※この作品はR-18です。

ラスボスになりたい~   作:もっち~!

8 / 69
記憶の欠片~仲間達との出逢い*

---ファルコン---

 

 

 

兎に角、アイズから離れなきゃと思い、森の中を迷走し、山の中を迷走して、また、迷子状態に陥る。いや、迷子という言葉は正しくないか。そもそも、僕はどこに向かい、どこに行こうとしているのか、定かでは無いのだから。

 

迷い込んだ森の雰囲気が、どこかおかしい。空気が揺らめいているように見える。何かの結界かな?何者かの罠かな?などと考えながら、揺らめいていない箇所を歩いて行くと、山里に出た。ここはどこだ?

 

侵入者である僕は、里の者に囲まれてしまう。

 

「お前は何者だ?結界が張ってあっただろう?」

 

里の者達の耳は特徴的なものだった。

 

「ここって、ハイエルフの隠れ里ですか?すみません…道に迷いました」

 

警戒を解かないハイエルフ達。

 

「お主…聖騎士か?」

 

長老らしき、年老いたハイエルフに声を掛けられた。

 

「はい…敗走して…天界への帰り方を模索しています」

 

僕の言葉に怪訝な顔の長老らしきハイエルフ。

 

「敗走?いつの話だ?」

 

「赤いドラゴンと白いドラゴンの制圧です。大怪我を負った者を看取っていて、帰るのが遅くなりました」

 

っと、ほとんど事実の話をする。

 

「お主の名前は?」

 

「ファルコンです」

 

僕の名前を聞いて、近くにいたハイエルフ達の顔が驚いているようだ。

 

「もしかして、元龍騎士のか?」

 

「そうです。あれ?なんで知っているんですか?」

 

僕は、ハイエルフの若者達に囲まれて、大きな屋敷に連れ込まれた。

 

「楽にしてください。あなたの話は伝説になっております」

 

って…え?伝説?あれからどの位経ったのだろうか?

 

「伝説って…あれから、どの位経ったのですか?僕は『不老不死』の呪いを掛けられて永遠の20歳なんです」

 

「呪いですか…それは災難でしたね。あれから、もう3000年位は経っているかと思います」

 

えぇ~、そんなに…悪魔の世界に堕とされた年数が、分からなかったからなぁ。

 

「で、どうすれば、天界に帰れるのですか?方法を教えてください」

 

僕は長老らしきハイエルフに頭を下げた。

 

「あぁ、頭を上げてください。あなたは悪くないんですから。悪いのは…」

 

最後の単語を飲み込む長老らしきハイエルフ。悪いのは神々っていうことかな?言葉に出せないってことは。

 

「まぁ、神々に2度殺されたようなものです。紅白ドラゴンの制圧に、援軍を出す約束を反故にしましたからね」

 

「あれは、酷い話ですな。敗走してきた聖騎士やバルキリー達が、各地に恨み言を書いて残して、後世に伝えています」

 

あぁ、そうなんだ。アイズとアイリスと暮らしている間は、世捨て人生活だったからな。

 

「ここから、少し離れた場所に、オラリオという街があります。そこの街は天界から降臨した神々が治めている街だそうです。そこに行かれてはいかがでしょうか?」

 

少し若いハイエルフの女性が、教えてくれた。

 

「じゃ、案内してくれるかな?」

 

僕が立ち上がろうとすると、

 

「今夜はこの里にお泊まりください。オラリオに向かえるように結界を構築し直しますので。リヴェリア、ファルコン殿のお世話をして差し上げなさい」

 

先程の女性が命じられたようで、頭を下げていた。

 

僕は、彼女の案内で、離れの小屋に連れて行ってもらった。彼女は、僕の為の食事を運んでくれ、僕が食べ終わるまで、そばに寄り添ってくれていた。

 

「私も一緒にオラリオに行っても良いですか?」

 

リヴェリアが訊いてきた。

 

「長老の許可は?」

 

「まだです」

 

暗い表情で俯く彼女。

 

「ハイエルフだと、長老の許可無く、行動は出来無いだろ?」

 

「そうですが…外の世界に行きたくて…」

 

「まだ、未熟だと判断されてのことだろう。もっと、魔術に磨きを掛けてからでも、遅くはないと思う。まだ若いんだからさぁ」

 

「私が強い戦士になったら、一緒に旅をしてくれますか?」

 

なんか、アイズみたいな展開に…もしかして、『魅了』スキルのせいかな?

 

「優しい戦士になってください。みんなを護れる戦士にね」

 

「えっ…」

 

「回復系の魔術を覚えてください。僕はそれを持っていなかったので、護りたい者を護れなかったです」

 

アイリスのことを思いだしたら、涙が…

 

「ファルコン様は、優しい戦士なんですね」

 

僕の胸に顔を埋めるリヴェリア。

 

「そんなことはないと思います」

 

彼女は僕の手を取り、自分の耳を僕の指でなぞっていく。うん?エルフ系の耳って…

 

「これで、契約しましたよ。ファルコン様。私はあなたの者です♪」

 

うっ…しまった…警戒しないと行けない行為じゃないか。エルフ系の女性の耳って、添い遂げる者しか触ってはいけない大事な部分であるのだ。なので、耳を触るという行為は、ヒューマンで言う処の交わりの行為と同じ意味を持つのであった。

 

「ねぇ、一緒につれて行ってください♪」

 

大人しそうに見えたけど、こいつ、結構やんちゃ系なのか?

 

「強くて良い女性になったら、隣で戦ってくれるかな?今はまだダメだよ」

 

「わかりました。いつか、ファルコン様が納得できる女性になって、お側で戦えるようになります♪」

 

触耳という行為をしたせいで、リヴェリアの行動は大胆になっていく。全裸になり、僕と身体を合わせてきた。白く透き通るような肌…吸い付くような皮膚…柔らかくて気持ちの良い肉付き。エルフ系が性の玩具にされる理由を知った気がした。これは、病み付きになりそうだ。

 

せめて、肉体的な交わりを避けようとしていたのだが、彼女は僕のを手に取り、自分の中に取り込んでいった。彼女の体内は暖かく、とても気持ちが良い。疲れが消えていくような感覚でリラックスできる。まるで、温泉に浸かっているような感じである。

 

「気持ち良いですか?」

 

「とっても…」

 

「再会したら、もっと気持ち良くなってもらいます。だから…」

 

「優しい戦士…回復の出来る戦士になってくれる?」

 

僕の口を自分の口で塞いで、舌を入れてきた。柔らかいしなやかで…意識が遠のいて行く。

気が付くと、リヴェリアとは添い寝をして、朝を迎えた。僕達は肉体的仁繋がったままで、朝を迎えていた。二人でお風呂に入り、旅立ちの準備をしていく。

 

そして、森を抜ける為に、リヴェリアに案内してもらい、抜けた後の道のりを教えてもらった。森を抜け、リヴェリアと見つめ合う僕。リヴェリアは僕の首に手を回し、軽い口づけをして、

 

「必ず、長老の許可を取って、オラリオに行きます。その時はお願いします♪」

 

と言われた。

 

「わかった。約束だ。じゃ、元気でな、リヴェリア♪」

 

僕は、オラリオに向けて歩き出した。

 

-------

 

オラリオの街は賑やかだった。街の中心にはとても高い塔が建っているし。さて、どこへ行けば、知り合いに会えるんだろうか?

 

僕が装着している純白の鎧は目立つらしく、色々な者がファミリアへの入団を誘っている。が、ファミリアというものが分からない僕は、全てお断りをした。

 

取り敢えず、あの目立つ塔に向かって歩きだす。そんな僕に声を掛けてきた者がいた。姿は分からないが、念話のような物で話しかけているようだ。

 

「ウラノス様の遣いです。一緒に来ていただけませんか?」

 

ウラノス?あぁ、石碑を建立してくれた神かぁ。僕は声の主の道案内に基づき、ウラノスの居る場所へと誘導してもらった。ウラノスは、ギルドという、この街の総合案内所の地下に住んでいた。

 

「ファルコン…久しぶりだな」

 

少し老いたように見えるウラノス。

 

「あぁ…なんで援軍を送り出してくれなかったんだ?」

 

怪訝な顔をするウラノス。

 

「なんの話だ?」

 

「紅白ドラゴンの制圧の件だ。なぜ、神々は援軍を送り出してくれなかったんだ?」

 

「私は、その件には関わっていない」

 

「では、誰が嵌めたんだ?」

 

「すまない…また、神々がお前に迷惑を掛けたんだな?」

 

「すまないではすまない。目の前で仲間が喰われたんだぞ!目の前で、満足の治療が出来ないで、仲間が死んだんだぞ!お前ら、神々は、他の生物を軽くみていないか?」

 

「すまない」

 

本当に申し訳なさそうに言うウラノス。こいつを責めてもしょうがないか。

 

「僕はどうすれば良い?」

 

「この街で生きないか?」

 

ウラノスの申し出は意外だった。天界に戻れと言われるかと思っていたから。

 

「そうだ。ファミリアってなんだ?この街に入ってから、入団しないかって、勧誘が凄いんだけどさ」

 

ウラノスに、この街の仕組み、ルールを教えてもらった。

 

「眷属チームか…今更、神々の下僕は嫌だな。入団しなくても、気のあった仲間と潜れるのか?」

 

「ファルコンには特別に許可を出す。この街で好きに生きろ。お前の無茶ぶりは、私がフォローする。但し、犯罪などの法は犯すなよ」

 

「あぁ、しないよ。で、どこに住めば良いかな?仕事も探さないと…」

 

 

僕はウラノスの古い友人のファミリアに居候した。そこのミア・グランドというドワーフの女性に気に入られて、色々な場所に護衛と称して連れて行かれた。

 

「ミア…僕はポーターではないんだけど…」

 

買い物に連れて行かれると、必ず荷物持ちにされるのはお約束。

 

「体力勝負だぞ、冒険者ってもんはな」

 

------

 

ミアの目を盗んで、遊びに出た。18階まで潜って帰ってきたばかりで、お小遣いも多少あるので、飲み歩きをしてみた。あるお店で、ヘルメスという男神と意気投合して、朝まで飲んだ。

 

「え?あの『女神喰い』なのか…凄い…」

 

目が輝いているヘルメス。

 

「凄くないよ。呪いが掛かっているせいで、魅了されなかっただけだし」

 

「『不老不死』っていう呪いはキツそうだな…永遠の20歳ってどうですか?」

 

「好きな女性と共に、年輪が刻めないのは哀しいかな…不死だから、後から追えないしなぁ」

 

「それは辛いですよね。俺達神も寿命って物があるけど、まぁ永遠に近い寿命ですよ」

 

「どの神が掛けた呪いか分からないから、解けないし…困ったよ」

 

「それはそうと、俺のファミリアに入りませんか?」

 

「ごめん…僕は神に縛られたくないんだ…」

 

僕の言葉を受けて、ヘルメスは申し訳無さそうな顔をした。

 

「そうでしたね。すみません。俺達神々のせいで、人生を潰したんですからね。でも、俺との友情は一夜限りにしないでくれますか?」

 

「もちろんだよ。神の全てが悪い訳ではないし。それよりも、フレイヤとイシュタルの居場所ってわかるかな?一応、知らせておきたいんだよ」

 

「ファルコンは目立つから、俺が知らせてきますよ。街中で魅了されまくっても困るし」

 

「あぁ、そうだった。『魅了』スキルがダダ漏れなのは困るな。対策がありそうだったら、教えてくれる?」

 

「もちろんです♪」

 

 

------

 

ミアのポーターをしているときに、懐かしいオーラを感じた。

 

「ミア、ここは誰のホーム?」

 

「ここはアストレア・ファミリアのホームだ。優しい主神様だけど、乗り換える気か?」

 

「乗り換えるも何も、僕は入団していないし」

 

「あぁ、そうだったな。居候だったな。なんで、居候なんだ?」

 

「神々に縛られるのが嫌だからです」

 

「そうか」

 

訳有りとみるや、ミアは話題を変えてくれた。

 

------

 

後日、僕はアストレア・ファミリアの門をくぐり、アストレア様に面会を求めた。アストレア様も僕の放つオーラに心当たりがあったようで、すぐに打ち解けて話せた。

 

「そうか…生き返ったんだね。で、元龍騎士さんは名前は何て言うのですか?」

 

「ファルコンと言います。あんな事があったので、神々に縛られたくないので、ファミリアへの入団は拒否しています」

 

「そっか。入団しなくて良いから、たまにヘルプで子供達と潜って貰えるかな♪」

 

「いいですよ。居候しているファミリアと予定が合わない時は、一緒にお願いします」

 

こうして、僕はアリーゼ、リュー達とも潜ることになった。

 

 

それに伴って、僕は覚えたいことが出来た。ウラノスの部屋に行き、必要な書物を借りた。回復系などの遠征に必要と思える魔法を覚えることにしたのだ。龍騎士時代、聖騎士時代にも魔法を覚えたのが、攻撃魔法が主で、回復系も簡単な物だけしかマスターしていなかった。アイリスのような大きな怪我には対応できないのは、この先つらいから。

 

魔法自体を覚えるのは、割と順調だったのだが、魔力の上限が少なく、高位魔法などの魔力をたくさん使う物は、覚えたけど発動は無理みたいだった。これには僕もがっかり…

 

 

------

 

アストレア・ファミリアは街の治安維持に、貢献しているそうで、僕もパトロールに参加することが増えていった。これに関して、居候していた主神は、別に反対もせず、協力してあげてくれてって感じだった。ウラノスの意向でもあるらしい。

 

ガレキが多い、荒れた地域をパトロールしている時、アイツを見つけた。弱そうなヤツからカツアゲをしているようだ。

 

「おい、そこのクソガキ!何しているんだ?」

 

「なんだ?お前、俺に指図するんじゃねぇ」

 

って、僕の胸倉を掴もうとしたので、手首を捻り、地面にひれ伏しさせた。

 

「なんだって?さっきまでの勢いはどうしたんだ?クソガキ!」

 

手首を捻られ、肩を極められて、動けないクソガキ!

 

「俺はクソガキじゃない…ベート・ローガだ」

 

「ベートか。クソガキに名前を変えたら?なんで、こんなつまんないマネをしているんだ?」

 

「はぁ?仕事はないし、金もないからだ」

 

怠け者、荒くれ者のセリフだな。

 

「働き口を探してやるから、働く気はないか?」

 

「仕事による」

 

「殺し合いなんだが、どうかな?お前は弱いから、直ぐに殺されるかな?」

 

「お、俺は弱くない…」

 

強がるベートをひきづって、3階くらいまで連れて行った。

 

「なら、強さを見せてみろ!」

 

ゴブリン達の前に置き、僕は後ろで見物をする。

 

「おい、モンスター相手なんて聞いていないぞ」

 

声が裏返ったようなベートの声。

 

「弱い者から金をふんだくるなら、ここでモンスター相手に、力を使え」

 

ケンカは出来ても、戦闘の基本がダメダメのようで、殺されかかるベートを、僕は助けた。

 

「この程度の敵に、殺されかかるなよ、クソガキ!」

 

元の場所まで連れて行き、ベートに小遣いを渡した。

 

「手持ちにそれしかない、まぁ、2,3日分くらいの飯は食えるだろ?もう、馬鹿なマネはやめろ。働く気ができたら、連絡をくれ」

 

「なぁ、お前の名前は?どこに行けば会えるんだ?」

 

「僕はファルコンだ。ヘルメス・ファミリアに行けば、連絡が取れると思う」

 

僕は、その場を後にした。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。