※この作品はR-18です。

ラスボスになりたい~   作:もっち~!

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スミス気質

 

 

あっ…ヴェルフの居場所って、どこだ?確か、ケンカを安売りしているのは、ヘスティア・ファミリアだから、そこにいるのかな?

 

「レフィーヤ、ヘスティア・ファミリアのホームに案内してくれる?」

 

「はぁ~い♪」

 

レフィーヤが駆け寄り、僕の腕に抱きつく。わざとか偶然かわからないけど、彼女の小さな谷間に、腕が嵌まっている。気持ち良い…

 

「レフィーヤ、何でジムに馴れ馴れしいの?」

 

アイズから質問が飛びだした。

 

「えぇっと…師匠ですから♪」

 

師匠になった覚えは、これっぽちも無いんだけど。

 

「なぁ、私達の立ち位置は、ジム的にはどうなんだ?」

 

リヴェから質問が飛び出す。

 

「レフィーヤは妹枠な弟子、リヴェリアはお姉ちゃん枠、ベートは兄ちゃん枠、アイズは婚約者で、ティオナは愛人だっけ?」

 

「なんか、悔しい。私はジムの家族で無いの…」

 

アイズが悔しがっている。婚約者って損なのか?

 

「恋人枠が空いているのかな?出来れば、昇格したいんだけど」

 

と、ティオナ。

 

「空けておかないと、シルの拳固は痛いんだ…」

 

「あぁ~、そういうことか…アレは痛そうだよな」

 

「特に、拳をはぁ~はぁ~した時は危険。星が見えるから」

 

思い出しただけで、たんこぶが出来る様な痛みを思い出す。

 

たわいも無い会話をしている間に、ヴェルフのいると思われる場所に到着。躊躇無く侵入をする。中にはじゃが丸君の売り子主神と、小さな女の子と、侍のコスプレをしている女性と、やけに大人びた女性、狐人の女の子と、ヴェルフがいた。

 

「ほぉ~、ヴェルフ!ハーレム王気取りか?」

 

僕の声に驚くヴェルフ。

 

「ジム…何でここに?」

 

「はぁ?お前、ベルって子に有る事無い事を、吹き込んだんじゃ無いのか?」

 

「まさか…俺は無い事無い事しか言っていない」

 

「お前が元凶か?」

 

「おい、失礼だろ?勝手にホームに入って来るなんてさ!」

 

ヴェルフと言い合いをしていると、頭に栄養の足り無い、デカ胸女神の主神が割り込んできた。

 

「失礼なのは、お前だ!デカ胸女神よ。2回も負けて、また再戦って。じゃが丸君でも売っていろ!」

 

「はぁ~、3回目なんか申し込んでいないわ。それに、負けていないしぃ~」

 

あぁ、腹立つなぁ~!

 

「部外者は引っ込んでいてくれ、これは、僕とヘタレスミスのヴェルフの問題だ!」

 

「部外者?私のホームを襲撃するようなヤツに言われたくないわ!」

 

なんか、イライラしてきた。

 

「リヴェリア…ここ破壊していいかな?」

 

「子供のケンカ程度ではダメだ」

 

乙女モードでは無いリヴェリアから、的確なアドバイスをもらえた。じゃぁ、

 

「おい、ヴェルフ!戦争遊戯で無くて、スミス対決をしようぜ!」

 

「断る!」

 

僕の紳士的な申し出を、速効で拒否するヘタレスミス。

 

「お前みたいなクレイジーなスミスとなんか、対決できるかぁぁぁぁ~」

 

クレイジー?何で?

 

「作品の価値対決しようぜ!」

 

「だから、断る!勝てる訳ないだろ?」

 

「うん?ヘタレ、腕上げたんだろ?ヘファイストスの愛を一人占めして、このファミリアお抱えのスミスになったんだから!」

 

元恋敵への言葉に、怒りが載っかっていく。

 

「おい、ヘファイストス様にふられたからって、俺に怒りをぶつけるなよ!」

 

「スミスなら、スミスらしく戦え!卑怯なのはお前だろ?ヘファイストスにライバルと恋愛は良くないって、アドバイスしたそうじゃないか!」

 

「だって、そうだろ?お前は師匠であるヘファイストス様の最高価額を更新したんだから」

 

僕とヴェルフの言い合いが、エスカレートしていく。

 

「うん?ちょっと…ヘファイストスの叩き出した最高価額を更新って?」

 

要らんことを言ったヴェルフに、アイツの現主神が質問をした。

 

「あっ…しまった…いや、ヘファイストス様の部屋に、丁重に飾ってあるムチがあるでしょ?あれですよ」

 

「あぁ、アレ…しなやかで肌触りのいいムチよね…って、あの作者が彼?」

 

「そう、コイツがクレイジーなスミスのジム・ナイト・クロウだ」

 

「え?彼ってスミスなの?ベル君の魔法を簡単に跳ね返していたけど…」

 

「だからクレイジーなんです。ヘスティア様!」

 

「おい、ヴェルフ。アレの売値を更新してみろよ!」

 

顔から血の気が引いていくヴェルフ。

 

「無理…アレを超える作品なんか、今後も出るかぁ~」

 

「出るよ。レフィーヤの法衣は、アレより高いはずだ。材料の採集がアレよりも困難だったし♪」

 

みんなの視線がレフィーヤに集まる。

 

「え…これって、そんなに高価な物なんですか…師匠…」

 

目を見開いて驚いているようだ。

 

「アレより高いはずってことだ。心配するな、レフィーヤ、ソレは値段付かないから」

 

レフィーヤの顔からも、血の気が失せていく。

 

「ちなみにアレと言われるムチは、いくらの価格が付いたのだ?」

 

リヴェリアが訊いてきた。

 

「確か調整料抜きで135億だったかな?」

 

「はぁ?なんで、そんなに高いの?」

 

「材料の採取に手間がかかったし、材料の加工も手間がかかったから」

 

「ちなみに材料は?」

 

ティオナが恐る恐る訊いてきた。

 

「砲龍の皮。殺すと灰になるから、殺さないように皮を剥ぐのって、大変なんだよ。で、手に入れた皮を丁寧になめして、細く裂いて、より合わせて糸状にして、束ねたんだよ」

 

「はぁ?砲龍の皮?」

 

リヴェリアが驚いている。驚くことでは無いだろうに。

 

「そのクレイジーなスミスは、一人で潜って半年かけて材料を採集し、50階層で加工をして、完成品と共に地上への帰還だ。バカだろ?」

 

「はぁ?バカはお前だろ、ヴェルフ!その辺で手に入る素材で、良い物が作れるわけないだろ?」

 

「何言っているんだ?素材を探しに、ソロで深層に潜るバカスミスはお前だけだ、ジム!」

 

「しょうがないだろ?売っていない、ドロップ品で無いから、冒険系ファミリアに依頼出来無し…自分で取りに行かないとダメだと思わないか?」

 

「普通は諦めるだろ?まっとうなスミスなら。お前はスミス失格だ!」

 

「ヘタレに言われたくない!」

 

バコッ!

 

脳裏という大宇宙に煌めく星がたくさん見えた。

 

「はぁ~い、そこまで♪ジム、何やっているのかな?君は、ヘファイストス様への未練が、まだ残っているのかな?」

 

拳をはぁ~はぁ~しているシルが、いつの間にか僕の後ろにいた。

 

「待って!シル…それ痛いからダメ…」

 

危険を察知して、シルを止める。2発はダメなレベルだと思う。

 

「じゃ、帰りましょう♪ねぇ、ヴェルフって人との口論と、私との愛の囁き、どっちがいい?ねぇ、ジム♪」

 

甘えるように言っているが、僕の身体には恐怖しか感じない。まったくもって、選択の余地が無い。拳を僕の目の前に、ちらつかしているシル。シルに制圧された僕は、シルに連行されていく。アイズを護衛にして…

 

 

 

---フィン---

 

ベルに説明をすると、納得してくれたようだったので、ジム達の後を追った。

 

「シルさん、言ってくださいよ。好きな人がいるって…僕、誤解してましたよ」

 

「ごめんなさいね。言いづらくて…それも、ベル君の憧れの人が恋のライバルって、言えなくて…」

 

ベルはダブル失恋を宣言されたようだ。シルとアイズに恋い焦がれていたのに、その二人はジムに首ったけって、彼の人生は苦い味だろう。

 

で、ヴェルフとジムの壮絶な言い合いに遭遇して、シルがジムを、いつものように、拳骨1発で制圧して、連行していった。

 

「で、戦争遊戯は取り下げて貰えませんか、ヘスティア様」

 

「え?なんで?家事系なんでしょ?舐められていられないわ!」

 

「彼、『神殺し』ですけど…覚悟は出来ていますか?」

 

僕の突きつけた事実により、目が点になるヘスティア様。

 

「彼は以前、アストレア様を天界へと、お返ししているんです。神殺しの悪行を被ることに怯まずにね」

 

「え…彼が…そうなの…」

 

僕の捕捉説明で、オドオドし始めるヘスティア様。

 

「覚悟が出来ているんなら、止めません。たぶん、ヘスティア様を殺して、終わりにすると思いますよ。彼は主神からの命令で、対人戦を禁止されていますから。いいんですね?」

 

「良く無い…ベル君と別れたくないよ~」

 

泣きながらベルに縋るヘスティア様。これで、問題の1つは解決した。次の問題は、

 

「ヴェルフ、スミスとしてジムとケリを付けて欲しい」

 

「なんで?あんなイカレたスミスとなんか、同じ土俵に立ちたくない」

 

「イカレた?素晴らしいスミスだと思っているけど」

 

正直な思いを伝えた。

 

「出来た作品は素晴らしい。それは俺も認める。でもな、製造過程がイカレているんだ、アイツはな!砲龍の皮を剥ぐって…真面なヤツのする行為じゃない。冒険者でもしないだろ?まして、アイツはスミスなんだぞ」

 

あぁ、言いたい事はわかる。蜘蛛の糸の採取現場にいたから…あれは、尋常じゃ無い。

 

「目の前にある材料で最良な物を作るのが、スミスとして腕の見せ所なんだ。それなのに、アイツは、あのバカは、最良な物を作る為に素材を取りに行くんだ!アイツと普通のスミスの違いはそこだ」

 

ジムが普通のスミスでは無いのはわかっている。たぶん、神に与えられている罰のせいで、誰かの為に尽くす、それがジムの生きる道だから…材料にも最善を尽くしたいのだろう。

 

「フィンさん…どうしましょう…この法衣…私の身体なんかで、払い切れないです…」

 

レフィーヤが血の気の失せた顔で、怯えている。まぁ、恐いよな。一生かかっても払えない額だし。

 

「ちなみに、その法衣の素材は?」

 

ヴェルフに訊かれた。

 

「51階層にいる蜘蛛の糸だ」

 

「…なぁ、アイツはバカだろ?あと、ヘスティア様、アイツにはケンカを売らないでください。マジに殺されますから」

 

「どういうことですか?ヴェルフさん」

 

ベルが訊いた。

 

「アイツの最大到達階層は59だ。それもソロでだ。バカだろ?素材を追い求めて、そこまで行けるものじゃない。ヘファイストス様に最良な物を贈りたいって、アイツはバカだと思う」

 

「え?ソロで?スミスなのに?なんで、冒険者にならないんだろ?」

 

「誰かと約束をして、冒険者にならないって決めたらしい。でもやっていることは冒険者以上だ。それが、アイツはバカだから、わからないんだ」

 

あぁ、ウラノス様とヘルメス様、そしてフレイア様だろうな約束相手は。そして、ヴェルフは1つ間違っている。バカだから、わからないんじゃない。わかっていても成れないんだ。ジムはこの街の清掃人だから。冒険者として目立つ訳にはいかないらしい。

 

「じゃ、同じ素材で最良な物を作れば良いじゃないか。どうだ、ヴェルフ?」

 

アイシャが提案をしてきた。

 

「あぁ、それなら勝てるな。アイツは素材命だから。じゃ、そういうことで、フィン頼むよ」

 

って、僕に丸投げ…えっ?

 

 

 

---ジム---

 

同じ素材で最良な物を作った方が勝ち?なんだ、その勝負は?

 

「で、材料は?」

 

「ミノタンの角1本だ」

 

フィンがヴェルフとの試合を決めてきてくれたが…ヴェルフの得意分野だな。う~ん…悩む僕の前に置かれたミノタンの角1本。どうするよ、これ…

 

「これ以外の素材はダメなの?」

 

「あぁ、これだけだ」

 

ダメだ…浮かばない…どうしよう。ヴェルフに負けるのはいいのだが、アイデアが枯渇したような気分になる。う~ん…

 

 

--------

 

そして、試合当日。ベールに隠されている僕とヴェルフの作品。判定を下すのはヘファイストスだ。彼女の目利きにより、価格が公表されるのだ。それぞれの作品が、彼女のいる控え室に持ち込まれた。

 

判定を待つ。

 

「ねぇ、勝ち目はあるの?」

 

アイズが心配そうに僕に話し掛けて来た。

 

「あぁ…ギャンブルだよ。ヘファイストスの琴線に触れれば、良いんだろ?戦闘力は関係無くさぁ」

 

「団長、やらかしましたね?」

 

エイナが鋭く読み取る。そう、やらかしました。

 

 

そして、結果発表…僕の勝ち。評価額は言えない位だそうだ。

 

「なんだ?その評価額は…おい、貴様、何をやらかした?」

 

激高するヴェルフ。

 

「評価額の高い方の勝ちだよな?たぶん、ヘファイストスに対しては、クリティカルヒットを放てる戦闘力のアイテムだよ」

 

その後、ヴェルフの作品のみ公開された。僕の作品は未公開扱いになる。ヘファイストスの意向により♪

 

「おい…死んでも公開したくないって…何を作ったんだ?」

 

ヴェルフが詰め寄る。

 

「はぁ?お前の彼女なんだろ?お前が本人から聞け!僕からの婚約祝いだ♪」

 

「てめぇ~、何かやらかしたな?」

 

剣を抜いたヴェルフ。

 

「そんなナマクラで僕を切れると思うな。このヘタレ♪」

 

カッキ~ン!

 

ヴェルフの剣をアイズの剣が防いだ。ヴェルフの剣は、打ち合った衝撃により折れた。

 

「ナマクラ、折れてんの~♪」

 

「てめぇ~、女に護られて、本当にお前はクソだな!」

 

「ふっ、クソで結構だよ。ヘタレよりいいや♪」

 

アイズと共にその場を後にする。

 

 

 

----フィン----

 

アストレア・ファミリアのホームで食休み。豊饒の女主人で飯を食べた後の、僕達ロキ・ファミリアの幹部連の日課になりつつある。

 

「で、何を作ったんだ、ジム?」

 

興味がある。ここにいるみんなの視線がジムに集まる。

 

「うん?いや、反則スレスレな物だよ。ヘファイストスの性器を象ったベルトバックルだよ。裏に『負けたら、売り出すからね、僕を振った元主神様』って彫り込みを入れた♪」

 

ジム以外の者は恐怖で固まったと思う。彼は女神に対して、何をしているんだ?

 

「あぁ、あの後、作ってあった別バージョンを含めて、全部買い取ってくれたよ♪おかげで、当分の運営資金になると思う」

 

1本のミノタンの角から、いったい何個の作品を削り出したんだ?

 

「ねぇ、ヘファイストス様と、寝たことがあるの?」

 

ティオナが興味深そうに訊いた。

 

「無いよ。だって、振られたんだよ。精査能力で探査しておいたのが、役立ったというか」

 

女性陣が一斉に顔を紅潮させていく。

 

「え?あぁ、ここにいる者にはそんなこととしないよ。アイズとティオナはガン見しているし」

 

一際真っ赤になっていくアイズとティオナ。ジムと付き合い出して、女性である事に目覚めたのかもしれない。

 

「リヴェリアはタフすぎるから、そんな余計な事をする気も起きないし」

 

耳が真っ赤に染まっていくリヴェリア。

 

「あっ…あの…」

 

訊きにくそうなレフィーヤ。

 

「レフィーヤは妹枠な弟子だから、そんなこと考えたことも無いよ。安心して♪」

 

「え…えぇ…っと…」

 

困ったような表情になっていくレフィーヤ。こんなことで、仲間外れ意識でも湧いたのか?

 

「そうそう、ベートとフィンにプレゼントだ♪」

 

手渡された物を見て。目が点になる…誰かのベルトバックル。それも彩色済み…

 

「だっ、だ、誰のだ…」

 

ベートがアイズを見つめる。が、衝撃が僕達二人を襲う。

 

「うん?ロキのだよ。主神が傍にいるといいかなって♪」

 

ロキの…え?こんなになっているのか?マジマジと見ている僕達。

 

「団長…そういうのに興味が…では、私のを…」

 

って、パンツを脱ごうとするティオネ。

 

「あぁ、ティオネ。脱がないでいいよ。作ってあるから」

 

って、僕にもう1つ彩色済みのベルトバックルが手渡された。それを見て、ティオネがひったくる。

 

「ダメ…ダメです…晒す物ではないです…ジム…買い取ります。いくらですか?」

 

「うん?このシリーズのヘファイストスの評価額だと、1つ5億。まけて2億でいいよ♪ヘファイストスが10個買ってくれたからさ♪」

 

固まるティオネ。いや、全員が固まったか?はぁ?5億?ベルトバックルだぞ…ってことは、ヘファイストス様から50億ふんだくったのか?ミノタンの角一本で…恐るべき狂人系スミス…

 

「高いかな?まぁ、ヘファイストスの値付けはいつも高いから。それは、上げるよ。僕には必要無いし。ヘファイストスからの売上で充分だしねぇ♪あっ!」

 

何かを思い出したジム。

 

「そうそう、リヴェリアにもプレゼント♪」

 

彼女には、たぶん彼女の耳を象った物が贈られた。

 

「それは、ペーパーナイフだよ。刃の部分は気を付けてね。良く切れる様に調整してあるから」

 

あれも億単位の価格なんだろうな…

 

「すっご~、ねぇねぇ、私には?」

 

シルがいつの間にか、来ていた。気配をまるで感じ無かったが…たまに思う。この人が、この街での最強の戦士では無いかと。あのジムを1発で制圧出来るって、彼女にしか出来無いと思うし。ジムですら気配が読めていないようだし。

 

「シルには無いよ。マジマジと見た事無いし」

 

「何ででしょうか?」

 

お店での営業スマイルでジムに迫る。言葉は素のようだけど…途端に困った顔になるジム。

 

「だって、見ていると殴るじゃん…」

 

「だって…恥ずかしいから…」

 

「恥ずかしい割には、拳をはぁ~はぁ~しているよね?」

 

ボコッ!

 

今日のはいつも以上に、痛そうな音だ。今日も一撃でジムを制圧したシル。ジムは頭を抱えて蹲っている。痛すぎるのか、声すら出ないようだ。

 

「ちょっと、顔を貸して下さい。じっくりと見ていただきますから♪」

 

僕達に命乞いをするような視線を送るジムは、シルによって連行されていった。あの打撃音を耳にした僕達は、誰一人として、助けようという者はいなかった。

 

 

 

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