※この作品はR-18です。

Uncontrollable insanity   作:彼方からの旅人 M

1 / 2
第零話 プロローグ

始めは嘘かと思った。

 

「ねぇ」

 

でも、血の滴りが。その嗅いだ事のあるその臭いが。

 

「何を見ているの?」

 

それが紛れもない現実なんだということを、ボクに突きつけていた。

 

「何を言っているの?」

 

目の前にいるピンク玉は、もうボクの知るピンク玉ではない。

 

「理解出来ないんだ。君は何を言ってるの?」

 

君はもう、狂ってしまったんだね。

 

「カービィ……」

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

「あー、暇ダヨォ」

「暇ねぇ」

 

ここはボクの船、ローアの中。ボクとスージーはそこで暇だ暇だと言い合っていた。プププランドは今日も平和だ。研究しようが何をしようが時間は緩やかに過ぎ、事件も何も起こらない平和さ。ボクやスージーも住み始めた頃は、研究や実験に没頭していたんだケド……。

 

「そろそろ、研究のネタもなくなってきましたわよね」

「ダヨネェ……」

 

長い時間をここで過ごす中、思いつく限りの研究実験はほとんど全部こなしてしまった。とどのつまり、やることがなくなったのである。

 

「ここ、変な事件も起きないですものね」

「平和すぎて飽きるよネェ……」

 

呆れ返るほど平和なプププランドとは、よく言ったものだ。現に今呆れ返るほど平和なのである。スージーがキカイ化シンリャクとかいうので侵略しに来て、星の戦士にぶっ潰された以降何も事件が起きていない。あれからもう何年たったんだろうか。そういえば……。

 

「最近サァ………カービィ見ないと思わない?」

「…………そういえば。ローアにも、家にも来てませんわね」

「ダロォ?」

 

呆れ返るほど平和なプププランドにも勿論事件は起こるわけで、その事件の解決をするヒーローだって勿論いる。それが星の戦士、カービィだ。ボクもスージーもカービィに野望を止められ、救い出され、今ここにいる。腹が黒くて自己中心的で、嫌味たらしいムカつく奴だけど。誰よりもプププランドを愛しているのは、プププランドの仲間達を愛しているのは、きっとカービィだ。勿論、そんなヒーローもいつもは平和だから好き勝手過ごしてる。ボクやマルク、スージーやタランザ達が住んでいるドロシア宅、ローアの中、デデデ城、色んなところで好き勝手遊んでるような奴なんだケド…。

 

「そういえば…タランザも言っていましたわ。デデデ城にもしばらく来ていないのですって」

「街でも見かけないヨネェ……とうとう引きこもったのカナァ?」

「あのカービィが引きこもるなんて、天変地異でも起きるのかしら」

「また事件でも起きたりシテ………」

 

そこまで言い合って、プッと二人で噴き出した。

 

「ナイナイ、絶対ないネェ」

「どうせゲームでもしているのですわ、放っておきましょう」

 

そうダネェと言い合い、ボクらはまた次の研究の題材を探す。何も起こらないと信じて。

 

 

 

でも、この平和はもう……長くなかったらしい。

まさか本当に事件が起きるなんて……。

ボクはこの時、思いもしなかったんだ。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。