どうぞ
「飛鳥ー、入ってきていいよー」
「……へ?」
絶頂に達し、ドアの前の廊下で座り込んでいる飛鳥に部屋の中から耀の声がする。
「……アレ?飛鳥大丈夫?」
「」
少しだけ開いていたドアがキーっと開いていき、そこにはさっきまで絶賛自慰中だった春日部耀がいる。ズボンもしっかりとはいており、服装の乱れもなく、いつもと同じ様な雰囲気で立っている。
飛鳥は何も言えず、真っ赤な顔で驚いた様に目を見開き、口をパクパクさせている。
「飛鳥、ホントに大丈夫?」
「な、なななな、何で、春日部さん!?」
「うん。春日部さんだよ」
いや、そうではなく。と言おうとするが耀の言葉に遮られる。
「とにかく、そこじゃ誰に見られるかわかんないし、中に入ろ?」
「あ、いや、でも今……」
「あ、もしかして腰抜けちゃってる?確かに飛鳥、気持ち良さそうだったもんね」
「な、ななななな」
「じゃあ、ちょっと失礼するね」
耀はそういうと、真っ赤な顔で壊れかけの機械のようになっている飛鳥をお姫様だっこの要領で抱えて、部屋の中へと連れていく。
耀は飛鳥をベッドの上に降ろすと再びドアの方へ向かい、今度はちゃんとドアを閉め鍵をかける。
(え?鍵?……というか、このベッド……濡れてる)
飛鳥はさっきまでのはやはり夢でも幻でもなかったんだと認識させられ、頭に先程の光景がフラッシュバックし、さらに顔が熱くなる。
「飛鳥。そこの濡れてるとこ触られるのは、流石にちょっと恥ずかしいかな」
「っ!ご、ごめんなさいっ」
無意識のうちに耀の愛液で濡れたベッドの部分を撫でていた飛鳥は、耀の一言で跳び跳ねるようにして手を退かす。
「さて、まず飛鳥。見たよね?」
「な、何をかしら?」
「ナニをだよ」
ボッと飛鳥の顔が紅くなる。
「ま、わかってたからいいんだけどね」
「わ、わかってた?」
「うん。匂いと足音で飛鳥が近づいてくるのも、ドアの前で部屋を覗いてるのもわかってたよ」
「なっ……」
確かに、彼女のギフト″ゲノムツリー″なら、飛鳥の気配や匂いを認識できるはずだ。
「な、ならなぜ気づいた時点で止めなかったの?」
そう聞くと突然、耀が真剣な顔になる。
「……飛鳥。実は飛鳥に、んーん、誰にも言ったことのない秘密があるんだ」
急に真面目なトーンになる耀に、飛鳥は少し心配する。
(もしかして、誰にも言えない悩みとかがあるのかしら?そのせいで溜まったストレスを自分を慰めて解消してるとか。それも、私が見ているとわかってても止められないぐらい追い詰められているということかしら?もしそうなら、友人としてそこまで追い詰められているのに気づかなかった私にも責任があるわ)
飛鳥は友人思いの良い娘なのである。
「わかったわ。何でも話してちょうだい。春日部さん、あなたの1番の友人として、相談に乗るわ」
飛鳥は自信満々に胸を張り、それでも優しい声で耀に語りかける。
「ありがとう飛鳥。実は、実は私……、」
「ええ」
「誰かに見られてるかもって思いながらオナニーをすると、凄く興奮するんだ」
「」
「……」
「」
(へ、変態だーーーーー!)
「……飛鳥?」
「か、返しなさい!私の心配を返して!」
「え?何が?」
はぁ~~~。と大きな溜め息をつく飛鳥。
(よもや、そんな変態的相談だとは夢にも思わなかったわ。これ1発くらい叩いても文句ないわよね?)
「って、あれ?ならドアが少し開いていたのは……」
「うん。わざとだよ」
(変態だーーーーー!)
「春日部さん!貴女、いつもそんなことをしているの!?」
「い、いつもじゃないよ。たまにだけ。それに昼間にやったのは初めて」
呆れた。まさか、同じコミュニティのそれも親友だと思っていた彼女がこんな変態だったとは。
「十六夜くんとかに見られたらどうするつもりだったのよ。それにノーネームには子供たちもいるんだし」
「さっきも言ったけど、ちゃんと足音と匂いで誰か判断してるから大丈夫だよ。流石に十六夜やジンに見られるのは恥ずかしいし」
「まったく。全然大丈夫じゃないわよ」
飛鳥は呆れすぎて、ついこめかみを押さえてしまう。
「でも飛鳥だって、見てないふりすればよかったのに、私の見ながらオナニーしてたよね?」
「うっ……」
「飛鳥に見られてるだけでも凄く興奮したのに、途中から飛鳥からもエッチな匂いがしてくるんだもん。あの時はヤバかった」
「だ、黙りなさい!あの時は私もおかしくなってたのよ!」
「うん。興奮してたんだよね?」
「う~」
「でも、飛鳥が初めてでよかったよ。あれは止められないね」
「誤解されるような言い方しないで!それともうあんなことは止めなさい!」
恥ずかしすぎるのを誤魔化すようについ大きな声が出てしまう。
「ある意味誤解でもないと思うけど。それとあの興奮を覚えちゃったらもう止めるのは無理だよ」
「そ、そもそも自慰っていうのは1人でひっそりとするものでしょう!?そんなの間違ってるわ!」
「あ、やっぱり飛鳥も自分の部屋ではやってるんだね」
「~~~~っ!」
熱くなって、つい墓穴を掘ってしまう。
「次はいつやろっかなー。黒ウサギとかが見たらどうなるんだろうね」
飛鳥は、そんな耀の言葉を俯きながら聞き、プルプルと震えている。
「ねぇ、飛鳥?」
「春日部さん!」
耀の言葉に被さるように名前を呼ぶ飛鳥。
その顔は真っ赤に染まり、羞恥に耐えている。
「あ、はい。何?」
「よく聞いて春日部さん。もうあんなことしちゃ駄目」
「えー、でも」
「その代わり!」
またも被せる飛鳥。
「その代わりに、私がいつでも、その、春日部さんのそういうの見てあげるから……」
真っ赤になりだんだんと弱くなっていく飛鳥の言葉を聞くと、耀は驚くどころかニヤリとした笑顔を飛鳥に見せる。
「……その言葉、待ってました」
「へ?」
いかがでしたでしょうか。耀の変態性癖の暴露回でした。
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