※この作品はR-18です。

吸血鬼コロシっていうおかしな体質   作:上平 英

6 / 8
 今回はほのぼの&フラグ回なので、直接描写は控えめになっております。


 すごい期間放置しててすみませんっ!

 11月16日 誤字修正。


第5話 高町家にお泊り。美由希さんと2人で過ごす1日

 色々あった温泉旅行から数ヵ月後。夏休みもそろそろだという7月の第2土曜日。俺は両親の都合で高町家に2日ほどお世話になることになった。

 

 なんでもお母さんの実家のほうで何かがあったとか。詳しい事情は知らないけど、どうやら悪いことじゃないそうだ。楽しそうに2人で旅行鞄用意してたし、一ヶ月ほど前から決まっていたことだからね。

 

 予定日の数日前辺りにも「久しぶりに夫婦水入らずで」とか、2人が楽しそうに会話しているのも覚えてるから、本当に悪い事が起きたわけじゃなさそうだ。

 

 そして土曜日の朝、予定通りにお泊りの準備をして両親と3人で高町家に向い。俺は高町家に預けられることになったわけだけど……。

 

「ごめんなさい、拓也くん。なのはは家にいないの」

 

 困った顔をしてる桃子さんからなのはの不在を伝えられた。

 

「え? なのはいないの?」

 

 高町家で恭也さんと美由希さんの2人に並ぶ、遊び相手の不在に驚くと、頬っぺたに手を当てた桃子さんが説明してくれた。

 

「驚かそうと思って、今日拓也くんが泊まりに来ることを知らせてなかったから、お友達のところにお泊りに行っちゃったのよ、ごめんなさいね」 

 

「お泊りって、アリサやすずかのところ?」

 

「ええ、アリサちゃんのお家にね。すずかちゃんも一緒のはずよ」

 

「へー、そうなんだ」

 

 なのははアリサの家にお泊りか。すずかも一緒に。さすが仲良し3人組だな。

 

 ……あっ! なのはがいないってことは、俺の遊び相手が誰もいないってことにならないよね!?

 

「じゃあ、桃子さん。恭也さんと美由希さんは?」

 

「恭也のほうは今日の夕方まで翠屋のほうでアルバイトをする予定だけど、夕方には終わって帰ってくるわよ。今日は美由希が家にいるから、拓也くんと一緒に遊んでくれるそうよ。明日になれば、恭也もおやすみだから」

 

「よかったぁ~」

 

 桃子さんの言葉に安心する。ふぅ、ちゃんと遊び相手がいたのか。まあ、なのはがいないのは少し残念だけど、用事なら仕方がないしね。今日は美由希さんに遊んでもらおう。

 

 さっそく頭を切り替えて、俺は改めて桃子さんに頭を下げる。

 

「2日間、お世話になります。桃子さん」

 

「ええ、ゆっくりしていってね、拓也くん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほらほら、もっといくよ~!」

 

「ちょっ! はやっ、強いって! 美由希さん!」

 

 美由希さんから俺に向って振るわれる小太刀に似せた2本の木刀。現在俺は、高町家の道場で美由希さんと戦っていた。これが美由希さんとの遊び、なんだよね。かなりの体育会系だけど。

 

 洋服から青ジャージに着替えてる俺に、黒ジャージ姿の美由希さんが木刀を振り下ろす。……ものすごく楽しそうに。

 

「大丈夫だよ! これぐらい、たっくんなら大丈夫だって!」

 

「なんで断言できるの!? おわっ!?」

 

 振り下ろされた木刀を後ろに下がってかわすと、美由希さんは俺の行動を先読みしていたように踏み込み、もう片方の手に持っていた木刀で、胸の中心を目掛けて鋭い突きを放ってきた!

 

 ――ヤバい! このままじゃ避けられない!

 

 普通に避けるのは無理! 俺は上体を後ろに逸らして、そのまま後ろに倒れる! 尻餅をつくように後ろに倒れた俺の上を木刀が通り過ぎていく! あ、危なかった……。

 

 危険が去っても大量の冷や汗を流して今もビビッている俺だが、美由希さんはというと、目をキラキラとさせて喜んでいた。

 

「さすがだね! 今のをかわすなんて!」

 

「かなりギリギリだったよ! いくらなんでも突きは危ないって!」

 

「ゴメンゴメン。でも、たっくんなら絶対かわすって信じてたからね」

 

 あはははは、と笑顔で言ってくる美由希さん。俺は座ったまま両手をあげて美由希さんに抗議する。

 

「さっき美由希さん驚いてたよね!? 信じてたって嘘だよね! 仕留めるつもりだったよねっ!」

 

「…………。よし、そろそろ休憩にしようか」

 

「……強引に話を逸らしたね、美由希さん」

 

 ジト目で美由希さんをにらむ。美由希さんは俺を見てくすっと笑うと、自分と俺が持っていた木刀を元の場所へとしまう。

 

 木刀をしまうついでにと、美由希さんは道場の隅に置いていた水筒からコップにお茶を汲んで持ってきてくれた。

 

「はい、たっくん」

 

「……ありがと」

 

 美由希さんからコップを受け取ってちびちびと飲む。少し温めだけど、今はそれが丁度いい。

 

 仕方がない。さっきのことはこのお茶に免じて許してあげよう。……いつものことだし。

 

 俺の隣に腰を下ろした美由希さん。お茶を飲みながら話しかけてきた。

 

「それにしてもたっくんって、本当に強くなったよね」

 

「ん?」

 

 お茶を飲むのを止めて隣の美由希さんを見上げる。いきなりなんだ?

 

「だってほら、少し前みたいに漫画のトンでも技使わなくても私となら2分ぐらい戦えてるじゃない。それって、純粋に剣の技術が上がってるって証拠なんだよ」

 

 と、微笑まれた。

 

「……でも、すっごく手加減されてるよ?」

 

 相変わらず御神真刀流……えーと、小太刀二刀術の技は使用禁止だし。ワイヤー? とか糸を使った攻撃も使用禁止。その他にも色々と手加減して俺の相手してるよね?

 

 俺の言葉に苦笑する美由希さん。頭をやさしく撫でられる。

 

「それでもだよ。たっくんが真面目にしっかり鍛錬したら、すぐに強くなって私なんかあっという間に追い抜かれちゃうと思うよ」

 

「ん~、そうかなぁ?」

 

「ふふ、絶対そうだよ。たっくんが成長すれば、いまある体格差だってほとんどなくなって。体力や筋力だって私以上につくんだからね」

 

「成長……、成長かぁ……」

 

 お茶を飲み干して美由希さんを見る。下から上まで見る。……成長ねぇ。

 

 コツン。

 

 美由希さんに頭を軽く殴られた。美由希さんは少し顔を赤くして、胸を隠して言う。

 

「もう、どこ見てるのかな、たっくん」

 

「?」

 

 美由希さんの言葉に首をかしげる。どこって言われても……。

 

「別にどこも見てないよ? ただ、美由希さんに勝てる気が全くしないな~って思ってただけ。俺、鍛錬苦手だし、そもそもそんなに成長するのかわからないから」

 

「……え? そ、そうだったの?」

 

 ポカンとする美由希さん。

 

「どうしたの?」

 

「べ、別にっ! なんでもないよ! あは、あはははは……」

 

「?」

 

 変な美由希さん。

 

 それからしばらく休んで、もう2、3度試合したんだけど、結果はやっぱりボロ負けだった。

 

 うう……、最後は20秒もかからないで瞬殺された……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 道場での鍛錬を終えて、俺は美由希さんと一緒に高町家の母屋へと戻ってきていた。

 

 道場でかいた汗を流すためにお風呂に入る。お風呂の準備は鍛錬の前に美由希さんがしてくれてた。

 

 脱衣所で服を脱いで浴室に入り、まずはシャワーを浴びる。体に張り付いていた汗がお湯と一緒に流れていく。

 

 あ~、気持ちいい……。

 

 汗をある程度流し終えたところでシャワーを止める。さてと、頭を洗おうかな。

 

 お風呂場用の小さな椅子に座って、シャンプーが入った青いボトルに手を伸ばす。ごく最近、というか、小学校に上がる前までは、なのはと一緒によくお互いの家でお泊りしていたし、かってもわかってる。

 

 まあ、なのはがいない間にお泊りするのは久々だけどさ。

 

 そういや、なのはってどうやってアリサやすずかと仲良くなったんだろう? 1年生ぐらいのときに気づいたら仲良くなってたよね。ある日突然、1日、2日ぐらいでさ。

 

「たっくーん」

 

 そんなことを考えていたら脱衣所のほうから声をかけられた。

 

「美由希さん? なーに?」

 

「湯加減はどう? 熱くない?」

 

「んー。これから頭洗うところだからまだ湯船には入ってないよー」

 

「そうなの? ――じゃあ、丁度いいね」

 

「……ん?」

 

 丁度いい? 何言ってるんだ、美由希さん。そう思って入り口がある後ろを向くと――。

 

 ガラッ。

 

 浴室から脱衣所に続く扉が開かれた。

 

「美由希さん?」

 

 後ろを振り向く。湯気で少しだけ曇った視界に裸の美由希さんが映った。裸の美由希さんは「やっほー」とこちらに軽く手を振って、浴室のなかに入ってくる。ちなみにお風呂でも美由希さんはメガネ装備だ。

 

「どうしたの、美由希さん」

 

「お背中流しにきちゃった、てへっ」

 

 浴室に入ってきた美由希さんに俺が訊ねると、少し恥ずかしそうにしながら舌を出して、そう返してきた。

 

 ……美由希さん、もう高校生だよね? てへって……。

 

「…………」

 

「…………」

 

 顔を見合わせたまま固まる俺たち。長い沈黙が浴室を支配し、時間が停まる。

 

「――あ。……え、……えっと、わ、わーい」

 

 長い沈黙のあと、とりあえず俺は両手を上げて喜んでみた。

 

 まあ、少し表情が硬くなって、声が片言だったかもしれないけど、美由希さんは……。

 

「ううっ……、気を使われた。たっくんに、子供に気を……」

 

 その場にしゃがんで落ち込んでしまった。床に敷かれている正方形の小さいタイルのひとつに指で『の』の字を書いてる。涙目で。

 

 あららら、どうやら俺には演技の才能はあまりないらしい。気を使ったことがバレたようだ。

 

 俺は空気を換えるために息を吐き、美由希さんの頭を撫でる。

 

「よしよし、泣かない泣かない」

 

 そうやさしい声でつぶやきながら美由希さんの頭を撫でる。昔……、1年ぐらい前に美由希さんに慰めてもらったように。

 

「……たっくん」

 

 慰めるのが効いたのか、美由希さんはタイルに『の』を書くのを止めて顔を上げ――、

 

「――っ」

 

 ――ようするが、途中で止まってしまった。

 

「あわ……、あわわわわわ……!」

 

 口をパクパクさせながら、美由希さんの顔がどんどん赤くなっていく。

 

「美由希さん?」

 

「……んく」

 

 声をかけるけど、美由希さんは喉を鳴すだけ。何かに夢中で聞えてないみたいだ。

 

 いったい何を夢中で見てるんだ? 美由希さんの視線を追ってみる。

 

 えーと、視線の先は……。

 

 ――俺の股間。もといオチンチン。

 

 美由希さんがそれを食い入るように見つめていた。

 

 なんでこんなところを美由希さんは見てるんだ? そんな風に俺が首をかしげていると、オチンチンに熱くて湿ったものが。

 

 湯気? いや、美由希さんの息か。って、いつの間にか美由希さんの顔が近くに……。

 

 ――あっ。

 

 先っぽの、むき出しになってる部分にまた美由希さんの鼻息が当たった。息で濡れていた表面が少し乾いて、何かが昇ってきた。

 

「――んっ」

 

 思わず口から声が出てしまう。オチンチンから感じたのは吸血鬼のお姉さんが夢でやっていたのに近いものだった。

 

 むず痒くて、だんだん熱くなって、ちょっぴり痛くて、恥ずかしくて、ぞわぞわして、気持ちいい。

 

 そんな、色んなものが混ざっているような感覚。

 

 そういえば、吸血鬼のお姉さんはオチンチンを弄ったり、美味しそうに咥えてたっけ。そういえば温泉旅行でも忍さんが俺のオチンチン咥えてたな……。

 

 …………。

 

「……ねえ、美由希さん」

 

「――っ! な、何かな、拓也くん」

 

 二度目でやっと顔を上げてくれた美由希さん。あれ? いつものたっくんじゃなくて、拓也くん? 首を傾げる俺に、顔を真っ赤にしたまま美由希さんは咳払いをして、立ち上がった。

 

「あ! せ、背中! 背中を流すんだったね! ほら、後ろ向いてたっくん!」

 

 そう急かすように俺に背中を向けさせる美由希さん。あれ? たっくんに戻った? 変な美由希さんと思いながら、シャワーの横にある鏡を使って様子を窺うと、美由希さんは片腕で額の汗を拭っていた。

 

 ……美由希さんもオチンチン触りたかったのかな?

 

「じゃあ、用意するね」

 

 そう言って洗面器にお湯を溜める美由希さん。どうやらいつもの美由希さんに戻ったようだ。 

 

「あ、美由希さん。まだ頭を洗ってないよ」

 

 背中を洗うなら、まずは上の頭からだよね?

 

「そうだったの? じゃあ、頭から洗ってあげるね」

 

「うん!」

 

 ……もうひとりで出来るけど、やってもらえるなら、甘えさせてもらおう。

 

「ふふっ、この美由希お姉さんが全身をピカピカにしてあげよう♪」

 

「あ、頭と背中だけでいいよ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちょっ、み、美由希さんっ」

 

「ほら、あんまり動かないの」

 

「んっ! あ、頭と背中だけでいいって! 他は自分でできるよ!」

 

「だーめ。もうここまで洗っちゃったんだから、お姉さんが最後まで洗ってあげる」

 

 そう言って俺のお腹をスポンジで洗ってくる美由希さん。すでに頭と背中は洗い終わっていたけど、美由希さんはスポンジを持ったまま後ろから手を伸ばしてきて、前を洗い始めたのだ。

 

「……あうっ、く、くすぐったいよ、美由希さん」

 

「えへへへ、ん~、かわいいなぁ。ここがくすぐったいの? ほらほら、お姉さんが隅々まで洗ってあげるよ~」

 

 胸やお腹、わき腹に触れてくるスポンジにくすぐったさを感じて体を丸めるが、美由希はそんな俺を無視して洗い続ける。

 

 しかも俺が逃げないように、しっかり右腕を俺の腰に回して。

 

「美由希さぁん……」

 

「ん~、どうしたのかな~? まだまだ洗えてないぞ~。うりゃうりゃ♪」

 

「ひゃっ、んんっ、ちょっ……、う、うんん……!」

 

 左手に持っているスポンジでわき腹から胸を洗われる! や、やめ……、息が……、変な声が出るから、やめて……って!

 

 もう耐え切れないと俺は体ごと後ろを振り返り、両手を使って美由希さんを放そうとするが、両手を突き出す瞬間に抱きしめられ、あっけなく捕まってしまった。

 

 美由希さんは胸に俺の頭を埋めさせるように抱いて言う。

 

「よしよし。もうすぐ終わるから大人しくしてようね~」

 

 トントンと背中を叩かれる。……美由希さんは俺を幼児だとでも思ってるのだろうか?

 

 少し不機嫌になって顔を横にずらすと、肌色のなかにピンク色なものが目に入った。これって美由希さんの乳首?

 

 少し大きめの乳輪に、ツンと起ってる乳首。

 

 …………。……そうだ!

 

 乳首を見てあることを思いついた俺。俺は抵抗を止めて美由希さんの腰に両手を回す。

 

「ん~? どうしたのかな~?」

 

 やさしい声で訊ねてくる美由希さん。顔を見なくてもニコニコしてるのがわかる。俺は一旦胸の谷間から顔を離して、乳首へと顔を近づけた。

 

 口を開いて、乳輪ごとパクッと咥える。

 

「あんっ」

 

 ビクっと震える美由希さん。俺は口に咥えたまま、舌で乳首を舐める。

 

「ん……、あ、……んんっ……、たっくん……」

 

「れろっ……、あむ、ん……、んむ……」

 

 一旦口を離して、もう一度咥えなおし、そのまま唇を絞める。

 

「どう、したの? おっぱい……欲しくなっちゃったの?」

 

 震える声で訊ねる美由希さん。まるで赤ん坊におっぱいをあげるように片手で俺の頭を支えてくれる。

 

 ……あれ? 俺の予想では「もう、イタズラしちゃだめよ」とか「エッチなんだから」とか、いつもみたいに叱って解放してくれるはずだったんだけど……。

 

「ぁん、し、舌がザラザラしてて……、く、んんっ……」

 

 美由希さんは俺を離そうとはしてこない。

 

 試しに空いている両手でおっぱいに触れてみるけど、美由希さんは頭を撫でてくるだけ。

 

 開いてる乳首を指で摘まんだり、指で捏ねてみても、

 

「ん、そっちも吸いたいの? 拓也くんはよくばりだね」

 

 と、微笑むだけ。

 

 …………。

 

 ん~……なんだかバカらしくなってきちゃったなぁ。全然怒んないし、むしろうれしそうに抱きしめてくるし。

 

 結局俺はそれから10分ぐらい美由希さんにおっぱいを吸わせてもらった。いちおう、それ以上前を洗われずに済んだのでいいけど……なんだろう、この敗北感は……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あれから俺はもう一度シャワーを浴びて、今は浴槽に浸かっていた。浴槽の淵に背中を預けて手足を伸ばす。洗い場では美由希さんがシャワーを浴びていた。

 

 ぼーっと浴槽から洗い場にいる美由希さんを見つめる。

 

 しっとりと濡れた長い黒髪。大きな胸に細い腰、丸いお尻。やっぱりなのはやアリサ、すずかと違って、美由希さんは女らしいよなぁ。特におっぱいとか。三人娘のツルペタなんかと比べるまでもなく大きいし、あそこにも毛が少しだけだけど、生えてるし。

 

「……よし。じゃあ、私も入るね」

 

 シャワーを止めて、浴槽に入ってくる美由希さん。いつの間にか美由希さんは体を洗い終えたらしい。俺が手足を引っ込めてスペースを空ける。

 

「ありがと、たっくん」

 

「うん」

 

 お礼にうなずいて、またお湯の温かさにまったりし始める。

 

 ……ん? なんで美由希さんは立ったままなんだ? 早く座らないのかな? 視線の前に美由希さんの股があって見えちゃってるんだけど……。

 

 相変わらずぼーっとしながら、今度は正面にある美由紀さんの股辺りを見つめていると、上から声をかけられた。

 

「ねえ、たっくん。ちょっと立ってくれる?」

 

「? いいけど……」

 

 素直に立ち上がる。美由希さんも立っているので、正面から裸で向い合う格好だ。それにしても大きいなぁ。俺の背はギリギリ美由希さんの胸ぐらいまでしかない。成長すれば追い抜けるのかな? まったくその姿が想像できないけど……。

 

 そんなことを考えていると、美由希さんが浴槽に座って肩まで浸かり、そのまま手足を伸ばしてきた。長い足が俺の近くまで伸びてきてる。このまま座れないこともないけど、これじゃ狭いな。

 

「ほら、こっちにおいで」

 

「?」

 

 浴槽の淵を背もたれにした美由希さんが俺に向って手招きしてきた。大きく股を開いて、ニッコリ笑顔を浮べてくる。

 

 え? この股の間に座れってこと?

 

 視線を向けてみれば、うんうんとうなずいている美由希さん。どうやら正解らしい。

 

 ――なら、と俺は浴槽に膝立ちになって美由希さんに近づく。太ももの間でくるりと体の前後を入れ替えて、お尻を美由希さんの股の間に入れた。

 

 そのままゆっくりと背中を美由希さんに預ける。2人で入った分、浴槽からお湯が溢れた。

 

 これでいいの?

 

 そう確かめようと振り返ろうとするが、先に美由希さんに捕まってしまう。

 

 後ろから首から胸へと両腕をまわされて、抱きしめられる。背中で潰れて広がる美由希胸の感触が伝わってきた。うわ、スベスベであったかくて、やわらかい……。

 

 他にも太ももや腕、胸の感触を味わいながら、俺は丁度いい位置に体を合わせていき、お湯に肩まで浸かった。

 

 後ろの美由希さんが笑いながらつぶやく。

 

「あはははは、少し前までなのはと3人で入っても余裕だったのに。もう、2人でもちょっと狭いね」

 

「ん~?」

 

 そう言われてみれば、確かに。少し前ぐらいまでお泊りのときは3人でお風呂に入ってたっけ。最近のお泊りのときは恭也さんや士郎さんばかりと入ってるから忘れてた。まあ、家になのはが泊まりに来るときも、最近はお母さんと入ってたから忘れても仕方ないか。

 

 それに、今はそれよりも……。

 

「ふわああぁ……」

 

「あれ? 眠たくなっちゃった?」

 

「……うん、少し」

 

 美由希さんに訊ねられて目を擦る。道場でのこともあって、正直すごく眠たいんだ。今、すっごく気分がいいし、このまま寝たい。

 

「ん~……」

 

 ねむ、ねむ……。

 

 丁度いい枕もふたつある。フカフカで弾力があって、スベスベ。温かいし、いい匂いもする。ああ、本当に眠たくなってきた。

 

「ふふふ。――じゃあ、そろそろ上がろっか?」

 

「……ぅん」

 

 美由希さんの言葉にうなずく。このまま浴槽で眠ったら美由希さんに迷惑がかかっちゃう。

 

 眠気を我慢して立ち上がる。俺に続いて美由希さんも立ち上がり、一緒に脱衣所へ。

 

 そのあとはタオルで頭や体を拭いてもらい、新しい服に着替えた。

 

 んー、それにしても眠い……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 お風呂から上がった俺と美由希さん。眠たかったけど、先にお昼ごはんを食べようと翠屋に向かい、お昼ごはんを済ませることになった。

 

 ちなみに、美由希さんが高町家で料理をするという選択肢は最初からない。俺も美由希さんの料理を食べるぐらいなら、と眠気を我慢して翠屋へと歩きました。

 

 翠屋についたあとは、ウエイター姿でお店を手伝っている恭也さんにお願いしてお昼ごはんを用意してもらって食べた。うん、お菓子だけでなく、料理もすごく美味しかった。さすが士郎さんと桃子さん。

 

 前に食べた美由希さんの『かわいそうな卵焼き』とは別物だった。……本当に別物だった。思えばあのとき、あまりの味に泣いてしまって美由希さんに慰められたんだったな……。美由希さんには悪いけど、もう二度と食べたくないです……。

 

 美由希さんとお昼ごはんを食べ終えたあとは、お店の邪魔にならないように高町家に戻って、お昼寝することに。

 

 眠たいのを我慢していたところに満腹感も加わった俺は、もう限界……。

 

 美由希さんの腕を支えに階段を上がって、美由希さんの部屋へ。

 

「ほら、もうちょっとだからねー」

 

「うん……」

 

 ベッドまで連れて行ってもらって、そのまま布団の上に仰向けで寝転がる。今は春だし、暖かいから布団をかけなくても寒くない。

 

「ふふっ、おやすみ、たっくん」

 

「ぅん……」

 

 そのまま俺はすぐに眠りについた……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 私のベッドの上で寝息を立てて眠っている、『たっくん』こと、拓也くん。お風呂から今の今まで私に迷惑をかけないよう頑張って起きていたのもあって、ベッドに寝転んでからすぐに寝てしまった。

 

「ぅん……」

 

 仰向けから横向きに拓也くんが寝返りを打つ。ふふっ、かわいいなぁ。

 

 このまま拓也くんの寝顔を見ていたいけど、先に洗濯物片付けないといけない。翠屋にお昼ごはんを食べに行く前、洗濯機を回していっていたから、今丁度終わったぐらいだろうし。

 

「ちょっと行ってくるね。おやすみ、たっくん」

 

 小声で寝ている拓也くんにそう言ってから私は静かに部屋から出いく。音を立てないようにドアを閉めて、1階へ。脱衣所へと行くと、丁度洗濯機が回り終えたところだった。

 

「よし。じゃあ、さっさとすませちゃおうかな」

 

 そう気合を入れて腕まくり。洗濯機の蓋を開けてカゴに移し、庭へ干しに行く。

 

 庭へ出て空を見上げると、青空とお日様が。

 

「うん、いい天気♪」

 

 雲ひとつないし、雨も降りそうにない。風もあってすぐに乾きそう。私は庭へ出て洗濯物も干し始めた。

 

 2人分のジャージにバスタオルが2枚。タオルも2枚で拓也くんのシャツとパンツを干して終わり。まだカゴには私の下着が入ってるけど、下着は私の部屋に。うん、最近物騒だし、いくら家族だからってお父さんや恭ちゃんには見られたくないからね。

 

 カゴを直して、私は下着だけ抱えて2階へ上がる。静かに自分の部屋のドアを開けると、拓也くんはスヤスヤと寝息を立てて熟睡中だった。

 

 ふふ、寝てる寝てる。

 

 私は起こさないように気をつけながら、手早く下着を部屋に干す。いちおうドアを開けても見えにくい位置に干してるけど、ベッドの上にいる拓也くんには丸見えだね……。

 

 まっ、でも下着ぐらい今さらかな。お風呂だってまだ一緒に入ったりしてるわけだしね。

 

 そう微笑み、私はゆっくりとベッドに近づく。拓也くんの寝顔がよく見える特等席に腰を下した。

 

「ふふ、本当にかわいい」

 

 手を伸ばして拓也くんの頭をやさしく撫でる。男の子らしい1本1本が太い髪の毛。

 

 ん~、このクセのある髪がいいんだよねぇ。クセになる触り心地っていうか。

 

 自分でもわかるニコニコ笑顔を浮べて拓也くんの頭を撫で続けていると、突然拓也くんが小さく私の名前を呼んだ。

 

「美由希、さん……」

 

 ――っ! もしかして起しちゃった!?

 

 突然名前を呼ばれた私は、拓也くんの頭から手をどかしてその場に正座する!

 

 ベッドの側で正座した私は、内心ビクビクしながら拓也くんの様子を窺うが……。

 

「…………。……あれ? 起きて、ないの?」

 

 相変わらず目を閉じている拓也くん。試しに小声で拓也くんを呼んでみるけど、反応は返ってこなかった。どうやらさっきのは寝言だったらしい。

 

「もう、驚いちゃったじゃないの」

 

 よくも驚かせてくれたなぁ~、っと人差し指で拓也くんの頬っぺたをつつく。つんつん、つんつん、つんつん……ふにぃ。

 

「――あはははっ」

 

 拓也くんの頬っぺたプニプニしてる。お肌もスベスベだね。

 

 膝立ちになり、もっと顔を近づけて拓也くんの顔を覗き込む。

 

 クセのある少し長めの黒髪に、細い眉毛。整った鼻筋。今は閉じているけど、普段はくりくりとしたかわいらしい瞳。全体のバランスもいい。

 

 ん~、よく見れば拓也くんって、結構なイケメンさんなのかな? 今はカッコイイよりもかわいいって言葉のほうが似合うけど、将来、成長すれば恭ちゃんぐらいのイケメンさんになるかも。

 

 手足も長いし、絶対身長もぐんぐん伸びるよね。もしもそうなったら――。

 

『――美由希さん』

 

 思わず妄想で作り出してしまった将来の拓也くん(予想)がこちらに笑顔を浮べてきた。その笑顔は拓也くんにはあんまり似合わない気取った笑顔で……。

 

「――っ! ……っ、ぷ……、あ、ははっ、……くっ」

 

 だ、ダメ……っ! わ、笑っちゃ! うく……っ、た、拓也くんが起きちゃう……っ!

 

 必死に口を押さえて笑い声を堪える! 今は何も考えちゃダメ! 何も……っ!

 

『――美由希さん』

 

「――っく! うぅ……っ! …………っ! んん……っ!」 

 

 やっ、やっぱりダメ……っ! 成長してイケメンになっても、今みたいな笑顔しか想像できない! それに拓也くんなら高校生になっても、いままで通り私に懐いてきそうだしね。

 

『美由希さ~ん』

 

 って、ニコニコ笑顔を浮べて抱きついてきそう。うん、やっぱりこっちのほうが拓也くんには合ってるね。

 

 気取ったのは似合わない似合わない。

 

 そう私は気を取り直して、立ち上がる。あー、もう少しで起しちゃうところだったなぁ。気をつけないと。

 

 私はその場で背伸びする。さっきまで姿勢が姿勢だったので、背骨がコキコキとなった。

 

「んんっ……、ん~……。ふあぁぁ……」

 

 凝り固まった体を解す気持ちよさを感じていると、思わずあくびが出てしまった。そういえば、私も少し眠たくなっちゃったなぁ。私のベッドは拓也くんが使ってるし、私はリビングのソファでお昼寝しようかな?

 

 とりあえず立ち上がって時計を見る。今の時間は1時40分。3時ぐらいまで私もお昼寝しようかなぁ。拓也くんもあんまり寝すぎると夜眠れなくなるだろうし。

 

 そう考えて私は携帯電話を取り出し、携帯電話の目覚ましを3時にセットした。スカートのポケットのなかに携帯電話を入れる。

 

「さてと……」

 

 1階に行こうかな、とドアの方へ向おうとして……立ち止まる。ゆっくりと視線をベッドのほうへ向けて……。

 

「……2人でも眠れる、かな?」

 

 そう思って静かにベッドに近づいてみると、タイミングよく拓也くんが寝返りを打った。ベッドの中央から端へと移動して、十分なスペースが出来上がった。

 

 ギシ……。

 

 ベッドの上に膝を立てて、そのままいつものようにベッドに寝転がる。うん、十分寝れるね。

 

 仰向けで横を見ると、同じ位置に拓也くんの頭が見えた。

 

「…………」

 

 壁のほうを向いて、横向きで寝ている拓也くん。まだ小さい背中が私の目に映った。

 

 拓也くんを見ながら、自分の体を拓也くんに寄せていく。拓也くんと同じように横向きになって、体が触れ合うぐらいまで近づき、後ろから抱きつく。

 

「いい匂い……」

 

 拓也くんの首の後ろに顔を埋めると、シャンプーのいい匂いがした。いつもと違う、お父さんや恭ちゃん同じシャンプーの匂いだった。

 

 でも、もっと鼻を近づけて嗅いでみると、やっぱり恭ちゃんとは違う拓也くんの匂いがした。

 

 こっちもいい匂い……。懐かしい……匂いだぁ……。

 

 クンクンと匂いを嗅ぎながら拓也くんを抱きしめていると、だんだんと眠気が強くなってきた。

 

 眠気と心地よさに、私は深い眠りに入っていく。

 

「おやすみ、たっくん……」

 

 私は拓也くんを抱いて、そのまま意識を手放した……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ピピピピピピ。

 

 ベッドでお昼寝をしていた私は、目覚ましにとセットしていた携帯電話の音で目を覚ました。

 

 スカートのポケットに入れていた携帯電話を取り出して、目覚ましを止める。そしてベッドから起き上がろうとして――。

 

「あれ?」

 

 体が動かない。というか、動けない。あれれ? っと首を傾げて見ると、拓也くんが腰に抱きついて眠っていた。

 

 寝る前は後ろから自分が抱きついていたはずが、いつの間にか抱きつかれる側になっていたようだ。まだ夢のなかにいる拓也くんは、しっかり私の腰に手をまわしていて、胸に顔をうずめて眠っていた。

 

 そんな拓也くんの姿に思わず私は微笑んでしまう。ふふ、まだまだ甘えん坊さんだね。

 

 ――あ、そういえば……。

 

 胸に顔を埋めて寝ている拓也くんの姿に、今日のお風呂での出来事を思い出す。

 

 私を抱きしめながら、乳首を吸ったり舐めたりしてる拓也くんを――。

 

 あのときはいきなり拓也くんに乳首を咥えられて少し驚いたけど……。

 

 ――すごく……気持ちよかった、よね?

 

 ぱくっと口に咥えられたと思ったら、ザラザラで小さい舌が私の乳首を舐めてきて……。

 

 舌でペロペロ舐められたり、唇で先端辺りを乳輪ごと咥えられたり、指でも弄られたっけ。

 

 わ、私もお姉さんで拓也くんも子供だからって、おっぱいを弄られても余裕を見せてたけど……正直危なかったなぁ。怒るタイミングも逃しちゃってて、結局拓也くんが満足するまでさせちゃったせいで、その……反応しちゃってたし……。

 

「あうぅ……」

 

 改めて思い出して、赤くなる。私は膝立ちで、拓也くんは私の胸に顔を埋めてたから気づかれなかったようだけど、あのとき私の股から太ももまで、あるものが伝っていたのだ。

 

 ……おしっことは違う、少しだけネバネバしてる、いやらしい液体が。

 

 拓也くんが満足してくれたあと、私は拓也くんの体にシャワーをあてながら、必死で自分の股にもシャワーを当てて、そのいやらしい液体……愛液を隠したんだよね……。

 

 私は元々オナニーなんてしたことなかったし、あんなに出ちゃうものだとは思ってなかったから、浴槽に拓也くんを入れたあとは反応しちゃった自分を情けなく思ったり、すごく出たことに驚いたり、恥ずかしくなったりして……。

 

「はぁぁ……」

 

 深いため息が出てしまう。情けないなぁ……。私はお姉さんなのに。拓也くん(子供)に触られて反応しちゃうなんて……。

 

 じゅ……。

 

 考えていたら体がまた反応してしまった。胸のほうにも違和感が。うう……、乳首、絶対起っちゃってるよね……。私って感じやすいのかなぁ?

 

 普段はまったく気にならないのに、ブラジャーに包まれている胸が気になり始めた。生地と肌の間に意識が集中し、違和感が大きくなっていく。

 

 ブラジャー、外したいなぁ。布と乳首が擦れてちょっと少し痛い。……んー、ちょっとだけなら、外してもいいよね?

 

 胸の違和感を取り除くために背中に手を回そうとして、止まる。

 

 ……あれ? でもこのままブラジャー外したら、また拓也くんに吸われちゃうんじゃ?

 

 まったく根拠のない考えだけど、私はそう考えてしまい、手を止めた。

 

 眠っている拓也くんを見つめながら考える。拓也くんの口を見つめながら。

 

 また……またおっぱい吸われちゃったら……弄られちゃったら……すごく、気持ちいいのかな? ザラザラの舌で舐められたり、指でくりくり摘ままれたり……。こ、今度は噛まれちゃったりするのかな?

 

「……ぁ」

 

 頭の中で広がっていく妄想に、自然と内股になってしまう。太もも同士を擦り合わせると、オマンコからくちゅくちゅといういやらしい音が脳内で響いてきた。

 

 ああ、私……また濡れちゃったの? お、オマンコ、くちゅくちゅいってるよぉ……。

 

「はぁ……はぁ……」

 

 息が苦しく鳴り始め呼吸が乱れる。

 

「ん……っ、んん……」

 

 下着を越えて、太ももにも感じ始めた湿り気。も、もしかして下着まで濡れちゃったかな?

 

 気になって、スカートのなかへ手を入れてみた。下から捲るように入れて、下着越しに触れる。

 

「――っ」

 

 なに、これ……っ! 下着の上からちょっと触っただけなのに……っ!

 

 手が……っ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁはぁ……、ん、あ、あんっ……」

 

 …………。

 

「ぅん……、いい……、はぁはぁ……いい、よ……っ」

 

 ……え? 何、この状況?

 

 お昼寝から起きてみたら、目の前にスカートを捲って下着に手を入れてる美由希さんがいた。……いや、自分自身何を言ってるかよくわからないんだけど、実際に目の前で起こってることだ。

 

 向かい合うように、横向きで寝転がっている美由希さんと俺。

 

 俺の頭は丁度美由希さんの胸の前にあり、おまけに下を向いているせいで、美由希さんがスカートのなかに手を入れているところがはっきりと見えている。頭の上辺りからは美由希さんのエッチな声が聞えてきていた。

 

 ――というのが、今の状況だった。

 

 美由希さんは俺が起きたことに気づいていないのか、スカートをさらに捲りあげた。スカートのなかからライトグリーンのパンツが現れた。確か、美由希さんのお気に入りの下着だったな。

 

 下着を見ていると、頭の上からこんなつぶやきが。

 

「はぁはぁ……直接、触ったら、どうなるのかな……?」

 

 美由希さん……? 顔を上げて自分が起きていることをアピールしようとするが……。

 

 突然、美由希さんが前かがみになってきた! ボフっと俺の頭が美由希さんの胸の谷()の間に埋まる!

 

「――ん、ああっ!」

 

 美由希さんの大きな声。パンツに入れていないほうの手が俺の頭に回され、ぐいぐいと胸に押し付けられた!

 

 いちおう、頭のてっぺんが埋まっている状態だから、呼吸はできるけど……美由希さんがそのままさらに体を丸めたせいで、俺の視線の、顔のすぐ前に美由希さんの下半身がやってきた!

 

「ああっ……、やっぱり……、直接触るの……、気持ち、いい……っ」

 

 うわわわわ……っ!? パンツのなかの手、すごく動いてる!? くちゅくちゅなってるのが聞えてるよぉ……。それに、近いから匂いが……。

 

「はぁはぁ……、ん、ダメ、なのに……。手が、止まらないよぉ……っ」

 

 そんな言葉と共に激しくなっていく手の動き! その光景に目を離すことも忘れて見入っていると、美由希さんの体が突然ビクビクと震え始めた!

 

「……く、ぁあう……はぁはぁっ、ダメ……、たく、やくんの、まえでなんて……。し、しちゃいけないのに……、どんどん、気持ちよくなっちゃってる……っ、もう、片手じゃたりないよぉぉ……。――んんっ」

 

 もう片方の手をパンツのなかに入れる美由希さん。パンツが伸びてしまうんじゃないかと思うぐらい、パンツのなかで両手を動かし、体をビクビクと大きく震わせた!

 

「ああっ、やっぱり……、すごくいい……っ。……あ、ああっ、く、あんっ! はぁははっ、あ、あああっ! きちゃう! すごいのがきちゃう!」

 

 ブルブル震える美由希さん。足の先が開いたり閉じたりして、パンツのなかの手が一段と速度を増して動いて――。

 

「ああっ、イクッ! イクよっ! 私っ、初めてなのに、イッちゃうぅぅぅぅうううううっ!」

 

 ――ビクッ! ビクビクッ!

 

 体を小さく丸めて何度も体を大きく跳ねさせる! 何が、起こったの……? み、美由希さん……?

 

 気づかれないように視線だけで様子を窺って見る。さっきまでパンツのなかで激しく動いていた両手は動きを止めていたが……。

 

 な、なにこれ……。下着の色が変わってる? え、と……お漏らし、じゃないよね? そういう臭いに近いけど……。この臭いはちょっと独特な感じで……。

 

 ……あれ? この臭い……、前にも、どこかで、嗅いだこと、なかったっけ?

 

 ……うん、この臭いに似てる臭い。

 

「はぁはぁ……はぁはぁ……」

 

 激しく呼吸を繰り返す美由希さん。俺はボーっと美由希さんの股を見つめながら記憶を探っていた。

 

「はぁぁぁ……」

 

 俺の頭に顔を近づけて息を吐く美由希さん。首筋に当たる生暖かい息。

 

 ――そうだ。思い出した。この臭い……、吸血鬼のお姉さんに似てるんだ。

 

 夢のなかで吸血鬼のお姉さんの股を舐めさせられるときに嗅いだ臭いに近いんだ。

 

 ちょっとすっぱいような臭いで……舐めたら舌が少しびりっとするような味なんだよね……。

 

 ――っ!

 

 う、あ……っ!

 

 思い出して、たら……っ! オチンチンが……張って……きたっ! 先端が、パンツに当たって、痛っ……! 狭くて苦しい……っ!

 

 すぐにでもオチンチンをズボンから出したい、けど……!

 

 み、美由希さんに起きてることがバレる!

 

 う、うう……っ!

 

 俺は美由希さんに気づかれないように膝を曲げる! ズボンとオチンチンの間に少しだけスペースができて少しだけ楽になるけど、まだまだ苦しいままだ。

 

 ど、どうしよう……っ!

 

 俺が混乱していると、美由希さんが起き上がった! もしかして、気づかれた!?

 

 内心ビクビクと怯える俺。美由希さんは捲くれていたスカートを直し、ベッドから起き上がってつぶやく。

 

「うう~……、まさか私イッちゃった? ……初めてでイッちゃうまで弄るなんてぇ……」

 

 頭を抑える美由希さん。少しその声は涙声で、ふらふらと部屋から出て行った。

 

 た、助かったぁぁぁぁ……。

 

 美由希さんが階段を下りて行く音を確認してから、慌ててズボンからオチンチンを取り出す。

 

 取り出したオチンチンは普段よりもビンッと大きくて硬くなっていた。すごくむずむずしてるけど、これは病気じゃないって少し前に桃子さんとお風呂に入ったときに教えてもらった。お母さんも男なら誰だってなることなんだって言っていた。

 

 あうう……、放っておけば治るって言ってたけど、むずむずする……。

 

 くそぉ、こうなったのも全部吸血鬼のお姉さんが夢に出てくるからだ。今度夢に出てきたら退治してやるっ!

 

 …………。

 

 ……でも、吸血鬼ってニンニクや十字架ぐらいしか効かないんだよね? 木刀じゃ無理だよね……? いくら夢のなかだからって魔法とか使えないだろうし、あのお姉さんなら魔法ぐらい無傷で乗り切りそうだし……。

 

 ……やっぱり退治するのはやめよう……。会っても全力で逃げよう……。

 

 はぁぁぁぁ……。早くオチンチン小さくならないかなぁ……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 お泊りの夜。俺は美由希さんの部屋にいた。

 

「じゃあ、お布団敷こうね」

 

「……うん」

 

 ライトグリーンのパジャマ姿となった美由希さんと、水色のパジャマに着替えた俺。

 

 2人で協力しながらベッドの側に布団を敷いていく。敷く布団は俺が泊まるときにいつも使う青色の布団セットだ。ちなみに俺の家にもなのはのお泊り用布団がある。いつも俺のベッドで一緒に寝るから使わないけどな。

 

 布団を敷き終え、寝るための準備を終える俺たち。現在の時刻は夜の9時を回って、もうそろそろ10時になるところ。寝るには丁度いい時間だし、美由希さんもこれぐらいの時間に寝てしまうそうなので、寝ることになったわけだけど……。

 

「拓也くん」

 

 いつもは『たっくん、たっくん』と呼んでくる美由希さんが、俺を名前で呼んできた。ベッドに座っている美由希さんは隣に座るように指示してくる。

 

 俺はその指示に従ってベッドに座り、美由希さんに訊ねた。

 

「……な、何? 美由希さん」

 

 ……ものすごく嫌な予感。今夜は恭也さんの部屋で寝る予定だったのを、突然美由希さんが「私が寝る」と言い出してきたときから感じていたものだ。

 

 俯くように下を向いている美由希さん。ゆっくりと顔を上げて、俺の方に顔を向けてきた。……この眼光は覚悟を決めた剣士の目っ!? 士郎さんや恭也さんが2人で練習試合するときたまに見せる鋭い眼光だ!

 

 その真剣な面持ちで美由希さんが訊いてくる。

 

「……見た?」

 

 と……。

 

「――っ!」

 

 美由希さんの問いに俺は思わず体を跳ねさせる! 何を見たか言っていないけど、予想はついていた。

 

 美由希さんも俺のそんな反応を見て、『見られた』と悟ったらしい。「そっか……」とつぶやいて顔を俯むかせた。

 

「……どこから見たの?」

 

「え、えっと……」

 

 思わず顔を逸らす。これは……言わなきゃダメか?

 

 俺は顔を逸らしたまま、小声で話し始める。

 

「み、美由希さんが、その……パンツのなかに手を入れ始めたぐらいから……」

 

「――っ。……そう、なんだ……」

 

 沈んだ声でつぶやく美由希さん。俯いて顔はよく見えないけど、たぶん真っ赤になっているはずだ。その証拠に耳が真っ赤になってるし……。

 

「……驚かせちゃったよね? ……ごめん、ごめんね、拓也くん……」

 

「え、えっと……」

 

 ポタポタと美由希さんのヒザの上に落ち始めるもの。なっ!? み、美由希さんが泣いた!?

 

「情けないよね、私、お姉さんなのに……」

 

 メガネを取って片手で涙を拭う美由希さん。正直何が情けないのかわからない。泣いている意味もわからない。わからないけど……。

 

「その……驚いたけど、俺、気にしてないよ」

 

 美由希さんを泣かせたくないっ! 大好きなお姉さんなんだし、いつもニコニコ笑ってる美由希さんが好きだから!

 

「……拓也、くん?」

 

 少しだけ顔を上げてくれた美由希さん。俺は美由希さんの膝の上で硬く握られていた手を両手で包む。ちょっと冷たくなったその手を両手を使って開かせ、包むように握る。

 

 自分自身泣き出した美由希さんに混乱している真っ最中だけど。俺はなるべく落ち着いた、やさしい声を出すよう意識して言う。

 

「俺も、寝たふり続けたまま最後まで見続けちゃったし……。おあいこだよ」

 

「……さ、最後まで……っ!?」

 

「う、うん……。片手だったのにパンツのなかに両手を入れて動かし始めて、突然ビクビクしたとこまで見……」

 

「――待ってぇぇっ! それ以上は言っちゃダメぇぇぇっ!」

 

「……むがっ!?」

 

 両手で口をふさがれる! 目の前にはウルウル目の美由希さん。顔を上げてくれたのはうれしいけど、どうやら慰めるのは失敗したらしい。

 

「う、うう……。最後まで、イッちゃうとこまで見られてたの……?」

 

「……ふん」

 

 口をふさがれたままうなずく俺。その瞬間、美由希さんの顔が……落ちた。突然全身から力を抜いたようにガクッと顔が下を向き、両手も下へと滑り落ちていった。

 

「ああぁぁ……」

 

 心なしか真っ白になったように美由希さん。これが漫画なら魂が口から毀れちゃっていることだろう。こ、これはマズいな……。

 

 なんとかして元気づけないと……っ!

 

「み、美由希さんっ!」

 

「…………」

 

 名前を呼んで両肩を掴んでみるが、反応なし! これは、無理矢理元気づけるのは無理のようだ。だっ、だったら……!

 

「その、俺も時々オチンチンを弄りたくなるときがあるから、大丈夫だよ!」

 

「…………。……へ?」

 

 意外そうに顔を上げてくる美由希さん。思いのほかすぐに反応を返してくれたことはうれしいけど、顔が熱いっ! 恥ずかしいっ! 顔から火が噴きそうだ!

 

 それでも俺は恥ずかしいのを我慢して続ける。うう、顔を合わせていられないよ~……。

 

「さ、最近だけど……時々、オチンチンが大きくなったりして……。今日も、美由希さんがパンツのなかに手を入れてるの見て、大きくなっちゃって……。むずむずして弄りたくなってたから、その……だから……」

 

「たっくん……」

 

「病気じゃないから大丈夫だよ!」

 

 そう言って体ごと顔を背ける! 下を向いて美由希さんがどう反応するのかビクビクしてると……。

 

 ギュっ。

 

 後ろから抱きしめられた。

 

「……美由希さん?」

 

「…………」

 

 声をかけるけど、無言の美由希さん。美由希さんは体勢を整えて体を寄せてくると、もう一度抱きしめてきた。

 

「えっと……」

 

「――ありがと、たっくん」

 

 俺の耳元でそう小さくつぶやいた美由希さん。俺は俺の体を抱きしめている美由希さんの腕に手を重ねて、「うん」とうなずいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うわぁ……、すごんだね、たっくん」

 

「は、恥ずかしいよ、美由希さん。そんなに見ないでよ」

 

「ゴメンゴメン。――でも、オチンチンってこんなに大きくなるんだね。元々大きかったけど、まだ大きくなるなんて……。それに、硬くなってるし」

 

 そう言って指でオチンチンをつついてくる美由希さん。現在俺と美由希さんはズボンとパンツを脱いでいて、ベッドの側の床に敷いた布団の上で向かい合うように座っていた。

 

 つんつん、つんつんと先端をつつく指を手で掴んで止める。

 

「ちょっ、止めてよ、美由希さん。先端に触られるの、結構痛いんだから」

 

「そうなの? あははは、ゴメンね」

 

「もう……」

 

 ゴメンゴメンと笑っている美由希さんにため息を吐く俺。全然懲りてないな、美由希さん。

 

 だけど――。

 

「じゃあ、今度は美由希さんの番だよ」

 

「へっ!? ……えと、やっぱり……私も見せなきゃダメ、かな?」

 

 ニヤリと笑って言った俺に、顔を赤くする美由希さん。恥ずかしそうな顔で、下から上に目をウルウルさせてるけど、

 

「うん」

 

 俺は笑顔でうなずいた。

 

「俺だって見せたんだから、今度は美由希さんの番だよ」

 

「……ほんとに見せなきゃ、ダメ?」

 

「ダメ」

 

「あううぅ……」

 

 正座した状態でもじもじと膝を動かす美由希さん。すでに下半身丸出しなのに、今さら何で恥ずかしがるのか。

 

 俺は小さく息を吐いて言う。

 

「元々美由希さんが言い出したことでしょ? 『本当にオチンチン反応したの?』って。それを確かめるためにズボンとパンツ脱いだのに……」

 

「うう……」

 

 俯く美由希さん。まあ、空気を変えるために脱いで見せたの俺だし、不公平だからって美由希さんのズボンとパンツを脱がせたのも俺だけどね。俺は美由希さんの腕に手を絡めながら続ける。

 

「俺も美由希さんのよく見たいよぉ。俺の見たり触ったりしたんだからいいでしょ? お願いだよ、美由希さぁん」

 

「う~ん……」

 

 くくっ、悩んでる悩んでる。やっぱり困った顔してる美由希さんってかわいいな。うーん、このままもう少し困らせてもいいけど、あんまり虐めちゃかわいそうだ。元々そこまで見たかったわけでもないんだし。

 

 もういいよ、そう言って終わらせようとしたとき――。

 

「そんなに、見たいの?」

 

 美由希さんがそう訊ねてきた。俺は……俺を真っ直ぐ見つめてくる美由希さんに、思わずうなずいてしまう。

 

 うなずいた俺を見て、美由希さんは覚悟を決めたような表情になり、ベッドの端に座った。

 

「少し、だけだからね? 絶対、みんなには内緒だよ?」

 

「……う、うん」

 

「じゃ、じゃあ……」

 

 俺から顔を背けた美由希さん。手をお尻の両側において、ゆっくりと膝を開き始めた。え……、美由希さん?

 

 呆然としている俺を無視して美由希さんは膝を開き続ける。ゆっくりと、躊躇うように時々閉じたりさせながら、大きく開いていった。

 

 大きく股を開いた美由希さんが恥ずかしそうに訊いてくる。

 

「その……どうかな?」

 

 美由希さんの行動に、無言でツバを飲む。ど、どうって……。よく見ろってことなのかな?

 

 開いている股の間に移動して、正座する。うわ、お風呂じゃ気にならなかったけど、毛が生えてるんだ……。

 

 毛が生えていることに驚きながら、視線を下へ向ける。お風呂では閉じていた割れ目が少しだけ開いてて、なかからピンク色っぽいものが見えた。

 

「うわぁ……」

 

 思わずそんな声が出てしまう。吸血鬼のお姉さんのを夢で見たことはあったけど、あのときは恐怖と驚きで見るどころじゃなかった。

 

 あ、そういえば……。

 

「ねえ、美由希さん」

 

「な、何かな? もういいの?」

 

「えと、どこにオチンチンが入るの?」

 

 入れる穴なんてないよね? 吸血鬼のお姉さんはオチンチンを股の間に入れてたはずだから、穴があると思ってたんだけど……。

 

「……え?」

 

 美由希さんの顔がポカンとなった。え? 何かマズいこと聞いちゃった?

 

「女の人のここに入るんだよね?」

 

「……そ、それは、そうだけど……」

 

「でも、穴なんてないよ?」

 

「それは――」

 

 何かを言いかけて、かぁーっと真っ赤になる美由希さん。どうしたの? 俺が首をかしげていると、美由希さんが両手を股に移動させた。

 

 美由希さんは腰を丸めて前かがみになると、両手で割れ目に触れた。ふるふると指を震わせながら、それぞれ割れ目になってる肉に触れて、左右に開いた。

 

 花びらのようにクパッと開いた割れ目。内側には内臓みたいなピンク色が広がっていた。

 

「ごくっ……」

 

 喉をならしてツバを飲む。すごい、これが中身、なんだ……。

 

 夢中で中身を見ていると、上のほうから声をかけられた。

 

「み、見えてる? たっくん」

 

「う、うん……。見えてる……」

 

 美由希さんにそう返し、さらに股の間に顔を近づける。むせ返るような美由希さんの匂いが鼻に入った。

 

 上ずった声で美由希さんが言う。

 

「え、えっとね。……ち、小さい穴が見えてるかな?」 

 

「うん……。小さい穴が、2つ……かな?」

 

「その、上のほうがお……おしっこの穴で、下の穴がオチンチンを入れる穴なんだよ」

 

「そ、そうなんだ……」

 

 上の穴よりもヒクヒク動いてる、この穴に……。

 

「じゃあ、この小さいのは?」

 

 ふと気になったので、指を挿して訊ねてみる。今まで穴と一緒で見えてなかった割れ目のてっぺんにある突起を。

 

「そ、それはクリトリスっていって、女の人の性感帯だよ」

 

「性感帯?」

 

「触ったり、触られたりすると気持ちよくなるところかな?」

 

「へぇー……」

 

 気持ちよく、か……。挿していた指を近づけて、指の腹で触ってみる。おおっ、コリコリだ。

 

「――あああっ!」

 

 うおっ!? 美由希さんがビクってなった!

 

 美由希さんの反応に驚いて手を引っ込める! 恐る恐る美由希さんの顔を見上げて見ると……。

 

「はぁはぁ……はぁはぁ……もう、いきなり触っちゃダメだよ……」

 

「う、うん……」

 

 ……すごく、エッチな顔をしてた。

 

 改めて美由希さんを見上げて見る。いつもは乱さない呼吸を荒くして、体を震わせていた。

 

「はぁ……はぁ……そこは女の子の敏感なところなんだよ。いきなり、それも指なんかで触ったらダメじゃない」

 

「ご、ゴメンなさい」

 

 素直に謝る。あれは指で触ったらいけないものだったのか。

 

 そう反省していると、美由希さんに頭を撫でられた。

 

「ワザとじゃないんだし、もう許してあげるよ」

 

「美由希さん……」

 

「でも、今度から気をつけるんだよ?」

 

「う、うん……わかった」

 

「それならよし♪」

 

 いつもの調子に戻って、ニッコリ笑顔でうなずく美由希さん。じゃあ、と膝に両手をついてベッドから立ち上がる。

 

「そろそろ寝ようか、たっくん」

 

 ニッコリ笑顔を返して、ズボンをパンツを集め始めた美由希さん。

 

「……う、うん」

 

 俺も美由希さんを追って立ち上がる。先に服を拾っていた美由希さんから自分の服をもらって、ズボンとパンツを穿きなおす。ちなみにオチンチンは驚いたり、怒られたせいか、元のサイズに戻っていた。

 

「ん……、やだ……。こんなに……?」

 

「どうしたの、美由希さん」

 

「――えっ!? べっ、別になんでもないよ!」

 

 くしゃっ。

 

 何かを握りつぶす音。とても小さな音で、これは……ティッシュかな? 白いの見えてるし。

 

 気になって見ていると、美由希さんがニコニコ笑顔を浮べて近づいてきた。俺の肩に手を置いてベッドのほうへ体を向けさせる。

 

「美由希さん?」

 

「さあ! 明日はお父さんに恭ちゃん、私とも一緒に鍛錬するんだから、早く寝ちゃおう! 今夜は同じベッドで寝ていいからね!」

 

「え? どうしたの?」

 

「ど、どうもしないよ! ほら、お布団に入ろうねぇ~」

 

 そう言ってベッドの布団を捲ると、美由希さんは無理矢理俺を寝かしつけ始めた。むぅ……ものすごく怪しいな。すっごく怪しいけど……まっ、いいか。

 

 美由希さんにうなずいて俺はベッドに入った。

 

 美由希さんは俺がベッドに入るのを見届けると、またゴソゴソと作業を始め、少ししてからズボンとパンツを着て、ベッドに潜り込んできた。

 

 仰向けで寝転がり、顔だけ横にいる美由希さんに向けて訊ねる。

 

「……終わったの?」

 

「……う、うん」

 

 小さくうなずく美由希さん。こちらはうつ伏せで寝転がっていて、枕に顔を埋めていた。

 

「…………」

 

「……ねえ、たっくん」

 

「……なに、美由希さん」

 

「こ、今夜というか、今日のことは……その……」

 

「――わかってるよ」

 

「え?」

 

「みんなには秘密、でしょ?」

 

「……う、うん。ごめんね……」

 

「別に、気にしてないよ」

 

「……そう、なんだ……」

 

「…………。うん、気にしてないよ。だって美由希さんのエッチなとこを見れたからね」

 

「――なっ!? なななな、いっ、いきなり何を言ってるのかな……!?」

 

「女の人のあそこが、あんな風になってたなんて……。本当に驚きだったなぁ」

 

「そ、それは……! え、っと……あの、私の……そんなに変、だった……?」

 

「…………」

 

「なんで無言なの~!? ねえっ、変だった? ねえ、たっく~ん」

 

「ちょっ、ちょっと揺らさないでよ! 別に変じゃなかったって! やっぱり美由希さんってちょっとズレてるな~って、思ってただけだから……っ!」

 

「そうなんだ……。――って、ズレてるってたっくんにだけは言われたくないよ!」

 

「はいはい。もう夜も遅いんだし、寝ようね、美由希さん」

 

「ちょっ!? たっくん!?」

 

「おやすみ~」

 

「もう、無視しないでよぉ~」

 

 俺の体を揺らしてくる美由希さん。なんとかいつもの調子に戻ってくれたようだ。

 

「たっく~ん?」

 

 俺はもう一度大きく息を吐いて、そのまま眠り始めた。

 

「もうっ……。…………。……ふふっ」

 

 ギュっ。

 

 そのまま寝ようかとしていると、いきなり隣でうつ伏せになって寝転んでいたはずの美由希さんが抱きついてきた。

 

「……美由希さん?」

 

「…………」

 

 俺を抱き枕にするように、横抱きで抱きついてる美由希さんに声をかけてみるが、無反応。……なるほど。今度は美由希さんが無視、ね……。

 

 それなら――。

 

 と、俺も美由希さんに対抗するように横向きになる! 腰には届かないので胸の下辺りに腕を回して、体をくっつける!

 

 1人用の少し大きめの枕に頭を乗せて、膝同士も近づける。枕の位置が同じというか、2人で使っている状態なので、顔同士がすごく近い……。

 

 うわ……、本当に近い……。もう少しで触れちゃうんじゃ……?

 

「…………」

 

 美由希さんに対抗して自分でやったことだけど、すでに後悔し始める俺。視線が美由希さんのピンク色の唇に釘づけになって――。

 

 だ、ダメだ! やっぱり……。

 

 ――俺は顔を背けた。

 

 そのまま無理矢理仰向けになって寝転ぶ。両手をお腹に置いて、足も真っ直ぐ伸ばして天井を見上げる。

 

 顔が熱いっ! すごく熱いっ! ううっ……思わずキスしそうになっちゃったのか、今?

 

「……んっ」

 

「――っ」

 

 俺を抱き枕にするために、俺のお腹の上に乗せていた美由希さんの右腕。その右腕に再び力が入れられ、抱き寄せられた。

 

 ――美由希さんが俺に抱きついてきた。

 

 と、いうほうが正しいか。

 

 空いていたほうの左腕も使って俺の右腕を絡めとり、布団のなかでは右足を俺の足の間……というか体の上に置いて引き寄せ、俺の肩に顎を乗せてくる周到さ。

 

 ものすごく密着されて、乗せられてる腕や足が重くて暑苦しいが、それよりも俺は戸惑っていた。

 

 腕が、あ、足が……。い、息も耳に当たって……う、くぅ……。い、いくらなんでも抱きつきすぎだよぉ……。

 

「み、美由希さん……?」

 

「すぅ………すぅ……」

 

 声を出してみるが、帰ってくるのは寝息だけ。……ほ、本当に寝てるのかな?

 

 俺は起さないよう恐る恐る仰向けから体勢を変えて、美由希さんに背中を向けようとするが――。

 

「う、ん……たっ、くん……」

 

「――っ!」

 

 もっと抱き寄せられた! しかも、耳元で囁かれて……。

 

 ――っ。

 

 美由希さんの声が頭のなかで鳴り響き、美由希さんの匂いや体を感じてしまい、とうとう反応してしまった。

 

「く……、んっ……」

 

 大きくなってしまったオチンチンがパンツとズボン、そして美由希さんの太ももを押し上げる。

 

「あ、うう……」

 

 大きくなったオチンチンを中心に、美由希さんの太ももがもぞもぞと動き始めた。

 

 だ、ダメ……っ! ダメだって、み、美由希さん……っ!

 

 オチンチンだけでなく、全身がビクビクと反応し始め、思わず美由希さんの胸にすがりつく!

 

 あうう……こ、これって、気持ちいい……のかな?

 

「はぁはぁ……はぁはぁ……あううっ……」

 

 体が熱くなって、さらに美由希さんにすがりつく! 胸の間に体を頭を埋めて悶える!

 

「くっ、あうう……」

 

 オチンチンが張って、むずむずが最大まで膨れ上がる感覚。こ、この感じって、吸血鬼のお姉さんの夢と同じ……!? ま、またあの白いのが出るの、かな?

 

 ブルブルと震えながら、気づかないうちにこちらからも美由希さんの太ももにオチンチンを擦り付けていると、突然美由希さんの動きが停止した。

 

「……?」

 

 ……美由希さん? 動きが止まったことで、オチンチンから感じていたあの感覚も弱くなる。

 

 オチンチンからの感覚が落ち着いてきたところで、美由希さんの胸から顔を出して見上げる見ると――。

 

「たっくん……」

 

 ぼーっとした顔の美由希さんがそこにはいた。

 

 寝ぼけているようにも見えるが、美由希さんの顔は少し赤くなっていて、昼間見たような、エッチな表情を浮かべていた。

 

「美由希、さん?」

 

「また、オチンチン大きくなっちゃったのぉ?」

 

「……え? ――っ!?」

 

 戸惑うのも一瞬! いきなり手をパンツのなかに入れられた! お腹に乗せていた太ももをどかすと、流れるような手つきでパンツをズボンごと引きずり下ろして、ペニスを掴んできた!

 

「ちょっ……!? み、美由希さん!?」

 

「しーっ、だよ。大きな声を出したら、みんな起きちゃうから、静かにしようね、たっくん」

 

「で、でも……。ふ、布団とオチンチンが擦れて……い、痛くて……」

 

「んん~? そうだったの?」

 

 首を少しかしげながら、ちょっとだけ布団とオチンチンの間にスペースを作ってくれる美由希さん。はぁはぁ……ど、どうしたんだ、いきなり……。

 

 激しく呼吸を繰り返しながら落ち着こうとしている俺。そんな俺を美由希さんは容赦なく追い詰めていく!

 

 すごく近い距離で、美由希さんがつぶやく。エッチな、熱っぽい声で。オチンチンを触りながら。

 

「ビクビクしてほんとに苦しそう。やっぱり、大きくなったときにちゃんと抜いてあげといたほうがよかったね。今から抜いてあげよっか?」

 

「み、美由希さん、何を言って……」

 

「うーん……このまま手でしてあげたら、お布団が汚れちゃうしねぇ……どうしようかぁ?」

 

 み、美由希さん? まさか、寝ぼけてる? かろうじで聞き取れてるけど、呂律があまり回ってない。

 

 寝ぼけているのなら、鼻でも摘まんで起してあげようかと思っていた、そのとき――。

 

「そうだ♪ 口で抜いてあげるほうほうがあったね♪」

 

「く、口?」

 

 いきなり何を言ってるんだ?

 

「大丈夫、美由希お姉さんに全部任せなさい♪ これでも少女漫画とかで勉強してるんだからね♪」

 

「へっ!? ちょっ……!?」

 

 もぞもぞと動きながら美由希さんが布団のなかに消えていく! な、何を……。

 

 パクッ。

 

「――っ!?」

 

 オチンチンが包まれる感覚! ヌルヌルに濡れていて温かく、そしてザラザラとしたものが蠢き、時々上下から当たる硬いもの! 夢だけでなく、少し前にあった温泉旅行でも感じたこの感覚は――。

 

「み、美由希、さんっ……!」

 

 ま、まさか……! オチンチンを咥えてる!? 口で、口のなかで……。

 

「うう~……ん~……うぶぅ~……」

 

 もごもごと口のなかで転がされている感覚! だ、ダメだ! またあの感じが……すごいのがぶり返してきて……!

 

「――で、出るっ! でっ、出ちゃうよぉっ!」

 

 ビュッ! ビュビュッ! ビュゥゥゥゥウウウウ!

 

 熱いものが上り詰め、あっけなくオチンチンの先っぽから噴出した! 俺はビクビクと跳ねながら何かを噴出し続けるオチンチンを止めることも忘れて、そのまま美由希さんの口のなかに出し続けた。

 

 あ、あああ……き、気持ちいいぃぃ……っ。

 

「はぁはぁ……はぁはぁ……」

 

 完全に出し終わっても包まれている感覚が続いている。まだ美由希さんがオチンチンを咥えているようだ。舌らしいザラザラのものが亀頭に当たってビクッと体を反応させてしまう。

 

「はぁはぁ……はぁはぁ……はぁはぁ……。……んっ、すぅぅぅ……はあぁぁぁ……」

 

 大きく息を吸い込んで吐く。出したことが関係してるのか、段々落ち着いてきた。

 

 そして、落ち着いてきたことで開放感や満足感に似た感情が広がっていき、一気に睡魔が襲ってきた。

 

 まだ美由希さんに咥えられたままだけど、頭がボーッと熱くなってきて、そのまま俺は……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 早朝。まだ5時にもなっていない、深夜とも取れる時刻に私は布団のなかで目を覚ました。

 

 いつもはもっと遅くに、目覚まし時計の音で目を覚ます私が、こんな早い時間に起きたきっかけは、臭い。

 

 生臭いような、鼻につく臭いが原因だった。

 

 まだ寝ぼけていた私は、臭いの原因を布団のなかで鼻をヒクヒクさせて探していて――気がづいた。

 

 口のなかにも、その臭いがついてることを。

 

 そして、先ほどから頬っぺたなどに当たっている温かい棒の存在に。

 

「こ、これって……まさか……!?」

 

 指で触ってみて、私は改めてその棒の正体に気づき、臭いの正体にも確信を得る!

 

 これって、拓也くんのお、オチンチンなの!?

 

「な、なんで……? で、でも……」

 

 どうしてこういう状況になっているのか、わからない。必死に頭を何度もひねりながら昨夜のことを思いだしていくと……。

 

「――あっ!」

 

 思い出した……。

 

 わ、私が……く、口で……口に咥えてしゃ、射精させちゃったんだ……。

 

 自分でなぜそうしてしまったのかわからないが、一言で言ってしまえば、「雰囲気に流されてしまった」の一言に限る。

 

 寝たふりしながら拓也くんとベッドで抱き合って、大きくなったオチンチンを思いだしていると、丁度拓也くんのオチンチンが大きくなってて、太ももを擦り付けたら、擦り付け返してきて……その姿が子犬みたいで、かわいがりたくなっちゃって、頭がボーッとして、そのまま思いついたことを……。

 

「私ったらなんてことを……」

 

 そう後悔しながらも、口のなかに感じる生臭さを消そうとツバを飲む込む。

 

 うう、少女漫画なんて読まなきゃ良かった……。

 

 普段は漫画などあまり読まないのに、学校の友人に勧められて試しに読んでみたのが、ここぞとばかりに災いしたようだ。もしも読まずに行為自体知らなかったら、手だけで射精……。

 

 あうう……どっちにしろ射精させるなんてマズいじゃないの……。

 

 むしろ手でしていたほうが大惨事だったよ……。

 

 拓也くん、すごい量出すから飲みづらかったし……。

 

「――って、私ったらなんてことを……」

 

 思い出して、顔が熱くなる。うわわぁ~……ほんとに飲んじゃったこと覚えてるよ、私……。

 

 ピクッ。

 

「――っ!」

 

 布団のなかでため息を吐いていると、拓也くんのオチンチンが動いた! も、もしかして起きたの!? こ、この状態で起きられると困るよぉ~!

 

 …………。

 

 必死に気配を消して息を潜める! どうか起きないでぇぇぇ!

 

 ……。

 

 …………。 

 

 ………………。

 

 ……ふぅ、どうやら起きなかったらしい。

 

 そのまま安堵のため息を吐きたいけど、ぐっと我慢して私は布団から出る! 音を立てないようにベッドから降りて、ティッシュを取る!

 

 まずは顔を拭いて……うわわ、このブルブルしてるのって精子、だよね? 固まりかけててすごい臭い……。よく見るとパジャマにもついてるし、これは髪とかにもついてたりするのかな?

 

 ティッシュを使い拭っていくが、肌のものは取れても服についたりしたものはあとが残ったりして、その特有の臭いはもっと取れなかった。

 

「これは洗濯しないと無理かなぁ。体の臭いはシャワーで消さないと……」

 

 幸い早く起きたことでみんなが起きるまで時間はある。この時間ですべてを処理しないといけない。私は気合を入れて行動に移り始めた。

 

 まずはティッシュを片手に、拓也くんを起さないよう布団を慎重に捲る!

 

 昨夜私が捲ったと思わしきズボンとパンツが現れ、股のほうではオチンチンがボロンと飛び出していた。

 

 あ、あれ? 意外とキレイ……?

 

 昨夜はすごい量を口に出されたと思ったが、それは気のせいだったらしい。捲った布団の内側にもほとんどついてなかった。

 

「……ん? ちょっと待ってよ……?」

 

 眉間の中心を指で揉む。拓也くんや布団にはあんまりついてなかったけど、私には結構精子がついてたよね? さっきもティッシュで拭うの苦労してたぐらいだし……。

 

 …………。

 

 私にだけついてた理由をよくよく考えてみると……。

 

「……~~~~っ!」

 

 ゴクッ。

 

 大きく喉が鳴る。ああっ、顔がすごく熱いぃぃぃっ! うう、考えなきゃなかったよぉぉぉ……。

 

 そう後悔しつつも、口のなかで舌をもごもごさせてツバを飲み込み、私は処理を再開させる。

 

 特に証拠が残っていさそうな拓也くんのズボンとパンツをそのまま脱がせて、起さないように慎重に慎重に、抱きかかえ、床に敷いている布団の上に寝かせる。

 

「んん……? 美由希、さん……?」

 

 床の布団に寝かせて、かけ布団をかけた瞬間、拓也くんが目を開けた! 私は内心ビクビクとしながら、拓也くんの頭をやさしく撫でる!

 

「よしよし、大丈夫だからね~。まだ朝じゃないから寝てようね~」

 

 声のボリュームに気をつけながら、やさしく何度も頭を撫でていると、何とか拓也くんが眠り始めてくれた!

 

「ん……ふわぁぁ……」

 

 私はお腹をトントンとやさしく叩いて、そのまま待機! するとゆっくりと瞼が閉じて、ほどなくして寝息が聞えてきた。

 

 ふぅ~~~~っ。

 

 腕で汗を拭って、心の中で息を吐く。助かったぁぁぁ……。

 

 それから私は拓也くんを起こさないように気をつけながら、作業を再開させた。

 

 素早く敷布団につけていたシーツをとって、布団のカバーも外してたたみ、拓也くんのズボンとパンツをその中に。

 

 そして自分の着替えをクローゼットから取り出し、そのまま音を立てないよう、ドアを開けて1階へ。

 

 足音を出さないよう廊下を通って、まずは洗濯機のなかに入っている洗濯物をすべて取り出し、シーツと布団のカバー、そしてなかに隠していた拓也くんのパンツとズボン、そして自分のパジャマと下着を入れて、洗濯機を回す。

 

 洗濯機が回り始めたのを確認して、私は歯ブラシとコップを持って隣接する浴室へ。

 

 頭の先から温かいシャワーを浴びて、全身の臭いを落とし、口のなかの臭いや何ともいえない味も処理していく。

 

 体も口も洗い終え、もう一度全身をシャワーで流していた頃。

 

 コンコン。

 

 脱衣所のドアがノックされた! ガチャと脱衣所の扉が開く音が聞え――。

 

「美由希? お風呂に入ってるの?」

 

 こ、この声はお母さんっ!? 脱衣所の入り口に映るシルエットもお母さんのそれだった! 私は不信に思われないよう内心の動揺を隠して返事を返す。

 

「う、うんっ! そうだよ~」

 

「何かあったの? 洗濯機も回してるようだけど……」

 

「べっ、別になんでもないよ! その……ちょっ、ちょっと、汚れちゃっただけで……」

 

「あら? そうだったの?」

 

「う、うん……。お布団も汚れちゃったから、これから2階のベランダに干すところだよ」

 

「あらあら、拓也くんは大丈夫なの?」

 

「――ふえっ!? な、なんで!?」

 

 もしかしてバレた!? 私は慌てながらお母さんに言う!

 

「え、えっと……! 全然大丈夫だよ! ちゃんとズボンとパンツも脱がせたし! 気づかないで寝てるみたいだったから!」

 

 一気にまくし立てて、気づく。

 

 よ、余計な事まで言っちゃったぁぁぁぁあああああっ!? ズボンとパンツ脱がしたって、自分から何かしたことをバラしてるようなもの――。

 

「そうなの。しっかりと拓也くんの面倒を見てるのね」

 

 うふふふ、と微笑むような笑い声が聞えてきた。……へ? お、驚かないの? えっと、お母さん、気づいてない……とか?

 

 首をかしげる私に、お母さんは続けて言う。

 

「私も何か手伝いましょうか?」

 

「え、あ、べっ、別にいいよ! もうほとんど終わってるし!」

 

「そう。わかったわ。じゃあ、私は朝ごはんの準備を始めるわね」

 

「う、うん。ありがと……」

 

 お母さんのシルエットが消える。ドアが開く音がしたので、出て行ったのだろう。

 

「…………」

 

 浴室にひとり残される私。体が冷えていったことで頭も冷え、冷静にお母さんのあっさりとした反応の理由を考え、思いつく。

 

 ……思いついて、息を吐く。

 

 天井を見上げて、

 

「ごめん、たっくん」

 

 私は拓也くんに謝った。おそらくまだおねしょが続いていると思われてしまった、拓也くんに……。

 




~吸血鬼宅~

 吸血鬼姉   「さてと、もうすぐ夏休みに入るわね」

 ロボメイド姉 「そうですね」

 吸血鬼姉   「準備はできてる?」

 ロボメイド姉 「はい。地下室はすでに改装済みです」

 吸血鬼姉   「ふふっ、ご苦労様。じゃあ、夏休み前に一度あの子を屋敷に招待してあげましょうか」

 ロボメイド姉 「…………」

 吸血鬼姉   「うふふふ……温泉旅行からはあえて接触を控えていたから、やっと……やっとあの子の血を……」

 ロボメイド姉 「お嬢さまはあのお方から血を吸わせてもらったりしてるのでは?」

 吸血鬼姉   「う~ん……そうだったんだけどねぇ」

 ロボメイド姉 「何か問題でも?」

 吸血鬼姉   「それが……ちょっと……というか、かなり、物足りなくなっちゃって……」

 ロボメイド姉 「? あのお子様の血のほうが美味しいと?」

 吸血鬼姉   「そう、そうなのよ! 今まで飲んだ血と比べのモノにならないぐらい美味しくてね! あっちのほうも子供とは思えないほど大きくて、美味しくて!」

 ロボメイド姉 「…………」

 吸血鬼姉   「すごくいい匂いがするときもあるし、おしっこでさえ美味しかったんだから! アレ以来他の血が不味かったり、イケなかったり、逆に物足りなくなったりで――」

 ロボメイド姉 「――お嬢さま」

 吸血鬼姉   「? なに?」

 ロボメイド姉 「吸血以外にあのお子様に何か、したのですね?」

 吸血鬼姉   「べ、別に……」

 ロボメイド姉 「目を逸らさずに話してください」

 吸血鬼姉   「ううっ……」

 ロボメイド姉 「まさか地下室にベッドを設置させたのも、ソレが目的ではないですよね?」

 吸血鬼姉   「…………。……ちっ、違うわよ! あれはあの子が発している匂いやものすごく美味しい血の正体を調べるためのもので……」

 ロボメイド姉 「…………」

 吸血鬼姉   「……そ、そういう目的に使うのはちょっとだけ、だから……ゴメンなさい」

 ロボメイド姉 「相手はまだ小学生なのですよ?」

 吸血鬼姉   「それは……あっ! でも、ほら! あの子の匂いや血が私たちの一族に関係してるなら、調べておかないとあの子の身が危険じゃない! そうよ! うん、そうっ! これは必要悪みたいなものなのよ!」

 ロボメイド姉 「ふぅ……そういえば、今までのお嬢さまの話を聞いて、あなたはどう思いましたか?」

 ロボメイド妹 「……ん~~、まあ、お相手のお子様が納得してくれればいいんじゃないですかぁ~?」

 吸血鬼姉   「そっ、そうよね! あの子が満足して自分からお願いしてきたらしょうがないわよねっ!」

 ロボメイド妹 「そうですよね~。大事なのは気持ちですよね~」

 ロボメイド姉 「……ハァ、この方たちは……」

 吸血鬼姉   「そうと決まればあなたたちにももっと協力してもらうわよ!」

 ロボメイド妹 「はーい♪」

 ロボメイド姉 「……はい。――ですが、そもそもお嬢さまが吸血鬼だということがバレてしまってもよろしいのですか?」

 吸血鬼姉   「もちろん、バレたらダメに決まってるじゃないの。今のあの子は吸血鬼にトラウマや恐怖の対象に近い感情を抱いているんだから」

 ロボメイド姉 「……では、どうするおつもりなのですか?」

 吸血鬼姉   「うふふふ、それはあとのお楽しみよ♪ でも、最後には吸血に対する負の感情をあの子のなかからなくしてもらう予定であることは確かね」

 ロボメイド妹 「う~、気になります~」

 ロボメイド姉 (本当に大丈夫なんでしょうか……?)

 吸血鬼姉   「ああ~、早く夏休みに入らないかな~♪」
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。