---ジム---
あの日…僕の探し人が見付かった日から、シルとアイズの僕に対する接し方が変わった。よりスキンシップを求めるようになったというか…
「ねぇ、行きたいところがあるの~♪」
って、甘えたような声のシル。拳骨攻撃は無くなったのだが、出掛ける際に僕の腕に抱きついてきたり、オンブを強要したり…幼児化しているというか。
「一緒に潜って…指導してください」
って、微笑むアイズ。僕はスミスだから、素材探し以外は潜らないのだが、横で戦いたいって、僕をダンジョンへと連れ回す。
まぁ、あの時の少女達であるならば、そうなると思うので、文句を言わずに願いを叶えられるものは叶えている。
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で、ヘルメスと…
「そうか、仲がより深くなったのか」
「まぁ、深いよね…で、今回のお願いになったようだよ」
二人からお願いをされた。娘にしてくれって…娘にしたら、もう交われないよって言ったのだけど、血が繋がっていないから問題無いらしい。
「そうだ。血が繋がっていないんだ。問題無いぞ、ジム」
ヘルメスに確認したが、彼女達の考えは肯定されてしまった。う~ん…
「それで、その後、あっちはどうだ?」
「あぁ…アレね。毎晩、7,8人も無理だよ~僕は性欲が少ないんだから」
シル、アイズと、ファミリアの休日にリヴェリアはデフォルトだったのだが、そこに、パワー重視のアマゾネス姉妹、自発的にエロフ化をしたエルフ2名、そしてたまにリュー、シャクティ、ロキ、フレイアって…体力というか精力が保たないというか。
「本当に贅沢な悩みだな」
笑って言うヘルメス。
「まぁ、贅沢かもしれないけど…」
ドアがノックされ、ドアが開き、何かが大量に落ちる音がした。音の発生元を見ると、書類の束を落として、佇んでいるアスフィがいた。
「へ、ヘルメス様…何をなさっているんですか?」
アスフィの顔が真っ赤である。
「何って…ジムと抱き合っているのだが…」
ヘルメスがたまにはスキンシップしたというので、願いを叶えたのだ。
「ジム!男同士でそういうことはダメ!」
真っ赤な顔でアスフィが怒っているようだ。僕は彼女に近づき抱き占め、頬を重ねた。
「そうなのか。わかった。女性にだけスキンシップするよ」
彼女を落ち着かせるように囁いた。
「ジム…あっ、あのね…」
何か言い淀むアスフィ。うん?あっ、スキンシップしたいのかな?アスフィを全裸にして、再度抱き締める。
「あっ…嬉しいけど…ここじゃダメ…」
どこならいんだ?でも既に、アスフィのあそこは準備おっけのサインが出ていた。僕は反射的に僕の身体の一部を差し入れた。
「うぅ~ん…気持ち良いよ…ヘルメス様の前でって…あぁ、でも…もっと、ください」
激しく腰を動かす。アスフィの乳首が、僕の胸板の上で踊っている。これはこれで気持ちが良い。しばらくすると、アスフィの身体は弛緩して、僕の身体に身を委ねてきた。
「アスフィの身体は、気持ち良いのか?」
ヘルメスが訊いてきた。
「うん♪ヘルメスより柔らかくて気持ちいいよ」
と返事を返した。残念がるヘルメス。
「はぁ…はぁ…ヘルメス様…無知なジムに変なことを、教えないでくださいね」
意識が戻ったアスフィが荒い息づかいをしながら、服を着つつ、ヘルメスに注意をした。
「うん?俺だけじゃないぞ。ガネーシャだって、しているし」
記憶に無い。そんなことをしたか?
「記憶に無いけど…」
ヘルメスに異を唱える僕。
「以前、血塗れでシャクティに拾われただろ?あの時、一緒にお風呂に入って、身体を洗ってもらっただろ?その時、身体を合わせたらしいぞ」
あぁ、確かに、そんなことがあったっけ…あの時、抱かれたのか。
「まったく、男神様って、碌なことしないんですね」
アスフィは怒り心頭であった。
「アスフィ…僕が悪いのかな?」
「うん?ジムは悪く無いわ。悪いのは、ジムの無知を知りながら、欲望に走る男神様よ!」
ヘルメスは睨まれ、タジタジのようだ。
「ははは、アスフィはキツいなぁ…で、用件は何だい?」
「あぁ、書類をお持ちしました。養女縁組のです」
アスフィから書類を受け取り、目を通した。これに書き込めば、二人を娘にできるのか。
「ジム、あっちで説明するから、来て!」
アスフィに手を引かれて、ヘルメスの部屋から連れ出された。
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ホームに帰り、シルとアイズに、縁組証明書を手渡した。
「やっと…家族になれた…」
「ずっと、傍に居られるのね」
二人とも、涙を流しながら証明書をみつめている。二人の新しい名前は、シル・マクシミリアン、アイズ・マクシミリアンになった。
「マクシミリアンって、ジムの本名?」
シルに訊かれた。
「まぁ…そんな感じ。治外法権エリアに屋敷があるでしょ?マクシミリアン卿の」
「あぁ。そうだったわね。いつか、領土に連れて行って欲しいな~」
領土なぁ…邪神として祀られているんだけど…行きたくないけど、頷いておく。最近は貰っていないけど、シルの拳骨が恐いから。
「フィン達に報告してきます」
アイズが、ロキ・ファミリアのホームへと出掛けた。シルは、豊饒の女主人へと出勤して、僕は鍛冶仕事をし始めた。定期的にデメテルが鍬とか、摘み取り挟などの再研磨やメンテの注文を出してくれたりして、それなりに軌道に乗ったと思う。
元々、豊饒の神だったので、武器よりも道具の方が得意だったりする。武器はこの街に来てから、ゴブニュに習ったのが始まりだし。
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「ちょっと、相談ごとがあるんだけど」
ルフェイがやって来て、話題を切り出してきた。
「相談?もう関係は増やせないよ」
「うん?あぁ、そうじゃないです。案件絡みで、デーモンダストですよ」
あぁ、フレイアすらも催淫させた悪魔の薬か。
「製造者の特定は出来たのか?」
「ほぼ出来ました、で、ですね。夢魔達がお金を稼ぐ手段を考えて貰えませんか?」
ハーフ夢魔のルフェイだから、内情を調べて来られたようで、お金に困った夢魔が、死んだ仲間の遺体をミイラ化させて、商人に売ったのが発端のようだった。
「なので、稼ぐことが出来れば、そんなマネはもうしないって、言うんですよ」
まぁ、夢魔としたら死活問題なのだろう。攻撃力も力も無い為、冒険者にも、労働者にもなれない。死体が高値で売れれば、売っちゃうよな。
「う~ん…彼らの能力を生かして、安全な催淫所でも経営するか」
風俗店のようなお客さんに、性的な刺激をサービスする商売をイメージした。
「うちの商会で、安全安心を担保にして、彼らに働いて貰うのはどうかな?」
「あ!それはいいですね。悪さではなくて、商売に使うのであれば、問題なさそうですよね」
同族へ救いの手が差し出せる案に、賛成するルフェイ。
「催淫後に悪さをされないように、商会の方で責任もって管理するんだ。それで、夢魔サイドとランスロットに相談してくれないかな?賃金に関して、少ないって言うのであれば、僕の資金から出していいから」
「ありがとうございます。この街は独身が多いから、商売になりそうですね♪」
嬉しそうにルフェイは帰って行った。
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円卓商会の風俗店は大当たりした。手軽に、処女性を保持しての絶頂感。女性に大人気だそうだ。まぁ、男性にもそこそこ人気があるようだが、物理的な刺激が無い為、女性ほど人気は高くないと言う。しかし、性欲を発散できる為、性犯罪は減る傾向らしい。
夢魔サイドもメリットがあった。絶頂に達しのオーラの高ぶりが、彼らの大好物であるのだが、サービス中に副作用が出ない程度摂取を許したのだで、仕事に満足感が付与された恰好である。
商会内のサロンでは、独身の男女の出逢いの機会の場も提供している。会員登録制で、身分を確認できた者のみ会員になれるので、人気があるようだ。
で、僕達のホームで、食休み中のフィン達。話題は風俗店絡みだった。
「なぁ、優待割引って無いか?」
って、ベートが訊きに来た。常連さんらしい。
「10回分の料金で12回できるサービスにしようかな?」
「知り合い優待は?」
う~ん…明朗会計にしたいんだよ。どうするかな?
「ベート、稼ぎがいいんだから、ちゃんと払えよ」
っと、フィン。彼も常連さんらしい。
「だけど、フィン。毎日通うと結構な額になるぞ」
「そうだけど…」
「そこの二人、相手を見つければ良いでは無いか」
威厳あるハイエルフ様が、二人に言い放った。
「ばばぁは、ジムがいるからいいよな」
ベートが反論。それに対して、反論出来無いリヴェ。
「じゃあ、会員割引でも導入するかな。今度の会議で提案してみるよ。商会の経営はランスロットにまかせているから」
僕は工房の方で手一杯なので、ランスロット達に商会の方はまかせていた。
「師匠の温もり~♪」
強制的に自分の耳を触らせたレフィーヤは、この時間帯は甘えん坊モードになっている。僕の背中に抱きつき、頬を重ねている。最初のうちはリヴェと険悪であったが、徐々に敵では無いと判断したのか、鎮静化してきた。
「なぁ、恋人枠、婚約者枠が空いたんだろ?」
ティオナが訊いてきた。僕が枠を作った訳では無い。しかし、彼女はその空枠を狙っているようだった。
「はぁ?ティオナじゃ無理だ。パワー重視ではジムを満足させられないからな」
リヴェもレフィーヤも狙っている。そして、風俗店通いのフィンを尻目に、装備が欲しいティオネも狙っていたりする。
「ジムに、そういう枠は不要です。娘がいるんですから」
アイズが牽制をしている。いや、娘はそういう立場では無いと思うのだけど…家族らしい家族がいなかった、シルとアイズには理解出来無いのかもしれない。いや、僕だって、家族がいないから不確かではある。なので家族関係の知識は、アスフィからの受け売りである。
昼休みの時間が終わり、ロキ・ファミリアの皆さんは、ホームへと帰って行った。遠征に向けた準備があるらしい。
午後の仕事を再開して、間もない頃、フィルヴィルがやって来た。
「依頼があるんだけど…受けてくれる?」
「内容しだいだよ」
「一緒に潜って欲しいんだけど」
「どこまで?」
「深層…」
「ごめん。僕は18階までしか潜れないんだ」
「聞いたわ。だから、ヘルメス・ファミリアも一緒よ」
「51階?」
「ヘルメス・ファミリアはそうみたい。私は階数にこだわらない。謎の術者の痕跡を探したいの」
あぁ、遠隔でモンスターを使うヤツか。アイツは、僕も探したい。でも、消滅の危険が伴うので、やりたくない。
「報酬は?」
「私の身体。申し分ないでしょ♪」
「そう来たか…それはダメだって」
「なんで?」
僕に抱きついて来たフィルヴィル。う~ん…
「主神に相談してみてください」
「え?ジムに決裁権無いの?」
「無いです」
渋々、アストレア様の部屋に向かうフィルヴィル。危険を退避する意味で、こういう場合は、アストレアに判断を仰いでいる。で、結論は拒否だそうだ。
しかし、ウラノスが依頼を受けた為、結局、受ける羽目になった僕…
ヘルメス・ファミリアのホームで、団長会議が開かれた。参加メンバーはアスフィ、フィルヴィル、僕、そしてシャクティ。
「なんで?ジムがいるの?やっぱり受けてくれるの?」
フィルヴィルは喜んでいる。
「ジムでは無く、ウラノス・ファミリアの団長ナイトとして、参加する」
「ウラノス・ファミリア?」
説明すると面倒なので、スルーして、本題に入って貰う。
「ロキ・ファミリアには架空の依頼を出した。囮として、遠征してもらう」
アスフィが切り出した。囮?
「たぶん、狙って来ると思う。なので、ナイトは、隠密ガードして。調査はうちとフィルヴィルでやる。シャクティの方は、バックアップ」
「調査?そっちの方がガードした方が良くないか?」
「黒拳と黒猫を出して」
あぁ、そういうことか。裏の仕事なんだね。
「ちょっと…裏稼業の者に頼むの?」
フィルヴィルがアスフィに喰い付いた。
「ウラノス・ファミリアって、そういうファミリアなの。他では手を染めたくない案件ばかりを扱っている、この街の裏の者達よ」
はっとして、僕の方を見るフィルヴィル。
「じゃ、僕は疾風と動けば良いんだな、アスフィ?」
「そういうことよ、ナイト。今度こそ、捉えるわよ」
「手立てはあるのか?僕は次は無いぞ」
「わかっている。でもね、あんなのがいたら、ロキ・ファミリアくらいしか潜れなくなるの」
それは一理有る。フレイヤの処も潜れるだろうけど、収集クエストというより、討伐クエスト向きだしな。ガネーシャの処も収集クエストはあまりしないだろうし。
「わかった。手立ては考える。アレ以外なら、どんな手でもいいか?」
「アレって?」
一人意味を知らないフィルヴィルが訊いてきた。
「最終手段だ、フィルヴィル」
僕が答えた。
「アレ以外でお願い…」
アスフィは涙目で頼んできた。シャクティは、何かに耐えるように俯いている。
「被害はデカくてもいいか?」
「どうするの?」
「床を5階層抜く。それでも探査できなければ、更に5階層…」
「被害はデカくなりそうね…でも、上の階層って事は無いの?」
「いや、下だよ。根っこは下にある。あれがアンテナのように成っている気がするんだ」
「それはあり得るわね…わかった。ヘルメス様に報告して、それで良いか確認を取ってみる」
「シャクティは、僕の2階層上で待機してくれ。1階層上だと振動が伝わるかも知れないから」
「わかったわ」
消えそうな声で彼女が了承した。
「アスフィはどう調査するんだ?」
「18階層の痕跡を調べる。何か起きれば、すぐに向かうようにする…だから、使わないでね、ジ…いえ、ナイト」
僕のことを、ジムと言いそうになったアスフィ。ジムとして、この案件は関わりたくない。消えるならナイトとして消えたいから。