ダラダラしているが、時にやる気になる悪魔 作:現代のイッセー
やっほー、トレインだ。
いま俺は美由希の通っている高校の校門前でひとり飴を舐めながら佇んでいた。下校時刻であるいまの時間帯はこの学校の生徒が校門を通って友達とだったり、カップルだったり、ぼっちだったり等々俺の前を通り過ぎていく。
俺の前を通る生徒どもの大半の人が、「あれ、あの人高町さんとキスした人じゃない?」という好奇な視線だった。たまに不審者を見るような目だったり、憎悪の目でこちらを睨みながら「くそ、イケメンが・・・!ペッ」と道に唾吐き捨てたり、「あいつ、高町さんにキスしたやつじゃねーか。よくも・・・ブツブツ」と呪詛を唱えるように遠巻きでみてくる。
最後のやつ明らか美由希に好意持ってるだろ。だが、あの愛すべき馬鹿の美由希はやらんからな!
それにしても美由希おっせーな。そろそろこの見世物みたいな状況から逃げ出したいんだけど。最初は、お!俺もとうとう有名人になってしまったかみたいなノリだったけど、だんだん恥ずかしくなってきてしまったのだ。
基本的に俺はコミュ症なので、こういうさらし者状態は好かんのです。
ちなみにいうと、なのはとユーノ、一条少年、金髪は学校を欠席してアースラに向かった。なのはにトレインもついてきて!と頼まれた。さすがに美由希の件をほっぽり出して行くのはマズイなと思って断った。フェイトはアースラに行かなかった。理由は今日はいつも行ってるデパートが大セールらしい。桃子とチラシを読んで二人で「「これは行くしかないわね!(ありませんね!)」」と意気込んでいたのは微笑ましかったのは記憶に新しい。
そういや、リンディさんにあんな口聞いてしまったが大丈夫かな?俺としては後悔しか残っていない。なぜあんなセリフを言ってしまったのか。まあいいや。後悔してもしかたないし、これから、どうリンディを落とすか考えるとするか。
まず、リンディさんに会ったら謝って、リンディさんに協力する形・・・はアカンな。プレシアにバレたらブッコロ確定だわ。距離を縮める方法は今度決めるとして、個人的に仲良くなってから、食事とかデートして仲を深めて隙を突いて飲み物に媚薬(リニスの改良VER)を混入させる。これでいこう。
少し、というかかなり雑な作戦を立てながら時間を潰す。
「トレインごめん!待ったかな?」
声がしたほうに顔を向けると美由希がいた。息が乱れていたので俺を待たせたくなかったか、奴に会いたくなかったのどちらかはわからんがおそらく走ってきたんだろう。
「まあな。とりあえず、そろそろ自称お前の恋人だか夫だか忘れたがそいつがきそうな時間帯だ」
俺がそう言うと美由希は、え?という顔をして腕時計をみた。時計をみたらパッチリした大きな目をさらに大きくさせた。
「と、トレイン!はやく帰r」
「やあ、こんにちは高町さん」
美由希のセリフを遮ったのは俺ではない。女子を侍らせている金髪のイケメン野郎である。ちなみに声も爽やかな声色だ。
声が聞こえた瞬間美由希は体を硬直させた。
「・・・ふぅ。ど、どうもこんにちはぁ・・・」
うわぁ、声が上ずってやがる。多分笑顔を作ってるんじゃねーかな。頬をピクピクさせて。美由希がこっちを向いてないから表情がわからんのが残念だ。
それにしてもこのイケメンどっかで見たことあるような・・・。
「今日も相変わず素敵ですね。ところでそちらはどなたですか?」
金髪イケメンは俺の存在が気になっているようだ。顔は笑ってるけど目が一切笑ってない。名乗らないのはさすがに失礼かな?と思い美由希の隣に並んで自己紹介をすることにした。
「俺の名はトレイン。美由希の彼氏(嘘)だ」
俺は全力でドヤ顔を作って美由希の肩に手を回して答える。金髪は目を見開き狼狽えた。結構ショックだったみたいだ。まあ落としたいやつが彼氏いたら少なくともダメージはあるだろう。
「そ、そんなバカな・・・。あ、ありえない・・・」
「彼氏・・・」
金髪のイケメンがあまりのショックに一歩後ずさって失礼な一言を呟いた。ありえないって失礼じゃね?美由希は聞こえなかったのか、ただ一点を見つめているだけで怒った様子はない。
こいつなにみてんだ?と思って顔を覗き込んでみる。美由希は顔を真っ赤にして焦点の合ってない目で空を見ていた。
「おい、なに意識ぶっ飛んでんだ。戻ってこい!」
肩を前後にガクガク揺らしたりビンタしたりしたが反応なし。こ、こいつ・・・死んでやがる・・・。俺が強く叩きすぎたせいで両ほっぺを赤く腫らして間抜け面がさらにひどい感じになってしまった。
「なっ!雪のように白く繊細できめ細やかな美しい肌になんてことをするんですか!」
金髪イケメンが怒鳴りながらこちらを睨んできた。
「馬鹿かお前。こいつは叩かれるのが好きなどMなんだよ」
やれやれそんなこともわからないなんてしょうがないなと呆れた感じでアメリカ人ふうに手を広げて俺は首を振った。俺の態度が癪に触ったのか怒りで顔を赤くして睨むだけではなく殺気も込めてきた。
「おっと、そんな怖い顔すんなよ。ちょっとした冗談じゃないか」
「・・・なぜあなたなんですか?」
「なんでって?」
まるで親の敵を見るような目で俺を睨んでいる金髪イケメンがなにか小さく呟いた。なんて言うべきかね。ここである程度こいつの心を折るようなセリフを言ったほうがいいのかな?
「なぜあなたみたいな人が美由希と付き合ってるんですかと聴いてるんです!」
急に美由希を呼び捨てにしたぞこいつ。さっきまで高町さんとか言ってたのに。心の中では美由希と言ってたから思わず呼び捨てにしたのかね?
「なんでと言われてもな。俺は美由希が好きだから、美由希は俺が好きだから付き合っている。これ以上の理由が必要か?」
はい、嘘です。俺は確かに美由希のこと好きだけど美由希は・・・ある程度好意を持ってるのは明らかですねありがとうございました。この件終わったら眷属化お願いしてもいけんじゃね?
「ぐっ。・・・でも、それでも!あなたと美由希は釣り合っていない!」
「釣り合ってないってお前・・・。ならお前なら釣り合っているとでも?」
「当たり前です!この容姿、お金、学歴等々が私には揃っている!」
「へぇそっか。よかったな」
ぐっと拳を作って自慢げになにかおっしゃってる金髪イケメン。対して俺はだからなんだみたいな感じでカンタンにいえば興味なし。もうなんかこいつの相手にすんの疲れる。そういえば、なんかこいつみたいなキャラ周りにいなかったっけ?・・・思い出せん。
「だから、美由希とは別れるべきなんです!」
「はぁ・・・。なんでそんな美由希にこだわる?お前自称イケメンじゃねーか。そんなに女が好きなら後ろ見てみ。いっぱいいるぞ」
「違います!俺は美由希でないとダメなんです!」
「だからなんでよ?」
俺はすこしイラついてきて口調が乱暴になってきた。乱暴に頭をボリボリと掻いてそういった。すると、金髪イケメンは胸を張って自慢にもならないことを大声を上げて一言こういった。
「それは、美由希が私の嫁だからです!!」
「「・・・うわぁ」」
俺はガチな感じで引いてしまった。美由希もいまの一言で目が覚めたのか、彼女も痛い人を見るような目で奴を見ていた。
つか、さっきからどっかでみたことあるような気がしたが、なんかあの金髪(ショタVER)にそっくりなんだけど。まさか兄弟?
「なぁ」
「なんですか?あ、とうとう美由k・・・高町さんと別れることを決意しましたか。懸命な判断です」
金髪イケメンは咳払いして言い直した。もう別に言い直さなくていい気がするが、それはどうでもいいか。というよりなに勘違いしてんだよ。
「ちげーよ馬鹿。じゃなくてお前さ、弟いるか?」
「え?ええ、いますよ?それがなにか?」
「・・・お前の名前教えてくれないか?」
「ええ、かまいませんよ。俺の名前はピーーです」
くっ、こいつも放送事故しやがった!これうざいんだけど!どうにかならんのかこれ!
「そうか。ところでそろそろ帰ろうや。時間やばいから」
「ん?ほんとうですね。俺も用事がありますのでこれで失礼します。それでは高町さん、またお会いしましょう」
「は、はぃ・・・。ま、またねぇ・・・」
金髪イケメンは美由希にニコッと笑顔で挨拶して女の子たちを引き連れてどこかに消えていった。あの美由希嫁発言した金髪イケメンをまだ好意を寄せることができるなんて・・・。普通だったら幻滅してもおかしくないのにな。
結局俺たちも帰路につくことにした。最初の方は美由希疲れたような顔をしていたが、道中にあったクレープ屋によって食べ歩きしたら機嫌が直った。美味しそうにクレープを食べている美由希の顔を見ていると、心が和むねぇ。
だが、口周りがクリームだらけにして食べるのは少し子供っぽい。ポケットからティッシュを取ってクリームをとってやった。頬を赤らめて恥ずかしそうにして俺になすがままにされていた。うむ、かわいいのう。
クレープを食べ終わって美由希に聞こうとしたことをまだ聞けていなかったことを思い出し、いま聞くことにした。
「そういやさ、あいつとどういう出会い方したわけ?」
「ん?聖 星矢さんのこと?」
「そうそう」
あいつの名前聖っていうのか。美由希の口からはなんで放送事故みたいにピーーってなんあかったんだ?謎すぎるな。あいつらの存在は放送事故みたいなもんだからか。
「えっと、確か友達と出かけてたら前見てなかったせいでぶつかってね、そのぶつかった人があの人だったんだ」
「・・・それだけ?」
「うん。・・・トレインは、し、嫉妬・・・しちゃったのかなぁ?」
美由希は自分で言ってて恥ずかしくなったのか、顔を赤くしながらもがんばってニヤニヤ顔をしている。そのせいでなんか変な顔になっている。お前そんなキャラじゃないのにそんな無理すんなよ。
「んー、まあ当たらずも遠からずってとこだな」
「えっ、なにその中途半端な回答!!はっきり言ってよ!!」
俺はぎゃーぎゃー喚いてる美由希を無視してテクテクと歩いていく。
「たでーま」
「ただいま!」
「トレイン、お姉ちゃんおかえり!」
高町家に入ると、ドタドタと音を立てながら笑顔でなのはが迎えてくれた。なのはは、俺の手を取ってはやくはやく入って~!と引っ張る。
「どうした?」
「一緒にゲームするの!」
「い、嫌だ!それだけは!」
なんて残酷なことを言いやがるんだこの子は!恭也ならまだ納得はできる。だが、美由希どころかなのはにすら勝てないんだぞ・・・。負けるたびに俺のプライドが・・・。
「よーし、私もゲーム大会に混ぜてもらおうかな~」
「うん、いいよ!いま、お兄ちゃんがゲームをセットしてくれてるからはやくいこ!」
「そ、そうだ。フェイトが家で寂しい思いをしt」
「ご主人様、呼びましたか?」
リビングからヒョコっとエプロン姿のフェイトが顔を出した。その愛おしいフェイトの姿をみた瞬間、上条さんのそげぶのセリフが頭をよぎった。幻想殺しはとうとう俺の幻想まで殺したか・・・。
「いや、なんでもないよ。それより、おいしい料理を期待してるよ」
「はい。腕によりをかけて作らせてもらいます。あともうしばらくで料理が出来上がりますので、なのはとゲームして時間を潰していてくださいね」
天使の笑顔でなんていうことを言うんだフェイトよ。俺はできるならゲームはしたくないんだ。特にこいつらとやったらマジで10回に1回4位を脱することができるかどうかなんだぞ。と、いうわけにもいかず、結局なのは、美由希、恭也、俺の4人でゲームをすることになったのである。
やはり恒例のスマ○ラDX。ストックを3にして俺のキャラはネ○だ。なのははゼ○ダ、美由希はフォ○クス、恭也はガノン○ロフ。さぁ、ショータイムだ!!
俺はずっと端っこに行ってpkサンダーを自身に使って突撃ばかり行っている。だって死にたくないもん。だが、恭也にあっさり殺された。ギリギリ当たらないぐらいの距離までいって、みんな大好きMA★ZI★N★KE★Nを発動。俺ピチューン。
復活して、すぐに恭也の操作しているガノンのところまでダッシュ。だが、途中なのはに邪魔され、炎を飛ばしてダメージを喰らい、美由希には、フォ○クスの電光石火を中心に回避ばかりやって隙ができたらスマッシュして確実にダメージを負わせていく。そしてトドメの恭也のガノンパンチ。俺が死んでみんな爆笑。
俺も負けじとがんばってこいつらをぶっ飛ばしていくが、一人で全員倒すことなんてできるはずない。CPなら別だが、プレイヤーなんてできるはずがない。最終的に、4位。これはひどい。これが続くならしまいには泣くぞ。
何回かして同じようなことが続き、意気消沈してる俺をみてなのはが、面白かったけどさすがに集中砲火は可哀想だとありがたい言葉。それを聞いた俺は感動して、抱きついてしまった。
「なのは様!俺は一生ついていきますだ!」
「ふむっ!トレイン、一生なのはについてくることを許しますっ!」
「ははっ、ありがたき幸せ」
俺はなのはから離れて殿にひれ伏す平民みたいに土下座した。なのはは、どこからか扇子を取り出してノリに乗ってきた。こいつ案外ノリいいんだな。
「我はお腹が空いたの。トレイン殿、まだできないの?」
「はっ。まだ食事の準備は整っておりません。もうしばらくお待ちを」
そんなバカなことをやってると、恭也と美由希は苦笑いしながら俺となのはのやり取りをみていた。おい、見てないで止めろよ。ボケだけだと収集つかないんだぞ。
「なら、できるまでゲームをするの。トレイン殿、我に負けたら切腹なの」
「えっ、なのは様!ご容赦を!」
「ならぬ!死にたくなければ我に負けなければいいのだ!」
おい。いつまでこれやればいいんだよ。結構なのはノリノリでしばらく続きそうなんだけど。ご飯まだか!はやくしてくれ!
「みなさん、ご飯ができました」
黄金の髪を持ち、彼女のお気に入りだという黒いリボンでその長い髪を縛ってツインテールにし、まだ幼いながらも将来は確実に美人になるだろうと期待できる容姿、そして、水○奈々の声をもつ少女。そう!われらが天使、フェイト様がご降臨なされたのだ!
「やっとできたか。んじゃ、ゲームと殿様ごっこは終わり。はよいこう」
ゲームを消して、線を全部抜いていつもしまっているところにゲームを置いた。しまい終わり、俺たちは席について、いただきますと号令。俺は腹が減っていたので、ガツガツとおかず、ご飯を口にかき込んでいく。
「ちょっとトレイン。そんな勢いよく食べると喉に詰まっちゃうよ?」
「はいひょーぶはいひょーぶ(大丈夫、大丈夫)」
隣の席にいる美由希に呆られながらいわれてしまった。しかたないじゃん。腹減ってんだもん。漫画とかでは注意を受けたそいつが、喉をつまらせて~っていうパターンがお約束だが、俺はそんなことは・・・
「むぐっ!」
「ほら、いわんこっちゃない」
詰めすぎたせいかほんとうに喉に詰まってしまった。胸をドンドンと叩いてがんばって飲み込もうとするがうまくいかない。しょうがないなぁ、と言って美由希がコップを差し出してくれて俺はそれを受け取ってゴクゴクと飲み干した。
「ぷはぁっ!助かった・・・」
「慌てて食べ過ぎなんだって」
「へいへい。助けてくれてありがとーごぜーました」
少々ぶっきらぼうに言ったけど、内心ではほんとうに感謝はしていた。別にあれくらいじゃすぐに死にはしないからそういう意味の感謝ではない。美由希が差し出してくれたコップは俺のではなく、美由希のコップなのだ。
「・・・。」
「おい、どうした?」
「・・・え、いやべ、別になんでもないよ!」
自分の使っているコップをじーっと見ててなにがなんでもないだよ。でも、突っ込まず食事を再開。俺は美由希がどんな行動をとるか楽しみにしながら視線を向ける。
おっ、行くか行くか?そんなに手を震わせなくてもいいだろう。コップを手に持って一気に残っている水を飲み干した。おー。いい飲みっぷりだね。少し顔赤い気がするが、まあいいだろう。
食事を終え、入浴。とくに面白いこともなく就寝時間を迎えた。美由希の部屋に出向き、これから聖の対策とか考えようかな?とも思ったが、同じ部屋で寝ているフェイトを抱き枕にしている。あまりの抱き心地に体は離れたくないと言って俺は、そのまま夢の中に旅立ってしまった。
いかがだったでしょうか?
ともあれ、放送事故の名前を出すことに成功しました。正直、名前このまま出す必要ないと思っていましたが、さすがにダメだと思って出しました。
なんで放送事故にしたのか、その理由は、踏台の名前って厨二ばっかじゃないですか。だからなんかそれっぽい名前をオリジナルで出したかったんです。でも、結局無理だったので、聖にしました。
名無しはさすがにこれ以上引っ張るのは難しかったのです。
感想、誤字脱字よろしくお願いします。