怪物祭(モンスターフィリア)、ダンジョン内にいるモンスター達を地上に運び、闘技場にて冒険者達が戦う様を、この街の住民に見せるという、娯楽の少ないこの街のお祭りである。発案者はウラノスらしいが、運営はガネーシャが執り行っている。
「ジム、一緒に見に行こうよ~♪」
ティオナに誘われる。
「見てもなぁ…つまらないし」
率直な感想を漏らす。
「屋台がいっぱい出るよ…」
アイズが誘うような目付きで、僕を見つめる。
「じゃが丸君狙い?」
「うん♪新作を食べ比べたい」
正直に思惑を明らかにするアイズ。
「イカ焼きとか焼きもろこしも有ると思いますよ」
っと、レフィーヤが僕の琴線に触れる単語を出して来た。
「あぁ…食べたい…行く、行きます!」
当日、ここにいるメンバーと、ティオネ、フィン、リヴェリアと、祭に行くことになった。
「じゃ、ちょっと潜ってくる」
っと、アイズ達は工房を後にした。祭で使う小遣いを稼ぐようだ。僕は、素材は不足していないので、今回はパスをして、メンテの仕事に専念をすることにした。
カラ~ン♪
工房のドアに取り付けたベルが鳴った。客?特に看板を出していないので、一見さんは皆無で、知り合いなら声を掛けてくるはずなのだが、その来客者は声を発していない。オーラで相手を探ってみる…えっ?なんで?昔の知り合いに似たオーラを検出した。
店の方へ顔を出すと、蒼い髪の女性が立っていた。
「探したわ、クロウ」
昔の名前で僕を呼ぶ。
「ティア?なんで…ここにいるんだ?僕は…」
「まったく…一人で時の迷路に迷い込んで…あっ、一人では無かったか」
笑顔で僕を見つめるティア。
「あれから、どれくらい経った?」
「う~ん、そうね。1000年位かな」
僕はあの戦争を終わらせる為、封印を解放した。その代償により、時の迷路へと導かれた。あの戦争は救いが無いものだった。神、悪魔、堕天使、ドラゴン、人間、亜人達による存在意義を問う物だった。結論の出ない戦争…それを終わらせる為、僕は、偉そうにふんぞり返っていたクソ神、悪魔の王、天使の長、神の遣わしたドラゴン達を、封印の解放をすることにより、彼らの魂を人質に取り、強引に各陣営の戦力を大幅に減らせて、膠着状態であった戦場のパワーバランスを壊した。その結果については、その場から強制的に排除させられた僕には分からない。
そもそも、存在意義なんて、問う物では無い。意義が有るから存在するのだから。それに、それぞれは独自種族という主張を唱えていたけど、独自種族なんて物は有り得ない。突然変異であれば別だけども。
神は人間を自分達の身体を模して創った。人間の中でも神に対する信仰心の厚い者は、人生を全うした後、天使へと転生をする。堕天使は欲に目が眩んだ天使で、悪魔は神に逆らった天使である。亜人達は人間が異種交配をすることで、産まれていった。そして、ドラゴン…神の中でも一番エライ神の意に反した神の成れの果てだ。
要するに、神を起点としている種族間抗争であり、存在意義を問う事って事は、全知全能なる一番エライ存在の大いなる意志を、無下にすることになる。それすら分からないバカ達の戦争であった。
「クロウの領土の民達は、クロウの事を邪神として今も讃えているわよ。表立っては信仰できないから」
まぁ、大罪人だから…信仰の対象にしてはダメだと思う。僕は封印を破り、大切に保管されていた神の装備品を奪い取り、ガントレットには神を、2振りのナイフには神の遣わしたドラゴン2体を、そして剣には魔王と天使長の魂を宿らせた。
その結果、パワーバランスは大きく壊れ、この星の修復力により、僕はあの世界から投げ出されたのだ。
「でね、この街に隣接している治外法権地帯が有るでしょ?そこに、私達の居場所を買ったの」
うん?私達って?買った…お金はどうした?
「私達って?」
「私とマーリン、ヴィヴィアン、ルフェイ、モルドレッド、そしてランスロットが取り敢えず住む。クロウの役に立つ為に♪」
「ちょっと…モルドレッドとランスロット?人間が何で1000年以上も生きているんだ?」
いや、フェルズのようにかもしれない。不死の呪いを受ければ…
「あぁ、時の迷路の呪いをね、マーリンに頼んで、私達にも浴びせてもらったのよ♪なので、私達はクロウと同じで不老なのよ」
おい…呪いを浴びせてもらったぁぁぁ~?クレイジーすぎるだろう?
「僕はこの街に骨を埋めるよ」
「うん、わかっているわよ。だから、拠点を買ったの♪」
「お金は?」
「ジーザス・マクシミリアン卿の資産で♪」
をぃ…それは僕が人間だった時の名前だった。
「そんなに資産が無いだろ?」
「あなたの領地の領民達は、今もマクシミリアン卿に税金を納めているわよ。きっと、どこかで生きているはずって信じてね。だから邪神として信仰をして、税金では無くて、お布施って名目でプールして有るのよ♪」
なんてことだ…1000年もの間、ず~っとか?
「歴史上では死神だけど、今もクロウは、彼らにとっての太陽神なんだからね♪」
ふと、背中越しにアストレアのオーラを感じ、振り向くと彼女が驚いた顔で、僕を見ていた。
「ジム…あなた…クロウ・クルワッハだっての?…そして、円卓の騎士13番目のジーザス・マクシミリアン卿なの?」
僕の名前に答えは出ているはずだ…アストレアは徐々に僕を恐れるような目で、見つめ始めた。
「大罪人だからね…この街でも、あの世界でも…もう、一緒にいられないかな?アストレア…」
僕はティアと工房を後にした。
---シル---
「どうして、追い出したんですか?」
ジムの主神を責める。仕事から帰ってくると、ジムはいなかった。アストレア様は、ジムのことは忘れろと言う。
「彼は大罪人…」
「そんなのわかっていただろ?!」
リヴェリアがアストレア様に噛みついた。アイズ、ティオナ、レフィーヤはショックなのか、言葉を発していない。いや、言葉が出ないのかも。
「わかっていた…でも、彼の過去の大罪については知らなかった」
過去の大罪って?
「彼は、天界長、天使長、魔王の魂を奪い、逃亡した大罪人だったの」
「それって…大昔のことですよね?」
フィンが尋ねた。
「そう…1000年以上前のことよ」
「ジムは一体何歳なんだ?」
リヴェリアが呟く。
「不老の呪いを受けているそうよ。だから永遠に歳は取らない。ある意味、女性の敵かも」
そうだよね。私は歳取っていくのに、アイツはあのままなのか?納得できない!
「で、ジムは何者なんですか?」
戸惑う女性陣を尻目に、フィンだけは、冷静に質問を重ねていく。
「う~ん…わからない。いや…そうだ…最初に天界に来たのは、天界の治療施設に入院する為だったから、神…か、神と同等な立場かな…」
そうだ。シャクティに刺された時、ジムは天界で治療を受けていたんだった。
「でも、彼からは神としてのオーラは感じ無かった。何者だろうね…」
アストレア様も困惑し始めた。私はある神に、探して貰うことにして、彼女の元へと出掛けた。
---ジム---
懐かしい面々が目の前にいる。何をやっているんだ、このバカ共は?
「お前ら、バカだろ?」
「バカに言われたくないです♪」
って、赤毛でボーイッシュな少女の騎士モルドレッド。
「なんで、いつも一人で被るのですか?」
騎士長ランスロットは窘めるように言う。う~む、昔もそうやって説教をされた気がする。
「僕は、能力も神格も封印された不老な人間だよ。なんで、僕なんかの為に、無駄に時間を使うんだ?」
「それは、お世話になったからですよ。あの戦争の答えを真っ先に見つけて、終戦へと導いたじゃないですか」
って、茶髪な少女の魔女ルフェイが言う。
「あれで良かったのかな?僕は結末を知らない。この街にある歴史書を見ても、出ていなかったから」
「良かったんじゃないですか?こうやって、平和な時代で再会したのですから」
ランスロットは感慨深く言った。
「領民は無事だった?」
「勿論です。まぁ、いなくなった直後は、混乱も有りましたが、私達で乗り切りました。マクシミリアン卿の命令通り、領民は戦闘に参加せず、日々の生活優先をしていました」
僕の領地まで戦闘は拡大し、田畑には死体の山、湖は血の海にと、領地の自然は彼らにより破壊されていった。だから、僕は…神の座を捨て、人として生きることにしていた僕はキレた。
難民や戦争孤児達を、積極的に僕の領地で保護していった。そして仲間達にお願いをして、僕は一人で戦地へと向かった。封印をされず、僕に唯一残された『守護者』の能力を行使する為に…
「戦争が終わり、どこの領地も貧困化していましたが、唯一マクシミリアン卿の領地だけは、変わらぬ日々の生活を送れていました。当然、貧困化した領地の奴らは、奪いに来ましたけど、私達は護り通しましたよ」
誇らしげに水色の髪の少女、大魔導師マーリンが言う。
「攻めてきた奴らの領地には水を与えないようにしました。報復でね♪」
湖の精霊のヴィヴィアンが笑顔で言う。
「鬼だろ…それって…」
「そうかな?マクシミリアン卿の領地に、攻める方が鬼だと思うし」
円卓に座りながら、昔話に花は咲いていった。
---ヘルメス---
シルからの通報により、ジムに関しての新しい情報をアストレアから聞いた。
「あいつ…あの時の神くずれか…」
ウラノスが驚いているようだ。
「神くずれ?」
聞き慣れない単語だったので、訊いてみた。
「神としての神格を捨て、人間と共に生きることにしたバカ神だ」
「ジムは…神なのか?」
「昔はな…まぁ、身体の構造は神だから、死んだら天界に戻る。しかし、その先の行き場は無い。なので、また地上に堕とされるのだ」
「どないな神やったん?」
ロキが訊いた。
「太陽神で豊饒なる神だった。で、あの戦いの後、死神に認定されて、今では邪神扱いだな」
それって、最強な神に近くないか?太陽神って…
「そう…それで…魂の色が漆黒の闇で被われていたのね」
フレイアは哀しそうに呟いた。
「で、どうするんだ?」
みんなに訊いた俺。
「どうするも…戦いたくは無いが…もし、戦って勝てる戦力なのか?」
と、ゴブニュ。
「無理だ。アイツはたった一人で、あの不毛な戦争を終わらせたのだ。アイツの隠れ信者は多い。各種族の、それも上に立ちし者の中に」
「それ以前に、ジムとの戦いで勝てるヤツはいないだろ?あの時、ミア、オッタル、アーニャの3名を相手に、勝っているんだからな」
ほぼ全盛期のミアが刺されたんだ。今現在、それに匹敵出来る者達は…でも彼らは、ジムに刃は向けないだろうな、大罪の内容を説明しても。
「見つけ出して、今まで通りに接するって言うのはダメか?」
俺は提案をした。俺達はジムに大罪の上塗りをしていたのだから。今更だと思う。それに、アイツは俺の弟のような存在だし…俺だけでも味方になってやりたい。
「私もヘルメスと同じよ」
フレイアは俺に同調した。その後、ゴブニュ、ヘファイストス、ロキ、アストレアが同調し始めると、ジムと親交のあった神々は賛同し、多数決をもって、ジムの保護が決まった。
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治外法権エリアに踏み入れた。ガードとして、シャクティ、アイズ、リヴェリア、フィン、オッタルが付いてきた。
騒ぎがあれば、すぐに参戦できるように、うちとロキ、フレイア、ガネーシャ、アストレアの各ファミリアのメンバーは、関所の前に集結していた。
「たぶん…円卓商会って処が怪しいですよ」
と、シャクティ。治外法権と言えども、登記簿は存在している。オラリオの街のルールに縛られないだけで、このエリアにはこのエリア独自の最低限なルールはあったのだ。
「所有者は?」
「ジーザス・マクシミリアン卿です」
シャクティは書類へ視線を落としながら答えた。
「そこだ。ジムの本名だ。ジーザス・マクシミリアンを略してジムって読むんだよ」
「マクシミリアン卿って、あの?」
フィンが訊いてきた。
「神とか悪魔とか天使とかが戦っていた戦乱期に、難民や孤児達を保護しきった領主様だ。戦争に参加しないことで、戦後も色々な領地から攻め込まれたそうだ。その度に、マクシミリアン卿の仲間達が、領地内で戦争をしないように、撃退していったそうだ」
で、目的の建物の前に着いた。そこはホテル一期一会の在った場所だった。シャクティは思い出したくない記憶が呼び覚まされたのか、顔が歪んでる。
「さてと、乗り込むぞ」
中に入り、受付で用件を伝えた。すると、上のフロアへと案内された。
「あっ、ヘルメス…どうしたんだ?」
懐かしい声が聞こえた。ジムが近寄って来た。アイズ達は警戒をしているのか、いつもの様に、ジムへと抱きつきにいかない。
「どうしたんだ、アイズ?」
アイズの行動に不審そうなジム。
「後ろの者達は、誰?」
ジムの後ろにいる者達は、妖しげなオーラを纏っていた。
「昔の仲間だ。紹介した方が良いかな?騎士長のランスロット、騎士のモルドレッド、大魔導師のマーリン、湖の精霊のヴィヴィアン、魔女のルフェイだ」
「で、伝説の勇者じゃないか…」
フィンが驚いている。いや、俺もだ。
「あれ?私の紹介は?」
ジムの隣にいた蒼い髪の女性が、ジムに抗議している。
「あぁ…どう言えば良いかなって…で、スルーした…」
「はぁ?スルーすることは無いでしょ?身分は言わなくても、名前を言えば良いのよ!」
「あぁ…そうか…ティアだ」
「おい!その紹介は何?」
「う~む…うん♪邪龍の筆頭格のティアマットだ♪」
「おい、情報ダダ漏れだろ?」
二人の会話を苦笑いして見ている、ジムの昔の仲間達。って…ティアマットだって?
「ドラゴンなのか?」
あまりにも驚いた俺は、彼女に訊いてみた。
「そうよ。って、クロウだって、そうよ」
えっ?
「ジムの本当の名前はクロウ・クルワッハだもの」
…言葉が出ない…それは想定外だよ、ジム…俺以上に、アイズ達の受けた衝撃は大きかったようだ。
「まぁ、そんな感じだ、ヘルメス。太陽神だったけど、一番エライ神に逆らって、ドラゴンに堕とされて、人化して今に至るって感じだよ♪」
事の重大さを感じさせない、ジムのノリ。そうだった、ジムの名前はジム・ナイト・クロウだったんだ。彼は何も隠していなかった。最初から…そこに答えは出ていた。
「ジムはマクシミリアン卿の略だし、ナイトは称号。僕、龍騎士だったんだよ。で、クロウは元々の名前なんだ♪」
真っ直ぐな目で俺を見て、説明してくれた。
「龍騎士をしながら、たまに人化して、領地を豊かにしていたんだ。ティアに再会するまで、記憶に封印が掛かっていて、忘れていたんだよ」
あっけらかんに言うジム。
「あの戦争の時に、魂を人質に取ったって言う伝承が有るけど、本当なのか、ジム?」
フィンは、目の前の事実に、向き合おうとしているようだった。
「本当だよ。今も一緒にいる。いつも使っているナイフには、神の遣わしたドラゴンが2体、ナイフを収めているガントレットには神が1柱、そして、普段使っていない聖魔剣に天使長と魔王の魂を封じ込めてあるんだ」
魂入術…俺達よりも上の神格の持つ能力だ…
「彼らには、魂を収める器は、今いる場所だけだ。なので解放出来無い。解放すれば消滅してしまうから。僕にはそんなマネは出来無い。だから、共にいることにしたんだ」
うん?何か話しの流れがおかしい。
「いることにした?ジムが魂を抜いたんだろ?」
「う~ん…少し事実と違う話が残っているみたいなんだ」
困ったような表情のジム。
「違う?どういうことだ?」
「僕が彼らの元に着いた時には、みんな死の間際だったんだ。神の遣わしたドラゴン2体が、反旗を翻して、神と天使長に襲い掛かり、魔王にもその刃を向けたんだ」
あっ…一番偉い神に逆らってドラゴンにされた神々…その仇が目の前にいたら…まして、命令されている身分だし…それは襲うよな。
「で、僕は全員と知り合いだったんだ。でねぇ、どうするって訊いたら、どんな形でもいいから、もっと生きたいって欲深い事を言うんだよ。死の間際にさぁ…」
ジムのことだ、願いを叶えるために全身全霊を…神も天使も悪魔もドラゴンも死んだら、転生はしない。転生は人だけの特権だしな。死ねば、魂は消滅する。
「だから、魂が消滅する前に、彼らの身体から魂を抜いて、僕の持ち物に魂を入れたんだよ。でね、魔王と天使長の入れるスペースが無くて…クソ神の魂がデカ過ぎて、左右のガントレットを独占しちゃったんだ。だから…封印の鍵として使われていた聖剣を引き抜いて、そこに彼らの魂を入れたんだ。そうしたら、封印が解除されて…僕の持っていた神としての能力とドラゴンとしての能力を封印の鍵として、使って…」
頬を掻いているジム…それで能力を全ロストさせたのか…
「ジム…らしい…」
アイズが呟いた。もう彼女から警戒感は感じられない。彼女はジムに縋り付き泣いていた。
「で、隣と後ろにいる仲間達は、僕の受けた呪い、不老を受けたんだって、バカでしょ?僕と同じ時を過ごす為だけに」
「バカな主に言われたくない!」
ティアマットは、怒ったように言っていたが、どこか嬉しそうだった。
---ジム----
そして、ティア達はアストレアの眷属となった。で、治外法権にある館は、アストレア・ファミリアの別館って位置漬けで、ティア達が住み込み、あのエリアの治安維持に役立てると言う。
バコッ!
拳をはぁ~はぁ~したシルの拳骨が、頭頂部に炸裂した。
「痛いよ~…シル…」
「はぁ~、私がどんなに心配したと思っているの?ねぇ~、わかっているの?」
バコッ!
本日2発目が炸裂…痛すぎて、声が出ない。その場に蹲る僕。アイズ達に助けて貰おうと視線を送るが、笑顔で返されていく…みんなも心配していたんだね…
「ごめんなさい…」
みんなに頭を下げた。
「いい?家出の前に、まず私に言いなさいよ!」
激高モードのシルには、ミアすら介入出来無いみたいだ。
「うぅぅぅぅ…はい…」
泣きべそをかきながら、頷く…たんこぶが痛いってばぁ…そうだ…
「ルフェイ、頼む!痛いんだよ、たんこぶが…」
「心配させすぎたらダメですよ♪」
ルフェイが治癒魔法をかけてくれた。
「えっ?魔女なのに治癒魔法?」
アストレアが驚きの声をあげた。
「ルフェイは変わり種で、魔女だけど治癒、回復、蘇生が出来る上、闇魔術も当然出来るんだ。ちなみにマーリンは、精神系攻撃が出来る大魔導師で、ハーフな夢魔なんだよ」
アストレアとフィンが驚いている。夢魔を知っているのは、この二人、いや一人と一柱だけなのか?
「淫魔の能力持ちなのか?」
「そうだけど、マーリンは真面な性癖だから、味方には頼まれないとしないけど、敵には迷わず仕掛けるよ」
「クロウ、それって、男好きみたいに聞こえるから、止めてね!」
マーリンが恥ずかしそうに、注意してきた。
「なんか、戦力が一気に上がった気が…」
アストレアが複雑な顔になる。強すぎるのも問題あるもんな。出る杭は…
「だから、こいつらには、必要になるまで治外法権にいてもらう。まぁ、秘密兵器って感じでね」
でも、怪物祭は、一緒に見て廻ることになった。僕と同じで、屋台の食べ物に惹かれたようだった。