怪物祭当日、中庭に集合した祭り見学組。
「いいなぁ…私も行きたいなぁ…」
「シル、仕事が有るだろ?しっかりと働いてくれよ。今日は稼ぎ時なんだからね」
ミアがシルに釘を刺す。
「ジムぅ~」
甘えるような仕草をするも、ミアに腕を引かれて、豊饒の女主人へと消えていった。今夜はシルの拳に注意しないと危険そうな予感だ。
で、屋台の出ている通りに繰り出した。目当ての焼きもろこし屋さんを見つけた。けど、アイズに腕を引かれて…じゃが丸君の屋台へと連行されていく。
「小豆ソース味1つ!後、カレー味1つ」
アイズが注文をして、僕にカレー味を手渡した。
「ねぇ、ジム、あ~ん♪」
無防備に口を開けて、僕のじゃが丸君カレー味を待つ剣姫アイズ。まだ僕が口を付けていないじゃが丸君を、アイズの口に入れる。
はふっ…もぐもぐ…
「美味しいよ、ジム♪次はあっちのじゃが丸君の屋台に行こうよ♪」
普段見られない剣姫の甘えている姿を、周りの群衆が物珍しそうに見つめている。
「アイズさん、私にも師匠を貸してくださいよ~」
レフィーヤがアイズに、僕の譲渡を申し込む。だから、僕は物では無いんだけど。
「うん?全部のじゃが丸君の屋台を制覇したらね」
って、それでは僕のお腹がじゃが丸君で一杯になってしまう。ティオナが、焼きもろこしを買って食べているし。
「ジム、食べる?」
ティオナの助け舟に、口を開けて待つ僕。
「ティオナ、餌付けはダメよ!ジムの口がじゃが丸君味以外になっちゃう!」
僕と口を合わせて、じゃが丸君味となった僕の口をアイズが味わっている。そんな剣姫の行動を周囲の群衆が唖然として見ている。濃厚なディープキス…口の中を丹念に舐められていく。
「レフィーヤ、気を付けろよ。今日のアイズは一人締めモードだ。逆らえば、仲間でも斬るかもしれない」
ティオナが恐ろしいことを言っているが、
「そうですよね。家出の時、ショックで食が喉を通らなかったですしね」
って、ティオナの意見に賛同しているレフィーヤ。
「アイズ!休みである今日は、私の日だぞ!」
リヴェリアが僕の領有権を主張し始めた。
「左腕は、ご自由にどうぞ!」
僕の左腕はバラ売りされた気分だ。
色々と悶着を起こしながら、歩を進めていると、地面が鳴動しているような感覚を感じた。
「アイズ!リヴェリア!」
僕の声に反応して、僕から離れて、周囲を警戒をする二人。
「どうしたんだ?」
ティオナは感じ無かったのか、訊いてきた。
「今、地面が鳴動した気がしたんだよ」
「えっ?」
ティオナも周囲を見渡した。静かである。騒いでいる者はいない。しかし、急に地面が割れるような音がして、騒然とした声が響き渡った。
声の下方へと向かうと、巨大な花の群れが地面から生えていた。
「マーリン、頼む」
「了解♪」
マーリンは『ファイアーストーム』を唱えると、目の前の植物は燃えていく。
「えっ?ワンフレーズ詠唱?」
リヴェリアとレフィーヤが驚いている。まぁ、この街の魔法は、長い詠唱が一般的だからな。
「レフィーヤ、天使の矢を準備しておけ!」
「はい、師匠♪」
レフィーヤは自分のスペースを作り、天使の矢を発動した。
「モルドレッドはアイズと行動を共にして」
「了解。盾になれば良いんだ♪」
戦えるのが嬉しそうなモルドレッド。僕とヴィヴィアンとランスロットで、地下水路を目指した。
「ヴィヴィアン、植物だ、根を絶やしてくれる?」
「了解です」
水を操れる魔術を使える彼女は。水の分子を止めて氷らせていく。これで一安心かな?と、視界に焼きもろこしの屋台を発見。買いに走る僕。しかし、闘技場から逃げてきたのだろうか?巨大なモンスターが、屋台を破壊…なんてこったぁぁぁぁぁ~!許せない!
『我が剣よ出でよ』
ティア達と再会したことで、記憶が戻り剣を持っていたことを思い出した僕。空間から剣が現れて、僕はソレを手にした。そして、モンスターに斬り掛かる。巨大だったので、脛部分を斬り裂くと、モンスターは灰と魔石とドロップアイテムになっていく。
「どうだ。聖魔剣の威力は…ふふふ」
次の獲物を探しに行く。僕の焼きもろこしを返せぇぇぇぇ~!
---フィン---
闘技場から数匹の巨大モンスターが逃げたらしい。今日の目玉だったらしく、イレギュラーなヤツらしい。
僕とリヴェリアで対処しているのだが、リヴェリアの魔法が効かないレベルのモンスターだった。マズイだろ?これって。
「僕の、僕の焼きもろこしを返せぇぇぇぇ~!」
どこからか、ジムの声が聞こえ、ジムとモンスターが交差した瞬間、モンスターは灰と魔石とドロップアイテムになっていった。なんだ?あの得物は?見た事の無い大剣であった。見るからに重そうで頑丈そうである。
ジムはモンスターを見つけ次第、灰と魔石とドロップアイテムに変えていく。相当キレているようなんだけど…
「あぁ、フィン殿」
ランスロットが、息を切らしてジムの後から来た。
「どうしたんですか、ジム?」
「念願の焼きもろこしを買おうとした矢先、屋台をモンスターに潰されて…」
苦笑いしているランスロット。食い物の恨みか?
「僕の焼きもろこしぃぃぃぃ~」
遠くからジムの声が聞こえてきた。
---ジム---
結局、焼きもろこしは食べられなかった。焼きイカもだぁ…楽しみにしていたのに…ぐっすん…路地裏で膝を抱えて座っている。鼻腔に神経を集中して、食べたい物の臭いを探査している。あぁぁぁぁぁ、どこからもしないぃぃぃぃ~
「ねぇ、そこで何をしているの?」
「僕の焼きもろこし…焼きイカ…モンスターのバカやろ~!」
「まさか…モンスターが屋台を…?」
「そうだよ…ねぇ、この街、吹き飛ばしていい?」
たまたま、僕を発見してくれたシャクティに、駄々をこねている僕。
「良い訳無いでしょ?まったく…本当に食い物には運が無いよね」
「うん…」
「おいで…食べさせてあげるから♪」
--------
食材を買って、ガネーシャのホームの厨房で、調理をしてくれたシャクティ。
「どう?」
「おいしい…ありがとう、シャクティ」
「うん♪」
焼きもろこし4本、イカ焼き2本を平らげた頃、
「俺がガネーシャだ!何をしているんだ?」
「ジムに、食事を…」
「そうか…シャクティ、今日はこの後、自由時間で良いぞ」
「あ、ありがとうございます」
主神に頭を下げたシャクティ。そして、お腹が満たされて、シャクティの部屋へと行く。
「ねぇ、今度は私を味見して。ねぇ、ジム♪」
全裸になり全裸にされ、僕をベッドに押し倒す。
「いつも、助けてくれて、ありがとう…ジム」
僕の焼きもろこし味となった口に、自分の口を重ねる。
「焼きもろこしの味…おいしい…」
舌で、僕の唇、歯茎、舌を舐めていく。
「おいしい…ジムの味が隠し味ね♪」
彼女の乳首が僕の胸の上を這う。鼻と鼻が触れ合う。焦げた醤油の香りのおかげで、唾液の分泌はいつもよりも多い。
ごくっ!
口の中に溜まった彼女の唾液を、無駄にならないように、総て飲み込むようにする。
「ジム…はぁ…はぁ…」
荒い息づかいの音で、僕のアレが反応していく。
「元気に成ってきたわね」
彼女の指達により、彼女の中へと送り込まれていく。暖かい…生きていて良かったと思える瞬間だ。妄想では、この暖かさは得られないし。彼女の口と上半身と下半身は別々の生き物ように、変拍子を刻みながら、僕の上で蠢いていく。
「中で…出して…いいよ」
口の中が、唾液貯留槽状態の僕は、返事が出来無い。突然、彼女の腰の動きだけが早くなっていく。近いのか?そして
「あぁぁぁぁ…あっ!はぁ~」
彼女の身体の全体重が僕にのし掛かり、彼女の呼吸は穏やかになっていく。弛緩していく彼女の中で、時間差攻撃のように僕の砲門が噴いた。
「ジム…こういうのは同時がいいんだよ」
頬を赤らめた彼女が、僕の耳元で囁いた。
-------
ガネーシャのホームから出ると、シルが立っていた。殴られる…咄嗟に頭を庇う僕。
「どうだった?彼女は…やっと、交われたんだね」
今日のシルは穏やかそうだ。安心して近寄ると、
バコッ!
お決まりの激痛が、頭頂部に響き渡った。
「痛いよ~、シル…」
「うん?殴られると思ったんでしょ?だから、殴ってみました」
って、笑顔で僕の左腕に抱きついて来た。
「痛いのは嫌いだよ~」
「うん、知っているよ♪」
「たんこぶだらけだよ~」
「うん、よく知っている♪」
しばらく無言で帰路を進む。そして、アストレアのホームに向かおうとすると、
「ちょっと、来て♪」
と、豊饒の女主人へと連れ込まれる。あぁ…食べたかった物が…
「イカのキモ焼きだぁ♪」
「あぁ、シルがどうしても作ってくれって」
ミアが優しくて暖かい眼差しで、僕を見守ってくれている。
ばこっ!
頭頂部に激痛が走る…何で?
「何しているんだ、シル!」
ミアもシルの行動に驚き、シルに訊いた。
「だって…恥ずかしくて…」
そっちでも殴るのか…あっ、舌噛んだ。
「ごめん…舌噛んだから、食べられない…」
「えっ!ごめん、ジム…」
シルが謝る。
「何をやっているんだ、シルは…はぁ~」
シルの行動に呆れるミア。イカのキモ焼きに後ろ髪を引かれつつも、裏口から中庭に出た。シャクティに言われたけど、本当に食べ物運に恵まれていないなぁ~
「久しぶりに手合わせを頼む」
モルドレッドから木刀が渡された。
「ほんと、久しぶりだな」
「うんうん♪1000年振りだよ」
彼女と打ち合う。ルフェイがいるので、多少の怪我も心配なく、手合わせができる。
-------
目覚めると、僕のアレを咥えて土下座をして、その体勢で寝ているシルがいた。何をしているんだ?僕は僕でモルドレッドとの手合わせで腕が筋肉痛で痛いし。
「シル…何をしているんだ?」
無言のシル。耳を澄ますと、静かな寝息が聞こえてきた。その体勢で安眠?大丈夫か?
「ジム…どこに行っていたの?」
もう一人の強敵の冷たい声がしてきた。どこにいるんだ?シルがあそこにいるので、攻撃をされても逃げられない。
うっ…僕の鼻の頭を自分の敏感な場所に触れさせる強敵…
「ねぇ、どこに行っていたの?」
えっ?脇の下を膝でロックしてきた。腕が動かない。まずい…
「豊饒の女主人ですけど…」
「ふ~ん、その前は?」
彼女の声から、感情の起伏が感じられない。怒っているのか?
「その前は…」
鼻の穴に、生暖かい液体が流れ込んできた。頭がキーンとして痛い…鼻の頭に触れている物体は小刻みに動いている。
「うん?その前は?どこかな?」
鼻が何かの穴に吸い込まれて行く。そして、柔らかい物体は上唇に触れている。呼吸が出来無くなりそうな予感。
「ガネーシャ・ファミリアのホームです…」
「誰と?」
上唇に触れている物体を舌で舐めたら、どうなるんだ?この逃げ場の無い状態で…恐ろしくて試せない。
「シャクティ…」
「なんで?」
「焼きもろこし食べたいって、駄々をこねたら、調理してくれて、食べていました」
「二人で?」
「です…」
「私にお土産は?」
はぁい?
「婚約者にお土産は無いの?ねぇ、ジム♪」
甘える声で有るが、肩の締め付けがキツくなり、顔面にかかる体重も増加している。新手のエスプレイなのか?
「無いです…全部食べてきました…」
「じゃ、お腹を開くと入っているのね♪」
か、か、開腹?
「死んじゃいます…」
「ジムが死んだら…後を追うから…だから、心配はしないでいいのよ」
ダメ元で、上唇に触れている何かを舌で舐めてみる。少し固めのグミのような感触。
「あっ~ん…ダメ…」
声が弱体化している気がする。攻め時かな?でも、噛んでしまった舌では、長時間は無理であった。痛い…痛すぎる。舌を動かす度に裂けていく気がする、
僕の異変に気づいたアイズ。
「えっ?どうしたの?舌から流血しているけど」
「ミアが調理してくれたイカのキモ焼きを食べようとしたら、シルの拳固が…」
「あぁ、だから、土下座しているのね。怪物祭の後始末をして帰ってきたら、私の指定席をシルが…」
アイズの指定席だったのか?アレって?
「ごめん…虐めるつもりは無かったの。騒いでいれば、起きるかなって…」
シルを起こす為のエスプレイか?
「あれ?…ごめん…足が痺れて、退けない…」
えぇぇぇぇぇ~、朝までこの体勢?辛いって、呼吸がきついって…
翌朝、僕達が朝練に出て来ないので、心配になって見に来てくれたレフィーヤにより、救助された。
「何をしているんですか?アイズさん!」
弱りきった僕の姿を目にして、レフィーヤがアイズを叱る。
「反省しています…今度からは、ティオナがいる時だけエスプレイをします」
「え~、なんで…アイズさん、何故、私を誘ってくれないんですか~」
レフィーヤもやりたいのか…妹枠なのに…