※この作品はR-18です。

ラスボスになりたい~   作:もっち~!

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5章 逆襲 準備編
目覚め


 

---フレイ---

 

目が覚めると、知らない場所にいた。知らない男性が二人、僕を護るように位置していた。

 

「おぉ、目が醒めたか?どうだ、久しぶりのシャバは?」

 

久しぶり?はて?彼の言葉に戸惑っていると、

 

「お前、嵌められたんだよ。英雄だった神にさぁ…」

 

えっ?あの英雄って神になったのか?

 

「アズって賢者がいただろ?アイツはあのヤローの腹心で、現在は魔王だ。あと、アイリスってお前の仲間は、あのヤローの妹だ」

 

アイリスが…まさか…だって…

 

「記憶を書き換えていたから、誰にもわからなかったんだ。いや、アイリス本人も、フレイの仲間だと、覚醒するまで信じていたようだ」

 

なんで…

 

「英雄は魔王を倒せば神になれるんだ。で、魔王がいなくなれば、他の者が魔王になる。要するに、お前は英雄の糧だったんだ」

 

そんな…

 

「そうだ…ハーちゃんは?」

 

「お前の知っているハーデスはもういない。お前がやられて、アイツも…不老属性をはずされて、肉体は朽ちて、精神は病んで…お前の知っている面影は無い」

 

なんで、そんなことに…

 

「フレイ、お前の憎むべき相手の名前は、アイシルだ。アイリスの兄のアイシルなんだ」

 

アイシル…

 

「でも、神じゃ…」

 

「大丈夫だ。フレイも僕達も『神殺し』だ。神を殺せるぞ♪」

 

神殺し…

 

「あぁ、自己紹介がまだだったな。僕は魔導戦士のシュウ。で、相棒は龍騎士のファルコンだ。君がアイシルを討てるように協力してあげるよ。本当に、クソ神だな」

 

魔導戦士と龍騎士?僕は…

 

「フレイか?魔王としての力はアズが抜き取った。神としての力はアイシルが抜き取った。お前に残っているのは、殺戮者である本能と、護りたい者を護るガーディアンとしての治癒能力だけだ」

 

殺戮者?治癒能力…

 

「まぁ、わからないことだらけだろうな」

 

わからないことだらけだ。昔もそうだったけど…こうして、助け出された僕は、彼らと共に旅することになった。アイツを倒す為に。

 

-------

 

僕の身体が満足に動くまで、しばらく時間を要した。しかし、彼らは何者なんだろうか?

 

「僕達か?君の母親に頼まれた、通りすがりの女好きと戦闘好きだよ」

 

僕の母親?

 

「そうそう、これを渡しておく」

 

シュウさんから、見覚えのあるガントレットを受け取った。装着して、収納されているナイフ2振りを取りだしてみた。2本共、刃こぼれも無く、手入れがされていた。

 

「随分と傷んでいたから、研ぎ直しておいた」

 

「ヘファイストス母さんは?」

 

ガントレットとナイフ2振りを作ってくれた育ての母親のことが心配だった。

 

「彼女は、僕達で確保してある。無事だよ。産みの両親はダメだった。ヘファイストスを逃がす為に、囮になったり、戦ったようだ」

 

そうか…ヘルメス父さんとフレイア母さんは、ダメだったのか…

 

「これからどうしますか?」

 

気を取り直して、シュウさんに訊いてみた。

 

「まず、ここから脱出しないとな」

 

そういえば、ここはどこ?

 

「ここは」

 

「冥府の最深部、コキュートスの最下層だ。お前は、ここに封印されていたんだ。アイツらにはお前を殺したり、消したりする能力が無いから。見かけ倒しの神と魔王だよ」

 

冥府?じゃ、ハーちゃんに逢える?

 

「ハーデスか?う~ん…止めた方が良いぞ。アイツはお前を護る為に、ここに封印したんだからな」

 

僕を護る為に、封印?

 

「アイシル達に渡せば、二度と逢えなくなるから…だから、手元で封印をしたんだ」

 

身に刺さる冷たい風が吹き始めた。

 

「フレイ…なんで…」

 

聞き覚えがある声がした。声を主を見ると、フードとマントを羽織った骸骨だった。

 

「あなた達は誰?なんで封印を破ったの?」

 

骸骨なので表情がわからないけど、声から判断すると困惑しているようだ。

 

「そろそろ、アイシルの遊びの時間を終わらせようと思ってな」

 

シュウさんが骸骨に言った。

 

「終わらせる?相手は神なのよ!どうやって?」

 

「その為に、僕達が来たんだよ、ハーデス♪」

 

ハーデス?あの骸骨がハーちゃんなのか?骸骨は骨だけだった。見た目では、性別すら分からない状態である。

 

「だから、あなた達は誰?」

 

「『神殺し』の魔導戦士と龍騎士だけど」

 

骸骨が後ずさりした気がする。

 

「あ、あ、あなた達が…」

 

「証拠か?う~ん、何かあったかな?なぁ、ファルコン」

 

「証拠ですか?そうですね…あぁ、初代ハーデスを宿している刀は?」

 

「あぁ、アレか」

 

シュウさんは禍々しいオーラを放つ刀を手にして、鞘から抜いた。

 

「それは…妖刀村正…じゃ、あなたが女性の敵と言われているエロ神?」

 

なんか、ずいぶんな言われ方のシュウさん。うん?エロ神?

 

「そうだよ♪」

 

シュウさんが何かの術を発動すると、骸骨が悶え始めた。

 

「やめてぇぇぇぇ~!骨だけの身体で、この感覚は有り得ないわぁぁぁぁ~!」

 

「じゃ。肉付けもしておくか?」

 

更に何かの術を発動すると、骸骨が光の粒子に包まれて…光の粒子が霧散すると、僕の知っているハーちゃんより、成長している女性が現れた。

 

「あぁ、肉体が…あっ!」

 

急にその場に崩れ落ちた女性。

 

「久しぶりの刺激で、達するのが早いなぁ…」

 

床に倒れている女性と交わるシュウさん。

 

「うんうん、失神した女性の膣は実に気持ちが良い♪」

 

「フレイ、シュウさんは性癖の破綻したエスプレイヤーだ。あんなのは日常茶飯事だぞ。慣れておけ」

 

って、ファルコンさん。いや、慣れておけって…どういうことだ?暫くすると、女性が息を吹き返したのか、蠢き始めた。

 

「え?失神しているのに、交わるって…でも、久しぶり…って、フレイの前で何をしてくれているの!」

 

「毒味役だよ。不感症だと、フレイがつまらないだろ?だから、感度チェックだよ」

 

目の前で5ラウンドくらいプレイして、ようやく接合を解いた。

 

「フレイに…遊び人って思われたらどうしてくれるのよ~!」

 

「そんな風に思わないよ。そうだろ、フレイ?」

 

シュウさんに訊かれた。

 

「ねぇ、ハーちゃんなの?」

 

僕の疑問を女性にぶつけた。小さく頷く女性。

 

「ハーちゃん…」

 

僕は女性に駆け寄り、抱きついた。

 

「フレイ…ごめんね…護りきれなかったよ…」

 

ハーちゃんも僕を抱き締めてくれている。

 

--------

 

シュウさんに服を創造してもらい、着衣をしたハーちゃん。

 

「で、どうするの?」

 

ハーちゃんが訊いてきた。

 

「アイシルを倒す。問題は僕達が倒すのではなく、フレイが倒さないとダメなことかな」

 

「僕が?」

 

「そうなんだよ。フレイが倒さないと、能力が元に戻らないんだよ。攻撃力無いクセに、頭はキレるようでね、幾重にも罠を張っているんだよ」

 

罠?

 

「アイツとアズだけを倒せば終わる訳では無いんだ。倒し順番があるんだ。じゃないと、囚われている魂が解放されない。例えば、アイリスとかティオ、オナ、オネの魂がさぁ」

 

アイツの仲間じゃないの?

 

「単純に言えば、そうなんだけど…実際には違う。フレイを想う心を伴った魂を抜き取られて、アイツのことを想う心にすり替えた魂を入れられているんだ。だって、アイリスは、お前の姉の魂だろ?元々はさぁ」

 

あぁ、そういえば…

 

「だから、アイツを倒す前に、囚われている魂と身体を、取り戻すことが大事だ」

 

「魂はどこに囚われているんですか?」

 

「身体とは別の場所だ。魂の方は問題は無い。僕のチートな能力で呼び出せるし♪」

 

チートな能力?

 

「シュウさんはネクロマンサーでもあるんだよ。だから、招魂術が使えるんだよ」

 

って、ファルコンさんが、教えてくれた。いや、口に出していないのになんで?

 

「あぁ、僕達は読心術を持っている。だから、口に出さないでも会話は出来るんだ♪」

 

それはチートですね…

 

「まず、居場所がわかっているアイリスだな。首都のシールズタウンにいるらしいぞ」

 

「アイシルは?」

 

「アイツは天上界だ。なので、アイツは手出ししてこない」

 

--------

 

僕が封印されている間に、世界システムは大きく変わったそうだ。

 

アマゾネスという種族を改良して、英雄資質がある受精卵だけ男にして、そうでない場合は総てアマゾネスになるらしい。その際、近親交配を防ぐ為に、父親の遺伝子はアマゾネスとして産まれる子供には、遺伝しないらしい。アマゾネスと交われるのは、神と英雄だけという法律も有るそうだ。

 

他の種族の場合、16歳まではいままで通り生活できるが、16歳になると選抜試験という物が義務づけられているそうだ。これは、英雄になりうる能力、資質のある男女は、英雄養成施設に送られ、そうでない男は労働力にされ、女は神と英雄に気に入られた者は、英雄施設で囲われて、そうでない女は牧場へと送られて、子作りが仕事になるそうだ。

 

神と英雄だけが優遇されるシステムになっているんだとか。

 

そして、働けない、子供が作れない者は、魔物化されて、英雄達の練習教材にされる。こうして、この世界は、アイシルによってコントロールされているらしい。

 

神と魔王が仲間同士な為、優秀な英雄、悪魔を選抜するため、年に2回、英雄軍団と悪魔軍団でリアル戦争ごっこをするそうだ。主目的は神と魔王が、殺し合いを見て楽しむ為であり、参加者達は殺した数を競い合うんだとか。悪趣味過ぎるだろう…

 

---------

 

「フレイのリハビリが終わったら、リアル戦争ごっこに乱入する♪目標は参加者全員を殲滅だよ~ん」

 

嬉しそうに話すシュウさん。しかし、その目は笑っておらず、怒りに満ちあふれているようだった。

 

 

 

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