※この作品はR-18です。

ダラダラしているが、時にやる気になる悪魔   作:現代のイッセー

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第33話

やっほー、トレインだ。

はてさて、いま俺はなにしているのかというとだな。俺は追っている。全速力で。森?林?どちらでもいいが、多分神社の敷地に入ってるんだろう。多少力が入らないがそれでも十分追いつける速さはある。さて、なにを追っているかだがな、それは―――――

 

 

「待ちやがれええぇぇぇっ!!」

 

 

 

「くぅぅんっ!」

 

 

 

子狐を追っている。うまく木を避けながら逃げ惑う子狐は、後ろを振り返る度に悲鳴をあげていた。なぜ追っているのか?いつもなら獣くらい無視しているんだけど、この子狐は色々な意味で無視できなくなった。

一つ、何かしらの力がこの狐にはあるから。

二つ、これがなにより大事だ。それはだな?

 

 

 

「俺の大福食ってんじゃねええぇぇぇぞおおおおぉぉぉっ!!あれは一日20個しか発売されない超貴重な食べ物なんだあああぁぁぁっ!!貴様はそれをおおおおぉぉぉぉぉっ!!!」

 

 

 

「・・・くぅぅんっ!」

 

 

 

なぜこうなったのか回想してみようか。どうぞ。

 

 

 

   ★   ★   ★   ★   ★

 

 

 

ここは時の庭園。リビング的な場所に俺たちはいた。ちょうどみんな朝食を食べ終わったみたいで、昨日そういえば温泉のことを詳しく話してなかったから、どうしようか聞いてみることにする。

 

 

 

「それで?温泉にはいつ行くんだ?」

 

 

 

「ええっと、私たちは基本的に暇人ですけど・・・今週の土曜日でいいと思うんですけどどうでしょうか?」

 

 

 

フェイトはみんなの顔をみながら聞いた。確かに俺たちはほとんどニートといっても過言ではない。どこから金が出てくるのか不思議なくらいだ。内職でもやっているのか?

 

 

 

「別に私は土曜でもかまわないわよ?というよりいつでもいいけどね?」

 

 

 

「私もかまいません。やることといっても掃除と料理と開発くらいですし」

 

 

 

「アリシアもいいよ!」

 

 

 

満場一致で土曜日になった。移動手段としては、バス・・・ではなく、俺が車を借りて運転することになった。一応免許書はあるにはあるが、この世界で獲ったものではなく、あっちの世界で獲ったものだ。なので、こちらの世界に通用するかどうか・・・。絶対に無理だろうがな。

 

 

 

「じゃあ決まりだな。土曜の7時までに俺とフェイトが住んでるマンションに来てくれ」

 

 

 

「わかったわ」

 

 

 

「わかりました」

 

 

 

「うん!」

 

 

 

話は終わり俺たちは皿をキッチンに置き、リニスは皿洗い、プレシアは温泉の準備、アリシアとフェイトは二人で遊ぶらしい。俺はリニスの手伝いをしようと思ったのだが、旦那様はゆっくりしててくださいと笑顔で言われた。こいつはなにを言ってるんだ?と思ったが、わかったと言っておいた。

 

 

 

それで特にやることもなくなってしまったので、今日こそは絶対にあの店の大福を食べてやると意気込み、ダッシュで目的の物が売ってある店に向かった。

天気はいつものように太陽は俺に暑い光線を放ってきている。だが、その太陽の攻撃を無視して店についたんだが、すでに限定の大福目的のお客様が19人ならんでいる。今日こそは食すことができるとわくわくして並んだ。

ならんでいるのは女性のみで俺しか男はいなかったが、決して寂しかったわけではないからな!

 

 

 

「ふっふっふ・・・。やっと・・・やっと買えたぞおおおおおおおっ!!」

 

 

 

何週間も前からたまに並んでついにこれを買えた・・・。どれほど待ち侘びたか・・・。でも、神社前を通らないといけないとはなんてところに店を建てたんだ。なんて、不快な気分に陥りそうだったが、おいしい大福を食べて気分をあげよう。

 

 

 

「それじゃあ、いただきm」

 

 

 

~♪~♪~♪~

 

 

 

いざ口に大福を入れようとしたそのとき俺のポケットから着信が入った。誰だ俺の至福の時を邪魔する奴は?と不機嫌になりながら、画面を見てみると月村忍という文字が目に入った。忍からだと?一体なんのようだ?

 

 

 

「もしもし?どうした?」

 

 

 

「も~しも~し?あのねぇ、トレイン?」

 

 

 

俺がいかにもいまは不機嫌だと言わんばかりに声を低く喋ったのにも関わらず、忍は甘ったるい声でしゃべる。その声を聞いて背筋が凍る。そして、下手なことは言うな、下手に刺激したら俺の人生は詰むと本能が語りかけてくる。

 

 

 

「な、なんだい?い、いま少し忙しいんだけどさ?」

 

 

 

「ふ~ん?2週間という休暇はとっくに過ぎてるんだけどぉ、どういうことかなぁ?」

 

 

 

「あ、い、いえそれは・・・ん?」

 

 

 

忍の声にガクブルしていると、足元に子狐が寄ってきていた。目線を追ってみたら俺の手、つまり大福が欲しいようだ。大福を見て食べさせてと顔を近づかせてくる。その愛くるしい目を見た9割の者はなんでもあげてしまうだろう。そう、9割はね?

 

 

 

「かわいいやつだな。でも、お前にはこの大福はやんねぇよ!」

 

 

 

子狐は前足を俺の体にやって支えて無理やり立つ状態になった。大福をくれと目線で語っているが断固として拒否。なぜ、苦労してやらねばならん。これがほしいなら大福屋に行って並べばいいだろうが。俺はそんな動物愛護精神は持ち合わせていないからな。つか、なんだろうか?こいつにはなにか変わった力があるようだが。まあ、俺には関係ないか。

 

 

 

「もしもし?聴いてる?」

 

 

 

「ああ、聞いてるよ。それで・・・なんだと!?」

 

 

 

子狐の存在を無視して忍との話に戻ろうとしたら、子狐は強行手段に移ったようだ。なにをしたのかというと、目の前で子狐がジャンプしたのだ。大福目掛けて。まさかジャンプするとは思わなかったが、冷静に大福を少し横にずらして食われないようにした。ふ、まだまだこいつは甘いな。

とか、思いながらドヤ顔を子狐に見せてやったが、体を回転させ大福を持っている手を攻撃。

 

 

 

「くっ、やるな・・・なんとでもいうとでも思ったか!ぶはっ!?」

 

 

 

手に攻撃かと思われた子狐の狙いは実は、俺の顔に尻尾を当てることだったようだ。なんだ、この狐は!思った以上にやるじゃないか・・・。あれ?俺の右手にある感触がない?ま、まさかな・・・と目を背きたい衝動にかけられるが、勇気をだして手を見てみると、楽しみにしていた大福が綺麗さっぱり消えていた。

 

 

 

「もしもし!?聴いてるの!?」

 

 

 

「・・・・・・・もしもし。少し野暮用ができた。後でかけ直す」

 

 

 

電話を切り、目つきを鋭くして子狐を見る。視界に入ったのはさきほどまで俺の手にあったはずの大福がどんどん子狐の口に入っていく。今日の夜ご飯は狐鍋だなと献立を決めて、食事が終わった子狐はケフッと可愛らしいゲップを出した瞬間に走り出した。

 

 

 

「このクソ狐がああああああああああっ!!」

 

 

 

「くぅんっ!?」

 

 

 

そして現在に至るわけだ。

 

 

 

「この・・・走りながらどんぐりとか飛ばしながら逃げるとは、こいつ頭良すぎだろ!」

 

 

 

さっきから器用に木の実をこちらにぶつけてくる。全然ダメージとかはないのだがうざったくてしかたない。木もうまい具合に障害物になっていてこれのせいもあってなかなか子狐に仕返しができない。腹立たしくてしかたない。しかも神社の敷地内のせいで、力もあまりはいらん。くそ。人間だったらこんなハンデなんてないのに。この時だけ人間になりてーな。

 

 

 

子狐によって発射される木の実は顔に当たるやつ以外は避けず、走っていく。徐々に距離が近づいていき、数分後、森?を抜けた子狐は箒を持って葉っぱをかき集めている少女の後ろに隠れた。突然飛び出してきた俺たちにびっくりして体を強張って固まっている。

 

 

 

「くぅぅん・・・」

 

 

 

「やぁぁっとおとなしくなったか。ちっ、ほら、さっさとこっちこいや」

 

 

 

いまの俺のポジションはチンピラ役だろう。このままいくと主人公みたいなやつが登場してこの子たちを守るといったラブコメ展開が繰り広げられるんだろうが世の中そんな甘くない。というか、そんな展開は望んでいるわけではない。できれば、いや、絶対来て欲しくない。

 

 

 

「え?え?だ、ダメです!!久遠をいじめないでください!!」

 

 

 

そう言って巫女服をきた少女は子狐をかばうように抱く。つか、その子狐名前あったんだ。だが、いまはそんなことはどうでもいい。

 

 

 

「いじめる?はっ、しらんな。そいつはやっちゃならないことをした。だから、そいつを渡せ」

 

 

 

はやくと手を広げて少女の前に出すが、嫌です!と久遠という子狐をギュッと抱きしめ拒まれる。

 

 

 

「なんであなたに久遠を渡さないといけないんですか?」

 

 

 

「そいつはな、今日やっと買えた個数限定の大福をこいつに奪われたんだぞ!?そんなの許せるわけないだろうが!!」

 

 

 

なんともしょぼい理由だろうか。普通の人ならそんなことで怒るなとか、また買えばいいだろう等といってくること請け合いだ。だが、これだけは譲れないのだ。

 

 

 

「・・・代金は払いますのでどうかそれで・・・」

 

 

 

「そんなので許すわけ・・・」

 

 

 

うるうると瞳を潤ませて久遠の代わりに謝ってくる少女になんか怒りが消失していく。こんな顔されたら許すしかなくなるだろうが。俺はやる気が削がれたというような溜息を落とした。

 

 

 

「もういいや。君に免じて許してやるよ・・・」

 

 

 

「ありがとうございます!」

 

 

 

「くぅんっ!」

 

 

 

俺は肩を落としながら言うと、少女は眩しい笑顔でお礼を言って図々しく久遠は俺の足に引っ付いて懐いてくる。なんだこいつは?許してやったらこれか?馴れ馴れしすぎてちょっと、いや、かなりイラっとくるんだが一発殴ってもバチは当たらんよな?

 

 

 

「久遠がそんなに懐くなんてすごいです・・・」

 

 

 

少女はなんか久遠の行動にびっくりしているようだ。

 

 

 

「なにがだ?」

 

 

 

「久遠は人見知りなところがあるんです。だけどあんなことがあったあなたにこんなに懐くなんて・・・」

 

 

 

なるほど、久遠という動物は自分より格上はなにもしないが、格下には、つまり、初対面のはずの俺にはジャイアニズムを発動するわけだな?

そうか、そうか。マジでこいつ焼いて食っちまうか。そうしたほうが全世界の俺は安心して食べ歩きできるから。というよりもこいつ、俺にまたあの大福食わせろと言っているようにしか聞こえんぞ。二度と上げないがな。

 

 

 

「くぅん」

 

 

 

「へぇ。それでまだ俺の名前名乗ってなかったよな?俺の名前はトレインだ。よろしく」

 

 

 

「あ、やっぱり外人さんなんですねぇ。私は神咲那美です。よろしくお願いします」

 

 

 

また一人知り合いが増えたようだ。しかも、美少女。貧乳だが巫女さんというところが高ポイントだ。この街は美人が多い気がする。気のせいだろうか?

しばらく話していると日が暮れてしまった。平日の昼は学校にいるからここにいるのは朝か夕方らしい。暇があればまた来るとしよう。

そして、忍に連絡を忘れて海鳴にあるマンションに帰宅し、思い出したのは夜の9時すぎ。メールで来週にそっちにいくと言ったらしばらく給料はなしでタダ働きになってしまった。はぁ・・・最悪だ・・・。




那美投入。使い魔は久遠にしようと思ってたんですがやはり神咲さんも登場しないとおかしいと思いまして入れることにしました。あ、あと、二人のキャラが違和感あってもスルーしよう。

・・・そういや、久遠の祟りイベントもあったっけか。これもやんないと・・・。とらハとリリなのを同時進行しないといけなくなるとは・・・。考えなしに進んじゃいけないと身をもってわかりましたマル。

感想、誤字脱字よろしくお願いします。
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