止められた。目が潤んだ緑の髪のハイエルフ様は、僕の返事を聞かずに、僕の手を引き、彼女のテントへと連れ込んだ。そして、彼女は手際良く全裸になり、手際良く僕を全裸にして、手際良く僕と抱き合う。
「こんなにも、恋しいと思った相手は、初めてだ」
耳元でそう呟くと、僕の頬に自分の頬を擦り寄せ、僕の胸に自分の胸を押し付ける。しばらくすると、僕を押し倒し、僕の顔に自分の股間を押し当てて来た。僕の上に載り、僕のアレを舌で器用に舐め上げていく。ハイエルフはテクもすごいと思う。もう、疲れ切っていると思われていた僕のアレは、ビンビンと固くそそり立っていくのがわかる。何もする気が起きないので、何もしていないのだが、彼女の股間からは、コンコンと暖かい液体が僕の顔へと流れ出しているし。
彼女は体勢を入れ替え、僕のアレを自分の体内へと取り込み、僕の上で踊り始めた。僕の目の前で撓わに実った2つの果実は、ランダムに揺れている。
「あぁぁぁぁ~ジムぅぅぅ~」
彼女の動きが一瞬にして止まり、僕のアレが大噴火を起こし、彼女の全身が痙攣していく。
「あっ!…はぁ…はぁ…はぁ…」
荒い気遣いとと共に、僕の上に上体が倒れて来た。彼女の顔は、僕の顔の横に落ち着き、僕の耳元で囁いた。
「ジムの精液が、私の体内の汚れと共に、体外へと出る、この瞬間が好きだ」
って。リヴェは、汚れていないと思うんですが…と、そうも言えない、雰囲気が漂っている。彼女の呼吸が落ち着き、スヤスヤとなったのを確認をして、服を着てから、テントの外へと出た。
---レフィーヤ---
今朝は早く目が醒めて、テントの外で朝練をしていた。誰もいない時間帯なので、あの感覚を掴む練習をしていた。そんな時、リヴェリアさんのテントから、彼が出て来た。
「あっ…おはよう…レフィーヤ…」
目の下にクマが出ている。アイズさん達の後に、リヴェリアさんに捕まったのだろうか。
「大丈夫ですか?」
彼は、私に抱きついて来た。えっ!胸の鼓動が速くなっていく。
「ダメ…何で、ハイエルフって、タフの上に、テクがあるんだろう?そういうのって、アマゾネスの特性かと思っていたけど、ティオナはテク無いんだよな」
って、耳が熱くなる話をされている。どうすれば、いいのかな。私の気持ちを知らず、彼の額が私の額に寄り添う。か、か、顔が近いよ~。胸の鼓動は更に速くなっていく。
「あの~…」
「うん?アイズのことかな?」
違う…今はアイズさんより、あなたの事が…
「違うの?誰のこと?」
ですから…ジムさんの…声に出せずに、心の中で藻掻く。
「焦らなくて、レフィーヤは、かわいいし、優しいし、器量も良いし。きっと、良い相手が見つかるよ♪」
う~ん…目の前にいるのですけど…耳が熱い。顔は真っ赤だろうな。気づいて…
「おい!朝っぱらから、逢い引きか?」
私と彼の時間に、割って入って来た者がいた。
「野暮ですね。弟子との語らいの時間に、割り込むとは」
彼が私を護るように、私を背中に隠し、声の主と対峙した。
「お前、何の術で、懐柔をしているんじゃ!」
「何の術?僕はそういうコミュニケーション系の術は、無いはずですが」
「それにしては、うちの女性陣を、片っ端から手籠めにしてるだろ?」
えっ…私はまだ手籠めにされていないんですけど…ガレスさん。
「失礼な言い方ですね。うん?椿さんの得物ですか…もったいないけど、消してあげます♪」
『腐食霧』
彼のワンワード詠唱により、ガレスさんは霧のような物に包まれて…霧が霧散すると、獲物も鎧もボロボロになっていた。
「うっ…貴様ぁぁぁぁ~」
ガレスさんが殴り掛かる。彼はガレスさんの手首を掴み、脇の下に肩を入れて地面に投げ落とした。
「うごっ!」
手首を捻り、肘と肩を逆関節に極めているようだ。
「ふっ、この程度で、ケンカを売るとはな」
「おい!やりすぎじゃねぇか?じじぃが、悪いのは認めるが」
今度はベートさんが、割り込んできた。
「猫耳の狼さんですか…で、どうします?」
「猫じゃねぇぇぇぇ~。何度も言わせるな!」
言い終わる前に、彼にケリ込んでいくベートさん。しかし、ケリ上げた足の付け根に肩を入れ、軸足の膝裏を踵で蹴って、ベートさんを押し倒した。
ドン!
ベートさんの後頭部が地面に叩き付けられて、鈍い音がした。その音で、何人かが起きて来た。
「なんだよ。受け身が取れ無いのか。まったく、ロキ・ファミリアは、男女共に朝っぱらからタフだよな。僕なんか、ボロボロなのに…」
「何が遭ったんだ?」
団長が彼に訊いた。
「レフィーヤと会話をしていたら、手籠めにするなって…言いがかりだよ」
「レフィーヤ、そうなのか?」
私は頷いた。
「そうか…ジム、すまない」
「問題無い。僕に被害は無いし。うんじゃ、寝るよ」
彼は自分のテントに戻っていった。
---フィン---
「どういうことでしょうか?明け方まで、愛を語り合うのは、ジムにも責任は有りますけど、ケンカをしかけるって…有り得ないと思います」
ヘルメス・ファミリアの団長のアスフィが、怒鳴り込んで来た。まぁ、こちらに非が有るので、平謝りだ。
「恩を仇で返すとは、このことですよね?」
レフィーヤの貰った装備だけど、アスフィに訊いたのだが、価格は算定不能なくらいと言われた。ドロップアイテムでは無い物を、ふんだんに使用している為らしい。蜘蛛の糸は非売品扱いって感じだ。
「すみません。ガレスとベートには言っておきます」
ひたすら謝る。
「次は無いですからね!」
アスフィの口調は怒りモードのようだ。言いたいことを言って、アスフィは自分達のキャンプ地へと戻っていった。
「ガレス、どうしたんだ?」
「はぁ?フィン、気づかないのか?あやつは、怪しい術を使っているに違いない」
怪しい術?言いたいことは分かる。う~ん、事実は言えないしなぁ。
「使っていないと思う」
「いや、使っているはずだ。出なければ、リヴェリアとアイズを手籠めに出来る訳が無いだろ!」
「おい、誰が手籠めにされたと?私は自分の意志で、彼を愛しているんだ」
ガレスの意見に、リヴェリアが反論する。
「じじぃが悪いって!俺もばばぁと同意見だ」
と、ベート。
「しかし、アイツ、本当にスミスなのか?じじぃの装備を一瞬でボロボロにして、俺を一瞬で失神させるって…有り得ないだろ?」
ベートがいいところに気づいた。でも、神との約束は絶対だ。例え、主神で無い神との約束であっても。
「フィン、お前、何か知っているんだろ?」
リヴェリアに訊かれた。う~ん、どう誤魔化すかな…
「スミスなんだし、それなりに戦闘はできるだろう。材料を取りに行くこともあるんだしさ」
「Lv6を一瞬で制圧って、有り得ないだろ?私は愛した者を疑いたくは無いが…スミスにしては強すぎる」
まぁ、二人とも一瞬で制圧されたらしい。う~ん…
「フィン、何を知っていて、何で言えないんだ?」
リヴェリアの語気が強くなっている。愛した者の事を知りたいのは、分かるけど…
「言えないのは、神との約束があるからだ」
と、本当の事。言える事を伝えた。
「神?誰だ?」
「それは言えない。神との約束は絶対だ。そのルールを団長である僕が、破る訳にいかない」
「そうか…フィンは知っているんだな?」
みんなの視線が僕に集まる。
「総ては知らない」
「ジムはLv2です」
アスフィがいつの間にか、話の輪に加わっていた。
「Lv2?有り得ないだろ?」
ベートが詰め寄る。
「ジムは偉業を成し遂げていないんです。だから、Lvは上がらないのです」
偉業と呼ばれる成果を上げないとLvは上がらない。ジムの場合、裏の仕事の成果ばかりで、偉業にならないのだろう。
「実際はどれくらいなんだ?」
リヴェリアが訊いた。
「ステイタスは主神しか知りません。彼はそういうことに興味無いですから」
「どこのファミリアなのだ?」
「ジムはウラノス・ファミリアだよ」
って、アイズが答えた。ジムから聞いたのか?
「ウラノスだって?…おい…それって…」
ウラノス・ファミリアの位置付けを知っている、古参組のリヴェリア、ガレスの顔から血の気が引いていく。
「フィン…それって…」
リヴェリアの問いに頷く。
「そうだったのか…」
ガレスが彼のポジションに気づいたのか、俯いた。
「おい、どういうことだよ!」
ベートが知りたがっている。が…その問いに、答えを知った者は誰も答えない。口に出して良い内容では無いと、悟っているから。
「そういうことだ。ガレス…もう、彼に絡むな。いいな」
ガレスは頷いた。
---ジム---
目覚めると、何故かレフィーヤとアイズが添い寝していた。何で、ここにいるんだ?彼女達は全裸では無いから、お昼寝タイムなのかな?あれ?
「おはよう…ジム♪」
アイズを起こしてしまったようだ。
「おはよう、アイズ♪何で、添い寝しているんだ?狩りに行かなくていいのか?」
「うん…ベートとガレスが…ごめんなさい」
あぁ、戦力が低下しているのか。僕のせいだな。
「一緒に狩りに行こうか?」
「いいの?」
「彼らを負傷させたのは僕のせいだし」
「でも…悪いはアイツらだよ」
「アイズの困った顔は、見たく無いんだよ」
アイズの額にキスをした。
「あっ…ズルい!」
レフィーヤが僕の背中に抱きついて来た。胸が気持ちいい…
「私にもしてくださいよ~!」
「レフィーヤには、まだしなくていいわよ」
って、アイズ。まだ?いずれはしないとダメなのね。
「アイズさん…そこをなんとか」
アイズと交渉をするレフィーヤ。僕はスルーですか…
三人でテントから出ると、アスフィが睨んできた。
「アスフィ、どうしたんだよ…」
「怒っていません!」
え?怒っているように見えますが。あっ、そうだ♪
「アスフィ、考えたんだけど、蜘蛛の魔石を使うと、生成できるんじゃないかな?」
怒っているような顔が、綻んできたアスフィ。
「どういうことかな?」
「糸の生成器官だけじゃダメで、魔石で何らかの工程があるのかなって」
アスフィが考え込んだ。暫く考え込んだ末に。
「ジム、取ってきて♪」
って、笑顔で要望された。