止まぬ甘美なるうずき疼き。情欲と埋もれる意識。
アイナはオークション会場の控え室で、今までにないくらいの美をその身に充てがわれていた。
馴染みの無かった
短く切った銀髪に透き通り白く見えるウィッグが二つの色を生み出し、もとより幼げな顔をより際立たせいつもつけている黒の眼帯が、美しい少女の未成熟性と妙齢な女の
目の前の鏡に映る別人に蕩けた目線のアイナが小さな溜め息を漏らす。
「綺麗よ、貴女はあたしの作り出した最高の作品よ」
耳元で囁くサルヴィエは巣立つ
「ねぇ……、サルヴィエぇ、まだなのぉ?」
甘く問いかけるアイナの声はいつもの刺々しさはなく、丸く女性的な言葉遣いだった。
「もう少しよ、あなたを買うお客様に眼一杯、犯してもらうのよ」
静かに肩を撫で、肩に掛かる下着の紐の位置を直す。
黒のハイスリットレースのロングベビードールがアイナを淫靡に匂い立たる。
ショーツもベビードールの柄に合わせた黒。
ツンと薄紅色の乳頭が透けた下着からその存在を強く主張している。
胸の大きなアイナに合う夜の下着はそうそう無く、この下着は
「落札のときはガッツちゃ駄目よ。出来るだけお淑やかに、静かに座っていなさい。そうしたら佳い人に買ってもらえる」
鏡に映る女性は両性を持ちえる
「あなたはあたしの最高の作品……はぁ、手放すのが惜しいわ」
巣立つ子を惜しむ親御のようにサルヴィエさ髪を撫でた。
白くなだらかに胸元に誘う鎖骨に鼻を押し当て、静かに訊いてくる。
「ねぇ。あなたの名前、教えてくれないかしら?」
今更のように思えたが、今にして思えばサルヴィエにアイナの名前は一度として教えていなかった。
「アイナ、ウィンチェスター」
「アイナ――そう、あなただったのね」
少々驚きの表情を浮かべ穏やかな表情へと落ち着く。
「皮肉ね、『
サルヴィエはアイナの手を引いて会場裏へと連れて行く。
ステージの裏は人のみならず魔族も「商品」として扱われてるようであった。
大きな鳥籠の前で止まったサルヴィエが施錠を解き鉄格子を開いた。
「入ってアイナ。あなたの最高のスポットライトを当てる演出のために」
アイナは頷いて鳥籠の中に入った。
籠を覆う赤い大きな布は客をあっと驚かす演出効果を出す為に付けられているのだろう。
籠の真ん中でアイナは座り込んだ。
時折聞える女の嬌声、観客の歓声嘆き、そして商品たちの泣き声。
どれも今のアイナの耳には届かなかった。買ってくれる客の顔を想像し淫乱な自らの姿に背筋を震わせ悦ぶしかなかった。
鳥籠が動き始め、赤の薄布の隙間より光が漏れ、観客を盛り立てる司会者が声高な声が届いた。
『それでは続いて参ります。出品者サルヴィエ・マルティリウム様より出品がございます』
観客の喝采が起きる。
サルヴィエの調教師としての技術があってこそこの様なことが起こるのだ。
『出品物は人間。こちらが、調教以前の人相でございます』
恐らくスクリーンか何かで以前の私の顔を映し出しているのだ。
『そしてこちらが――』
布が勢いよく取り払われ、オークション会場の全貌が眼に入った。
ホテルの宴会場に無数のもの達が立食パーティーの最中であった。
アイナに向けられる好奇の視線が肌に刺さる、特に胸や股座、そして眼帯に強くその視線が向けられていた。
『出品名、隻眼の妖精。400より開始いたします』
司会者の開始の合図と共にアイナの購入競争が始まった。
「600」
札を上げた男。
でっぷりと太った腹を揺らし下卑た目でアイナを見ていた。
その強烈な視線は遠巻きからでもしっかりとわかる。胸を舐め回すように執拗に見ている。
まるで視姦だった。じっとりと股座が湿りショーツがヌメヌメといやらしい感触を得た。
「700」
次に札を上げたのは顔をオペラマスクで隠した中性的な女性だった。
根っからのレズビアン、体の芯からそう感じれた。下唇を小さな舌がぺろりと舐めアイナのその姿に深く感嘆した様子であった。
その後も何人かが入りアイナを手にしようと競り合うが、最終的に残ったのは肥満体型の男とレズビアンの女性だけになり札の値段もどんどん上げって行く。
「1000だ」
「1100よ」
「1150――」
「1200」
「12…50…」
肥満の男が徐々に値段を細かく刻みだした。
金が尽きかけているのだろう。レズの女が得意げな表情を浮かべていたが、唐突に外野から札が上がった。
「3000、いや。5000だ」
急激な値上げに女は驚きと共に怒りの表情を一瞬露にし札を挙げた主を見た。
アイナもそちらを見て、少々驚いた。
札を上げたものは――イーグル&サンクチュアリの戦略局総務の男であった。
何度も合った事があったが、今の姿はひどかった。
酒に酔わされ顔は真っ赤に火照り、足元もおぼつかない様子。着崩したネクタイは以前では想像もつかないほどに崩れており、どこか自暴自棄の気すらあった。
「5000以上はいないのか? えぇ?」
戦略局総務は客を煽るように叫び更なる高額を引き出そうとしていた。
だが5000、恐らく万の単位で行われているのだろう。それ以上の声は上がらなかった。
レズの女は口惜しそうに顎をしゃくり会場を出て行った。
『それでは、45番札の方、5000で落札でよろしいですね――』
鳥籠が会場裏に戻される。
裏で待機していたサルヴィエがアイナの手を取り軽くハグをした。
「高額落札よアイナ。さあ、お待ちかねのセックスよ、ナイトルームに急ぎましょ!」
間接照明の薄暗さで部屋の全体が掴めずにいた。
アイナを落札したのはイーグル&サンクチュアリの戦略局総務。
この場にいるべきではない男だ。
米連の切先であるイーグル&サンクチュアリは領土の実行支配を目的に構成された軍事警備複合企業において、人身売買を目的に行われるオークションに社員、しかも総務が参加するなど。
身より出た錆。後々にイーグル&サンクチュアリ社が不利な立場になるために私生活も徹底管理されている筈なのだが、戦略局総務がこの場に来ている。
調教前なら殴り倒しただろが、今は彼に執心だった。
いつになれば抱いてくれるのだろうか、前戯はどこまで行えばいいのだろうか、尺八で射精させていいのか。頭の中はセックスのことで満たされ疼きが暴虐的な刺激になり始めている。
既に前戯も必要ないくらいに濡れて、
ナイトルームの扉が荒々しく開き、戦略局総務が入ってきた。
赤く染まった頬は酒によるもの、体から発せられる臭気はアルコールの匂いで満たされ火があれば燃え上がりそうな雰囲気があった。
アイナはベットより立ち上がり、総務に駆け寄り挨拶をしようとしたが。
「ん、っんん!?」
いきなり熱き接吻がアイナを酔わせた。
乱暴な舌使い、無遠慮な激しい貪りは嫌気がさす筈だが、だが今のアイナにはそこに燃え上がるものがあった。サルヴィエの調教の一つでフェラドール手術を、フランシスが行ったようなシートデバイスで擬似的な感覚ではない、舌を直接改造されたのだ。
「う、んん。ちゃぷ……じゅ、あ、んん……じゅう」
お互いに舌を絡め合い、互いの唾液を奪い合う。
頬の肉を舐め、歯の裏を舐められ、唾液で口の回りがべちょべちょになる頃にはアイナは自身で立つ事もまま成らなくなっていた。
「ぶっ、ぢゅう、まって、んぅんんッ! ジュズズズズ! ジュぽっ!」
舌を強く吸われ、弾けるような快感が頭に突き抜ける。
膝から崩れ落ちたアイナは上に覆い被さられ、両手首を頭の上で押さえつけられていた。
なされるがままアイナは口の権利を明け渡して好き放題され、意識も蕩けていた。
「ぶッ……んぶぶっ! ジュルル! ジュパッ……も、う……ぐちゅ、足が、イっ――」
執拗に舌を舐り回されたアイナがついに耐えられなくなり絶頂を迎えてしまった。
腰が小刻みに震え、今までに溜まっていた疼きがほんの少しだけ解消される。
「はぁはぁ、あ……んん……」
「ひふふふっ、最近の出社記録にお前の名前がないと思ったら。傭兵ウィンチェスターの末路がこんなとこでメス奴隷になっていたなんてなあ」
眼血走らせ戦略局総務が言う、いや元総務と言うべき男。
すでにイーグル&サンクチュアリの社員ではないのだ。以前の制圧戦で「タカマガハラの崩壊可能性損害」を与えた事とにより、露帝、環境省の矢面に立ちそして責任を取ったのだ。
降地し帰国の手配がI&S社によってされているはずだが、恐らく最後の愉しみに来たのだろう。
「あのウィンチェスターを、ひっヒヒヒ。アーデルハトめ、お前を狂うぐらいに犯してやる」
ズボンを脱ぎ捨てた元総務。雄雄しく硬直したペニスがアイナの眼前に現れた。
その反りあがった姿にアイナは見とれていた。今までに蓄積していた欲求の枷が音を立てて崩壊を始めているのを実感し、手を伸ばしていた。
片手では握りきれない太さ、両手で包み込むように握ったアイナは上下にすり始める。
「奉公の方法も承知か。あの胡散臭い調教師、仕事もきっちりしている」
拙い手付きであったがアイナはサルヴィエの教えた通りに、親指を裏筋にあてがいカリ首周辺を集中的に刷り上げていく。ビクビクと脈打ち、熱く手の中で暴れるペニスに愛おしさすら感じる。
今はまだ前戯の段階、アイナはいつでもこれを受け入れる準備は出来ていたが、元総務のほうが意識的にまだ準備が出来ていない。
白くヌルヌルとした先走りが鈴口からぷっくりと朝露のように溢れ始めた。
更に出さすように金玉の奥、ペニスの更に根元付近を左指で刺激する。
前立腺を刺激しているのだ。もっと直接的な方法で肛門に指を入れて押すという方法もあるが、男性は肛門に指を入れられると性欲が減退してしまう者もいる。そういった者のために考慮した結果がこういった刺激法になるのだ。
コリコリとした尿道に沿うようにある筋を指先で押し潰すように刺激した効果で、少しずつ出ていた先走りがどんどん出てくる。
「すごい臭い……鼻にこびり付くような。饐えた先走り汁の匂い……」
逆手に持ち替えたり、亀頭全体に先走りを塗り広げるように手の平を擦りつける。
そしてアイナはいやらしくテカるペニスを口に含んだ。
「じゅる……ちゅ、ぐちゅ、ん、ちゅぱ……」
優しくゆっくりとしたフェラチオ。
口の大きさに合わないペニスをゆっくりと体に合わせていく。
軟らかくそして芯のあるペニスの感触。人のしょっぱさ、強く感じる尿の苦味。
口の中を覆いつくす味に内容物がひっくり返りそうになる。
「私は、素人を買っているんじゃな……いんだぞ!」
ちまちまとしたフェラに痺れを切らした元総務がアイナの頭を掴んだ。
「んんッ! じゅぶぶっ、ぐぽっ、う、うぐぐ……ぐぱ、じゅぽッ、じゅぱッ!」
手加減を知らないイラマチオに今までにない不快感が押し寄せた。
不快感――いや、それいじょう。窒息寸前の荒々しい性交。
太さだけがある元総務のペニスがアイナの気道をピッタリと塞ぎ息ができない。
このままでは息ができない。ペニスに殺される、
「お前のフェラはそんなものかっ! まだ性病もちの娼婦のほうが性技が優れているぞッ!」
「そうかい、ならあの世で天女にでもしゃぶって貰え――」
にわかに鳴り響いた銃声。
一瞬の出来事に理解が追いつかなかった。
血飛沫が白いシーツを疎らに赤に染め上げ、赤色の肉片が顔に散った。
元総務の遺体から、体全体が死を察し子孫を残そうと異様に粘度の濃い精液を飛び散らせ、血と交じり合いアイナにピンク色の色彩を与えた。
オイルライターが擦られる音が扉から聞える。
薄暗がりから現れたのは――過去からの漏れ出た
ドデカイ口径の拳銃を二丁携えた――フランシス・
顔から生気の消えたフランシスは、今までに無いくらいの恐ろしい声で死体を見下した。
「俺の可愛い
リアルが少々多忙で執筆が全く進まない我楽です。
今回でアイナの処女を散らそうと考えていましたが、これ以上投稿期間をあけるのはいかがなものかと思い処女喪失前に投稿します。
新社会人の皆様、新学生の皆様、遅ればせながらおめでとうございます。
私は二度目の新社会人生活でてんやわんやです。
体が資本、でも精神的なものも資本、私の作品がせめてもの娯楽になることを願います。
年寄りじみた事を書いた……
誤字脱字報告。感想、意見、要求などはどんどん受け付けます。