お久しぶりです。
新章です。
では、どうぞ
第1話
ノーネーム本拠地。まだ子供たちは寝ている早朝、春日部耀はとある人物を探していた。
「……うーん。いつもならこの時間には起きてるはずだから書庫にいると思ったんだけどな。……あ、田園かな?」
今のノーネームは少しずつではあるが、確実に魔王に襲われる前のコミュニティに戻りつつある。田園もその1つであり、耀が探している人もよく子供たちと一緒に作業をしている。
「……うん。行ってみる価値はあるかな」
耀は今いる場所から少し離れた田園に向かうことにした。
田園には目的の人物ではなく、メイド組の3人が田園の手入れをしていた。
「……ん?耀ではないか。随分と早いな。おはよう」
メイド長のレティシアが初めに耀に気付き、話しかけてくる。
「うん。おはよう。ちょっとジンに用があって探してたんだけど、ここにもいなかったか」
「……ジンならあのヘンテコ男と一緒に書庫じゃないの?」
ペストが欠伸をしながら眠そうに言ってくる。
「私もそう思ったんだけどいなかった。だから食堂とか、こことか、ジンのいそうな場所を探してるんだけど……」
「……それなら、自分の部屋にいるんじゃないのか?」
「あ」
白雪姫の一言に耀はその発想はなかったと言わんばかりの顔になる。
「え?なに?ジンの部屋は行ってないの?普通最初に行くでしょ」
「……いつもならもう起きてる時間だったから、無意識に選択肢から外してたんだもん」
ペストに指摘され、少し拗ねたように言い訳をする耀。
「いいわ。私もジンと少し話したいことがあったから、一緒に行きましょ。いいでしょ?レティシア」
「ああ。もう作業はほとんど済んでいるからな。構わん」
レティシアの許可を得ると、ペストは屋敷の方に歩いていった。
「ほら、早く行くわよ」
「あ、待ってペスト」
ジンの部屋の前
「ジン。私、耀。起きてる?」
耀がドアをノックしながら部屋の中に呼び掛ける。
しかし、中からは何の反応もない。
「……まだ寝てるのかな?それとも、起きてもう部屋にはいないか」
「そんなの開けて確かめればいいでしょ?」
「いや、鍵はかかってると思うけど……」
ガチャ
「……開いた」
「……開いたわね。入りましょ」
ペストは何の躊躇いもなく、部屋の中に入っていく。
耀もその後に続いて入る。
ジンの部屋には耀は1度だけ入ったことがある。室内はその時とあまり変わっておらず、相変わらずの本の量である。
耀は部屋の至るところに本が積み上げられているのを見ながら、ベットに向かっていく。
「……あれ?やっぱりいないみたい。ペスト、もう1度食堂に行ってみようか」
ベッドはもぬけの殻だった。
ベッドに軽く触れてみる。人が寝ていたような温度は感じられない。少なくとも起きて1時間以上はたっている。そもそもベッドでは寝ていない可能性も考えられる。そのくらい、ベッドには皺の1つもない。
「……耀。いたわよ、ジン」
「へ?どこに?」
「そこ」
ペストが指差した先は、机が置いてある場所だった。そこには椅子に座り、机に被さるように寝ているジンの姿があった。
「なんだ、机で寝ちゃったんだね」
そう言い、耀とペストが机で寝ているジンに近づいていく。
しかし、ペストがジンを起こすため肩に触れようとしたその瞬間、ペストの動きがまるで時間そのものが止まったかのように止まった。
いきなり動きを止めたペストに何事かと思った耀は、ペストの顔を覗き込む。
そこには、信じられないものを見たような、そんな驚愕の顔で止まってしまっているペストの顔があった。
耀は一体何があったのかとペストの目線を辿ってみる。
すると、その目線はある1点に辿り着いた。
「」
耀の動きもそこで止まってしまった。
「……耀。ジンって確か、まだ11歳よね?」
「……うん。だったと、思う」
何とか少し回復した2人は下手に物音をたてるわけにもいかず、その場所は動かずに小さな声で話を始めた。
「……こ、こういうのって、どうなの?」
「……どうなのと聞かれても困る。その、別に私も詳しい訳じゃないし。ていうか、そういうことなら、ペストの方が何百年と現世とかさ迷ってたんだから、知ってるんじゃないの?」
「なっ、知ってるわけないでしょ。私は現世で漂ってたときは、肉体とかなかったんだから」
「そ、それもそっか。で、でも私もまだ14だし……」
耀とペストが依然小さな声で少し言い争いをする。
「ていうかっ、何でジンはベッドじゃなく机で……」
「きっと初めは普通に本を読んでたんだと思うよ。ほら、机の上に神話の本が開かれてるし」
「なら、何で鍵をしてなかったのっ」
「初めはそんなつもりなかったんだよ。きっと」
ペストの疑問に耀が推測で答えていく。
「もうっ。本当に考えられないっ。どうしてくれるのよっ」
「そんなこと、私に言われても困る」
「だいたい、何で貴女はそんなに冷静なのよっ」
「こうみえても、結構動揺してる。……初めて見るし」
「そんなの私もよっ」
そして、2人同時に溜め息をつく。
「ここで私たちが言い争っても仕方がない。一旦現状を把握しよう」
耀がそう言うと、2人はもう1度確認のために寝ているジンのある1点を見つめる。
そこには……
「……ジン。昨日の晩は、お、オナニーしながら寝ちゃったんだね」
ジンのズボンのチャックから飛び出している肉棒が、ジンの右手に握られていた。
今回はガールズラブではない感じです。
次回もお楽しみに
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