※ネプギアちゃんを純粋に好きな人には向きません(断言)
私は史書イストワール。
教祖としてこの神政国家プラネテューヌの……
いえ、現在はゲイムギョウ界合衆国の首長たるネプギアさんの補佐を
「おはようございます……」
挨拶の主こそゲイムギョウ界唯一の女神ネプギアさん。
見た目は、至って普通の美少女……以前はそうでした。
今はといえば、ヨレヨレのセーラーカラーのワンピースの足下には、ゴムがくたびれてずり下がったニーソックス。
ライラック色の長い髪はパサパサで襟足がところどころ絡まっていて、前髪が視界を邪魔しています。
その瞳はどこにも焦点があっていないように
「こんにちは、ネプギアさん。もうお昼ですよ? ここのところ無理が続いていますし、少しお休みを取ったほうがいいのではないでしょうか。体調管理も大事な仕事です」
「ううん、平気です。まだまだ女神の仕事にも慣れていないし、このぐらい、犯罪神の被害に
全然、平気そうには見えません。
こういう頑固なところを見ると、
「ネプギアさん、言いづらいのですが……カバン、ワンピースに引っかかってますよ」
彼女は無言でカバンを体から離しました。
まくれ上がっていた布地がふわりと落ち、ピンク縞のボーダーショーツが隠れます。
「見苦しいところを見せて、ごめんなさい」
紅潮した頬を除けば、淡々と答える姿はつとめて冷静。
女神にふさわしい振る舞いではありますが、やはり、お疲れでいらっしゃいます。
以前のネプギアさんならもっとオーバーなリアクションを取ったでしょう。
ネプギアさんは先の犯罪神との戦いで多くのご友人と、そして姉のネプテューヌさんを
その傷も癒えない中で、ゲイムギョウ界に唯一生き残った女神として懸命に大任を果たしています。
プラネテューヌのみであれば、彼女が女神候補生だった頃から
しかし、制度や文化の違う他国のそれも動乱後の処理なんて、ベテランの女神でもそうそうこなせません。
着々と進んでいく犯罪神事件からの復興とは対象的に、ネプギアさんは日に日に
お疲れお疲れとばかり言っていると、余計疲れさせてしまうかもしれません。
今日はネプギアさんの意思を尊重し、負担の少ないお仕事をしていただくことしました。
「今日のスケジュールは……あら、午後に
通院ではなく往診、というところが引っかかります。
大抵の病気は、プラネテューヌ教会病院で事足りるはずです。
「ブランさんとご縁のあった方だそうで、ご恩を返したいからということで腕利きのお医者さんを紹介してもらったんですけど、ルウィーの方なんです。外国医師診療申請の手続きをお願いできますか」
「了解しました。お大事になさってくださいね」
医師免許は
プラネテューヌでは、移行措置として国の許可に基づき他国の医師免許での診療を認めることとなっています。
ネプギアさんから受け取ったファイルを確認すると、差し加えるものも特にありませんでした。
ブランさんのお知り合いということであれば、特に問題はないでしょう。
そのまま担当部署に回してしまいます。
女神のレストルームより上に一般用のトイレなんて設置できません。
体調不良のネプギアさん一人ではちょっと心配なので、午後の往診には私も付き添いました。
現れた医師はすらっとした長身で、理知的な切れ長の瞳に細身のフレーム眼鏡をかけていました。
ですが銀色の綺麗な長い髪を後ろで
教会の女子職員の様子を見る限りでは、10人中8人がイケメンと答えるのでしょう。
彼女たちには残念なことに、S傾向も押しの強さもまったく感じられませんでしたが。
ちなみに、残りの2人は私とネプギアさんです。
その医師、エリアス・ヘルツォーク先生のお話では、この手の病気に対するお薬は効く効かないの個人差が大きい。
彼女に合う薬が見つかるまで根気よく経過観察を続ける必要があるとのことでした。
診察中にネプギアさんが取り乱す場面もあり、ハラハラとさせられました。
けれど、抑圧された感情を吐き出すこともできたようです。
何度かを往診に来てもらうと、少し前より落ち着いて職務に