----ヘルメス----
「お帰り♪」
やっと、逢えた。マブダチにね。
「心配かけたかな?」
「あぁ、たっぷりな」
「すまない」
「謝るなよ。アレはお前のせいではない。むしろ、助けられなくて、すまない」
俺達は謝罪合戦をし始めた。まぁ、甲斐性無し同士のことなので、すぐに話題は変わるけど。
「この街も変わったな。知らない神々が多い」
「知っている神も多いだろ?困った時は頼ってくれよ」
「困った事?特に無いぞ」
「ミアハの件、聞いたぞ。一人で行くのか?」
「そのつもりだけど…アイズとベートは付いてくるだろうな。危険な目には遭わせたくないんだけど」
「フレイヤとかイシュタルは、頼らないのか?」
この街で、トップクラスの戦力を持つファミリア名をあげた。
「オッタルには怪我を負わせたし、イシュタルの処は、商品だろ?頼めないよ」
「俺は?」
「ヘルメスは諜報活動には向くが、戦闘力はダメダメだろうな」
それは正しい。タイマン勝負なら、そこそこの戦力はあるが、対モンスター集団では、難しいだろうな、俺の眷属では。
「ロキのとこは、アイズとベートを抜いちゃったから、悪いし。ディアンが借金を帳消しにしてくれれば良いけど、望めない希望だろ?」
あぁ、そうだな。頷く俺。
「ウラノスがフェルズを貸してくれたから、どうにかなるかなって。まぁ、対モンスター集団では戦力外だろうけど」
そうだな。フェルズも諜報活動系だし。
「そんな感じだよ」
----ファルコン----
翌朝、起きると、リューとアリーゼが、僕と添い寝をしていた。あれ?なんでだ?昨晩は、ヘルメスと飲み歩いて、空いているテントに潜り込んで寝たはずなのだが。
「あはっ♪おはよう、ファルコン♪楽しめたよ、3P♪」
って、アリーゼ。はぁい?3P?そういえば、そんな夢を見た気もするが…
「今を楽しもうよ、ファルコン♪」
って、リュー。二人共顔が紅潮している。まぁ、いいか。二人共楽しめたようだし。テントを出ると、アイズが寄ってきた。
「ねぇ、リューとアリーゼは良くて、私はダメなの?」
って、聞いてきた。
「アイズはまだ熟していない。お互い、楽しめるようになってからの方が、楽しいと思う。そうは思わないか?」
理由にならない理由をこじつけて諭すと、納得したようなアイズ。つぼみが開いてからの方が、アイズの苦痛にならないと思うし。
今日はホームの建築の続きをしないとな。テントでは鍵が掛けられない。寝込みを襲われ放題になりそうで、怖いし。僕の当面の敵は、ファミリア内にいるみたいだし…
朝食は少し豪華になった。ヘスティアって台所の神様だそうで、料理が得意だったのだ。これまで、僕の手料理ばかりだったことを考えると、栄養面も改善できそうだ。ちなみに、リューは料理が不得手だ。昔、楽しかった時代、リューが食事当番の日は、アストレア様を含めて、全員が憂鬱になったのも思い出した。あれも、今となっては良い想い出だ。
食後、一人で出掛けた。古い友人に会う為に。夜は賑やかな場所なのだが、朝は死んだような静けさになる歓楽街。友人は、この場所にホームを構えている。
ホームの近くで、見慣れたヤツを見かけた。しばらく見ない間に、またデカくなった気もするのだが、声をかけてみる。
「お~い!フリュネ!」
僕の方に振り向く彼女。しばらく、僕の顔を見つめて、
「生きていたの?ファルコン!」
頷く僕。
「また、デカくなったんじゃないの?運動している?」
「最近、美味しそうな男がいなくてなぁ」
「僕が相手しようか?」
首を左右に振る彼女。
「イシュタルの怒りを買うのはご免だよ。イシュタルに用か?」
「うん♪いる?」
「今、プレイの後の添い寝中だと思う」
「そうか…じゃ、また来るよ」
フリュネに挨拶をして、この場を離れた。さて、どうするか。ロキに引っ越しの挨拶をしておくかな?
ロキ・ファミリアのホームを訪れた僕。ロキの眷属がピリピリムードで出迎えてくれた。まぁ、二人引き抜いた恰好だしな。そして、ロキの部屋に通された。
「なんや、ファルコン。朝駆けか?」
「え?いいの?」
ロキの許しが出たと思い、1ラウンドしてみた。朝は酒が抜けていて、良い塩梅だ。
薄ピンク色の各パーツ。初々しい。初物に近い見栄えである。感度も、手練れていないく、初々しさもあり、酒臭ささえ無ければ極上品だと思える。
「おい、そういう意味で言った訳であらへんよ~」
「うん?嫌だった?」
「嫌やあらへんけどな」
顔を紅潮させているロキ。平ら胸と言われているが、中々どうして、若い娘さんのような大きさで、感度の良い、触り心地の良い胸なんだけど。コイツのネックは、酒臭いことだ。
「それでさぁ、街に引っ越して来た。場所は、以前の場所だよ」
添い寝しているロキの耳元に囁くように伝えた。
「そっか…アイズたんはどないしとる?」
「娘みたいな感じかな。って、ベートの心配は?」
「アイズたん、萌え~や~♪今度、アイズたんに逢いに行っても良い?」
「アイズの気持ちを優先するよ。ロキには悪いけどさぁ」
「あぁ、わかっとる。それで良いよん。アイズたんの気持ち優先で良いんや♪」
と、徐に2ラウンド目を開始した。
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上機嫌のロキを部屋に残して、ロキの部屋を後にした僕。部屋の外には、ロキの眷属達が待っていた。
「なんだ、盗み聞きか?」
「ちょっと、来てくれ」
小人族みたいな男に先導されて、会議室のような部屋に連れて行かれた。
「どういうつもりだ?」
って、訊かれた。
「どういうつもりとは?」
「ロキ・ファミリアをどうしたいのだ?」
「言っている意味がわからない。今日は、古い友人に引っ越しの挨拶に来ただけだし。このファミリア自体には興味は無いな」
率直な意見を伝えた。
「アイズとベートを返して貰いたい」
今日の訪問と関係ない話題を出してきた。
「本人達の希望だ。僕がどうこう言う問題では無い」
「ならば、アイズとベートと交渉させてくれ」
「なんの交渉だ?1年間は改宗出来無いルールのはずだが。ロキ・ファミリアは例外なのかな?」
「彼らの意志を確認する為だ。洗脳されたようならば、ギルドに提訴して、改宗を無効にして貰う」
「君達は、何がなんでも洗脳ってことにしたいんだろ?」
「他に何があるのだ?」
ハイエルフの女性が、言葉を投げて来た。
「あぁ、こんな雰囲気では、アイツらは逃げ出したくなるよな。なんだよ、このトゲトゲしさは?」
「貴様が、原因だろ?」
「話しても無駄なようだ。僕は帰るよ」
席を立ち上がると、身構えてきたロキの眷属達。ここでやるのか?って、僕は丸腰だし。
「丸腰相手に、得物を構えるって、どうなのよ?」
「話し合いに応じて貰えないみたいだからね」
小人族の男性が理由をつけてきた。いちゃもんに近いぞ。そういうのは。
「応じるも何も、不毛な会話だろ?僕は彼らの意志を大事にしたい。でも、君達は洗脳されたということにしたい。何十年話合っても無理だよ」
『グラビティ・ボム(重力爆弾)』
イライラの限界に達した僕は魔法を唱えた。部屋の床が、重力に負けて落下していく。それに伴い、建物は内側に萎むように崩れていく。ガレキの中から、僕はいち早く脱出して、ロキ・ファミリアのホームだった場所から、立ち去った。
---ヘルメス---
ロキ・ファミリアのホームが、音も無く崩れていった。大崩壊した建物。その被害とは裏腹に、軽傷者ばかりで済んだのは奇跡に近い。
ロキ・ファミリアのホームの跡地の前には、野次馬が大量に集まっていた。呆然とした表情でガレキの山を眺めているロキ。
「どうしたんだ、ロキ?」
俺は、彼女に声をかけた。
「フィン達が、ファルコンを追い込んだようや…なんで、追い込むかな…あかんやろ、アイツを怒らしたら…」
目の前の惨状に、怒ることすら、脱力感から出来ないような彼女。ファルコンかぁ…アイツなら、納得だ。
「ヘルメス様、アイツは何者なんですか?あの短い詠唱の魔法はなんですか?」
ロキ・ファミリアの副団長のリヴェリアが訊いてきた。
「アイツは、俺の親友だ。敵にしてはいけない男だ。アイツの魔法は特殊だ。無詠唱な物もあるし、違う大陸の魔法大系らしいぞ」
「アイズ達は洗脳されたんですよね?」
と、ティオネ。
「俺には、洗脳されているようには見えない。彼らの意志だろう」
----ファルコン----
予定外で魔力を使ってしまった。今日はホームの創造作業は無理だな。まったく…予定がズレると、ミアハの返済期限が延びてしまうのに。なんで、ロキ・ファミリアの連中は分からないのだ?
などと、ブツブツと独り言を脳内で呟いていると、
「ファルコン!」
って、呼ぶ声がした。声の主を探す。見つけられなかったので、スルーして家路を急ぐと、
「ファルコン!ここだよ~♪」
って、また呼ぶ声がした。声の主を探すと、僕に手を振っているおめかしをしたイシュタルがいた。
「メイクをしたイシュタルって有り得ないぞ」
彼女に声を掛けながら、近づいていく。
「あぁ、外で会うのは希だからね」
「それもそうだな。大抵、お前の部屋だし」
顔を少し赤らめたイシュタル。
「で、どうしたんだ?」
「さっきはごめんなさい。せっかく訪ねて来てくれたのに…禄でもない男との添い寝だったから、声を掛けてくれて良かったのよ。フリュネは気が利かないんだから」
「いや、特に急ぐ用でなかったからね。街に戻ってきた挨拶をしに行っただけだ」
「ヘルメスから聞いたわ。アストレア・ファミリアが再起動したそうね」
ヘルメスはヒマなのか?まぁ、アイツがヒマってことは、この街が平和の証拠かな。
「再起動ってことでもない。アレの被害は甚大だよ。アストレア様は心が少し壊れてしまっているようだし、アリーゼは二度と潜れない身体になったし。時間を掛けて治せるものなら治したいけど…魔力が少ないから、難しいかな」
僕の話を聞いて、頷いているイシュタル。
「それでね。私からの援助を受けてほしい」
イシュタルから援助の申し入れがあった。援助って何?援助交際か?
「私の眷属から二人、改宗させる。一人は戦闘要員。もう一人は回復役になるかな?仕込めばだけどね」
「いいのか?商売の商品でないのか?」
イシュタルの商売は売春の元締めである。眷属のほとんどはアマゾネスで、子供が万が一出来ても、娘しか生まれないアマゾネスの特性を生かして、世代交代をさせているらしい。
「いいの、いいの。ウチでは戦力外の二人だし。後で、箱に詰めて持って行かせるから、使いこんであげてね♪」
「そうか、ありがとう。お礼に今夜、どう?」
「来週にして♪お部屋を掃除しておくから♪」
イシュタルとは、再会の約束をして別れた。