※この作品はR-18です。

ダンジョンに性交を求める眷属の物語   作:kuracjaponski

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第一章-テルクシノエ・ファミリア-

 晴天はオラリオの住民たちを暖かい日差しで優しく照らしてくれるようなことはなく、日の当たる路地を歩く人々に汗を滴らせている。だからボール遊びをしていた男の子が噴水広場の北側にある路地裏で、日陰に隠れて遊ぶのをやめてしまったのも、当然のことだった。

 

 その路地裏をまっすぐ抜けた先にある、歓楽街。入り組んだ小路は日中とは思えないほど暗く、この娼婦の根城には洗濯物や手桶など、雑多な日常品があちらこちらに置いてあったり、ぶら下がったりしている。

 

 そんな光の届かない文字通り闇の路地裏では、新参者の神様が娼婦紛いの団員勧誘をしているともっぱら話題になっていた。

 

 神の美の象徴である躰を何の対価もなく味わえるとあって、その神様が住むテントは夜な夜な集まってくる種族を問わない性欲旺盛な男たちでにぎわっているのが常だった。

 

 しかし、今は真昼。そして今テントの中にいるのは、素性の知れぬゴロツキではなく紛れもない団員だった。

 

 「よし。ではこれで契約は済んだというわけじゃな。神の血(イコル)によりお前の体はステイタスの恩恵を受けている。これで晴れて我々はファミリアになったというわけじゃ。気分はどうだ?」

 

 上半身裸に虚空を見やるハムザ。その体には既に神の力が反映されているのだが。

 

 「何も変わらんな?え?えげつない魔法が打てたりとか、上空一万メートルまでジャンプできたりとか、そんな気配は何も感じないぜ、主神様」

 

 「当然じゃ。お前はまだレベル1。ここで言ったら、下級冒険者だ。要は雑魚じゃよ。ただし私の直感通り、お前には特別なスキルが備わっていたようじゃな。これを見てみぃ、ふざけたスキルじゃないか」

 

 テルクシノエはハムザの背中に刻まれたステイタスを、本来の神聖文字(ヒエログリフ)から共通語(コイネー)に翻訳した紙切れをはらりと地面に落とした。

 

 ハムザ・スムルト

 Lv.1

 力:H 145  耐久:I 80  器用:H 120  敏捷:I 80 魔力:I 0

<魔法> 【】

<スキル> 【性交一途-セクロスシテーゼ-】

 ・性交の数だけ早熟する

 ・精液に魅了効果 経験値ーエクセリアー付与

 ・快感の丈により効果上昇

 

 共通語(コイネー)が記された紙切れを眺めながら、テルクシノエは笑っていた。

 

 「はははは!性交一途、いいじゃないか!実に紳士らしいスキルじゃ。これでここに根城を構えて、毎晩毎晩ゴロツキ共を相手していたのも報われたというものだ。私はな、ハムザ。お前を見たその時から我がファミリアにはお前しかおらんと確信しておった。他の男どもは抱かせてやれども、私を満足させるような魂の色を持った者はまったく見つからなかったのじゃ」

 

 「それはとんだ淫乱神様だなぁ。まぁ良いわ。これから毎晩情欲を貪るセクロス祭りだ。なんせヤった分だけ強くなるスキルがあるからな、こうしてだべっているのも時間の無駄じゃないか、ふひひひ…」

 

 両手をわしわしと女神に近づいていく変態。その手を、女神が振り払った。

 

 「甘えるな。たまにくらいは相手にしてもやろう。だが毎晩などとはいかんのじゃ。スキルをよう見てみろ、《快感の丈により効果上昇》とある。私の目論見が正しければ、お前は特定の女を何度も抱くよりも、出来るだけたくさんの女を抱いた方が成長するのじゃ」

 

 それに、と女神は付け加える。

 

 「私は可愛いファミリアの団員がたくさんの女を犯すのを見たいのじゃ。エルフの美姫や、屈強なアマゾネスの娘を屈服させることができたら、お前をたまらなく愛しく思うじゃろう。オラリオ中の娘に中出しをして、孕ませてやるのじゃ。どんな卑劣な手を使ってでも、お前はお前の欲求に忠実であってほしい」

 

 ハムザの鋭い深紅の目は、この時確かに揺らめいたように見えた。それは決意の表れであり、目の前に悠然とたたずむこの女神の神意を叶えることこそが自分の目標なのだと、固く誓ったことを証明する大きな感動の表れであった。

 

 内心、ハムザは思っていた。世界中の女を犯したい。問答無用に中出しをしたい、毎朝別々の美女に目覚ましフェラをさせ、気が向いたときに好きな女を犯せるハーレムを作りたい。これこそが男のロマンであり、自分がオラリオに来た理由なのだと。そのためには、命を賭しても構わない。この女神と巡り合えたことこそが僥倖、自分がここに来たことが正しかったと証明する、ただ一つの真実。

 

 「よし、乗ってやろうじゃないか、その神意に。何度も抱きたいと思える女はそう多くない。しかしこのオラリオにはそういうハイレベルな女がいくらでもいると聞く。この俺様が一般人・冒険者・娼婦を問わず片っ端から手籠めにしてやろう。種族はもちろんコンプリートだ。獣人(デミ・ヒューマン)、アマゾネス、エルフ、ヒューマンはもちろん小人族(パルゥム)にドワーフ、果てには神様まで、全部俺のものだ!」

 

 「その意気じゃよ、ハムザ。それはそうと…」

 

 ところで、と。女神は素朴な疑問をハムザに投げかけた。

 

 「お前はどうしてここに来た?日中に歓楽街を訪れるなど、狂気の沙汰とは言わないまでも普通とは思えん。もしや日中にもどこか営業してないかと、淡い希望を抱いていたか?それほどまでに溜め込んでいたのか?えぇ、どうじゃ」

 

 情欲をそそる顔つきで全身を舐めまわすように見つめる女神にむらむらさせられながらも、ハムザはこれまでのいきさつをすべて説明した。

 

 今朝オラリオの門を叩いたこと。門番と一悶着起こし、ついカッとなって雑魚の腕を切り落としてしまったこと。連中はそろいもそろって能無しだったこと。ギルドに目をつけられれば日陰者の生活を強いられるだろうと考え、急いで歓楽街まで足を運んだこと。娼館で寝泊りしていれば、ギルドには見つからないだろうと考えていたこと。予想に反してどこの娼館も閉まっており、絶望したこと。

 

 今日起きたことを淡々と女神に報告をした。一方その女神は、笑いをかみ殺しながら応えた。いわく、初日に騒動を起こすなど予想外だとか、ガネーシャ・ファミリアの門兵の包囲網をたやすく突破したのはさらに予想外だとか。

 

 「連中はな、ハムザ。このオラリオで有数の超巨大ファミリアだ。当然団員は猛者ぞろいじゃ。報復もさることながら、今頃ギルドではお前を賞金首に仕立てあげているに違いない。まぁ過ぎたことをとやかく言っても仕方ないがの。ここは子供のかわいい過ちを、主神であるこの私がどうにか尻ぬぐいしてやらねばならんな…」

 

 ガネーシャ、か。女神はそう呟いて、さっと外出用の薄手のローブを羽織った。

 

 「それではハムザ、私は野暮用に出かける。お前はメインストリートを決してうろつくな。このことは私が何とかする。それまでおとなしくここで待っているんじゃ。わかったな」

 

 そう言って女神は路地裏の陰へと消えていった。残されたハムザは一考する。

 

 おとなしく、か。不思議な言葉だ。俺には意味がわからんな。どれ、我がファミリアは零細だ。弱小だ。

 ここはひとつ、夜を待って間抜けなゴロツキから金品をせしめて主神様の帰りを待つとしよう。俺は一秒たりともおとなしくなんかするものか。おとなしさなんてそんなもん、バラバラに切り刻んで野良犬にでもくれてしまえ!

 

 ならず者の高笑いは空まで響き、歓楽街の夜の住民たちは迷惑そうに寝返りをうった。

 

 

 

 

 「ゴブリンに負けちゃったーーーー!?」

 

 ヘスティアは、ボロボロになって帰ってきたベルを見て、思わず抱きしめた。

 

 ダンジョンに住むモンスターの中でも、最弱に分類されるゴブリン。最弱といえども、モンスターはモンスターであるから、多少腕に覚えがあっても命を落とすものは少なくない。だから初めてダンジョンに出かけたベルがこうして傷だらけになって帰ってくるのも、ヘスティアは予感していないわけではなかった。なのだが。

 

 (うーん、おかしいなぁ。確かにこの子と出会ったとき、あの場所で特別な力を感じた気がしたんだけど。ボクの気のせいだったのかなぁ)

 

 うんうん、と頭を振りかぶるツインテールの神様は。

 

 (いや、いいんだっ!特別なスキルもなくて、よわっちくても、ベル君はボクの大事なパートナーさ!)

 

 「そうだろ、ベル君っ!?」

 

 「へっ!?あ、あの、神様…。本当にごめんなさい、こんな弱くて、ろくに戦えない僕を拾ってもらって、逆に迷惑してないかなって思って…」

 

 「そんなこと思う必要ないぜ、ベル君!最初は誰だってゴブリンにやられるもんだって、僕の神友が言ってたのを今思い出したぜ!だから元気をだして。さぁ、ボクは君と一緒なら、毎日じゃが丸くんと乾パンだけでも、これっぽっちも侘しくもないもんさ!」

 

 優しい言葉で励まされながら、か弱い腕の中で抱きしめられながら、ベルは自身の弱さを呪った。ステイタスの恩恵を受けても変わらない自分が、心底憎くなっていた。しかし、どうすることもできない。ベル・クラネルは特別ではないという恐怖が、心の中で大きくなっていく気がした。

 

 

 その日の晩、例日どおり強かな娼婦達や快楽にふけるとびきりの紳士たちによって歓楽街はいつもの賑わいを見せていた。

 

 「お兄さん、アタシのおっぱい触らせてあげましょうかぁ?」

 

 「さぁー今日は安いよ!仕入れたての生娘が今ならなんとたったの一万ヴァリス!」

 

 客引き達の熱烈な歓迎は止まることをしらない。そんな雑多で賑やかな路地を歩くたくさんの種族に隠れ、神の一柱が羽付き帽子を深く被って歩いている。眉目麗しい客引きに鼻の下をだらしなく伸ばしながら歩武を進めるその神は、少し人波が小さくなり暗さの増す路地へと曲がったところで、ふいに右手を掴まれて喉元に刃物を突き付けられた。

 

「止まれ、動くな。少しでも不審な動きをすればこのまま喉を切り裂く」

 

 歓楽街の喧騒は今では遥か彼方に思われた。路地の暗がりで、その冷たい声の主は臆面もなく神に向かって刃を突き付けている。後ろから刃物を突き付けられ、凄まじい力で押さえつけられた男神は、何とか平静を取り繕っていた。

 

 「お、おいおい、君ぃ。いくらなんでも神様に対してこんな仕打ちはないだろう?こんな罰当たりなことしちゃあ、ろくなことにならないぜ?きっと今にもうちの万能者-ペルセウス-が…君の大動脈を切り裂いてしまうかも知れないよ…?」

 

 暗がりの中で佇む男と神の一柱。しかし、そんな神の予言は一向に現実になる気配はしなかった。

 

 「悪いな、変態神様。あんたの家来は()()()()()。さっきのセリフは、そこの陰に隠れている透明人間に言った言葉だ」

 

 「ア、アスフィ~?」

 

 暗がりから美女が姿を現した。先刻まで透明だったのは、希代のアイテム・メーカーである彼女の作品、ハデス・ヘッドの効果によるものだ。白いマントを纏い、知的な風貌に生える銀製の眼鏡をかけている。ライトブルーの髪が波打つようにくねり、その鋭い双眸でかの男神ーヘルメスーをにらみつけている。

 

 「だからっ!言ったじゃないですか、ヘルメス様。勝手に前を歩かないで、ちゃんと後ろに付いてきてくださいって。そうじゃないとこの歓楽街でどんなゴロツキにいちゃもんつけられるかわかりませんよ、なんたってうちは胡散臭いことで有名なーヘルメス・ファミリアーなんですからね…」

 

 「一応言っておくが…」

 

 その男は切っ先を神の首筋に突き立てたまま言った。

 

 「俺はゴロツキなんかじゃないぞ。要求を聞きさえすれば、無傷で解放してやる。それにうちのファミリアの膝元であるこの歓楽街で一端の神様がほっつき歩いていたとなれば、怪しまない方がおかしいだろう?」

 

 「うちのファミリア、か…」

 

 ここ歓楽街は、イシュタル・ファミリアのホームである女主の神娼殿(ペーレト・バビリ)から目と鼻の先だ。美の神である主神イシュタルが取り仕切るこの『夜の街』が彼女の管理下にあることは、オラリオの住人にとっては常識だった。ヘルメスとアスフィは、このゴロツキがその団員であるということに、何の疑いも覚えなかった。

 

 「男の団員も少数いる、とは聞いていたがねぇ…」

 

 ヘルメスは嘆息しながら、顎でアスフィに支持を出す。アスフィは、長年の労苦を伴うこの主神との経験から、それが『要求を呑め』という合図だということを理解した。

 

 「はぁ、まぁいいでしょう。こちらも連絡もなくそのホームに乗り込もうというわけですから…。それで、要求は何ですか?」

 

 その男は試案した。ライトブルーの美女を見やると、あきらめた様子でこちらを見据えている。少し考えてから、その男は言った。

 

 「…実はな、オラリオに住む紳士である以上、歓楽街のお嬢さんたちに挨拶をしないのは失礼だと思っていた。しかし、持ち合わせがなくてな。だから金を寄こせ、と言いたいところだったが」

 

 「だったが…?」

 

 アスフィは、とても嫌な予感がした。ヘルメスのせいで迷惑するのはもうこれで何回目だ。その度に割を食うのは彼女であり、まだうら若い年頃なのにもかかわらず心底疲れたような表情がくせになってしまったのは、主神であるヘルメスのせいだといっても過言ではないだろう。だからその予感が当たっていることも、彼女は分かっていた。

 

 「…そこの君、えらい美女だな。君とセクロスがしたい。条件はガチハメ中出しセクロスだ。そうすればこのは間抜け神を解放してやろう」

 

 やはり、当たっていた、とアスフィは思った。

 

 「…わかりました」

 

 主神の我がままに振り回される日常と決別するいい機会かもしれない。

 

 

 「そんなに死にたいのならヘルメス様もろとも逝ってもらいましょう…!」

 

 殺気立つ己の眷属を、必死に止める主神。

 

 「ままま、待てアスフィ!?いいじゃないか、一度や二度で減るもんでもないんだし、こちらの紳士に歓楽街のプロ達よりも凄いアスフィのテクニックを披露してやっても…それに…これは主神命令だ。言うとおりにするんだ、アスフィ」

 

 ヘルメスの口調は、言い終わる前にはガラッと変わっていた。その意味と重みを理解したのはもちろんアスフィだけだったが。

 

 「…わかりました。偉大で慈悲深いヘルメス様のご命令ということであれば、聞かないわけにはいきません。卑しくもファミリアの団長を務めさせていただいている身分ではありますが、どこの馬の骨とも知らないゴロツキに孕まされても一向に構わないと思われる程度の価値しか持たない女ですし、そもそも女の気持ちなど全く理解していない全能のヘルメス様にとっては、私は道端に転がる泥だらけのじゃが丸君と同じくらい価値のあるものとして大切に扱って頂けているようで何よりです」

 

 恨み節がさく裂し、ヘルメスは口を斜めに釣り上げてひくついている。

 

 「ふひひひ…。まぁ、何はともあれ抱かれるというんなら良いだろう、解放してやるぜ、ヘルメス様」

 

 そういってゴロツキは男神を開放した。その時はじめて神ヘルメスはその男を見る。

 

 切れ味の鋭い刃物のような目つき。深紅の、まるで血みどろになったような色をしている。漆黒の髪と、浅黒い肌の色に相まってその双眸はおぞましいほどの威圧感を放っていた。

 

 (この男、やはり…)

 

 ヘルメスはゆっくりと後ずさり、怒れるアスフィに耳うちした。

 

 (…いいかい、アスフィ。何も理由なく了承したわけじゃない。彼、何か特別なものを持っているよ。イシュタル・ファミリアの切り札かもしれない。ここは適当に一発抜いてやって、情報を引き出すんだ)

 

 はぁ、とため息を吐き、無言でうなずくアスフィ。結局こうなるだろうことは、最初から()()()()()()()()()、とアスフィは内心呟いた。こいつがただのゴロツキで、今のが無事を確保するだけのただのポーズであれば、どんなによかっただろうか。もう一度大きなため息をついて、アスフィは言った。

 

 「それで、まさかここでおっぱじめるわけじゃないんでしょうね?一応言っておきますが、抱くからにはちゃんとした扱いをしなさいよ」

 

 「ぐふふ。わかっておる、わかっておる。この先にテントがある。そこまでエスコートしてやろう。アスフィちゃん。かわええのう、かわええのう」

 

 男はいやらしい手つきでアスフィのお尻をさすり、鼻の下を伸ばしその豊満な胸元を眺めながら、手を取って暗い路地の奥へと進んでいった。

 

 「何が紳士だか…ただの変態じゃない」

 

 アスフィはもう一度深いため息をついて、暗がりへと導かれていった。闇に溶ける直前、彼女は振り返りヘルメスを一瞥した。

 

 とても憎々し気な目つきで。

 

 

 ハムザは上機嫌だった。オラリオに来て初日。釣った女は飛び切りの上物だ。

 

 「ぐふふ、アスフィちゃん。君の水色の髪の毛はなんて美しいんだ。まるで満月に照らされた青白い波打ち際のようだ。触ってみると、ほらこんなにさらさらじゃないか。オラリオ中のビロードを集めてきたってこんなに綺麗な色は見つからないぜ。くんくん。あぁ、至福の香りだ」

 

 「…あなた、見かけによらずベッドでささやくタイプなんですね。それに、親父臭い言葉ばっかり」

 

 「うるさい、俺は詩人じゃないんだ。例えが下手でもいいだろう。それに俺は綺麗なものが好きなんだ。だからアスフィちゃんみたいな知的で美しい女の子は大好物」

 

 ハムザはしばらくアスフィのライトブルーの髪を堪能してから、首筋にキスをした。最初は嫌々連れ込まれたアスフィも、怪しげなろうそく一つだけが灯るほの暗いテントの雰囲気と、これから始まるであろう情事への背徳感に少なからず興奮を覚えていた。

 

 「まったく、アスフィちゃんはとんだエロ娘だなぁ。主神に刃を向けたその男に、その日のうちにセックスさせちゃうなんて、まったくけしからん」

 

 「うるさい、こ、これは命令で…あんっ…」

 

 ハムザはアスフィの耳たぶを噛んだ。捕らえた獲物はじっくりいたぶり、おいしくなったところを頂くのが彼のいつものやり方だった。

 

 「あんっ、だめ…そこ、弱いの…。あぁっ、やめ、なさいっ…」

 

 「ふひひ、アスフィちゃんの弱点は耳たぶと。俺様の心のノートに書いておこう。…しかしまさか、もう濡れてきたなんてことはないよなぁ?」

 

 アスフィは自分の股間が疼いている事に気づいていた。しかしこのまま主導権を握らせたままにするのは自分のプライドが許さない。そう思った彼女はは、大胆にも自らその豊満な胸をはだけさせた。

 

 「うおおっ、でけぇっ!しかも完璧な乳首じゃないか、アスフィたん」

 

 「ふふっ、アスフィたん?変な呼び方しないでください。ねぇ、あなたのペニスも見せて?」

 

 そう言ってアスフィはハムザのズボンに手をかけ、一気に脱がせた。ぶるんっ、と勃起したペニスがアスフィの顔に突き出された。それに恥じらいもせず手を触れ、ぺろっと舐めあげた。

 

 「んっ…おいしっ」

 

 片目を瞑目しながら見上げてくる美女に、ハムザは一瞬で制御を失った。

 

 アスフィの頭を掴み、強引にペニスを口に押し込んだ。

 

 「うおおお、なんてことだ、こんな美人にしゃぶられたらそれだけで射精しちまうだろう」

 

 アスフィは無理矢理頭を掴まれても、遠慮なく奥までペニスを突き上げられても、その動きに合わせて見事な動きでペニスを舐め続けた。その間も白い胸は揉まれ、気づけば乳首は痛いくらいにまで膨れ上がっていた。

 

 「ふひひ…。あぁやばい、気持ちよくなってきた…」

 

 ハムザは幸せそうな顔で腰の動きを早くした。その動きに合わせるように、アスフィは吸いつきを強め、射精へと導く大きなスライドでペニスを刺激していった。

 

 「…あ、やべっ。ぐっ…イクぞっ…!」

 

 アスフィは美しい顔で、白濁の精子を受け止めた。

 

 「あっちょっと、出すぎじゃないですかっ!?」

 

 勢いよくペニスから放たれた精子はアスフィの眼鏡だけでなく髪まで汚し、それでもなお止まらない。仕方なく口に含み、残りを搾り取るように舌で受け止めていく。

 

 「ふぅ、天国天国…。アスフィたんのエロいフェラチオ、気持ちよかった~」

 

 脱力するハムザ。アスフィは口に含んだ精子を、こくりと喉を鳴らして呑み込んだ。

 

 「はぁ、全くあなたはどれだけ出すんですか。常人の三倍は出てましたよ。まったくもう、絶倫ですか」

 

 「そりゃそうだ。ここに来るまで何日もためてきたからな。それに久しぶりのセクロスは極上の美女とだ。喜びのあまり少し気が抜けてしまったが、いくぞ、メインディッシュだっ!」

 

 えええええ~!と声を上げるアスフィ。

 

 (せっかく本番を回避するためにフェラ抜きしたのにっ…!)

 

 「な、まだするつもりですか!?あれだけ出したんだから、満足したんじゃあ…」

 

 視線を落とすと、ハムザのペニスは以前と同じようにしっかりと勃起していた。

 

 ごくり、と唾を飲み込むアスフィ。

 

 (あの量を中出しされたら、本当に妊娠しちゃうんじゃあ…?)

 

 「アスフィたんのとろとろなおまんこをぺろぺろした~い。そのあとは当然がっつり生ハメセクロスを堪能するぞ。ふひひひ、アスフィたん、今夜は寝かせないぜ?」

 

 そおーれ、とアスフィをベッドの上に転がし、まんぐり返すハムザ。スカートの下のパンツは、シミがわからないくらいぐっしょりと濡れている。

 

 「いただきまぁーす」

 

 その上からかぶりつく。アスフィは声を押し殺しきれず、あんあんと漏らしている。

 

 「うまうま。なんかいい匂いがするなぁ。アスフィたんのまん汁にはいい匂いもついてるのか?」

 

 「そんなわけ、あっ…ないでしょう…。魔法香水-マジック・パルフンーです…。体の一部に…ああっんん…噴射する…と…体臭を香水のような臭いに…変換させるぅ…あああっ!」

 

 気が付けばアスフィの下着は脱がされていた。胸元もはだけ、おっぱいが露出しているが服は着ている。マントも装着されたままだが、その短いスカートの中にはもうパンツは履かれておらず、びっしょりと濡れたアスフィまんこが物ほしそうにひくついていた。

 

 「…しっかり出来上がってしまったな、アスフィたん?本来ならここで挿入としたいところだが、せっかくの美女だし、お礼に一回イかせてやろう」

 

 「えっ…ああっ…だめぇ…」

 

 アスフィのまんこは、ハムザの指を二本、あっさりと受け入れた。長い愛撫ですっかり敏感になってしまった膣内を、二本の指が的確に刺激する。びしょびしょにシーツを濡らしながら、気づけばアスフィは全力で股を開き、その快楽に身を任せていた。

 

 「あぁぁぁぁぁ、気持ちいいっ…そこだめっ…あん…あんっ…あっい、イく、あああっ…!」

 

 ビクン、ビクン、と痙攣するアスフィ。それと同時に、膣内が数回うねるのが指の感触で伝わってきた。

 

 「おほほほ、イってしまったなアスフィたん。しかし、なかなかの感度だ。こりゃ生ハメセックスも期待できそうだなぁ」

 

 「…あぁ、もう。いいから、はやく入れてください…」

 

 あっさりとイってしまったことに少し恥じらいながらも、半ばあきらめたようにペニスを求める。

 

 「どうせ、中出しするまで終わらないんでしょう…?」

 

 ハムザはアスフィに覆いかぶさり、まんこにペニスをあてがった。

 

 はぁ、とため息をつくアスフィ。その瞬間、そそり立つ固いペニスがアスフィを満たした。

 

 二人が暗闇に消えてから、数刻。不安げな顔をして、ヘルメスは考え込んでいた。

 

 (いくらなんでも、遅いな、アスフィ…。少し心配だから、様子を見に行った方がいいか)

 

 ヘルメスは二人が消えていった暗闇の方向へ歩いて行った。ほどなくして、ぼろぼろの中型テントが視界に入る。紅目の男は、向こうにテントがあると言っていたからおそらくここで間違いないだろう。近づくと、男女のあえぎ声が聞こえてくる。ヘルメスはそっと、テントの入り口を開いて中の様子を覗いてみる。

 

 「あんっ、もっと、もっと激しく突いて下さいっ!私、ずっとこうやって名前も知らない男とエッチしてみたかったんです…!あぁ、この背徳感がたまらないっ!ああっ…」

 

 「はははは、それはよかった!よっし、では三発目行くぞ!アスフィまんこに種付けフィニッシュじゃ~!」

 

 ペニスから出る精子を全て逃がさないように、アスフィはがっちりと両足で腰をロックしながら射精を受け止めた。

 

 どくん、どくんと精子があふれ出てくるのを感じながら、アスフィは呟いた。

 

 「思ったよりも、癖になりそうですね…。すれ違った程度の見知らぬ男に声をかけられ、求められ、それに応じてただ快楽のためだけに情事にふける…。しまいには中出しを三回も…。いつも理知的に振る舞わなければいけない分、そんな背徳的な行為が開放的で、新鮮で、とても…刺激的です」

 

 射精後の余韻に浸りながら、ハムザはアスフィの上半身を起こし濃厚な口づけをした。アスフィはあっさりそれに応じ、唾液をたっぷり絡めながら舌と舌で激しく求めあった。

 

 「んっ…むっ。…おまけにこんな口づけまで。まるで恋人同士みたいに…。ふふふ。本当に、癖になりそう…」

 

 「そんな分析しなくてもいいんだぞ、アスフィたん。それに俺以外の男とこんな事したら、許さんぞ」

 

 「あら、妬いてくれるんですか?でもご心配なく、私に男漁りをする時間なんてありませんから…」

 

 「ねぇ、ヘルメス様?」

 

 テント内での情事を覗いていたヘルメスは、ぎくりと顔を引っ込めたたが、バレては逃げようがないと思ったのか微笑みながら入ってきた。

 

 「やぁやぁ、主神としては我が子に楽しんでもらって、なによりだよ、アスフィ。ほら二人とも服を着て」

 

 「おい、愛する二人のセックスをのぞき見するなんて、いい趣味してるじゃないか、神ヘルメス」

 

 ハムザはズボン履こうとしたがバランスを崩し、前につんのめってベッドに倒れた。

 

 「あははは…いやぁ、主神として我が眷属が心配でならなかっただけだよ、本当に、ただ心配で。決してちょっと覗いてみようとか、どんなエッチを楽しんでるのかとかを考えていたわけじゃないんだ、いや、本当さ」

 

 アスフィは嘆息した。

 

 「はぁ…本当に、私は素晴らしい神格者に恵まれてとても幸せですよ、ヘルメス様…」

 

 「いやぁ、それほどでも。しかし君、さすがはイシュタル・ファミリアと言ったところかな?あのアスフィにあそこまで言わせるなんて。それにその常人離れした精力。まさしく愛の神の寵愛を受けた、切り札ってところかな?」

 

 鍔付き帽子を深く被りなおしながら、抜け目のない鋭い目つきでヘルメスは見据えた。

 

 「はぁ?イシュタル・ファミリア?お前は何を言ってんだ。俺はハムザ。テルクシノエ・ファミリアの団長、ハムザ様。わかったらさっさと出ていけ。あぁ、アスフィたん君は俺とセックスがしたくなったらいつでもここに来ていいんだぞ。さぁ、胡散臭い神様は行った行った」

 

 「は、はぁ…?」

 

 間抜けに口をあんぐりと開け、呆然とするヘルメス。

 

 

 「ちょっと、どういうことですかヘルメス様っ!」

 

 テントから追い出され、数刻前よりも更に暗さが増した路地の一角を歩きながら、アスフィは今も怒鳴り続けていた。

 

 「だぁかぁらぁっ!もし最初からあの男がイシュタル・ファミリアの団員じゃないとわかっていたら、最初から殺してしまえばよかっただけじゃないですか!まったく、もう。ほんっと、神様の癖してぜんっぜん役に立たないんですから!それにあいつ、言ってましたよね。『これから娼婦を抱きに行きたいが、お金がない』って!よくよく考えれば、イシュタル・ファミリアの団員だったら絶対にそんなことにはなりませんって…」

 

 不平不満は止まらない。

 

 「なんでその時におかしいと思わなかったんです!?私は当然思いました。でもヘルメス様を信じました。その結果私は三発も濃いのを中に出されて!これから朝まで避妊薬を調合するはめになっているのも、全部ヘルメス様のせいですからね。結局神イシュタルには会えず仕舞ですし、何の収穫もなかったじゃありませんかっ!」

 

 ヘルメスはまぁまぁとか、ごめんよぉ、と弱々しく口にしながら、最後の部分だけを訂正した。

 

 「まぁ、落ち着いてくれよアスフィ。収穫ならあったさ。あの男がテルクシノエの子供で、おそらく特殊な力を持っているってことが分かったから。これは神の直感だけど、アスフィ、経験値-エクセリア-にブーストがかかってたりするんじゃないかな?とりあえずホームに着いたら、ステイタスを更新してみよう。明日俺はテルクシノエと話しをしてみるよ。きっと何か情報が引き出せるはずさ」

 

 「はぁ、で、そのテルクシノエっていうのはどんな神様なんですか?」

 

 「うーん。あいつはムーサの一柱さ。芸術を司る神様だ。俺たちの間では、誘うもの者って呼ばれていてね。天界にいる時は、それはもう変わっていたさ…」

 

 そうなんですか、と嘆息するアスフィ。今日は散々だった。ホームに帰ってからも忙しい時間が待っているだろう。中立を気取るヘルメス・ファミリアにはさまざまな依頼が舞い込む。その全てを一身に受けるアスフィには、彼女が言う通り時間などほとんどないようなものだった。

 

 (あの男のセックス、まぁまぁ良かったですが…本当に今度顔を出したら、また優しい言葉をかけてくれるでしょうか…)

 

 ぶるんぶるん、と頭を振るアスフィ。

 

 いけない、いけない。一夜の関係はそれ以上でも、以下でもない。一度だけの逢瀬なら情も移らずに済もうものの、何度も逢瀬を重ねれば来る未来は目に見えている。ファミリアの団長として、他のファミリアの団長と個人的に仲良くなるなんて考えてはいけないことだ。

しかし、きっとまた機会は巡ってくるだろう。アスフィは、そんな事を思いながらこの日最後のため息を漏らした。

 

 (はぁ…ハムザ、か。また会えるといいですね…)

 

 

 魔石灯で彩られたオラリオの夜景は、騒々しくも活気があり、雑多でありながら綺麗だった。ダンジョンから帰還した冒険者たちの興奮した声色や、そんな冒険者を癒す極上の酒へと誘う売り子たちの活発な声に、アスフィのため息はかき消されていった。

 




練習で書いているものです。クオリティはあまり追及していないので、誤字脱字、本編との矛盾等はご容赦ください。
ご意見・ご感想大歓迎です。
変な点があったら教えてください。しょっちゅう加筆しています。
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