※この作品はR-18です。

ラスボスになりたい~   作:もっち~!

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再降臨

 

 

「ジム…ねぇ…ジム…起きて…」

 

遠くから呼ばれている。ここはどこだろうか?無限の孤独地獄にいるのでは無いのか?

 

揺り動かされる感覚がある。これでは孤独地獄にならないだろ?ここはどこだ?また、違う世界へ飛ばされたのか?

 

「ジム…」

 

唇に柔らかい物が触れている。何かが口の中に入ってきて、乾ききった僕の体内に、潤いを与えてくれた。

 

ふっ…ふぅ~

 

「そう、ゆっくりでいいわ。息をして、ジム…」

 

どこかで聞いたことのある声…どこでだっけかな?誰だっけかな?

 

僕のアレがムクムクと大きくなっていく。柔らかな舌が裏筋を舐め上げてくれている。誰だろうか?こんな、ダメな者に奉仕するなんて…

 

僕のアレは暖かい室に入れられて、暖かさを得る。

 

「ジム…起きて…ねぇ…ジム」

 

ペロッ…耳を舐められて、背筋に何かが這う感覚。ここはどこ?目をゆっくりと開けていく。

 

目の前には青空が広がっている。アオカンか?野外で…って、誰と?相手の顔に視点が徐々に定まっていく。

 

えっ?…なんで?僕が殺した者だ。僕を殺しに来たのかな?いや、僕は死んだはずだ?はて?混乱する僕の頭脳。

 

「ジム、ここは天界よ。ねぇ、私のことを忘れたの?」

 

忘れる訳無い。リューとアリーゼが愛した主神だもの。

 

「アストレア…どうして?」

 

「うんっとねぇ~、端的に言うと、天界で一番エライ神の天界長がねぇ、カルマが多すぎるから、地上で苦労をもっとして来なさいって♪」

 

え?悪行が多いんだから、地獄でいいじゃないか。

 

「地獄?ダメなの。だって、ジムはこの世界の者では無いから、魂の原簿が無いのよ。だから、天界止まりなんだけど、カルマ成分が濃いから、天界に置いておけないんだって♪」

 

はぁ?冥府は?コキュートスに永久封印で良いじゃないか。

 

「それも、魂の原簿が無いからダメなんだって。ねぇ、私と地上に再降臨しない?」

 

うん?アストレアと?出来るの?

 

「ジムの保護観察官として、同行が許されたの。ジムを良く知る神は、天界では私しかいないから」

 

あぁ、そうだよね。まだ、みんな地上にいるもんな…

 

--------

 

そして、僕とアストレアは地上に再降臨した。行く宛ての無い僕達は、ヘルメスの元を訪れた。

 

「え…ジム…アストレア…え?どういうこと?」

 

事情通のヘルメスですら、事情がよくわからないみたいだ。

 

「端的に言えば、私とジムのカルマが多すぎるから、地上で昇華しなさいって♪」

 

「いや、地上にいたら、カルマは増えるぞ。天界長は何を考えているんだ?」

 

え?増えるの?

 

「まぁ、直訳すると、まだまだすべき事が有るってことみたい♪」

 

すべき事…ダメダメなガーディアンの僕に、出来ることなんか、残っているのか?

 

「でねぇ、アストレア・ファミリアを再登録したいの。ホーム物件無いかな?」

 

アストレアはヘルメスに甘える。嬉しそうというより、狼狽えているヘルメス。上下関係が見えるようだ。

 

「わかった。探す。取り敢えず、隣のジムの家に住んでいてくれ。で、ファミリアの再登録はナイト権限で出来るはずだ、ジム」

 

あぁ、そういうことか。ギルドと言うには、ウラノス・ファミリアのホームで有り、ギルド員は全員、ウラノス・ファミリアのメンバー、ウラノスの眷属であるのだ。但し、冒険者では無いので、神の恩恵は与えられていない。って事で、ギルドで団長ナイトは権限をそれなりに持っている。表立ってでは無いけど。

 

アスフィに頼んで、凄腕ギルド員であるエイナを呼び出してもらった。死んだことになっているそうなので、僕は表を堂々とまだ歩けない。

 

「ナイト様…生きていらしたんですか?」

 

「う~ん、取り敢えず、ジムでいいよ、エイナ。裏稼業の時の名前だから」

 

「はい。わかりました。で、ジム、生き返ったんですか?」

 

「う~ん…天界で、地上で身を清めて来いって…落とされた」

 

「はぁ…流石にカルマ王ですよね。って、身を清めることって出来るんですか?」

 

「ヘルメスが言うには無理だって…」

 

「ですよね~♪」

 

エイナは僕の凹む顔が好きらしい。まるで、シルみたいだ…

 

「で、私はどうすれば良いですか?」

 

「取り敢えず、連絡要員になってくれるかな?あと、優先課題は、アストレア・ファミリアの再結成。団長はジムで登録して欲しい」

 

「一人で団長を2つこなすんですか…カルマが増えそうですよね~」

 

「だね…」

 

更に凹む僕。それを楽しそうに見ているエイナ。そう言えば、コイツもエルフだったな。僕にはエルフ運が無いのかもしれない…

 

「わかりました。一日一回、午後に御用聞きに参ります♪あと、要り用な物ありますか?」

 

「物資はヘルメスに分けて貰う。あぁ、アイズ達の様子を知りたいかな。もう、忘れられているよね?」

 

「どうかな?死んだと思っていないような…」

 

「なんで?」

 

「本人に聞いて下さいね、団長♪」

 

-------

 

夜、誰かが家に入ってきた。咄嗟にアストレアをガードするように構える。

 

「あっ…ジム♪お帰りなさ~い♪」

 

笑顔のアイズが抱きついて来た。

 

「ジム…会いたかったよ~」

 

泣きながらティオナが抱きつく。えっ?どんな状況?

 

「毎日、ここに寝泊まりしている。ジムがいつ帰ってきても良いように」

 

僕のいない間、この家を護っていてくれたアイズとティオナ。

 

「で、この女性は?」

 

刺すような視線がアイズから飛んでくる。そうだ、説明しないと、アストレアが危険だ。

 

「僕の新しい主神のアストレア様だよ。今、新しいホームになる物件を、ヘルメスに探してもらっているんだよ」

 

「ジム…この女神様に助けてもらったの?」

 

刺すような視線は消えて、通常の視線になったアイズ。

 

「あなたがアイズさんで、そちらがティオナさんね。助けてもらったのは私の方よ。今は恩返し中なの」

 

アストレアは、彼女の為に犯した僕の罪の話をした。

 

「そのおかげで、私は心穏やかな女神に戻れたの。だから、彼がカルマを昇華するのを暖かい目で見守るのが、今の私の役目。で、あなた達は改宗してくれる?」

 

「はい(うん)♪」

 

相談即決な二人。まぁ、書類上はヘルメスの処だから、問題無いかな。

 

------

 

翌日、ヘルメスが見つけてくれた物件へ、4人で向かった。地図によると…嫌な予感がするのだが。

 

「ジム!待っていたぞ」

 

笑顔のミアが…クロエ、ルノア、アーニャ、シルが、僕達が来るのを待っていた。

 

「お前が以前、隕石でボコボコにした別館の予定地に、建てた物件を無償で貸す」

 

連れて行かれた建物は、僕達が入居することを知っていたかの如く、僕の理想の間取りであった。1階部分には鍛冶仕事をするエリアがあった。炉も備え付けられている。僕の愛用の道具類が、道具棚に既に収まっていた。

 

「どうして…何で?」

 

戸惑う僕。

 

「言っただろ?お前は私の息子のようなものだ。いつか帰ってくると信じていた。だから、先行投資で、建設しておいた」

 

ミアが笑顔で、真っ直ぐに僕を見据えてくれていた。

 

「で、2階なんだが、ここをアストレア様の部屋にしてください。同居人がいますけどね」

 

アストレアの部屋のドアを開けると、リューがアストレアに駆け寄り抱きついた。

 

「アストレア様…」

 

「リュー…そうか同居人はリューか。よろしくね、リュー♪」

 

アストレアとリューを置き去り、次の部屋を案内するミア。2階で一番広そうな部屋のドアを開けた。

 

「ここがジムの部屋だ。お前、彼女が多いから、一番広い部屋にしたよ」

 

えっ?既にシルの部屋の家財が運び込まれている。はぁ?

 

「ねぇ、シルって、彼氏がいたよな?」

 

「うん?いないよ。ジムしか考えていないもん♪」

 

「だって、僕には、既にアイズとティオナとリヴェリアがいるんだけど…」

 

「問題無い♪だって、ジムは私の王子様だから♪」

 

はぁ?王子様?

 

「有り得ない。僕は王子様では無い。シルとリューとシャクティを、護り切れなかったんだし…」

 

「でも、命を使って、助けてくれた。聞いたよ。ジムのおかげで、今こうして生きていられるって…だから、傍にいたい。アイズさん達に愛情は注いでいいから、私はジムの傍にいたいんだよ~♪」

 

右手を握り締め、拳に息をはぁ~はぁ~している。おい…返答次第で殴るのか?

 

「わかった。痛いから拳固は止めて…」

 

「そう…星が見たくなったら、いつでも言ってね」

 

こいつ、虐めキャラが欲しいだけで無いのか?表では猫被りだし。

 

「シル、ジムをあまり脅すなよ。家出されても困るからな」

 

ミア…シルの性格を読んでいる。

 

「で、クロエとルノアとリューもアストレア様に改宗してもらう。あぁ、リューは既にアストレア様の眷属だったな。あと、中庭は練習場にして良いからな。そうそう、家事系ファミリアとして登録しておいてくれ。今まで通り、うちで働いてもらうから。いいな、ジム」

 

主たる目的は家事で、内職で鍛冶って感じかな?

 

-------

 

地上でのロスト時間は3ヶ月くらいだったらしい。僕的には1日みたいな感覚であったけど。その為に時差ボケが…昼間でも眠気が襲ってくるので、鍛冶のお仕事は当分出来無い。集中力が保たないのだ。

 

「ジム…店で寝るのは、ダメだ!」

 

ミアのお店で昼飯を食べていて、寝てしまった。スープに顔を埋めて寝ていた。

 

「ジム、大丈夫か?」

 

リューが駆け寄って来た。手にしたタオルで、顔を拭ってくれた。

 

「眠い…眠すぎる…」

 

「しょうが無いな~。シル、上がっていいぞ!その手間のかかるヤツを連れて行ってくれ」

 

「はい、ミア母さん♪」

 

ミアが僕に退場宣言をした。まだ半分も食べていないのに…シルに肩を支えられて、ホームに戻る。

 

「大丈夫?」

 

「うん…眠いだけ…」

 

「食事をちゃんとしないとダメだよ」

 

「シルのって母乳は?」

 

バキッ!

 

「出ません!」

 

後頭部を殴られた。痛みが、僕に生きているという実感を、与えてくれる。

 

「それは、残念だ…」

 

「ねぇ、出ないけど…咥える?」

 

「止めておく。咥えすぎると、乳首がデカくなるらしいよ」

 

バキッ!

 

「誰情報?」

 

「ヘルメス…」

 

「あいつかぁ~!」

 

ヘルメスの知識は、時に女性陣を、エキサイトさせる場合が多い。まぁ、スキンシップが多くなるから、僕的には問題は無いけど。

 

 

 

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