D.A.Pheromone 作:ゆべ氏
人により嫌悪を感じるストーリー、設定となっておりますので批評、低評価バッチコイですが閲読される方はご了承ください。
オフィス街にひっそりと居を構える控え目な暖色灯の明かりに照らされたオーセンティックバー。
バーと名の付く店は都内に数多くあるが、物静かなマスターが象徴するように独特な静謐さを湛えるその店の雰囲気がじっくりと酒に浸りたい客層を掴み、夜の浅い時間にあっても空席は少なかった。
今また一人の男性、飾り気は無いが見る者が見れば気づく上質な生地で仕立てられたスーツを着こなした男性が分厚い木扉を開き店内へと足を踏み入れてきた。
常連らしい躊躇いの無い足取りで、色素の薄い金の髪に碧眼、一目で外国人と分かる北欧系の顔立ちをした男はカウンター席へ掛けるとグラスを磨いていた店主へ向けて口を開く。
「マスター、いつもの――いや、今日はあのキープさせてもらっていた品を頼もうか」
「おや、珍しいですね?」
流暢な日本語で男がつけた注文は馴染み深い店主にとって意外なもので、無作法を自覚しながらも問いが口を出てしまっていた。
「あのボトルですね、あの時のお連れの方は見えないようですが……よろしいので?」
「いいんだ、彼の都合はつかなくなってしまってね、実は私も明日には国元に帰ることが決まってしまったんだ。――最後にこの国のウィスキーを味わっておきたい」
異邦の客から神妙な面持ちで語られた言葉はまるでもう二度とこの店を訪れることがないと告げるような、名残惜しさを滲ませるもので、店主は老齢に差し掛かり皺の増えた顔つきに常連を失う寂しさというより旧知の友を失うかのような惜別を浮かべながら頷く。
「かしこまりました、それでは」
言って店主は背にした酒棚から札のかけられた深い翡翠の色をした瓶を取り、グラスと共に男の前へ戻ってきた。
二十五の数字がラベルに刻まれたボトルからグラスへ注がれていく琥珀色の液体から立ち昇る熟成された香りに感慨深く浸りかけていた男だったが、不意に目の前のウィスキーとは異なる、だが何故か気を引かれずにはいられない華やかな芳香を感じてしまい首を横へと傾ける。
その先、いくつかの
あながちそれは錯覚ではなく、一秒か、あるいは数分の間その人物――菫色のナイトドレスを纏った女性に見入っていたのかもしれない、そう男に自覚させるほどその女性の存在は衝撃的過ぎた。
南国の海のように鮮やかな蒼いカクテルが満たされたコリンズグラスを傾ける、何気ない筈の動作一つに感じるゾクリとした色気。
ハーフか、あるいは男と同じように異国の出身なのか。
桜の花弁を思わせる、微かな赤みを帯びた銀の髪は漆塗りの扇のような飾りがついた簪で結い留められているだけであるのに大輪の華が咲き誇っているかのような鮮やか。
物憂げに沈んでこそいるものの、柔らかな印象を与える整った目鼻立ちは意外にも幼さが抜けきらずあどけなさすら感じるもので、露わになったうなじ、そしてナイトドレスの開いた背中に覗く白い肌に視線を向けてしまうことを男は止めることが出来なかった。
なぜ初対面の相手にこうも惹かれるのか、当然のように浮かぶそんな疑問さえ霧消させてしまいそうな魔性がそこにはあった。
「――マスター」
理性が自制を促しているのを理解しながらも、男は湧き起った欲求を押し止めることが出来なかった。
目の前で男が忘我する様を見てしまっていた店主は口元に微かな苦笑を象りながらも客同士の営みに野暮はすまいという変わらぬ姿勢を瞑目で以て男に示す。
最後と決めた日に店主に対してだらしのない姿を見せてしまったことを恥じながら男は立ち上がり、惹かれた女性の元へと歩を進める。
「失礼、お嬢さん」
「?」
目をしばたかせながら見返してきた女性の面立ちはやはりどこか成人女性らしからぬ未成熟さが垣間見えるものだったが、正面から改めて向き合ってしまったことで、そんなことすらどうでも良いと思ってしまえる衝動が男の胸を衝いていた。
「随分と沈み込まれている様子でしたが、良ければ話でもお聞かせ頂けませんか? 初対面の男が何をと思われるかもしれませんが、その……放っておくには忍びないもので」
昨今、女性から奥ゆかしさというものが失われつつあるこの国にあってそんなイメージとかけ離れた印象を持つ目の前の淑女に、下心から話しかけてしまうことを視線を落として男は恥じていた、だが。
口元に手をやりながら、はにかむようにクスクスと笑い出した女性の姿に心臓が跳ねるような衝撃が走り動揺を晒してしまう。
齢にしてみればこの店の店主の半分程度の人生であるが、一般の視点からからすれば非凡と呼べる道程を男は歩んできていた。
蠱惑的な異性を相手に翻弄されることなく立ち振る舞うことなど容易い事であったはずなのに、まるで初心な少年のような反応をしてしまっていることを男自身が信じられない。
「まさかそんな言葉をかけて頂けるなんて思ってもいませんでした、紳士なのですね」
「い、いえ」
「大したことではないんです。少し、仕事場で情けない見落としをしてしまったのが恥ずかしくて、酔ってしまいたい気分に」
見知らぬ男からの声掛けに怖じけるような様子は無く、見た目にそぐわない落ち着きのまま男を真っ直ぐに見返して女性は言葉を紡ぐ。
「ですが駄目ですね、一人だと余計に考え込んでしまって……お言葉に甘えて、少しだけ愚痴を聞いて頂いてもよろしいですか?」
「――勿論、いくらでも」
女性の隣席へ腰を落としながら、訥々と語られる任せられて二年目になるという仕事で些細なミスを犯してしまったという話に耳を傾けながら、その夜が今までの人生で最も特別なものになるという予兆を男は感じていた。
◆
ビジネスホテルとしては等級が高い部類に入る施設の廊下を歩く、特徴を聞かれた者が言葉を濁しそうな、無個性を絵に描いたような背広姿の男。
フロントを素通りした男は迷いなく目的の部屋へと到着し扉の前に立つ、すると男がノックすらしない内に部屋の内から声が放たれた。
「開けてあるよ、どうぞ」
入室を促す声に男が一瞬周囲に視線を走らせてからドアノブに手を掛け、中へと身を滑り込ませる。
ドアから続く細い通路を抜けるとすぐにデスク、テーブルを備えたベッドルームがある。
最も目立つダブルサイズのベッドの端にはあのバーで外国人男性に声を掛けられていたナイトドレスの女性が腰掛けていた。
しかし、その印象はバーでのものとは似ても似つかない。
淑やかな佇まいは微塵も無く掻き消え、憂いを帯びていた瞳には気怠そうに瞼が下りかかっている。
その背後、ベッドの上では彼女に声を掛けた外国人男性が仰向けに寝転がり、目を見開いたまま――事切れていた。
シャツのみの上半身、胸の辺りに一本のペンが深々と埋まり心臓にまで達している。
「お疲れ様です、お怪我は?」
「無い」
淡々と答えた女性はすっくと立ち上がると背広の男へ顔を向ける。
整った顔立ちに変化は無いというのに、あれほど男を虜にした魔性はいまやすっかりとなりを潜めていた。
「体を張るのはあまり得意じゃないんだ、なるべくこんな依頼は控えるように上の人に言っておいてくれよ」
「申し訳ありません、通常の手段で彼の排除を試みるならこちらもそれなりに損害を覚悟せねばなりませんでしたので、ですが――」
感情の見えない目でベッドの上の屍を男は眺める。
シャツをはだけさせてこそいるが争って着衣が乱れたような痕跡は無い。
「貴方にはいささか役不足な相手だったようですね」
「腕は立つって話だったけどね、即落ちだった」
事もなげにそう口にすると女性は足を踏み出し男とすれ違い出口へと向かう。
「事後処理は任せるよ、それじゃ」
淡々と告げそのまま部屋から出て行った女性を見送ると軽く息を吐き出した男は自らが僅かながら緊張し息を詰めていたことを知る。
今の短いやり取りの間で男が相手に対し懸想してしまうようなことは一切なかった。
しかしそれは相手がその気になっていなかっただけであり、もし今ベッドの上に骸を晒しているスパイ容疑のかかっていた男のように標的となったなら数秒と持たず落とされてしまうのではないかと男は自問する。
相手は老若男女、あらゆる相手に対して暗殺を成功させている腕利き、その有用さから武偵という肩書きでありながらこの日本で殺しを許された人物なのだから。
◆
依頼を済ませ戻って来たのは東京湾に浮かぶ
籍を置いている東京武偵校とそれに連なる施設が集約され現在の住まいである武偵校女子寮もこの人工島にある。
モノレールから降り、時期は春先であるが感じる夜の空気は背中の開いたドレスしか着ていない身には肌寒くつい嘆息を漏らしてしまう。
今回受けていた依頼は武偵校を通してのものではなく報告の必要は無いため足早に女子寮への帰路へ着く。
既に時刻は零時近い、女子寮のエントランスを抜け特に誰かと会うことも無く七階まで辿り着き、カードキーで自室の扉を開いた。
「おかえりなさいませ」
「ただいま、今戻ったよ」
ドアを開くなり迎えてくれた馴染み深い声。
既に夜も大分更けてしまったが、シスター服に身を包んだルームメイトである女性、メーヤ・ロマーノは柔らかな微笑みと共に迎えてくれた。
泣き黒子が特徴的な美貌はウェーブがかったセミロングの髪もあいまって柔らかな印象を与える。
東京武偵校入学以前、依頼で海外を回りイタリアを訪れた折りに知り合った彼女はローマ武偵校
骨を折らされたがこれまでの武偵校生活で彼女の存在に助けられていることを鑑みればそれをするだけの価値はあった。
「ひとまずシャワーを浴びるよ。メーヤ、よろしく」
「はい」
白い頬にほんのりと朱の色を浮かべて表情を華やがせたメーヤは室内へと戻っていく。
その背を見送りながらヒールを脱いで玄関を抜け真っ直ぐにバスルームを目指す。
扉を開いた先の洗面スペースはこの部屋が女子寮の中でも安くない家賃がかかるVIPルームであるだけに十分な広さがあった。
洗面台の前に立ち、正面にした鏡には薄紅の差す銀髪を夜会巻き風にまとめた少女――見た目そうとしか見えない人物が映し出されている。
「ふぅ」
深呼吸を一つ、そして響く、骨でも折れたかのような音。
それは自身の体から発し、次々と体のあちこちから同様の音が鳴り始める。
時折腕や足の屈伸を交え、一分と経たない内に音は鳴り止む。
変態が終えたことを確認し、窮屈になった貰い物のナイトドレスはさっさと脱いで放り捨てる、どうせ二度と着ることは無い。
鏡には日本人離れした銀の髪を持つ人物、だがその体格には先程までと比べ明らかな変化が生じていた。
眉尻の上がった瞳はやや鋭く目鼻立ちには中性的な色が増し微かに膨らみの有った胸は平坦に、特に首筋と腰回りは女性的なラインが失せ、厚手の服を着ていれば気付ける人間もそうそういないだろうが、はっきりと男性的な骨格へと変じている。
といってもこちらの方が本来の――男性である自分、
持って生まれた女性的な顔立ちに加え体を、骨格すらも変態させる特異体質から母親に後継として見据えられ、叩き込まれた教育の末この自分はハニートラップの達人として国から重用されるまでになってしまった。
お陰で幼少から人並みな生活を送ることはできなかったが、公安や内調の犬となる道を強制はしなかった両親に感謝はしているし、フリーの武偵としての身の上を得ながら今回のような依頼を断らないのはその義理立てでもある。
でなければ正真正銘の女性と違って体を張れないのこの身で男を籠絡するような仕事は極力避けるところだ。
――自分の体質の真髄を行使すればまず成功させるだろうという確信はあるが。
「玲さん、お待たせしました」
丁寧に扉を開き、バスタオルを片手に入って来たメーヤ。
玄関で修道服に白いローブを重ねぴっちりと肌を覆い隠していたメーヤはこちらの求めていたところを正しく理解していた。
露わになった眩しい白い肌、シルクの生地をレースで縁取った仕立ての良い上下揃いのブラとショーツ。
彼女が持つ豊満な肢体の魅力を余すことなく晒したその下着姿に熱いものが、とりわけ下腹部にこみ上げてくる。
はちきれんばかりにたわわに実った胸、それでいながらウエストにはしっかりと女性的なくびれがつき、ローライズのショーツに包まれたヒップには柔らかそうな肉がほどよくついている。
男の欲望を形にしたようなその肢体は視認するだけでも暴力的なまでに煽情感が溢れていた。
異性を堕落させるような肉体を晒しながら少女は聖職者らしく慈愛に満ちた微笑みを浮かべ、しかし異性にあられもない姿を見せる恥じらいにかその頬にはほんのりと朱の色が差している。
「こんな時間に付き合わせて悪いな、メーヤ」
「いえ、玲さんにとって必要なことだと理解していますから。それに――」
タオルを置くとメーヤは組み合わせた手をまごつかせながら、小さな声でその言葉を発した。
「玲さんから求められることは私にとっても喜びですから――」
そう言って一層顔の赤らみを強めたメーヤの姿にゾクりと背筋へ仄暗い感情が駆け走る。
今夜の変態の反動もあり悪い癖が出てしまうのを自覚するが止める気になれず、足を踏み出しメーヤの目の前まで近づく。
男性としてはそう大きい方ではないが、メーヤの腰に手を回し抱き寄せながら端正な顔立ちを間近で見下ろす。
この体は肉付きや骨格だけではなく、人の体から発するフェロモン、その質と量をも変質させることが出来る。
本能的に相手が求め、欲情してしまうフェロモンを発することでどんな相手でも籠絡を容易くする。
それを受けたメーヤの青い瞳が揺れ動き、僅かに呼吸が速まったのを見て取りながら顎に手をかけ上向かせ、唇を合わせた。
「んっ――」
柔らかな唇の感触を楽しむのもそこそこに、瞳を閉じてキスを受け入れたメーヤの口内へ伸ばした舌を侵入させる。
ビクリと抱き寄せた腕に震えが伝わるが、この行為を幾度となく経験しているメーヤは挿し入れた舌に自分から舌を絡めてくる。
舌体からぬめらかな感触が伝わり、舌同士が交わり絡み合う度に唾液の立てる濡れ音とメーヤの喘ぎが部屋に響き渡る。
「んん――ちゅ――っ、はぁ、はぁ……」
ディープキスの感触を数分堪能してから唇を離し、解放されたメーヤは呼吸を乱しながらどこか熱に浮かされたような目でこちらを見返していた。
息が荒いのは口を塞がれていたせいだけではないだろう、嗅覚で感じ取るわけではないが顔を密接させるキスは特にフェロモンの影響が大きくより本能を揺さぶられる。
「あっ」
背に回していた手でメーヤの胸を包んでいるブラジャーのホックを一瞬の内に外してしまう。
豊か過ぎる乳房に弾かれるようにしてシルクのカップがこぼれ落ち、まろび出た二つの膨らみがふるりと揺れた。
とても掌に収まりきらないほどの大きさながらその胸にはシミ一つなく魅惑的な形を保ち上向いた先端、胸の豊かさに反して小ぶりな桜色の乳輪の中央で、同じピンクの突起が既に張りを帯びていた。
鷲掴むような形にした右手を乳房に添え、指の腹で乳首を撫でてやると途端にメーヤは体を震わせ敏感な反応を見せた。
「あっ!んっ……」
長い睫毛を震わせながら漏らすその声には明らかな艶が含まれ、僅かな刺激だけで彼女が悶えてしまうほど感じてしまっていることが丸分かりだ。
ディープキスによる昂ぶりもあるが、豊満なバストが大きな魅力の一つであるメーヤはセックスの度に胸を苛めてしまうせいで乳首の性感がすっかり敏感に発達しているのだった。
「キスだけで乳首を勃たせるなんて、メーヤは随分とふしだらなシスターになってしまったね」
すべすべとしていながら掌に吸い付くように柔らかい胸へ指を沈み込ませ、揉みしだきながら指先で張り詰めた乳首を捏ねるように弄っていく。
自分の能力で発情させておいてひどい言い草ではあったが、メーヤの方は快楽に蕩けつつある表情でこちらを見返しながら乱れた呼吸のせいで途切れ途切れに答える。
「玲、さんの……んっ!ああ……せいですよ……あ……っ! ですから……その……」
上目遣いにした瞳を潤ませながら、口ごもるメーヤの言わんとすることを察すると気付かぬ間に口端を吊り上げてしまっているのを自覚しながら胸から手を離す。
「あっ……」
「何かな、メーヤがどうして欲しいのか、分かりやすく教えてくれるかい?」
意地悪くもそう告げると前戯を半端に終わらされ火照る体を持て余すメーヤは少しの間もじもじとしていたが、やがて顔を真っ赤に染め期待通りの行動を示す。
背を向け壁に手をつくとこちらに腰を突き出すような前屈み気味の体勢をとり純白のショーツ、そのクロッチがメーヤ自身の手によりずらされ隠されていた蜜園が露わになる。
薄紅色の淫裂は既に内から漏れ始めている愛液にしっとりと濡れていた。
「どうかこのはしたない女に……お情けを頂けますか、玲さん?」
まだ品が残る誘い言葉にもう少し焦らしたいところではあったが、彼女をこんな姿を前にするとやはり歯止めをかけるのがつらい。
時間も遅いことだし今日の所はこれで上出来としよう。
両手で肉感的なラインを描く尻たぶに触れ支え、先程から股間でいきり勃っているペニスを入口へとあてがう。
潤った淫唇の感触を先端に感じながら腰を押し込むと、ささやかな濡れ音を立て蜜肉のワレメに亀頭が呑み込まれた。
「んっ――」
メーヤの口から漏れた声は小さなものだったが、揺れる声音には淫靡な気配が強く滲みはじめている。
そしてその声はゆっくりと腰を押し進め、蜜壺へ肉の楔を埋めていくほどに大きくなっていく。
「あ、あぁ……挿入って、きてます……玲さんの……あっ!」
根元まで挿入しきる瞬間、一際強く腰を押し込み最奥をノックするとメーヤはビクリと背を仰け反らせ身を震わせた。
挿入した肉竿をきつく締め上げながら絡みついてくるような彼女の極上の蜜壺とは相性が良く、彼女が最も感じるポイントを責めるのに丁度良い収まり具合になる。
引き抜くのは僅かに留め、愛液に塗れたモノを再び突き込み丹念に何度も何度もその弱点へ肉の穂先を打ち込む。
肉竿を咥え込んだ淫唇からグチュリ、グチュリと愛液が卑猥な音を立て、メーヤの喘ぎも見る間に昂ぶりを増していく。
「あっ、ああっ! ダメです、そんな……ところばかり……んぅ……あんっ!」
弱いところを責め立てられ急速に高まる性感の波に翻弄されつつあるメーヤはかぶりを振っていやいやをするが、ペースを緩める気はない。
「安心しろメーヤ」
「ああ……玲、さん? ――あっ!」
ピストンの度にゆさゆさと揺れていたメーヤの巨乳を両手で鷲掴み、つまんだ乳首を捏ねくり回す。
「――んっ! そんな……ああっ!」
「一回や二回で終わらせるつもりはないよ。俺の気が済むまで付き合ってもらう。だから――何度でもイッていいんだぞ?」
口を耳たぶの裏に寄せ囁くように告げてやるとメーヤの表情が恍惚に蕩け、膣壁が挿入しているモノを逃がすまいとするように収縮する。
同時に肉杭を叩き込むように突き込みながら、乳首を摘み上げてやった途端にメーヤは全身を震わせて一度目の絶頂を迎える。
「あ――ダメです、私、もう――んっ! あっ! あああっ!」
同時に蜜壺の締め付けが増したことでこみ上げる射精感を堪えることなく解き放ち、鈴口から溢れ出した精液をメーヤの奥底へと注ぎ込んでいく。
熱を持った白濁に内を満たされながらメーヤは乱れた息を落ち着けようとするように瞳を閉じていた。
「は、ぁ……はぁ……んっ!?」
そんなメーヤの声はこちらが落ち着くのを待たずに腰の動きを再開したことで跳ね上がる。
「玲さん……! 待って、ダメです、まだ……ああっ!」
口ではそんなことを言いながらも、イッたばかりで敏感になっているメーヤは奥を突かれる度に乱れた声で喘ぐ。
そんな彼女の濡れそぼった蜜口を制止に構わず射精直後にも関わらず勃起状態を保っているペニスで今度は荒々しく腰をグラインドさせながら繰り返し貫いていく。
絶倫でもある俺とメーヤはその後宣言通り、イッた回数が両手の指で数え切れないほど交わり続けるのだった。
◆
寝室のベッドで裸のまま密着したメーヤと共にシーツにくるまりながら、彼女が手にしたタブレット端末に表示された情報を眺めていく。
メーヤの腰に回していない方の手で画面をフリックしつつ確認していた資料から懸念していた不安が的中してしまったことが明らかになり、メーヤの柔らかな胸を揉むことでストレスを紛らわせる。
「あん……残念ですが、玲さんの予想されていた通りになってしまいましたね」
眺めていた資料は自分の仕事に関わっている、東京武偵高校に今年度入学した新入生達のデータ。
入学するにあたり、政府から一つの依頼を俺は請け負っていた。
この国は戦後の成り立ちのせいもあるが、諜報面において他の先進国と比べいささか脆弱なところがある。
スパイ天国と言われるほど入国に関する法律が緩く、自衛官がハニートラップにひっかかり重要機密を漏らしてしまうなんてこともザラだ。
せめてもの対抗かこの東京武偵校ではハニートラップを行使できる武偵、対抗できる武偵のリストアップ、場合によっては育成も依頼されている。
そういうわけで、有望そうな新入生には当然目をつけているのだったが。
「
女人望とはごく稀に女性が天然に持つと言われる、いわば同性を惹きつける才能だ。
ただそれだけならば問題視する必要は無いが一年
彼女自体は顔立ちこそ比較的整っているものの小柄かつ幼児体形で特に注意を払ってはいなかったのだが、問題はその友人である佐々木志乃。
場合によっては俺の所属する特殊捜査研究科、CVRに勧誘し教育を考えていた生徒の一人だったが、その間宮あかりへの心酔ぶりには目を覆うばかりだった。
「……盗撮にストーキング。間宮あかりが飲み捨てたペットボトルの回収? ……重症だな」
恵まれた容姿と環境に加え、品行方正過ぎる性格故に他の生徒から疎まれ、孤立していた彼女の中学時代までの経歴を遡れば初めて得た親友に対して多少入れ込んでしまうのも無理は無いのかもしれないが、間宮あかりに対する変態的なまでのストーカー行為には流石に引く。
学力に秀で真面目だった少女が何故と思わざるを得ない、かの女人望には対象の人間の知性を低下させる作用でもあるのではないかと疑ってしまう。
この様子では佐々木志乃の勧誘は見送らざるを得ないだろう、さすがに頭の弱い子を諜報員に仕立てるのは無理がある。
いっそこれ以上被害が広がらない内に間宮あかりを始末でもしてしまおうかとの考えが脳裏をよぎるが、この依頼はそれほど完璧な結果を期待されているわけではないらしいしそこまでする必要はないかと打ち消す。
「そういえば……んっ。この間宮あかりさんですが」
「何かあったのかい?」
「あの神崎アリアさんの
そのメーヤの報告には少しばかり驚かされた。
上級生の身の回りの世話をする代わりに個人的な指導を受けることが出来る武偵校特有の制度である
昨年度末に武偵校へ編入してきた神崎アリアは強襲科でもSランクのトップエリートだ。
それだけに戦妹志望は多いし、既に二十人以上が不採用とされていたはずだが、強襲科成績最下位常連の間宮あかりがその座を射止めるとは何があったのだろうか。
「……確か神崎アリアにはC組の高千穂麗も戦姉妹契約に失敗していたね」
目を付けてある有望な生徒の一人、一年にして強襲科Aランクの高千穂麗。
佐々木志乃と同じく方向性は異なるが優秀かつ容姿も優れ、通常のCVR組からも既に勧誘されたことがある生徒だ。
高飛車でプライドが高すぎるきらいがあり、そんな彼女がこの事実を知ればどうなるか。
彼女の方から間宮あかりへ近づいてしまうことは目に見えている、そうなれば始めは敵対的にせよ、佐々木志乃の二の舞となってしまいかねない。
「はぁ……仕方ない」
少し早いが手をつけておくことにしようと決め、タブレットを放ると先程からずっと無意識に胸を揉んでしまっていたせいで瞳を蕩かせ頬を上気させてしまっているメーヤに向き直る。
強く男性向けのフェロモンを行使した日は反動的に男性的な衝動が高まり、我慢することは不可能ではないが女性を抱きたくなる。
洗面所とバスルームで散々メーヤとまぐわったおかげでその衝動はもう収まっていたが、色っぽい目の前の美しい少女の姿にはむくりと劣情が頭をもたげ出すのを感じてしまう。
「もう少し付き合ってくれるかいメーヤ」
「はい……勿論です。あ――ン」
今夜のところは明日からの英気を養うためにベッドへ押し倒しながら組み敷いたメーヤとの情事にふけることにしよう。
そうして寝室にはベッドの軋む音と喘ぎ声が夜明け近くまで響くことになった。