※この作品はR-18です。

ラスボスになりたい~   作:もっち~!

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6章 逆襲 解放編
決着


 

---フレイ---

 

「何?アイリスが…」

 

部下からの報告に狼狽えるアイシル。

 

「どうやって…この私の能力を上回るヤツが、存在するはずが無いのに!」

 

「それは誤算だったなぁ♪」

 

団長が、アイシルに声を掛けた。

 

「貴様ら…何?何で…ファルコン、ジム、フレイ…有り得ない!お前らは、死んだはずだろに…」

 

「あれあれ?ファルコンも、ジムも、フレイも不死属性だぞ。死ぬ訳無いだろ?英雄アイシルと維持神を兼務して、頭が腐ったのか?なぁ、ロキ♪」

 

「お前…『神殺し』…死んだはずだろ…」

 

「うん?おいおい、魂の無い僕が死ぬ訳無いだろ?何を言っているんだ、このクソ神族は♪」

 

ついに決戦の場に辿り着けた僕達。この世界の過去に行き、シル姉ちゃんとアイズ姉ちゃんを回収したことにより、この時点の二人は消滅したのだった。シュウさんに言わせると、過去に行って、殺すのはダメだけど、本人の同意の上の同化吸収は問題無いらしい。そのことは神族であるアイシルは知らないそうだ。

 

「お前…おい!アイツらを殺せ!」

 

アイシル配下の英雄、勇者が僕達に迫ってきた。しかし、

 

『ダイヤモンドダスト』

 

シュウさんの魔法で一瞬にミンチ状態と成り消え去った。

 

「お前…」

 

アイシルの身体が変化していく。光に包まれて、アイツから、神々しいオーラが放たれて来た。

 

「うわぁぁぁぁ~」

 

アズが燃えていく。魔王であるアズにとって神々しいオーラは劇薬だった。

 

「何?何で、お前らは燃えないのだ?!」

 

「ラスボスだからじゃないの?ラスボスはそんなに簡単に死なないよ♪」

 

『わが剣よ!ここへ!』

 

ジムさんが詠唱をすると、アイシルから何かが抜け出して、ジムさんの手に握られた。

 

「返して貰うぞ♪英雄の証である、聖剣エクスカリバーを」

 

あれが、英雄の証なんだ…

 

「フレイ、剣を手にしろ!」

 

シュウさんから指示が飛んできた。

 

『わが剣よ!ここへ!』

 

僕が詠唱をすると、またもアイシルから何かが抜け出して、僕の手に握られた。僕が僕で有る証、レーヴァティンだ。

 

「おい、アイシルよ。英雄の証と魔王の証を抜かれた気分はどうだ♪」

 

「貴様ら…許さぬ!」

 

アイシルは、姿をまた変えた。今度は、炎を纏った巨人になった。

 

「あれがアイツの本来だ。フレイ、ジム、アイツを屠れ!」

 

僕とジムさんは頷くことをせず、直ぐに飛び出した。レーヴァティンで斬りつけると、炎を纏っているはずなのに、燃えていくアイシル。

 

「ファルコン、アイリスを助けてこい」

 

「ありがとうございます」

 

ファルコンさんは、部屋の隅で倒れているアイリスの元に向かった。

 

「おい!俺を殺せば地上の者達も死ぬぞ!」

 

「だから、何だ?この世界のアカシックレコードは、お前の魂をロストさせた後にリセットする」

 

「貴様にそんな権限は無いだろうが!この兵器風情が!」

 

「あれから、僕は進化しているんだ。大いなる意志から魂を貰い…愛しき者達の想いを受け止めてな」

 

『わが愛しき者達よ 我に力を 与え給え!』

 

シュウさんの周囲に龍と鬼が現れ、シュウさんと同化していく。

 

『鬼龍同化!』

 

シュウさんの姿も変化していく。鬼の身体にドラゴンの翼を展開している。

 

『2柱1対!』

 

更に黄金色の3つの輪っかを頭に浮かべ、ドラゴンの翼の後ろに黄金色の翼を展開した。

 

「おい…やめろ!そんなことしたら、お前もどうにかなるぞ!」

 

アイシルが動揺している。

 

「僕なんか、どうなってもいい。僕の意志はファルコン達が継いでくれるからな!」

 

『神鳥化!』

 

シュウさんは…黄金色の鳥になった。そして、

 

「フレイ、ジム!アイツの魂を2つの剣で斬り裂け!」

 

そう言い残し、アイシルにツッコミ、アイシルの身体を引き裂いた。その瞬間。黄金色だった体表が紫煙になっていく。

 

アイシルのきり裂かれた割れ目から、光輝く玉が現れた。僕とジムさんは、その玉を同時に十字に切り込みを入れた。

 

紫煙は人型になり、手には初代ハーデスが宿る村正を手にしていた。紫人は、村正で、4分割されたアイシルの魂を、刃先に触れさせていく。アイシルの魂は紫煙になり、霧散していった。

 

次の瞬間、僕、ジムさん、ファルコンさん、アイリスは別の場所に転移していた。

 

-------

 

棺にはシュウさんが横たわっていた。

 

「総ての能力を使い切った馬鹿な弟の成れの果てよ」

 

棺に抱きついて居る女性がそう言った。

 

「綾香様…」

 

ファルコンさんが、その女性、綾香様に声を掛けた。

 

「大丈夫…しばらく永眠していれば、起きるわよ。エネルギーキレだし…たぶん、あの世界のアカシックレコードが再起動すれば、目覚めるわよ」

 

僕達は、シュウさんが目覚めるまで、ここにいないとダメらしい。シュウさんがいないと、僕達はいないことになるそうだ。

 

「綾香様…我々をシュウ様の親衛隊に任命してください」

 

ファルコンさんが、綾香様に提案をした。

 

「彼がいたから我々がいるんです。あの時の護る心が我々を生み出したのかもしれません」

 

あの時…シュウさんがシュウさんで無かった時…あの時、僕は…あぁ、思い出した…そうだ、死の間際に『神殺し』の放った一粒の希望…それが僕だった。『人札』、『鍵』などの能力を受け継いだんだ。僕は彼で有り、彼は彼だった。

 

「思い出したようね…フレイ…」

 

綾香様に声を掛けられた。

 

「彼から始まり、あなたで終わったのよ…悪神達の作り上げた悪夢は…これからは、あなた達のやり残したことをしなさい。彼が目覚めたらね…」

 

僕達は棺の中で、永眠している人物に視線を移した。

 

(完)

 

 

 

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