憤慨しちゃうよ。せめて二次創作で好き放題したいな。
ガン・ウーマン
教会に鳴り響く鐘の音。
それはすべての者たちを祝福していた。
愛する者、愛される者――
憎悪する者、傍観する者、俯瞰する者、決意を決めた者。
その場にいるすべての者たちが神に祝福され、あるべくしてそうあった。
新郎と花嫁の二人は両手に無骨な拳銃を握っている。
神父はいない、誓いの言葉は銃声のが織り成す残響。
観客はたった二人だけで、一人はタイトスカートがよく似合うビジネスウーマン風の忍者。
もう一人はその主。
「ふうま……ふウウゥゥゥゥゥまアアァァァアアアァッ!!」
新郎は吼えた。観客の狼藉に、人生を台無しにした奴らに彼は怒り狂った。
徒でさえナノマシンで赤く染まった瞳は、更に赤みを帯び紅蓮に焼き焦げていた。
対する花嫁は静謐に、白と金のドレスが栄える姿でダラリと下げた手にはニ挺の拳銃があった。
今までの仕打ち、今までの彼との記憶が、今のこの銃に収まる弾丸となっている。
憎しみを語る言葉は無く、それに変わるものはいつも変わらない。
ガンファイターは銃で語り合うのが礼儀である。
花嫁と新郎を一端のガンファイターと育てた師匠の言葉であった。
すべては些細な行き違いからだった。
彼がもっと言ってくれれば、私がもっと上達していれば、俺があの時傷を負わなければ。
すべては違っていただろう。二人のガンファイターは憎み逢わずにすんだろう。
花嫁はニ挺の拳銃を構える、それに合わせ背後に四対のバスターシューターが空を舞う。
米連の新型であり、彼女の血液を燃料として飛び、敵を迎撃する。
「ああ……そうか、オーケー。おめえらは俺をコケにしようってのか」
新郎の瞳は白目での部分もどす黒い血の色に染まり、怒り心頭と云った様子であった。
「アイナぁ、アイナ……おめえは調教が足りなかったみてえだな。もう何も言わねェさ、俺の女にならねえならもうお前は俺の敵だ。クソだ、糞以下のゴミだ、ええッ!! 何とか言ってみろよ」
新郎も銃を構えた。
花嫁よりも一回りも二回りも大きく肉厚な大口径拳銃が、花嫁の豊満な胸に馬鹿でかいピアスの穴を開けんと銃口が虚無を向けていた。彼ら彼女らの最後の会話、銃を用いた
観客は口を挟まず、それの姿を見ていた。
どちらかが斃れ、どちらかが生き残る――ガンファイターの宿命として。
択捉島の上空に建設された上層構造都市、通称「タカマガハラ」
人口過密により択捉島のキャパシティーを超え、その解決策として作り出された都市。
択捉は活散布山や単冠山など活火山群があるために地下への都市拡大は困難を極め、その代案として設計された都市計画が「択捉上層都市計画」という択捉島の真上に建造すると言うものであった。
八本の支柱に支えられた空に浮かぶ街、空住都市タカマガハラ。
その姿はまさにザトウムシのようにであり、魔界より持ち込まれた構造体を支柱に採用する事で、たった八本の柱で魔都・東京の総重量のすべてを持ち上げるだけの強度を発揮し、タカマガハラと云う都市が存在している。
ただ択捉という元より曖昧だった国家主権に多国籍企業や犯罪組織に付け込まれ、さらには魔族の流入が影響し日本各地の無法地帯に肩を並べる違法都市となった。
大国がいがみ合い戦場の入り口となんら変わりはしない。毎日どこかで銃声が鳴り響き、血が流れる極楽の天上都市。
いつしか天津神の住まう
蒸気に包まれたタカマガハラ南西部の風俗街。
タカマガハラは北方の寒さを解消する為に、散布山の地中に眠る膨大な熱量を吸い上げ、街全体の電力と気温に変換し続けこの街は一年中蒸し暑い。あちこちで湯気が立ち昇り、娼婦達の衣服は解放的で南国の様相を呈している。
その風俗街を歩く一人の女性。
銀髪の隻眼。左目を黒い色の眼帯で隠し、左目は狼のように視線は鋭い。
豊満な胸は紫のボディコンに押し込まれはち切れそうになっていた。
ぼろのモッズコートにはジャンキースターと云う銘柄の煙草が。
牡を刺激する腰周りは薄い黒のパンストで、一層官能的な魅力を出していた。
明らかに日本の人間ではなく、体型からもそれは異国の人間であった。
というがタカマガハラは露帝と日本と魔族のが入り乱れ、人種と云うモノが曖昧だった。
「サマーヘイブン……ここか」
チャイナテイストを前面に押し出したホテルに入る。
湿気が多く観葉植物が溢れたエントランスは多くの娼婦が行きかっていた。
部屋はすべて満室で、その部屋の一つ一つに男性女性問わず彼女達の客が待機している。
カウンターに向かい、部屋の入室手続をする。
受付の男は訝しげな目で見てくる。
「見ねえ顔だ。どこの新人だ?」
「個人的にだ」
「素人買うなんてどういう神経してんだか。――ほら」
男は薬液の入った射出浸透注射器を差し出す。
「なんだこれ」
「初めてでハードプレイは無理だ。死なれてアシハラに棄てに行くのも課税される」
ようは死なない為の筋肉弛緩剤だ。
タカマガハラで発生した死体は、多かれ少なかれ移植用のバンクにされるか、アシハラ――下層都市、本来の択捉島に投棄される。
地の都市――アシハラ。
上層の都市との差別のために生まれた通称だが、それが一般名称として通るくらいその表現が的確だったのだ。下は下で国境の問題で手続き手続きと面倒ごとが多すぎる。
天国を知るモノたちには正に
注射器をポケットに入れ込み、カードキーを受け取る。
エレベーターに乗り、目的の部屋へ向かう。
ガタガタと揺れるエレベーターの中で準備を始める。
上着のポケットには予備の15発入り弾倉が二つ、口径の違う弾丸が五発。
両脇に吊ったホルスターから銃を取り動作確認。
変わった銃であった。自動式拳銃でありながら、回転式拳銃のシリンダーが内蔵され、口径の違う弾丸の使用も想定し設計されている。その拳銃が二挺。
ポロリと身分証が落ちる。己の顔が印刷されたそれに名前がある。
――
易い暗殺の下請け業務を請け負う
アイナは請負先は常に一つに絞っており、今回もそのお得意先からの暗殺依頼だ。
目的の部屋はエレベーターを出てすぐの場所にあった。扉にカードキーを差し込み電子機器の認証音が鳴り開く。その部屋の内装に眉間に皺が寄る。
絵に書いたような拷問部屋が広がっている。X字の磔台に鋼鉄製の鉄鎖、SM用のバラ鞭ではなく本気で出血させる馬上鞭。鼻を突く消毒液の匂いにが部屋全体に漂い、紅色の壁紙が眼を刺す。
「悪趣味な部屋だなぁ」
一周見渡したアイナが感想を漏らす。
とうの
ベットに腰を下ろし、ジャンキースターに火をつける。
紫煙を深く肺に吸い込み、左手首の静脈を押さえる。
暗殺前の儀式であり、アイナに
ドクドクと血が圧迫を押し返し、生命を実感させる。
理解しているからこそ、アイナという人格が
今回の
シャワー室の扉が開き
一瞬、間を空けてアイナの体を見定める。
「指定したとおりに隻眼だな」
アイナの体に満足げな表情を浮かべる。赤紫色の舌が男自身の上唇を舐め上げる。
こいつの趣味に、隻眼の女性を好む。
理由として片目の穴に己の逸物を入れ性交をする、異常性癖があるからだ。
「最初になにする。磔にして鞭打ちかい?」
「一発目は普通にしようか」
想定されたとおりだ。この男は最初の段階は手加減して性交を行う。
それが徐々に加減を失い、最後は壊される――物理的に。
男はベットに寝そべり己のペニスを見せ付けるように持ち上げる。
「勃たせろ」
今はまだ
熱く、触った瞬間それが人のペニスではない事がわかった。経歴ではこの男が「人間」であると証明済みだ。だが体の一部は取り換え別のものになっている。
手荒に皮が伸びきったペニスを扱いうが、男にはそれが良かった。
透明な汁が尖端より溢れ始める。硬くさらに熱気放ち始め、その凶暴な逸物の全貌が現れた。
男の亀頭にあたる部分には無数の棘が反しのように付いていた。
それは虎のペニスであり人工的にヒトゲノムを注入した、移植用の代用ペニスだ。
「……っ」
静かに男はアイナの尻に手を伸ばし、柔らかな牝肉を揉む。
その手は徐々に股座に移動し、秘所の割れ目に指を這わしてゆく。
下手くそな愛撫に一切感じることはない。あほの大型犬に舐められたほうがまた気持ちがいいだろう。と思うがこの男はマグロを愛する手合いではい。
多少演技をして想像を膨らませ、恋人とのセックスだと無理に思い込む。
「感じやすいなあ。お前は」
喘ぎの一つもあげないアイナに男は満足した様子。
と言うより自己満足に浸る男は湿った指先の香りを嗅ぎ舐め取る。
もういい筈だ、手早く終わらせよう。
アイナは男の上に馬乗りになる。
「おいおい、がっつき過ぎじゃないか」
「いいんだよこれで」
官能的な笑みを浮かべ、アイナは男の耳朶を甘噛みし囁く。
「――お前死ぬんだから」
瞬間男の筋肉が一瞬で硬直するが、密着姿勢で先んじて動けるのはアイナだった。
左手に隠し持ったエントランスで貰った筋肉弛緩剤を男の首筋に打ち込む。
腕を振り上げた男の指が眼帯に引っかかり飛んでしまう。
眼帯の下より金色の瞳が現れる、本来の碧眼がナノマシンと安定剤の色素で片目が弾道予測補助器に変容した結果だ。薬液が発射され瞬時に男の筋肉に浸透し固く岩のような体がすぐさま軟になった。
首に敷いていた枕を引き抜き顔に強く押し当て、左脇のホルスターから拳銃を引き抜く。
その動作に一切の迷いも突っ掛りもなく、滑らかにスムーズに引き抜き抜いた拳銃を枕に銃口を押し当て発砲した。黄土色の中に微かに緋色の混じる火花が舞う。枕に詰る羽毛が天使の降りたったように部屋中舞い散り、赤く濡れた羽毛が紅色の天上にこびり付いていた。
ホテルの全室に警報ベルが鳴り響き、ロックしていた筈の扉の鍵が遠隔操作で解除される。
ベットから滑り降り、眼帯を付け直し拳銃をホルスターに捻じ込む。
バタバタと慌しい足音を聴き、急ぎ部屋を出る。
警備員が死体とアイナを発見すれば間違いなく発砲してくるだろう。
殺したのは私だが、警備員は
避難する客に紛れるように店を足早に出る。離れすぎず、適度に現場を観察できる場所に避難したアイナは携帯デバイスをタイプし依頼主にコールする。
「こちらウィンチェスター。……ああ、終わった。死体処理はそっちもちだよな。銀行送金はなしで現生でもって来い。……待ってるよ」
電話が切られ、仕事が終わる。
前線より身を引いて
アイナは新しいジャンキースターに火を付け、煙を肺の奥まで吸い込む。
「……」
何も考えなかった。何も考えないようにしていた。
過去に囚われない為に多くを忘れ、忘却の虚無へ廃棄しようとしていた。
遠めで男はある女を眺めていた。
紫のボディコン姿にモッズコートを着た
そのモッズコートの下に吊った二挺の拳銃の
「……ニッ……イぃ……」
顔を引きつらせるように笑った男は、女と同じように両脇に拳銃を吊っていた。
捩くれ歪み落ち窪み陥没した心裡に弾丸の残響と濃密な――復讐心が光り輝いていた。
乗りと勢いで書き上げた作品です。
【二丁拳銃の花嫁】アイナのHシーンテキスト求む!!
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