「……ここに永きに渡る戦いの終結を宣言する!」
華琳の力強い宣言の後、戦場の各所で歓喜に満ちた声が爆発した。
これで戦いは終わるんだ―――――
俺たちは生き残ったんだ―――――
そんな沿い命力にあふれた歓喜の叫び―――――
その声に呼応するように、天空が蒼く蒼く輝きを見せる
蒼天の世が来たことを祝うように―――――
◇◆◇◆◇◆
「ふう……」
戦いが終わった後、三国同盟を祝う大宴会が行われていた。
俺は賑やかな雰囲気から抜け出し、城壁の上からその光景を見ている所だった。
「終わった……んだなぁ……」
考えるのは今までの事
「ははっ…、いろいろあったもんな」
華琳達と初めて会った時や初めての戦い
色んなことを思い出し、一人でしんみりしていると
「……こんな所にいたの?」
「ん…? あぁ、華琳か。どうしたんだよ大陸連合の立役者が」
「まったく、桃香があんなに酒癖が悪いなんて知らなかったわ。
抱き付いてきて…、勝手に胸を触ろうとしてくるのよ?」
「いつも華琳がやってる事だろ?」
春蘭や秋蘭の胸なんて、しょっちゅう一方的に触ってたくせに
「私が触るのはいいけど、触られるのはイヤなのよ」
「……どこまでも自分主義じゃないとダメなのか」
「当たり前でしょう。私は王よ?」
「でも、劉備だって王だろ?」
「……むぅ」
目の前の、ほんのり頬をふくらませながら染める王に問いかける
「まぁそんな事より……こらからどうすろつもりなんだ?」
「そうね……まず、数日は……で…もど……」
―――――
――――
―――
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「んんっ……」
まぶしい朝日を感じて、目を覚ます
「はは…、なんだか懐かしい夢を見たなぁ」
あの世界から戻り、数年過ぎていた。
それまで片時も大切な人たちのことは忘れなかった。
しかし、夢にまで見る事はあまりなかったんだけどなぁ……
(やっぱり…)
「”ここ”に戻ってきたから…かな?」
そう、俺は時代は違うけれどこの地に戻ってきた。
戻ってきて暫くは悲しみ、落ち込み、ひどかったもんだ。
でも、華琳の夢を思い出し『このままじゃ”また”会った時に呆れられる』と思い
それからはじいちゃんとの修行の日々だった。
その修行はとても辛く厳しく大変な日々だったけど……
華琳や秋蘭、春蘭達のことを考え絶え続けた。
でもやはり、そのとき一番驚いたのはあの事だろう
「まさか、じいちゃんがなぁ……」
それはフランシスカ学園を卒業し、そろそろ修行の旅に行こうかと迷っているときだった。
「のう一刀よ、すこしいいかの」
「ん? じいちゃん、ちょっとまってね」
そう言って、こちらに戻ってきてから日課だった素振りを止めじいちゃんのところに向かう
「で?、なんか話でもあるの?」
「うむ…、一刀よお主… 家を出ようと考えておるな?」
「っ… ははっ…じいちゃんにはわかっちゃうよね
うん、俺そろそろ修行の旅に行こうと思ってるんだ。」
「それは、今も変わらず"あの時代"に行きたいからかの?」
「…あぁ、それもあるけど……。一番は華琳達に会いたいから」
じいちゃんにはこの世界で戻ってきてからあの時の事をすべて話した。
戻ってきた当初、こちらの世界では数日しか経っていなかったが
じいちゃんにはなにか察知したらしく、話せと言われたのだ。
あの世界の事、名だたる武将が女の子になっていた事、真名という大事な物がある事
そしてそこで愛し、愛され、そんな愛しい人達を置いてきてしまった事
気づいたら俺は、泣きながらじいちゃんに話していたんだ。
「…そうか、気持ちは変わらずなんじゃな」
「あぁ 幾年幾万過ぎようと、俺は絶対あの地へ行くよ」
「一刀よ、お主は強いの…。ならば、ワシはお前に話さなければいけない事があるのじゃ」
「話? なんかあったの?」
「一刀よ、お主は三国志の世界に渡ったな? ワシはな…、"戦国の世"に渡った事があるのじゃ」
「え?! まさか、じいちゃんも?!」
じいちゃんから聞いた話は俺とほぼまったく同じ状況だった。
俺と同じ歳ぐらいの時、ある日突然戦国の世に飛ばされたそうだ。
気づいたら目の前には美人の女の人がいて、名を「島津 貴久-しまづ たかひさ-」
そう、かの有名な薩摩守護大名、島津家15代目当主その人だったそうだ。
じいちゃんは落ちた時、自分の名前を忘れていたらしく貴久さんに連られるまま島津家に行き
その流れで何故かそのまま島津家へ養子になり、やはり女の人であった義姉にあたる「島津 義久-しまづ よしひさ-」さんに紹介され
名前を忘れたじいちゃんに、後に有名になる「島津 義弘-しまづ よしひろ-」と
数々の武勲を挙げた名武将、"鬼島津"の名前をもらったのだ。
それからはほぼ歴史通りらしく
祁答院・入来院・蒲生・菱刈らの連合軍と戦った岩剣城の戦いを初陣に
飫肥城の戦い、肝付氏との戦い、伊東義祐と戦った木崎原の戦いなど
それ以降名前を世に知らしめた根白坂の戦いでは秀吉とも刃を交えたらしい
(ちなみに豊臣 秀吉も女の子だったそうだ)
根白坂の戦いでは、じいちゃん自ら先陣きって奮戦したが島津家の血を残すということで夫婦になった義久さんを人質に取られ
二人の間にできた久保というなの子供も取られ、歴史通りに負けてしまったらしい
(この時、戦う姿に惚れ秀吉に言い寄られることになるらしいがそれは割愛する)
それ以降も歴史通り、秀吉に頼まれ朝鮮へ渡海。
敵将の元均を倒したり、南原城の戦いなど
ここからじいちゃんは鬼島津と恐れられるようになる
そして、じいちゃんは最後の戦いを関ヶ原だったと語っていた。
関ヶ原の戦いではいろいろなことが起こり、敗戦になってしまうが奇策である「捨て奸」を使い
井伊直政、本多忠勝、松平忠吉などの追っ手から逃げきり
そのときの退却戦を「島津の退き口」と言われるようになった。
そこからは関ヶ原で傷を負い、その怪我がなかなか癒えずそのまま隠居
息子や娘、配下であるもの達に武術を教えていったそうだ。
しかしやはりその傷のせいでじいちゃんは亡くなった……のだが
気づくと体には包帯が巻かれ、枕元には綺麗な美少女が
それこそが、俺のばあちゃんであったのだ。
「これが、ワシが昔体験したことじゃ」
「……そうか、だから俺の話もわかってくれたんだね」
「うむ、ワシはそれ以降あの世界に戻ろうと思ったことはない」
「っ…、奥さんに、義久さんに会いたくなかったの?」
「会いたかった…」
「ならっ!」
「会いたかったが!!」
そのときのじいちゃんは、今まで見たこともないぐらい顔をしかめていて
今にも泣きそうな表情を浮かべていた。
あの鬼島津と呼ばれていたじいちゃんではなく、愛しい家族に会えない悲しみを心の奥にしまい込んだ
そんな顔だった。
「っ!」
「会いたかったが、何よりも怖かったのじゃ…。もしあの世界に行けたとして、それはワシが倒れたあとか?
ちがうとして。義久はワシをわかるのか? 敵としてしか会えなかったら? 無理じゃ、ワシは元部下も家族も切れん」
「……」
「のう一刀よ、おぬしならどうする? 自分の愛したものが再びあの世界で出会ったとき
"自分を知らなかったら"」
「……」
「ワシはな、それが怖くて行けなかった。探せなかった。
何よりそのときにはばあさんを愛していた そこであの世界に行ってしまったら、義久に『愛する人を置いてくるとは何事か!』と怒られてしまうわい」
当時のことを思い出したんだろう、すこし顔を綻ばせるがどこか悲しげもある顔だった。
そんなじいちゃんに、俺は伝えた
「…でも」
「ん?なんじゃ?」
俺もあの世界の事を思い出しながら伝える。
俺の近くにいた、みんなの笑顔。時に笑い、時に泣き、みんなで過ごしてきた。
なによりも、あの覇道を突き進んだ小さな王様の背中を、心を守ってあげないと崩れてしまう
「…でも俺は、みんなに会いたいし触れたい。俺も考えたんだ、もう一度いけるとして本当に俺の知る華琳なのかって」
「…そうか、一刀よ、もう一度聞く。おぬしならどうする?」
「俺は…。俺は、近くにいたならもう一度好きになってもらう。もし敵になったなら、手加減なんてしない
それこそしたら華琳達に怒られる」
俺は、決意した目をじいちゃんに向ける
戻ってきたみんなの事を考えて、覇王の隣にいた物として答えたのだ。
「…切れるのか?」
「切るさ、でも殺さないよ。できることをすべて出し切って、自分が傷つこうが助けれるなら助ける」
「…くく、そうか。やはり一刀は強いのう。ならば、ワシがお前に戦う術を教えよう」
「じいちゃん…、ありがとう」
「一刀よ、笑ってたれるのも今のうちじゃぞ? ワシはかの有名な"鬼島津"じゃ、ビシビシ鍛えるからの」
じいちゃんは、それはもう愉快そうに笑いながら、ゆっくり立ちだし
道場にある真剣をもちだしたのだ。
「え」
「さぁ、いくぞ!」
「ちょ、まっ!」
―――――
――――
―――
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「はっ?! あぶない、余計なことまで思い出すところだった……」
未だ背筋が震える修行を思い出しそうになり、あわてて思考を戻すのだった。
そんなこともあり、すこし遅れたが修行の旅にでてようやくこの場所に来たのだ
見渡す景色は、昔みた懐かしい風景に似ていて
深呼吸して吸った空気もまた懐かしい感じがした。
俺がやって来たのは中国の名山とも言われている廬山、その山麓にいるのだ。
中国には幾多の仙人がいるが、俺はここに住むとされていた「董奉」という人物がきになった。
悪質な病気や、死人まで生き返らせたといこの仙人
こういう仙人ならば力になってくれそうなものでもないものかとここへやってきたのだ。
そして等々、山頂付近に到達したそこには東林寺という寺があった
「ここがうわさの場所か…」
それこそ、些細なうわさだったかも知れないが
ここには仙人が力を込め、願いを叶えてくれるという銅鏡があるらしい
俺は、藁にもすがる気持ちで少々危険を冒しながらもここへこれた。
そして俺は身長に歩を進め、中に入ることにした
中は何年も放置されている筈なのに、埃一つ無く
年月で寺自体が風化し始めたために、ところどころある隙間から日の光がおち
幻想的な雰囲気をかもし出していた。
そして、その建物の中央
そこに祭壇らしきものがあり、そのすこし窪んだ中央にお目当ての銅鏡が飾られていた。
「あれか…、なんて力が篭っている鏡なんだ…」
じいちゃんとの修行で、気をいうものを使えるようになり
そしてその力を感じれるようになったのだが、あの鏡からは単純な力などといってはいけないほどの
輝きを放つものが纏わりついているのだ。
「…あれな、もしかしたら」
触れてみようとした、その時
《汝、鏡に触れようとする者よ》
「っ?!」
どこからとも無く、声が聞こえた。
「まさか、あなたは仙人である董奉様ですか?」
《いかにも、私はそう呼ばれておる。鏡を触れる者よ、汝はなぜ触れる?》
そうきかれ、俺は自分の気持ちをすべて話したのだ
ある世界に飛ばされたこと、そこは自力ではいけないこと、もう一度行くために力を付けこの場所までこれたこと
そして、愛する人に会いたいことを
《世界を越え愛するものを守る物よ、その気持ちを込め鏡に触れるがよい》
「っ、ありがとうございます!」
俺は思いを込めながらその銅鏡へ手を触れる
すると、まばゆい光が回りに溢れ
目も開けてられないほどの光に飲み込まれていくのだった
体で分かるのだ、あの世界に向かっている感覚を
その途中、ふっと声が聞こえた。
《一刀殿、よく戻られた。今あの世界は悪い物に巻き込まれている。どうか、どうかあなたの愛する人たちを助けてあげてほしい》
(い…まの…は…)
《すぐ戻してあげたかったが、それをできなかった私達を許してくれ。もう一度名乗ろう、私の名は董奉
神仙伝が一人董奉だ。再びあの外史での活躍をこの地で見ている、がんばりたまえ》
そんな暖かい言葉を背に、俺の意識は落ちていくのだった。
◇◆◇◆◇◆
皆様、お久しぶりの方はお久しぶりです
初めての方は初めまして
梅干しと申します、以後お見知りおきを
このたび、再び恋姫で新しいものを書かせていただきました。
もう一方のほうは、いろいろ諸事情がありまだしばらくは続きをかけそうにありません
申し訳ないです
久しぶりな上に、今回の話は少し説明口調っぽいかもしれませんね
次からは気をつけよう・・・
この後の展開ですが、いろいろ考えておりましてよければアンケートを取らせてもらえたらなーと思います
1.魏√:華琳達と出会う前に戻る、今回は武将として使え活躍?する感じ
2.呉√:戻ってきた世界は、孫堅がまだ生きている時代 客将として雇われ戦う
3.蜀√:目を覚ますと知らない部屋の天井で…、そこは「劉 玄徳」の家だった
4.袁√:気づくと深い森の中で、悲鳴が聞こえ向かうとそこには「袁 本初」が賊に襲われていた1
5.新√:そこは生い茂る山の中、なんとか降りた村は黄巾党に襲われていて二人のはわわ少女とあわわ少女を助ける
こんな感じです、よろしければご協力いただければ幸いです
ちなみに、どの√でもオリキャラは出すつもりです
では長くなりましたが、今後ともよろしくお願いします