Uncontrollable insanity 作:彼方からの旅人 M
マホロア「暇潰してたヨォ」
スージー「暇潰してましたわ」
結論:クソ暇
ふと、ローアの扉が開く音がする。誰かと振り返った瞬間顔面に本が飛んできた。
「いっっっっだっっっ!!??何するんだヨォ!!??」
ものの見事にヒットしてくれた本を払い除け、投げてきた相手を睨みつける。くつくつと笑うそいつは腕の代わりに生えている黄色の翼の爪でこちらを指さした。
「バカロア、相変わらず暇してるのサ?その本読み終わったから返しに来てやったのサ」
「だからって投げる必要アル!?」
「あるのサ」
「ネーヨ!!!!」
さっきから理不尽なことばかり言ってるこいつの名前はマルク。ボクはスージーと同じ家に住んでる…まぁ言わば家族と似たようなものなのカナァ?
「お前の本ぶち当たった時の間抜け顔は最高だったのサ」
「ねぇ、怒るヨォ????」
前言撤回、こいつと家族とか最高に嫌なんだケド!!!
「それで、マルクは本を返しに来ただけなのですか?」
「いや、他にも用があるのサ」
「用ダァ?」
こいつがボク達に用事ィ?珍しいし嫌な予感しかしないんだケド。目の前のそいつは真剣そうな顔に変わると、一つため息を吐いた。
「なんか嫌な予感がするから一緒に着いてくるのサ」
はいぃ??着いてこいィ?今まででいっちばんわけわかんない頼み事なんだケド!!と僕が愕然としていると、スージーは何かを察したのか真剣な顔になる。そして僕の方に向き直り、にこりと微笑んだ。
「嫌な予感…ですか。マホロア、行ってらっしゃい」
「ナンデッッッッ!!!!」
スージーにも見捨てられたんだけドォッッッ!!いっっみわっかんないし!!
「ほら、行くのサ」
呟くマルクはボクの襟首を器用に掴むとそのままローアの外へ引きずっていく。抵抗も虚しく、スージーに微笑み手を振られてそのまま見送られた。マルクはそのままボクを外へほっぽり出すと翼を広げて魔法陣を出現させる。
「ちょちょ、何してるんダヨォ!?」
「決まってんだろ、転移魔法なのサ。デデデ城に行くぞ」
「言えよ、そういうことはヨォ」
ため息をついて立ち上がり、転移魔法を手伝うように魔術力を高める。目的地はデデデ城、座標を二人で定めて目を合わせる。
「「転移魔法、テレポーテーション」」
ボク達はその場所から消え失せ、次に目を逸らした時にはもうデデデ城の前だった。いつもは門前も賑やかなのだが、今は静かだ。ワドルディが1人も居ないし、街の人も寄り付いて居ないようだ。
「変だネェ…。人っ子一人居ないヨォ?」
「マジにこりゃなんかあったかもしれないのサ」
お互い顔を見合わせて唾を飲み込む。
その瞬間、目の前に何かが落ちてきた。
ドスンと大きな音を立てたそれは見覚えのある顔をしていた。
オレンジの髪、いつもデデデ城を沢山徘徊していたそれ。
「…………わど…るでぃ?」