どうぞ
湯船の中でレティシアの足と足の間にスッポリと収まるように座っているペスト。
「さ。それじゃあお願い」
「はぁ。……わかった」
レティシアはペストの脇下から手を伸ばし、慎ましい胸に掌を重ね、揉み始める。
ぎゅっ、ぎゅっ。
「……」
「……」
ぎゅっ、ぎゅっ。
「……あの、レティシア?」
「?何だ?」
「そんな機械的に揉まれても、気持ち良くも何ともないんだけど、これって本当に意味あるのかしら?」
「さぁな。さっきも言っただろ。噂に聞いただけで、眉唾物だと」
「それはそうだけど。コレなら自分で揉んでも同じじゃない?ていうか、ちゃんと揉んでる?何か掴まれてるって感じがするんだけど」
「一応、揉んでいるつもりなんだが。それに他人の胸を揉んだことなどないからな。やり方がわからん」
会話をしている最中もレティシアは、一応揉む手を休ますことはない。
「……その言い方だと、自分のはよく揉んでるって解釈にも取られかねないけど?」
「ん?……まぁ私も一応女だからな。昔は、人並みにそういうこともしていたさ」
「へぇ意外ね。貴女はそういうことにはまるで興味ないと思ってたけど」
滅多に聞くことのできないレティシアの昔話&下トークに、ペストは少しばかり興味を示す。
「そんなことはない。吸血鬼といえど私も生きているからな。生物の三大欲求には敵わないさ」
「……性欲があるのによく他人の胸を、そんな風に機械的に揉めるわね」
「これはあくまでもバストアップのためのマッサージだと思っているからな。性的な考えはないさ」
そういう言いながら機械的胸部マッサージを続けるレティシア。
「あっそ。それより、さっきの話。レティシアほどの美人だもの。昔は男どもを侍らせて、イケイケだったの?」
「いや。私が長を務めていた箱庭の騎士は女所帯だったからな。残念ながら男性経験はないのだよ。あくまでも、自分で慰めていたという話だ」
「……驚いた。メイド服を着て鏡の前ではしゃぐ姿を見られたら、首まで真っ赤にするくせに、何でそんな話は普通に話せるのよ」
「あ、あのことはもう忘れてくれ!……私だって見られれば恥ずかしいさ。それにこの話をするのも、全く恥ずかしくないというわけでもないぞ?ただ、所詮は昔話だからな」
「じゃあ、最近になってからの1人でしてる姿を見られたり、知られたりするのは、恥ずかしいの?」
「そ、そんなものは当たり前だろう!」
「あ、やっぱり今もしてるんじゃない」
「っっ!!」
箱庭の騎士、痛恨のミス。
「昔は人並みに~なんて言っておきながら、今もやることやってんじゃない」
ペストはいいことを聞いたとばかりに、振り向きながら含みのある笑みを浮かべる。
「う、うううるさい!そんな顔でこっちを見るな!」
レティシアはペストの胸から手を離し、紅くなった自分の顔を隠そうとする。
「あ、ちょっと、揉むの止めないでよ」
「お前がおかしなことを言うからだろう!」
「何もおかしなことなんて言ってないわ。ただレティシアが今でも自分の部屋ではオナニーをしてるって勝手に墓穴を掘ったんじゃない」
「ハッキリと言うな!」
「そんなことより、早く続きしてよ」
「そ、そんなこととはなんだ!そんなこととは!……全く」
渋々、マッサージを続けるレティシア。それに対しペストはまだ顔だけレティシアの方を向けながら、ニヤニヤしている。
「大人の姿で真っ赤になってるレティシアも素敵よ」
「……」
ぎゅーーーーーーーー。
「っ!イタイイタイイタイっ!」
ペストの胸が強引に握られる。握れるほど大きくもないのに。
「ちょっ、レティシア!ゴメンナサイっ!痛いから離してお願いっ!」
レティシアは握っていた胸をパッと離す。
ペストは手が離れたとたん、バシャバシャと大きな水音をたてながら、自分の胸を押さえつつレティシアから離れる。
「あー、いったー。……ちょっと、何するのよ」
「ふんっ、自業自得だ。他人をからかうのもいい加減にしろっ」
「……はぁ、まぁ今回は私が悪かったわ。ゴメンナサイ。じゃあ続きをお願い」
「……まだやるのか?」
「うーん……あ、じゃあ今度はレティシアが1人でするときみたいに揉んでみてよ」
ゴウッとレティシアの影が龍の形に変わる。
「ちょっ、タンマタンマ!別に今のはからかったわけじゃなくて、ちゃんと理由があるの!」
「……理由だと?」
「ええ。そもそも、なんで揉むだけで胸が大きくなるのか。加えて、何で自分じゃなくて他人に揉まれる必要があるのかを考えてみたの」
「ほう。それで?」
「考えられる理由としては、女性ホルモンが関係してるんじゃないかしら」
ペストは先程まで揉まれながらも、そしてレティシアをからかいながらも、いろいろと考えていたのだ。
「自分じゃなく他人に揉ませるのは、そっちの方がより興奮しやすく、興奮するということは女性ホルモンが活発になるということ。そして、刺激が与えられている胸へと女性ホルモンが流れていくため、胸が大きくなる。というのが私の推理よ」
「ふむ、なるほど」
「でも、さっきのレティシアの揉み方じゃあ、気持ち良くないし興奮もしない」
「揉んで胸を大きくするには、ただのマッサージではなく、相手を気持ち良くさせなければならないということか」
「ええ。それなら、貴女がいつも自分にやってて気持ち良いと思う揉み方をしてくれれば、私も気持ち良くなり胸も大きくなるんじゃないかしら」
「い、いつもはしてないぞ!ほんのたまにだけだ!」
「今それはいいのよ。とにかく、それでやってみて」
ペストは再び、さっきのポジションへと戻る。
「……はぁ、仕方ないな」
何かペストがえっちぃことに耐性ありすぎな気もしますが気にしないで下さい。
次回はちょっと百合百合しくなります。どうぞお楽しみに。
感想お待ちしております。