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性杯戦争におけるサーヴァントの役割とは、聖杯戦争におけるサーヴァントの役割とにて異なる。
各々クラスに分けられ、万能の杯の生成に必要とされるところは同じだが、彼女等は戦いの為に召還されたのではない。
只管に歪んだ性欲を受け止める為だけに召還されるのだ。
それ故に彼女達の誇りは無視され、穢され、英霊等ではない、ただの牝へと堕ちていく。
これから語られるのは、そんな英霊の一人。
嘗ては誇りと理想を胸に抱き、私を殺し只管に理想の王として生きた一人の英霊の顛末である。
「っ───」
小さく呻き声を上げた少女は朦朧とする頭で状況を確認しようと頭を上げた。
目の前に広がるのは薄暗い部屋。
コンクリートで囲まれた部屋は何に使うのか要領の得ない道具が散乱しているだけで何もなく、明かりは頭上の裸電球のみ。窓のひとつの見当たらない。
体を動かそうとして自分の状態の異常さに気がついた。
腕は木製と思われる手枷で天井から伸びた鎖で固定され、足も足枷で床に固体されている為に身動きが取れない。
ただ身動きが取れないのではない。
まるで尻を突き出すかのような形で拘束されているのだ。誇り高い彼女には耐えがたい苦痛だ。
服装もまるで違う。
生前から身にまとっていた青い戦装束は、部屋の様相にはそぐわない純白で清純なドレスへと変わっていた。
彼女は気づいていなかったが髪形も違う。
普段は後頭部で纏められていた美しく癖のないブロンドヘアーは、彼女に良く似合う青いリボンでポニーテールへと変えられていた。
「気がついたか───セイバー」
後ろから聞こえてきた声に不自由な体勢で動く限り顔を向ければ、一人の男の姿があった。
黒人だ。
2メートル近い身長と筋骨隆々の体躯という力強さの中に、何処か大型の猫系の猛獣を思わせるしなやかさを併せ持つ、とても魔術師には見えない男である。
「あなたは───」
その男の顔を目に収めたと同時に少女───セイバーの脳裏に蘇る記憶。
キッ、と此方を睨み付けるセイバーに、男は腰に手を当てて俯き加減に体を揺らして嗤う。
「これはどういうつもりだマスターッ!」
声を荒げるセイバーだが、男は俯いたときに顔にかかった自身のドレッドヘアを払い除けながら女性としても小柄なセイバーを見下ろした。
嫌な目だ。
セイバーはそう思いながら、こんなマスターに召還された不運を呪った。
「どういうつもりも何も、これから始めるんだろう? 俺達の
「このような事をされて───どうして
嗤いながらさも当たり前の事をしているかのように言い放った男の言葉に、セイバーは一喝を持って答えた。
嘗て、多くの騎士達を率い、今現在も語り継がれる王の姿は、男に向かって尻を突き出すような体勢とはいえ確かな威厳を持っていた。
もっとも、男の目には滑稽な姿にしか映らず、腹を抱えた大笑いを引き出しただけだが。
「お前さん、そんな格好でまだこれが聖杯戦争だと思っているのか?」
どれ程嗤っていただろうか、遂には苛立たしげに拘束を解こうとするセイバーを横目に、目尻にたまった涙を指で拭って肩を竦める男。
「何を───貴様、自分で聖杯戦争と言ったではないかっ!」
「ああ、言ったな性杯戦争だと。どれ、正しい知識を性杯から引き出せるようにしてやるか………」
そう言って男はセイバーにゆっくりと歩み寄ると、突き出された尻に手に右手を置き、左手は拳を握り胸に当てる。
その姿はまるで聖職者が祈りを捧げるようなさまに似ていた。
「貴様ッ! 手をどけr───」
「
「なっ───!! 何を馬鹿なk───ッ!!!!」
右手を置かれた場所にまるで焼き鏝でも押し付けられたような痛みを感じて咄嗟に口から出そうになった悲鳴を噛み殺す。女性を拘束し恥知らずにもその尻に手を置き、更に、令呪を恥ずかしげも無い所か何処か誇らしげに卑猥な行為に使用する男に、自分の悲鳴など聞かせてなるものかというセイバーの精一杯の抵抗だった。
それと同時にセイバーに流れ込んできていた聖杯戦争に関する情報が書き換えられていく。
今行われているものが聖杯戦争ではなく、恥知らずで最低な性杯戦争であり、その情報が次々と頭の中に流れ込んでくる。
「なっ───」
流れ込んでくる情報にセイバーの顔が蒼白へと変わる。
自分がいま刻まれたものが何なのかを、今の自分の状態を、そして、けして明るいとはいえない未来を、その情報からセイバーは知ることとなった。
「こ、これは───」
「今お前に流れ込んできているのが、性杯戦争の正しい情報だ。 第一の隷呪をその身に刻まれるまでサーヴァントにはその情報が流れないようになっているのさ」
「き、貴様ッ!」
鎖を鳴らし、蒼白から怒りの赤へと顔色を変えたセイバーが暴れるが、拘束は緩む気配は無い。
本来の英霊、サーヴァントたる彼女ならこの程度の拘束、無いにも等しいはずだ。
だが、今は違う。
性杯戦争に参加させられたサーヴァントはマスターの許しなくあらゆる技能、宝具を振るうことは出来ず、その身体能力は見た目通りの普通の女性まで落とされる。
魔術も使用していない枷すらも外せない見た目通りの少女となったセイバーには拘束具を鳴らすことしか出来ないでいた。
「さて、それじゃ、始めるか。俺達の性杯戦争を───な?」
厭らしい笑みを浮かべる男の顔を睨み付けることが、今セイバーに出来る精一杯の抵抗だった。
ある男の話をしよう。
とある魔術師の家系は強化を極め、根源へと至る事を目的としていた。
根源に至るには只の魔術師ではなく、心身ともに人を超越した存在。言わば超人へと至ればいいのではないかと考えたのだ。
ある者は精神の、ある者は魂の、そして、ある者は肉体の強化を研究し続け、そして、その男へが生まれた。
生まれながらに優れた身体能力を有した男は、魔術師としてはある一点において非常に優れていた。
身体の強化。
それこそ身体能力だけならば正しく超人といっても過言ではなく、その身体能力で人外───下位の死徒を殴り殺したこともあるほどだ。
しかし、彼は精神的には歪んでいた。
魔術師としての本分である魔術の研鑽よりも、その持って生まれた能力にモノを言わせ非道な行いをすることに喜びを感じていた。
そんな彼を持て余した当代の当主は彼の子供を作る事を条件に一族から破門する───言わば、世に解き放つ事を決定する。
宛がわれた女魔術師を好き勝手に犯し、侵し、冒し尽くして妊娠させた彼は、一族からの干渉が無くなる事に意気揚々と慣れ親しんだ家を出た。
それからは酷いものである。
協会に目をつけられない程度に魔術を使用しながら勝手気侭に暴れまくり、時にはマフィアを壊滅させそのボスの妻や情婦に陵辱の限りを尽くし、時にはとある一般家庭の家族全員に認識阻害を施し母や娘を夫の前で徹底的に犯してみせた。
そうやって非道の限りを尽くしていた男であったが、その行為に徐々に不満を覚えるようになった。
普通の女性を犯すことに飽きを感じてきたのだ。
もっと、もっと誇り高く、美しい───そう、神話で語られる女神の様な存在を陵辱し、堕としてみたいと思うようになったのだ。
そんな彼の元に一通の招待状が届く。性杯戦争への参加権であった。
通例では隠語で魔法使いと呼ばれる人種に送られるものだが、特例として彼のように特殊な性癖や性犯罪を犯したものにも送られることがあるのだ。
彼はその招待状を呼んで歓喜した。
サーヴァント───それは伝説に記された英雄たる英霊達。そんな女に陵辱の限りを尽くせる。
肩を震わせて嗤った彼は、思いついたプランを実行するための道具を調達する為の行動に移る。
その顔を彩る笑みはまるで獲物を前にした肉食獣のようであったという。
この男の考える人間が一番無防備になる瞬間というのは排泄行為の瞬間である。
自分の体から汚物を排泄するという行為は、他人にだろうと家族や友人、恋人だろうと等しく見られれば羞恥を感じる瞬間だろう。
そんな瞬間を憎悪すら抱く男に見られる女の心はさぞ、羞恥と怒りに染まるだろう。
しかも、その行為に身に眠る性欲を開放された上で極上の快楽を感じてしまったら………その羞恥と怒りは想像を絶する筈だ。
それが、誇り高い英霊であれば───はたして、その心情はいかに?
セイバーに睨み付けられる中、男は鼻歌を歌いながら準備を進めていた。
金属製のバケツを満たすのはグリセリン溶液。もっともポピュラーな浣腸液であり排便を促す以外にも便を柔らかくする効果がある。
「ま、ざっと5000ccはある」
見せ付けるようにバケツの中のグリセリン溶液に手を入れかき混ぜて見せる男。男の立てる水音にセイバーの歯軋りが混じる。
「でだ───」
そういって男が手に取ったのはガラス浣腸器。
ただし、男が両手で持たなければならないほどの大容量のもの。
「家畜用のガラス浣腸器だ。容量は1000ccってとこだな」
「下衆がっ!」
家畜用という言葉に、カッ、となったセイバーが吐き捨てる様に罵るが、男は嫌らしい笑みを浮かべるだけだ。
「人を罵るのはいいが、自分の状況を考えたほうがいいんじゃないか? はてさて、俺はいったい第一の隷呪に何を願ったかな?」
その言葉に怒りのあまりに忘れていた状況を思い出すセイバー。
今の自分は───
「召喚された際に内なる性欲を開放されている上に、隷呪の効果で排泄行為に極上の快楽を得るわけだが………気高い騎士様がどんな風に乱れるか今から楽しみだ」
「嗚呼ああああああぁぁぁぁぁぁアアアアアアッ!」
まるで竜の咆哮のような叫び声をあげ、拘束を解こうと暴れるセイバーを尻目に男はセイバーに見せ付けるようにゆっくりと浣腸器の中をグリセリン溶液で満たしていく。
「おいおい、そんなに叫んで喉を潰してくれるなよ? お前さんがどんな声で啼くか楽しみにしてるんだから」
肩を震わせて嗤い、グリセリン溶液で満たされた浣腸器を手にゆっくりとセイバーの背後に回る男。
腰を振ってせめてもの抵抗をするセイバーだが、その仕草は男の嗜虐的な歪んだ欲望を満たすばかりで意味はない。
「そんなに尻を振って誘ってるのか? だとしたら下手すぎるな。男を誘うならもっと色っぽくやってもらわにゃ」
「黙れ、下衆ッ! 誰がっ!」
揺れる尻───セイバーにとっての精一杯の抵抗を楽しげに眺めながら純白のドレスの裾を掴んでゆっくりと持ち上げる。
男の視界には白のストッキングを吊るすガーターベルト、そして、純白のレースのショーツに包まれた小ぶりな尻が写る。
男の目に何が写っているのか分かっているセイバーは羞恥に顔を赤く染め上げながらも、最後の抵抗とばかりに腰を振り続ける。それが、男を喜ばせるだけだと分かっていてもセイバーの、英霊としての誇りが諦める事を許さない。
スカートを捲し上げた男の手がショーツに伸び、それを引きおろす。ガーターベルトが邪魔で最後まで下ろしきれなかったのが幸か不幸かセイバーには判断がつかなかった。
引きおろされたショーツに包まれていた尻は染み一つない綺麗でキメ細やかな肌をした見事なもので男は感嘆の声を上げる。実に自分好みの尻だった。
「やめろっ! ヤメロォォォォォオおおおっ!」
有らん限りの声で叫び抵抗をやめないセイバーに構うことなく男の手が臀部を割り広げる。
セイバーが誰にも晒した事のない部分、肛門。周りの肌とは違い黒ずんだそこには、本来無い筈のものがあった。
臀部に隠れ、肛門を囲う様に存在したそれはハートの形をした極小の魔方陣。
「へぇ、こんな形のなるのか隷呪ってのは」
「っ!」
指で魔方陣をなぞる男。その感触に思わず出そうになった悲鳴を噛殺し、セイバーは男が何をしているか見えないのに悟る。悟ってしまった。
聖杯戦争における聖痕たる令呪とは違い、性杯戦争における性痕たる隷呪には一つの特徴がる。
それは、隷呪が使用された際、その使用したサーヴァントに命令の内容に沿った場所に性痕として隷呪が刻まれるのだ。
今回の場合はそれが肛門周辺だった。
自身の秘所にその様なものを刻まれてしまったセイバー。その心は羞恥と怒りに染まる。
「必ず───必ず殺してやる、必ずだっ!」
「いいね、そのまままだ折れるなよ。早々に折れられてもこっちがつまらない」
殺気立った眼光を男に浴びせるが、男はそれを楽しげに受け止め嗤いながらも浣腸器を構える。
嘴口が肛門粘膜を割り進む独特の感覚に、歯を食いしばって耐えるセイバー。
ゆっくりとピストンが押し込まれる。
腸内にグリセリン溶液が注ぎ込まれる冷たい感触に耐えながらも、セイバーの顔は蒼白に染まる。
ついに注入されてしまった。性杯による開放された性欲と隷呪により齎される淫楽の相乗効果は想像がつかない。
こんな、こんな男の前で自分は排泄の淫楽に溺れてしまうのかと弱い気持ちが頭を擡げるが、その弱気を生来の気の強さと誇りが否定する。
耐える。耐えてみせる。この程度の危機乗り越えられずになにが騎士か、なにが英雄か。
耐え抜いてこの男に目に物見せてやろう。そう心に誓うセイバー。
しかし、それすらも男に愉悦を齎すのだが、追い詰められているセイバーには考え付かない。その余裕がない。
そうして、セイバーの腸内に長い、長い時間をかけてグリセリン溶液が注入し終えた。
くつり、と笑みを一つ浮かべる男。
男には分かっていた。この誇り高き英霊がこの程度で折れるわけない。歯を食いしばって排泄を耐え、淫楽を耐えてみせようとするのは分かっていた。だが、甘い。
排泄行為は何も糞尿を排出するだけではないのだ。
そんな心構えでは無駄だと、男は心の中で嗤いながら嘴口で肛門を捏ね繰り回しながらセイバーの横に回る。
「さて、それじゃ抜くぞ。いきなりひり出さないでくれよ?」
「私は───私は、負けません!」
手枷についた鎖を握り締め、歯を食いしばり、すでに腹部の鋭い痛みと便意に耐えながらセイバーは全身に力を込め───
「そら」
「っへう?」
───閃光のように駆け巡った淫楽に、間抜けな呟き共に呆然と目を見開いた。
鋭い放屁の様な音共に、まるでダムの決壊の如く排泄が始まる。それと同時に尿が噴出する。
予め横に回っていた男はその様に腹を抱えて嗤い出す。
「────ッッッッツ! あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!! お゛お゛お゛お゛お゛お゛っ!! ぞん゛な゛っ!!! どう゛じで!!」
脳の中で数多の火花が走るような、ありえない淫楽の波。獣の様な嬌声を上げながらセイバーは排泄の淫楽に飲まれる。いや、心の何処かでまだ折れていないところがあるが、脳内で飛び散る火花がそれが表に出ることを許さない。
なんだ、何なんだ、この淫楽は? こんなもの最早苦痛、拷問の域だ。それに、何でまだ排泄も始まってないのに感じたあの閃光の様な一瞬の淫楽は一体なんだったのだ? 分からない。思考が淫楽に飲み込まれる。なにも、なにも考えられなく───
「聞こえてるかどうかは知らないが、お前さんの勘違いは排泄行為を純粋に糞尿を垂れ流すことと捉えてしまったことだ。ちょっと考えれば分かるだろ? 尿道なり腸内なりに異物をぶち込まれてそれを排出することも排泄行為ともいえなくはないんだぜ?」
そう、セイバーが感じだ閃光の様な淫楽は浣腸器の嘴口が抜き取られたときのもの。
そんなことを想定していなかったセイバーはその淫楽に肛門を緩め、そのまま淫楽に飲まれ力む事もできずグリセリン溶液で溶けた便を酷い音を立てながら排泄し続けているのだ。
セイバーが排出というより噴出する便は、コンクリートの床を汚し、跳ねた軟便が純白のドレスを、ストッキングを、ショーツを、シミ一つない美しい肌を汚していく。
「はははっ! 高潔な騎士様も腹ん中に溜め込む糞は汚ぇもんだ! 臭ぇっ! 臭ぇな、おい! 負けないんじゃないのか? いきなりこんな臭ぇもん屁みたいに噴出して、何が負けないだよ!」
「い゛い゛い゛い゛い゛い゛っ! お゛お゛っ! あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ! ごれ゛っ! どめ゛でっ! どめ゛でっ! ぎじな゛の゛に゛! う゛ん゛ぢでい゛ぎだぐな゛い゛ぃぃぃぃぃぃっ!」
嗤いながら鼻を摘んで臭い臭いと手を振る男に、セイバーは答えられない。男の声も聞こえてない。
拷問の様な淫楽の中、最早考えることもできずに弄ばれるだけ。自分が獣の様な嬌声を上げ、下品な科白を叫んでいることにも気づいていない。
白目を剥いて、涎と鼻水、涙を垂れ流し、頭を振り回しながら許しを請う姿に最早、高潔な騎士としての姿は破片も存在しなかった。
そうして、長いようで短いような排泄が終わる。
1000ccのグリセリン溶液により溶け出した下痢のような便で汚れ異臭が立ち込める室内を気にを止めることなく、男は項垂れるセイバーの髪を掴んで顔を上げる。
「う゛あ゛───あ゛びゅっ───あ゛びゃっ───お゛お゛っ」
白目を剥いて、顔中を涙、鼻水、涎で汚し、泡を吹くセイバーの顔は、最早、誇り高き高潔な騎士としての面影はなく、まだ腸内に残っている便が淫楽でふやけた肛門から漏れ出るたびに嬌声を力なく上げる。
「いい啼き声だったぜ、セイバー。それじゃ、残りもサクサク行くか」
肉食獣の様な笑みを浮かべる男の言葉に、セイバーは答える術を持たなかった。
再びセイバーが正常な思考を取り戻した時には状況が一変していた。
まず衣服と髪形が本来のものに戻っていた。
セイバーが獣の様に喘ぎながら垂れ流した糞尿で汚れた体も綺麗にされていて、おそらく男の手により洗浄されたかと思うと羞恥と怒りがこみ上がる。
再び拘束されているが、今回は手と足だけではなく、座った状態から立てないように膝もラバー製の拘束具で拘束されていて、立った状態から股を開いて座った形となっている。和式便所を使用する際のスタイルと言えば分かりやすいだろう。腕はラバー製の手錠を嵌められ、さらに天井から伸びた鎖で頭より高く上げられている。
自身が拘束されている台は透明な材質で出来ていて、天板の中央が無くその下には大型のポリバケツが設置されている。
同じ部屋だが、以前と違い複数台のビデオカメラが全方位から自身を写している。
「お? やっと正気に戻ったか」
背後から聞こえた声にセイバーが振り向けば、下にあるポリバケツどうサイズのポリバケツとゴム製の途中が楕円形のポンプになっているチューブを持った男がいた。
ポリバケツから水音がする。
その音を聞いてセイバーの顔は青ざめた。
また、またあの恥辱に塗れた拷問のようまねをするのかと。
しかも、その量は以前の比ではない。
「ぐっ!」
呻き声を上げて男を睨み付けるセイバー。しかし、それは何処か迫力に欠けたものだった。さしもの剣の英霊であり高潔な騎士たるセイバーであっても、拷問の如き淫楽を齎した5000ccグリセリン溶液浣腸は応えるものがあったのだろう。それでもまだ睨み付ける気力があるのは彼女の矜持と誇りの成せる事だろうか。
「はは、警戒するなよ」
「ふざけた事をっ!」
弱まったものの強気の態度を崩さないセイバーに男は楽しげに肩を震わせる。
男にとってはセイバーが気丈であればあるほど楽しみが増えるのだ。楽しくない訳がない。
本当に楽しませてくれると胸中で呟くと、男はセイバーに見える位置にポリバケツを置くとチューブの片方をポリバケツいっぱいに満ちたグリセリン溶液の中へと沈める。
それを見たセイバーの脳裏に理性も思考も押し流す拷問の如き淫楽が蘇る。それはセイバーにとって恐怖以外の何ものでもなかった。自分が崩れていくような、書き換えられていくような感覚。
またあのような責苦に晒されるのかと表に出さないように戦々恐々としているセイバーは気づかなかった。
自分の視線が5000ccという量が可愛く見えるほどのグリセリン溶液から離れないこと。
意図せず、まるで期待するかのように喉がなってしまったことを。
奇しくもセイバーが感じたように、追い詰められてなお屈する事のない誇り高い心とは裏腹に、隷呪と性杯の力に冒された未成熟なその肢体は普通では得られる事のない淫楽に屈し様としていた。
「警戒しているところ悪いけど、今回は趣を変えるぜ」
チューブの反対側を持った男はセイバーの背後に回りスカートの裾を手に取り捲り上げる。今度は勿体ぶる様な事をしなかった男だが、セイバーも拘束が強くなっている現状せめてもの抵抗すらもすることもできず、羞恥と怒りで顔を赤く染めながらなされるがままに、ズボンとショーツも下されてしまう。
男はスカートの裾が落ちないように固定すると、セイバーの肛門を優しく指でマッサージする。それだけでセイバーの肛門は本人の意思に反してその口を緩ませ、さらにセイバーの羞恥と怒りは強くなり歯ぎしりの音が聞こえるほど歯を食いしばった。
「こいつはエネマジリンジって言われる道具でな、このポンプを手で動かして浣腸液を注入するわけだが───」
そういって男はチューブをセイバーの腸内に深々と挿入すると、再びセイバーの前に回り込むとその手にポンプを握らせる。
「こうして自分で注入することもできる」
「なぁっ!」
男の行動にセイバーは驚愕に目を見開いて思わず男をまじまじと見てしまう。
そんなセイバーを愉快そうに嘲笑う男を睨み付けるセイバー。
怒りの命じるままに自分の腸内を深く貫くチューブを引き抜こうとして───
「ひうっ!」
───僅かに動いただけのチューブが齎した淫楽に思わずポンプを握りしめる。
手を開けばグリセリン溶液はチューブを満たしていく状況となったが、しかし、セイバーにそれを気にする余裕はない。
体を駆け抜けた淫楽に体を震わせ、少しでも精神を落ち着けようと荒く深呼吸を続ける。
手が白くなるほど力強くチューブを握りしめる様は、現在の格好と相まってまるで排便の為に力んでいるようにも見える。
自身の無様な様を遠慮なく笑う男を意識の外に置き、セイバーは必死に淫楽を沈めようと試みていた。
だが、ほんの僅かな瞬く程の時間の淫楽。たったそれだけでセイバーの理性はまるで嵐の海に出た小舟の様に翻弄された。自身の状況が自分が思っている以上に不味い事を悟ったセイバーだったが、現状打てる手がない。
理性も思考も奪い去り自分を淫楽に溺れる一匹の獣と変えてしまう悪魔の液体を注入する鍵は幸か不幸か自身の手の中にある。だが、男が気まぐれを起こして自身の手でこのポンプを動かそうとすればセイバーに阻止する手立てはない。今の自分は見た目通りの少女程度の力しかないのだ。縦しんばチューブを引き抜けたとしても、再び挿入されれば引き抜くことはかなわないだろう。もう、その時は理性と思考を保っていられる自信はない。一矢報いることも出来ないのは癪だが自害してしまえば良いとも思うが、それすらも性杯の制約で封じられている。
まさに八方塞だった。
絶望がセイバーの心を覆い始める。
いっその事───自身を苛む淫楽に身を委ねてしまえば………
そんな誇り高い剣の英霊の弱気を察したのか、男は喜悦を浮かべる───事はなく、僅かに落胆した。
もっと淫楽と誇りの間で翻弄されるセイバーが見れると思っていたのだが、思いのほか早くセイバーの心が折れようとしている。
はぁ、と思わず溜息をついた。
その溜息がセイバーの耳朶を打った。
絶望に覆われ、折れようとしていたセイバーの心に怒りが湧き上る。
何だと言うのだこの男は。自信を好き勝手に犯し、冒し、侵しておいて自分が折れそうになれば落胆する。
私は貴様の玩具じゃない。この男に一矢報いずに、いや。この男の思惑を打ち砕かずして何の騎士か、剣の英霊か!
「嗚呼ああああぁぁぁぁぁアアアアアアアッ!」
「あ?」
ポンプを握りしめたまま、咆哮を上げるセイバーに怪訝な顔をする男。
セイバーはそのまま気炎を上げたまま一気にチューブを引き抜かんとあまり動かない腕を動かす。
爆発するように襲いくる淫楽。
思わず嬌声を上げそうになる喉を咆哮で叱咤し、遂にセイバーは自分の腸内深くまで挿入されていたチューブを引き抜いた。
気をやりそうになる体を意志の力で捻じ伏せ、セイバーは荒く息を続ける。
淫楽に苛まれる体に鞭打ち、セイバーは男の目を睨み付けて一つ鼻で笑って見せる。
私は折れない。貴様なぞに屈してたまるか。
その意思を眼光に乗せ睨み付けてやれば、呆然とした顔から男は獲物を目の前にした獣の如き壮絶な笑みを浮かべる。
「くくっ、さすが剣の英霊───よし、一つ勝負と行こうじゃないか」
「はぁー、はぁー、はぁー、勝負、だと?」
「ああ」
セイバーの言葉に頷いて、男はセイバーの背後に回り再びチューブを深々と挿入する。
「あと十回、十回だけ今と同じように引き抜いてイカなかったら、残りの隷呪の力でお前さんを開放しようじゃないか」
「ふうっ、ふうっ、信用、できるか」
男の言葉を切って捨てるセイバーに男は肩を竦める。
「信用されているとは思っちゃいないが、ゲームってのは勝ち負けがあって初めて成り立つんだ。負けたなら解放してやるよ。それに、どの道───」
「私はその勝負に乗るしかない」
実際に視線が突き刺さっているのではないかと思うほどの殺気を乗せた鋭い視線で男を睨み、闘気を漲らせる。
滑稽な恰好、異常な室内、しかし、そこには確かに高潔な騎士が、剣の英霊の姿があった。
(これが英霊………)
男の顔が愉悦に歪む。
今まで、様々な女に凌辱の限りを尽くしてきた。
どんな気の強い女でも、恋人のいる女でも、夫が子供がいる女でも、最終的には淫楽に屈服させた。
そんな男の前に最高の獲物がいる。誇り高く、高潔で───どうしようもなく屈服させたい。もっと、もっと、犯して、侵して、冒し尽くしたい。
そして、そんなセイバーを自分の傍に置くのは面白そうだ。
そうして、男とセイバーの勝負が始まった。